円覚経
『円覚経』(えんがくきょう)、正式名称『大方広円覚修多羅了義経』(Mahāvaipulya pūrṇabuddhasūtra prassanārtha sūtra, だいほうこうえんがくしゅたらりょうぎぎょう)は、唐の仏陀多羅訳とされる。1巻。見《佛書解說大辭典》第一卷281頁。
仏教の中国で撰述された経典(疑経または偽経)の一つで、「大円覚心」を得るための方法を説く。
沿革
7世紀末より8世紀初めにかけての成立であると考えられているが、初期の禅宗の灯史である『伝法宝紀』(でんほうぼうき、713年)に早くも引用されている。その後、圭峰宗密(780年 - 841年)により大々的に喧伝され、また所依とされるようになった。
さらに後世、同じく中国撰述経典である『楞厳経』(りょうごんきょう、具名『大仏頂如来密印修証了義諸菩薩万行首楞厳経』)と共に「教禅一致」を説く経典と見なされ、宋・元・明と時代が下がるに従って重視されるようになった。なお、道元は「教禅一致」に批判的な立場で、この二経の価値を全く否定したということが知られる。
テキスト
- 『大正新脩大蔵経』巻17「経集部」第4 所収本
- 南懷瑾: 《<圓覺經>略說》
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