ルーレット







ルーレット




ベットされたチップ


ルーレット (フランス語: roulette) は、回転する円盤に球を投げ入れ、落ちる場所を当てるカジノゲーム。ルーレットはカジノの女王とも呼ばれ、多くのカジノで提供されている。19世紀初めにフランスで現在の形が完成し、「小さな輪」を意味するフランス語がゲームの名前となった[1]




目次






  • 1 歴史


  • 2 ルール


    • 2.1 概要


    • 2.2 ゲームの手順


    • 2.3 賭けの種類


      • 2.3.1 インサイドベット


      • 2.3.2 アウトサイドベット


      • 2.3.3 その他






  • 3 特徴


  • 4 国別 アメリカンスタイルとヨーロピアンスタイル


  • 5 機械式ルーレット


  • 6 戦略


  • 7 その他の「ルーレット」


  • 8 ルーレットを扱ったフィクション


  • 9 脚注


  • 10 参考文献





歴史


17世紀のイタリアにはオカ (Hoca) と呼ばれる原型のゲームが存在し、E-Oやブール、そしてルーレットに変化していった。レイアウト(賭け金を置くテーブル)の形は1655年にパスカルが考えたとされている[2]


古典的なルーレットは0と00が存在し、現在のアメリカンスタイルと同じ38区分のものだった。1841年にドイツでカジノを経営していたフランス人・ブラン兄弟の考案で37区分に変更され、ヨーロッパで人気を博した[1]


現在、マカオなどではサーバーから送られるルーレット動画(デジタルルーレット)を相手にしたゲームが主流。かつてのように、ディーラーがサーブをし、ペイメンがチップの配当を出すルーレット台はあまり置かれていない。



ルール



概要




ヨーロピアンスタイルのホイール


ホイール(回転盤)は均等に区切られたボールの落ちるポケットがあり、数字が記されている。ポケットには赤か黒かの色がついており、0(00、000)は緑色である。ホイールの種類はヨーロピアンスタイルとアメリカンスタイルの2種類が主流であり、その他にはメキシカンスタイル(39区分)などがある。ホイールの種類によって数字の並びやオッズが異なる。



  • ヨーロピアンスタイル 37区分(1から36、0)

  • アメリカンスタイル 38区分(1から36、0、00)

  • メキシカンスタイル 39区分(1から36、0、00、000)


メキシカンスタイルは現在ではほぼ見られない。また、0、00のいわゆるアメリカンスタイルであるが、数字の配列が異なるホイールも地域によって見ることが可能である[3]



ゲームの手順



  1. ディーラーがベルを1回鳴らし、ベット(賭け)の開始をプレイヤーに知らせる。

  2. プレイヤーはめいめいベットを行う。

  3. ディーラーが上部のノブをひねってホイールを回転させ、回転方向と逆にボールを投げ入れる。

  4. プレイヤーは追加でベットを行う。あるいはベットの変更を行う。

  5. 一定時間が経過しボールが回転している間にベットの終了をディーラーが宣言する。英語の場合はノー・モア・ベットと告げ、ベルを2回鳴らすあるいはテーブルを撫でるような仕種を行う。

  6. ボールがポケットに落ちた場所をディーラーが宣言する(例:「Red 9」)。

  7. ディーラーが外れたチップを回収し、的中したベットに対して配当を行う。


チップには通常のチップでなくルーレット専用のプレイヤーごとに色分けされたチップを利用する。ベットを行う際は自分でテーブルの上にチップを置くか、ディーラーに宣言してチップを渡す。不明瞭なベットや締め切り後のベットはファウルとして没収される。


ハウスによって細かい部分は異なっている。ベットのタイミングは球が投げ入れられる前でも後でも良い場合が多いが、アジア地域などの一部のカジノでは投げ入れられる前にしか賭けられない場合がある。このルールは客側に大きく不利であるため、ディーラーではなく機械がボールを投げ入れる機械式のホイールを使用することがある。


多くのカジノでは出た数字の履歴を表示するボードが用意されているので、必要であれば参照することも可能である[4]



賭けの種類


ルーレットのベットには、赤か黒か、奇数か偶数かの配当2倍に賭けるものから、1枚賭けと呼ばれるある唯一の数が出ることに賭ける配当36倍まで、様々な賭け方が存在する。0(00、000を含む)は緑色であり、偶数や小とは認められず、アウトサイドベットに対してはディーラーの総取りとなる[5]




ヨーロピアンスタイルのルーレットのテーブル



インサイドベット



  • 1目賭け - 特定の数字1つに賭ける。配当は36倍。

  • 2目賭け - 隣り合った数字2つに賭ける。配当は18倍。

  • 3目賭け - 横一列の数字3つに賭ける。配当は12倍。

  • 4目賭け - 十字の4方向にある数字4つに賭ける。配当は9倍。

  • 5目賭け - 横2列の数字5つ(0、00、1、2、3)に賭ける。配当は7倍。唯一期待値が異なる(不利な)賭け方である上に、ハウスによっては6目賭けと同配当とするところも存在する。この賭け方を認めていないハウスも多い。

  • 6目賭け - 横2列の数字6つに賭ける。配当は6倍。



アウトサイドベット



  • 縦一列 - 縦1列の数字12個に賭ける。配当は3倍。

  • 大中小 - 1~12、13~24、25~36のどれかに賭ける。配当は3倍。

  • 前半・後半 - 1~18、19~36のどちらかに賭ける。配当は2倍。

  • 奇数・偶数 - 奇数か偶数のどちらかに賭ける(0、00を除く)。配当は2倍。

  • 赤・黒 - 赤色の数字か黒色の数字のどちらかに賭ける。配当は2倍。



その他


ヨーロッパでは上記以外の種類の賭けを提供している。賭けの内容を発声によってディーラーへ伝える[6]



  • フィナーレ - 数字の一の位に対して賭ける。配当は3目賭けまたは4目賭けと同じ。

  • ゼロ周辺 - ホイールの並びで0の近くにある数字に賭ける。周辺17個に賭けるパターンと、周辺7個に賭けるパターンがある。



特徴


基本的にどのようなベットをしても控除率が一定になるようオッズが調整されている。アメリカンスタイルの場合は 5.3% (2/38)、ヨーロピアンスタイルの場合は 2.7% (1/37)が確率統計的にカジノの収益になる。プレイヤー間の勝負は無く、常にカジノとの勝負になる。アメリカンスタイルの控除率は他のカジノゲームと比較して高く、ヨーロッパに比べてアメリカでは人気が低く、ブラックジャックやバカラなどの他のゲームのほうが人気が高い。アメリカンスタイルのラスベガスではルーレットの利用者は全来客者数の2%に留まり人気が低迷している[6]。一方、ラスベガスを抜いて、世界一のカジノ国になったマカオではヨーロピアンスタイルを採用しており、どのカジノもテーブルでプレイヤーがあふれていることが多い。したがって、カジノ側はテーブルゲームのほかに、機械式のルーレットを設置し多くのプレイヤーをさばいている。


主なプレイスタイルとして、オッズが低く当たりやすいベットを多額で狙う、賭けることなく履歴を確認しチャンスと思った所で勝負する、通りすがりに一枚賭けで大勝負、などがある。クラップス同様、他のシリアスなゲームの緊張感をほぐす意味で遊ばれることもある。



国別 アメリカンスタイルとヨーロピアンスタイル


上記特徴の通り、ヨーロピアンスタイルのほうがプレイヤーに有利ではあるが、必ずしもヨーロピアンスタイルに人気が集中しているわけではない。例えば、シンガポールのマリーナベイ・サンズには、同じカジノフロアに両スタイルのテーブルが存在し、ヨーロピアンスタイルのほうが人気は高いものの、アメリカンスタイルにも多くのプレイヤーが参加している。ラスベガスであっても、最低賭け金の高いテーブルに置いてヨーロピアンを採用しているカジノも存在する。



  • 主にアメリカンスタイルを採用する国

    • アメリカ・韓国


  • 主にヨーロピアンスタイルを採用する国

    • フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・ポルトガル・オーストリア・フィリピン


  • 単一ではないパターンを採用する国

    • シンガポール・マカオ[7]








機械式ルーレット


ヨーロピアンスタイルルーレットを採用する国々では、多くのプレイヤーが集まりテーブルゲームのみでは、プレイヤーが集中しすぎてさばききれない。そこで、1つのルーレットを用いて50席以上の機械を設置し、多くのプレイヤーを参加させている。また、カジノ側もディーラーを最低2名以上配置すればよく、かつチップの配当や回収に時間がかからず、一定の時間内でプレーができ効率的である。マカオやシンガポールでは多くのプレイヤーが、テーブルゲームよりも機械式を好む傾向がある。



戦略


ルーレットの期待値はカジノ側が有利に設定されているが、賭ける金額を操作することでその分散を変化させることは可能である。マーチンゲール、ダランベールなどのベッティングシステムが存在し、有料で販売されているベッティングシステムもある。手法によっては賭け金が膨らみ、損失が大きくなる危険性がある[8]


ディーラーがボールを任意の場所に入れられるかどうかについて議論されることがある。フィクションでは演出のためにディーラーが出目を操れるという設定がなされることがあるが、現在の一般的なカジノの条件では不可能とされている。仮にディーラーが意図的に出目を狙えるとした場合、ルーレットはプレイヤーとの間で心理的な読み合いを行うゲームとなる。一方でそのようなディーラーは簡単に不正ができる為、カジノが雇わないだろうと考えられている。特定の出目を外すようなコントロールは実現性があり、実際にそのようなディーラーが存在していたという[9]



その他の「ルーレット」


・人生ゲームなどのボードゲームでサイコロの代わりに回されたり、抽選に使われたりするものの名称として使われることもあるが、形状から名称が付けられているものであり、当然カジノとは関係がない。


・フジテレビで過去に『一攫千金!日本ルー列島』という、日本列島をルーレット盤に見立てて出演者がチップを賭けてクイズに挑戦する番組があった。


・黒が連続で出た回数として24回がギネスブックに載っている。



ルーレットを扱ったフィクション


小説

  • 『賭博者』(1866年) - ドストエフスキーのルーレットを題材とした小説。

漫画


  • 「マカオの男」(1970年) - 藤子不二雄Aの短編漫画(『ヤングコミック』1970年6月24日号)。マカオのカジノが舞台。『藤子不二雄Aブラックユーモア短篇集』第2巻(中公文庫)などに収録。

  • 「赤か黒か」(1970年) - 藤子不二雄Aの短編漫画(『月刊明星』1970年7月号)。フランス・ディヴォンヌのカジノが舞台。『藤子不二雄Aブラックユーモア短篇集』第2巻(中公文庫)などに収録。

  • 『100万$キッド』(1986-1988年) - 石垣ゆうき(原案協力:宮崎まさる)のギャンブル漫画。第18話および第36話〜第49話でルーレットが題材となっている。



脚注



  1. ^ ab『ザ・カジノ完全ガイドブック』86-87頁


  2. ^ 『カジノゲーム入門事典』17頁


  3. ^ 一例として、シンガポールはヨーロピアンスタイルの0と26の間に00があるホイールを用いるカジノがある。


  4. ^ 『ザ・カジノ完全ガイドブック』90頁


  5. ^ オーストラリアスタイルのように、元返しとなるルールもある

  6. ^ ab『ザ・カジノ完全ガイドブック』95-97頁


  7. ^ ただし、両国ともダブルゼロホイールの配列はラスベガスなどの典型的なアメリカンとは異なる。


  8. ^ 『カジノゲーム入門事典』33-38頁


  9. ^ 『カジノゲーム入門事典』30-32頁



参考文献



  • 谷岡一郎,松田道弘 『カジノゲーム入門事典』 東京堂出版、1996年。ISBN 4-490-10445-6。

  • 黒野十一 『ザ・カジノ完全ガイドブック』 新潮社、2004年。ISBN 4-10-418802-6。
















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