山菜
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山菜(さんさい)とは、山野に自生し、食用にする植物の総称。通常栽培はされず、自生しているものを採取する。
山野に限らず、ハマボウフウやオカヒジキのように海浜に自生する食用植物も「山菜」に含む。
ノビルやヨモギなど、土手やあぜ道に自生している植物で食用になる場合もあるが、これらは普通山菜とは区別して野草と呼ばれる。
目次
1 特徴
2 山菜の保存法
2.1 乾物
2.2 塩漬け
3 山菜水煮
4 山菜の採取
4.1 山菜採りの注意事項とマナー
5 主な山菜
6 山菜と間違えやすい毒草
7 注釈・出典
8 関連項目
9 外部リンク
特徴
いわゆる野菜として栽培されているものは、長い歴史の中で栽培植物として品種改良を受けてきた。そのため味が良く、収穫量も多い。それに対して野生植物である山菜は、収穫量も多くなく、味にもやや苦みがあったり灰汁があったりと、やや難がある場合が多い。しかし、そこに独特の風味や変化が楽しめるという見方もある。また栽培種がさほど季節を問わないのに対して、野生植物にははっきりした季節の変化があり、それを採取するのが季節の楽しみという面もある。
地域によっても種に違いがあるため、地域の特異性も見いだしやすい。山里ではそれぞれに山菜料理を名物にしている店がある。もっとも近年では山菜も栽培される例が少なくなく、広く流通しているものもある。そのため、名物の山菜料理がある程度どこでも同じものを出している、という例が少なくないのも事実である。
山菜の保存法
乾物
山菜は乾燥させて乾物として保存される。
塩漬け
山菜は塩漬けにして保存されることも多い。かつては冬季の重要な食料の一つであった。
山菜水煮
1960年代の日本においてレトルトパウチ食品の普及が始まると、ワラビ、ゼンマイ、ナメコ、キクラゲ、タケノコといった数種の山菜をカットして水煮し、パック詰めした「山菜水煮」、「山菜ミックス」などと呼ばれる加工食品が出現した。これらは調理の手間がかからず野菜の風味を加えることができる上、季節を問わず入手できるため、外食産業に急速に普及した。
蕎麦やうどん店においては、山菜水煮を振りかけるだけで作れる「山菜そば」「山菜うどん」がまたたく間にメニューの定番となり、特に簡素な立ち食いそば・うどん店で大いに重宝された。
また、喫茶店やデパート大食堂のような大衆向け外食においても、山菜水煮を用いた「山菜ピラフ」「山菜スパゲッティ」といった和洋混淆の珍奇な料理が次々と開発され、人気を博した。
家庭向けにおいても、山菜水煮を用いた「おこわの素」「炊き込みご飯の素」が販売され、急速に普及しつつあった炊飯器に混ぜて炊くだけという簡便さが人気を博した。
平成期になると、生鮮野菜が広く流通するようになり野菜の風味付けとして貴重でなくなったことに加え、肉食文化の普及により山菜類が一般的に好まれなくなったことから、山菜水煮の需要は減退の一途をたどることとなった。
山菜の採取
山菜採りの注意事項とマナー
- 山菜には似た見かけの毒をもった植物がある場合がある。これらを見分けるには知識と経験が必要であり、素人がむやみに山菜を採って食べると食中毒の危険がある。
- 日本には所有者のいない山林は存在しない。私有・公有問わず『関係者以外入山禁止』や『動植物・鉱物採取禁止』の山に入り、山菜を採取する行為は侵入罪や窃盗罪にあたる。例えば2009年5月中旬、中部山岳国立公園の燕岳山麓の国有林内で『動植物の採取全面禁止』を無視か軽視して行者大蒜を採取していた会社員ら4人が森林法違反(森林窃盗罪)容疑で取り調べを受け、後に書類送検されるなど摘発例は少数ながらも存在する。公有地でも知床などの世界遺産指定区域はもちろん、生態系保全など自然保護から動植物の採取が禁止されている山林も少なからず存在するため、入山前に立て看板等を確認するか管轄市役所等へ確認し、無用なトラブルを未然に防ぐよう努める。
- 食用に適さない大きさのもの(大小、太い細いに限らず)は採取せず、次期の繁殖のため残しておくようにする。
- 先に採取した人が敢えて残したものかもしれないため、誰かが採取した痕跡がある場所では無理に採取を行わず場所を変えて探す。
- 山菜を採りに山に出掛け、遭難死する事例が毎年報告されている。慣れない場所への入山には相応の計画と準備と注意が必要。
- 季節によってはクマやイノシシなどの遭遇にも注意すべきである。必要に応じて熊鈴、ラジオ等を持って行く。
主な山菜
- アケビ
- アザミ
- アシタバ
- アズキナ(飛騨地方ではナンテンハギ、北海道ではユキザサを指す)
- イタドリ
- イワブキ(ダイモンジソウ)
- ウド
ウワバミソウ(ミズ)
オオバギボウシ(ウルイ)- カタクリ
ギョウジャニンニク(別名:アイヌネギ、キトビロ)- クサギ
クコ(カラスナンバン)- コゴミ
- コシアブラ
- シオデ
- シャク
- サルナシ
- スベリヒユ
- セリ
- ゼンマイ
- タカノツメ
- タケノコ
- たらの芽
- つくし
チシマザサ(ネマガリタケ)
ツリガネニンジン(トトキ)- トリアシショウマ
- ハスカップ
- ハナイカダ
- ハマボウフウ
ハリギリ(針桐)- ハンゴンソウ
- フキ、フキノトウ
- ニリンソウ
- マタタビ
- ミツバ
モミジガサ(別名:シドケ)- ヤチブキ
ヤマノイモ(別名自然薯)
ヤマブキショウマ(別名:ジョンナ)
ヨブスマソウ(別名:ボンナ、ボウナ(棒菜))- 山ブドウ
- 山ワサビ
ユキザサ(別名:アズキナ、ピョン)- ワラビ
山菜と間違えやすい毒草
イチリンソウ:二リンソウと間違えやすい。[1]
ウルシ:タラノキ、コシアブラと間違えやすい。
サンリンソウ:二リンソウと間違えやすい。[2]
スイセン:ニラと間違えやすい。[3]
スズラン:ギョウジャニンニクと間違えやすい。[4]
トリカブト:ニリンソウなどと間違えやすい。[5]
ドクゼリ:セリと間違えやすい。[6]
バイケイソウ:オオバギボウシと間違えやすい。[7]
ハシリドコロ:フキノトウと間違えやすい。[8]
注釈・出典
^ 山野草カラー百科 食べる薬になる楽しむ . 日本. pp. 152. ISBN 978-4076011887.
^ 山野草カラー百科 食べる薬になる楽しむ . 日本. pp. 152. ISBN 978-4076011887.
^ 山菜採りの季節、有毒植物による食中毒には注意してください(2009年7月6日時点のアーカイブ) - 埼玉県
^ 中井将善 (2005). 気をつけよう! 毒草100種 (第二版 ed.). 日本: 金園社. pp. 27. ISBN 4-321-24819-1.
^ 中井将善 (2005). 気をつけよう! 毒草100種 (第二版 ed.). 日本: 金園社. pp. 34. ISBN 4-321-24819-1.
^ 羽根田治 (2004). 野外毒本. 日本: 株式会社山と渓谷社. pp. 176. ISBN 4-635-50026-8.
^ 羽根田治 (2004). 野外毒本. 日本: 株式会社山と渓谷社. pp. 116. ISBN 4-635-50026-8.
^ 山菜採りで要注意!!こんなに似ている!有毒植物(2012年1月18日時点のアーカイブ) - 相模原市
関連項目
山菜掘り - 山菜等の採取に使われるナイフ
外部リンク
青森県内の遭難事故発生件数等:青森県庁ホームページ - ウェイバックマシン(2013年12月11日アーカイブ分)
“山菜無断採取疑いで4人書類送検へ 北ア燕岳”. 信毎web (信濃毎日新聞). (2009年7月15日). オリジナルの2009年7月16日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090716080805/http://www.shinmai.co.jp/news/20090715/KT090714FTI090022000022.htm