生態系
海洋生態系を育むサンゴ礁 生態系 (せいたいけい、英: ecosystem )とは、生態学においての、生物群集やそれらをとりまく環境をある程度閉じた系であると見なしたときの呼称である。 目次 1 定義 2 生態系の成り立ち 3 物質循環とエネルギーの流れ 4 様々な生態系 5 生態系を構築する試み 6 脚注 7 参考文献 8 関連項目 9 外部リンク 定義 ある一定の区域に存在する生物と、それを取り巻く非生物的環境をまとめ、ある程度閉じた一つの系と見なすとき、これを生態系と呼ぶ [1] 。 生態系は生態学的な単位として相互作用する動的で複雑な総体である。 "Ecosystem"という語は1935年にイギリスの生態学者アーサー・タンズリーの論文に初めて現れる [2] 。しかし、実際にこの語を作り出したのはタンズリーの同僚のロイ・クラファムだった (1930年)。 生態系の成り立ち 土壌生態系における食物網(腐食食物網が卓越する) 生態系の生物部分は大きく、生産者、消費者、分解者に区分される。植物(生産者)が太陽光から系にエネルギーを取り込み、これを動物などが利用していく(消費者)。遺体や排泄物などは主に微生物によって利用され、さらにこれを食べる生物が存在する(分解者)。 これらの過程を通じて生産者が取り込んだエネルギーは消費されていき、生物体を構成していた物質は無機化されていく。それらは再び植物や微生物を起点に食物連鎖に取り込まれる。これを物質循環という。 ある地域の生物を見たとき、そこには動物、植物、菌類その他、様々な生物が生息している。これを生物群集というが、その種の組み合わせは、でたらめなものではなく、同じような環境ならば、ある程度共通な組み合わせが存在する。 それらの間には捕食被食、競争、共生、寄生、その他様々な関係がある。捕食-被食関係のような生物間のエネルギーの流れを食物連鎖と呼ぶが、近年ではその複雑さを強調して食物網 [3] が用いられることが多い。 食物網を見渡すとき、植物、それを食べる植食者、さらにそれを食べる肉食者というように生きたものを起点とする食物網がある。これに対して、生