鉄砲堰
鉄砲堰(てっぽうぜき、てっぽうせき)は、林業において木材運搬(流送)のために使われた堰(ダム)。鉄砲堰の名は、かつて埼玉県秩父地方で呼ばれていたものであるが、堰を使った木材の流送手段は、全国各地に存在した。
概要
林道や自動車などのインフラが整っていない時代は、山奥で伐採した木材の運搬手段の確保が重要な課題であった。そこで、河川の流量が比較的大きい場所では筏流しが行われたほか、より上流の急流部の渓流では、丸太で堰(小型ダム)を建設し、水を貯めてから破堤させ、木材を下流に押し流すという流送手段が用いられるようになった。東日本における鉄砲堰は、秋田式と越中式に二種類に大別されている。
林道の建設が進み、国産貨物自動車の性能が向上すると、鉄砲堰は瞬く間に全国から姿を消したが、1990年代には秩父市で文化的側面を再評価する動きが起こり、復元されたこともあった。
参考文献
小久保徹「鉄砲堰の復元と記念放流」、『かわはく』第25号、さいたま川の博物館、2006年、 7頁。(かわはくNo.25(2017年1月7日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project)- 鉄砲堰と筏流し(荒川工事事務所)
中津川の鉄砲堰製作技術 - 文化遺産オンライン(文化庁)
関連項目
- 埼玉県立川の博物館
- 中津川 (埼玉県)
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