道路運送車両法
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
道路運送車両法 | |
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日本の法令 | |
通称・略称 | なし |
法令番号 | 昭和26年法律第185号 |
効力 | 現行法 |
種類 | 法律 |
主な内容 | 道路運送車両などについて |
関連法令 | 道路交通法、道路運送法、使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法) |
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道路運送車両法(どうろうんそうしゃりょうほう)は、日本の法律である。この法律の目的は、「道路運送車両(自動車、原動機付自転車および軽車両)に関し、所有権についての公証等を行い、並びに安全性の確保及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備についての技術の向上を図り、併せて自動車の整備事業の健全な発達に資することにより、公共の福祉を増進すること」(同法1条)とされる。
近年では、自動車のリサイクル促進、リコール制度、「不正改造」などに関して法改正が行われている。
目次
1 構成
2 道路運送車両
3 軽自動車検査協会
4 道路運送車両の保安基準
4.1 自動車の保安基準
4.2 原動機付自転車の保安基準
4.3 軽車両の保安基準
5 適用除外
6 資格
7 脚注
8 関連項目
9 外部リンク
構成
- 第1章 総則
- 第2章 自動車の登録
- 第3章 道路運送車両の保安基準
- 第4章 道路運送車両の点検及び整備
- 第5章 道路運送車両の検査
- 第5章の二 軽自動車検査協会
- 第1節 総則
- 第2節 設立
- 第3節 管理
- 第4節 業務
- 第5節 財務及び会計
- 第6節 監督
- 第7節 解散
- 第6章 自動車の整備事業
- 第7章 雑則
- 第8章 罰則
- 附則
道路運送車両
この法律で道路運送車両とは、自動車、原動機付自転車及び軽車両をいい、それぞれ以下のように定義されている。
自動車 - 原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具であつて、次項に規定する原動機付自転車以外のもの
- 普通自動車 - 小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外の自動車。車両総重量が8トン以上乃至最大積載量が5トン以上の大型貨物自動車に関しては、90km/hで作動する速度抑制装置の装着義務が課せられる(8条4項及び5項、2003年9月1日改正)。
- 小型自動車 - 四輪以上の自動車及び被けん引自動車で自動車の大きさが長さ4.70メートル以下、幅1.70メートル以下、高さ2.00メートル以下であるもののうち軽自動車、大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外のもの(内燃機関を原動機とする自動車(軽油を燃料とする自動車及び天然ガスのみを燃料とする自動車を除く。)にあつては、その総排気量が2000cc以下のものに限る。)、および二輪自動車(側車付二輪自動車を含む。)及び三輪自動車で軽自動車、大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外のもの
- 軽自動車 - 二輪自動車(側車付二輪自動車を含む。)以外の自動車及び被けん引自動車で自動車の大きさが長さ3.40メートル以下、幅1.48メートル以下、高さ2.00メートル以下であるもののうち大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外のもの(内燃機関を原動機とする自動車にあつては、その総排気量が660cc以下のものに限る。)、および二輪自動車(側車付二輪自動車を含む。)で自動車の大きさが長さ2.50メートル以下、幅1.30メートル以下、高さ2.00メートル以下に該当するもののうち大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外のもの(内燃機関を原動機とする自動車にあつては、その総排気量が250cc以下のものに限る。)
- 大型特殊自動車 - 次に掲げる自動車であつて、小型特殊自動車以外のもの、およびポール・トレーラ及び国土交通大臣の指定する特殊な構造を有する自動車
ショベル・ローダ、タイヤ・ローラ、ロード・ローラ、グレーダ、ロード・スタビライザ、スクレーパ、ロータリ除雪自動車、アスファルト・フィニッシャ、タイヤ・ドーザ、モータ・スイーパ、ダンパ、ホイール・ハンマ、ホイール・ブレーカ、フォーク・リフト、フォーク・ローダ、ホイール・クレーン、ストラドル・キャリヤ、ターレット式構内運搬自動車、自動車の車台が屈折して操向する構造の自動車、国土交通大臣の指定する構造のカタピラを有する自動車及び国土交通大臣の指定する特殊な構造を有する自動車- 農耕トラクタ、農業用薬剤散布車、刈取脱穀作業車、田植機及び国土交通大臣の指定する農耕作業用自動車
- 小型特殊自動車 - 大型特殊自動車の区分前者に該当する自動車であつて、自動車の大きさが長さ4.70メートル以下、幅1.70メートル以下、高さ2.80メートル以下に該当するもののうち最高速度十五キロメートル毎時以下のもの、および大型特殊自動車の区分後者に該当する自動車であつて、最高速度三十五キロメートル毎時未満のもの
原動機付自転車 - 以下に定める総排気量又は定格出力を有する原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具
- 二輪を有するもの(側車付のものを除く。)にあつては、その総排気量は125cc以下(定格出力1.00kW以下)、その他のものにあつては50cc以下(定格出力0.60kW以下)
- 総排気量が50cc以下(定格出力0.60kW以下)のものを第一種原動機付自転車とし、その他のものを第二種原動機付自転車とする
軽車両 - 人力若しくは畜力により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具であつて、馬車、牛車、馬そり、荷車、人力車、三輪自転車(側車付の二輪自転車を含む。)及びリヤカーに該当するもの
軽自動車検査協会
詳細は「軽自動車検査協会」を参照
軽自動車検査協会とは、昭和47年の改正に基づいて設立された団体。62年に民間法人化。
軽自動車の安全性を確保し、及び軽自動車による公害の防止その他の環境の保全を図るため軽自動車の検査事務を行い、併せてこれに関連する事務を行うことを目的とする。(第七十六条の二)
道路運送車両の保安基準
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略して通称保安基準と呼ばれる。本法第三章条文中にある「国土交通省令で定める保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準」にあたり(昭和二十六年七月二十八日運輸省令第六十七号)、自動車においては本法第五章で規定されている「自動車の検査」(=いわゆる車検)の基準でもある。その詳細については通常、省告示として別途公告される。
自動車の保安基準
- 長さ12メートル、幅2.5メートル、高さ3.8メートル以下
- 軸重10t、輪荷重5t以下
- 接地圧200kg/cm(圧力の単位ではないので“kg/cm2”ではない)
- 最小回転半径12.0メートル
高速道路を走行するバスは全乗員乗客分のシートベルトを備える事
定員30名以上のバスは非常口を備える事- 前部へ赤色、後部へ白色の灯火類を設置しない事(後退灯を除く)
など。
なお、書類審査による基準の緩和を行う事で、以上の基準を満たさない特殊車両も車検が可能になる。
原動機付自転車の保安基準
- 長さ2.5メートル、幅1.3メートル、高さ2メートル以下
など。
軽車両の保安基準
- 長さ4メートル、幅2メートル、高さ3メートル以下(人力)
- 長さ12メートル、幅2.5メートル、高さ3.5メートル以下(畜力)
など。
適用除外
- 自衛隊の車両
自衛隊法第百十四条及び自衛隊法施行令第百五十七条の定めにより、政令で定めるものや、防衛大臣の申し出により国土交通大臣が指定した自動車は、道路運送車両法が適用除外となる。適用除外となる自動車については、訓令でもって防衛省独自の保安基準が定められている[1]。
在日米軍の車両- 在日外交官車両
- 道路交通に関する条約の締約国で登録された自動車
道路交通に関する条約を締約した国で登録され日本に持ち込まれた自動車に関しては、道路運送車両法の一部規定が適用除外となる[2]。
資格
- 自動車整備士
脚注
^ 自衛隊の使用する自動車に関する訓令
^ 道路交通に関する条約の実施に伴う道路運送車両法の特例等に関する法律
関連項目
- 道路交通法
- 自動車整備業
- 日本のナンバープレート
- 車台番号
- 保安基準の緩和
- 自動車検査員
- 自動車検査主任者
- 整備管理者
- 自動車整備士国家試験
自動車検査登録制度 - 自動車検査証 - 自動車登録ファイル
トロリーバス - 「原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具」で「架線を用いるもの」。
外部リンク
- 道路運送車両法
- 道路運送車両法施行令
- 道路運送車両法施行規則
- 道路運送車両の保安基準
なお、自動車登録制度に関して法が政令・省令委任事項としている事項については、別に制定されている自動車登録令および自動車登録規則で規律されている。
- 軽自動車検査協会