本堂





本堂(ほんどう)とは、仏教寺院において、本尊仏を安置する建物の呼称。仏堂の一種。




目次






  • 1 解説


  • 2 備考


  • 3 参考文献


  • 4 関連項目





解説


日本では一山の本尊を安置する、寺院の中心的な堂を指して「本堂」あるいは「金堂」ということが多い。「金堂」が飛鳥時代から平安時代前半にかけての古代創建の寺院で多く使われているのに対し、「本堂」は宗派にかかわらず、古代以降も含め広く使用される。ただし、奈良時代創建の寺院でも、新薬師寺、西大寺のように現在は「本堂」という名称を使用している寺院もある。延暦寺など天台宗寺院では同様の建物を「根本中堂」もしくは「中堂」と呼称し、禅宗寺院においては「仏殿」と呼称することが多く、黄檗宗では「大雄宝殿」という。しかし、禅宗にあっても特に方丈形式の中心堂宇を指して「本堂」と称する場合も多い。


一般的に大陸より初期に渡来した系統の伽藍においては「金堂」、禅宗にあっては「仏殿」、日本的発展を遂げた寺院では「本堂」と称すると理解してよいが、上述のように明確な区別は困難である。


また、室生寺や當麻寺のように「金堂」と「本堂」が別個に存在する寺院もある。室生寺(奈良県宇陀市)には平安時代前期以来の「金堂」(国宝)があるとともに、鎌倉時代末期の延慶元年(1308年)に造営された灌頂堂が「本堂」(国宝)と呼ばれている。奈良時代に建てられた當麻寺(奈良県葛城市)でも創建当初の本尊仏である弥勒菩薩を安置する仏堂を「金堂」(国宝)と称するのに対し、院政期の永暦2年(1161年)に建造された、当麻曼荼羅のある曼荼羅堂を「本堂」(国宝)と呼称する。これらは、寺院創建当初の古代にあって本尊仏を祀った建物を「金堂」とし、時代の変遷のなかで信仰対象の中心がかわり、のちに当該寺院の中心的な施設となった建物を「本堂」と称して、両者を使い分けるようになったものである。




備考


本堂を称する氏に中世から近世にかけての出羽の本堂氏がある。



参考文献



  • 藤原義一「本堂」日本歴史大辞典編纂委員会編集『日本歴史大辞典 8』河出書房新社、昭和54年(1979年)11月。

  • 藤田勝也・古賀秀策『日本建築史』昭和堂、平成11年(1999年)4月。ISBN 4-8122-9805-9



関連項目






  • 仏堂







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