ソニックチーム
ソニックチーム(Sonic Team)は株式会社セガ(後の株式会社セガゲームス)のコンシューマーゲーム開発部門の一つで、セガの看板作品の多くを輩出している。現在のセガゲームス コンシューマ・オンラインカンパニー第二CS研究開発部にあたる[1][2][3]。ソニックシリーズやナイツシリーズ、ファンタシースターシリーズなどセガのヒット作の多くを生み出している。略称は「ソニチ」。
目次
1 歴史
1.1 開発チーム時代(1990年 - 2000年)
1.2 分社化時代(2000年 - 2004年)
1.3 再統合後(2004年7月 - )
2 ソニックチーム関係者
3 制作した主なゲーム
4 脚注
5 外部リンク
歴史
開発チーム時代(1990年 - 2000年)
ソニックチームという名前が最初に世の中に現れたのは、1991年のメガドライブ用ソフト『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』である。同作ではソフト起動時に「SONIC TEAM PRESENTS」と表示される。この当時のソニックチームとは、セガ・エンタープライゼス(当時)第8AM研究開発部(通称AM8研)内部の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』開発担当チームを指していた。
同作開発後、中裕司は一旦セガを退社し、アメリカ合衆国のスタジオ(セガテクニカルインスティチュート)でメガドライブ用ソフト『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』、『ソニック&ナックルズ』、『ソニック3Dブラスト』を、大島直人はソニック1の一部のスタッフと共に「ソニックCDチーム」を編成し日本のスタジオでメガCD用ソフト『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』、スーパー32X用ソフト『カオティクス』を製作したが、これらの作品には「ソニックチーム」という名称は使用されていない。再びソニックチームの名前が現れるのは、久々に中と大島のコンビが復活した1996年のセガサターン用ソフト『NiGHTS into Dreams...』である[4]。当時のインタビューで中は「ソニックチームの名前がついている作品はソニック1とナイツ、そしてクリスマスナイツの3本だけなんです。理由は簡単。これ以外の作品には大島が参加していませんでしたから」[5](Sega Magazine 1997年1月号より引用)と述べており、当初のソニックチームの定義において2人の存在が重要であったことが伺えるが、次第にソニックチームのブランド名も幅広く使用されるようになっていく。
ソニックチームはその後、『バーニングレンジャー』(セガサターン、1998年)、『ソニックアドベンチャー』(ドリームキャスト、1998年)、『サンバDEアミーゴ』シリーズ(アーケード、ドリームキャスト 1999〜2000年)、『チューチューロケット!』(ドリームキャスト、1999年)などを発表した。1999年にはアメリカに新スタジオ「ソニックチームUSA」が設立された。
分社化時代(2000年 - 2004年)
2000年、セガ・エンタープライゼスは開発の効率化を図り、開発部門を9つの開発会社(ディベロッパー)へ分社化することを決定した。2000年7月1日、セガの第8ソフトウェア開発研究部は分社化により株式会社ソニックチームとして設立され、代表には中裕司が就任した。
この時期の発表タイトルには、『ファンタシースターオンライン』(ドリームキャスト、2000年)、ソニックチームUSA製作による『ソニックアドベンチャー2』(ドリームキャスト、2001年)、ソニックチーム初のアミューズメント施設向け筐体で後にドリームキャストにも移植された『サンバDEアミーゴ』シリーズ(〜2000年)、セガのゲームボーイアドバンス参入第1弾となる『チューチューロケット!』(ゲームボーイアドバンス、2001年)などがある。かつてのような開発チーム名ではなく、社名として広範にわたって使用されるようになったため、ソニックチーム名義での発表タイトルはこの時期に大幅に増えた。
2003年の事業再編時には、同じくセガの開発子会社のひとつであったユナイテッド・ゲーム・アーティスツ(略称UGA、旧AM9研)と事業統合。そのため、現在ソニックチーム公式webサイトにある作品リストには、UGAとしてリリースされた時代の作品も含まれている。『ソニックライダーズ』(プレイステーション2・ニンテンドーゲームキューブ・X-box、2006年)には、UGAの看板タイトル『スペースチャンネル5』の主人公うららが隠しキャラクターのひとりとして登場する。
再統合後(2004年7月 - )
2004年7月1日にセガに再統合されるも、旧ソニックチームを前身とする特定の開発部署によるブランド名として「ソニックチーム」という名称は存続することとなった。2015年4月1日に実施されたセガグループ再編に伴い、以降はセガゲームス コンシューマ・オンラインカンパニー第二CS研究開発部のブランド名となっている。
なお、「ソニックチーム」ブランドが付くかどうかは作品でなく担当部署に依存するため、事業再編や担当部署の違いなどにより、「ソニッククロニクルズ」などのソニックチームブランドのないソニックシリーズ作品や、「ファンタシースター」シリーズ等のように新作でソニックチームブランドが外れたシリーズなども存在する。
ソニックチーム関係者
中裕司 - ソニックシリーズの生みの親。元株式会社ソニックチーム代表取締役。現在は株式会社プロペ社長。
大島直人 - クラシックソニック(初代ソニック)のキャラクターデザイナー。現在は株式会社アーゼスト副社長。
安原広和 - 初期のゲームプランナー兼ディレクター。現在はNintendo Software Technology所属。
中山隼雄 - エクゼクティブ・プロデューサー。元セガ社長。現在は株式会社アミューズキャピタル会長、中山隼雄科学技術文化財団名誉理事長。- 飯塚隆 - ディレクター。代表作に『ソニックアドベンチャーシリーズ』。現在、ソニックチーム統括であり、ソニックシリーズの主なプロデューサーとして活躍。
- 中村俊 - ディレクター。『サンバDEアミーゴ、ジャイアントエッグ~ビリー・ハッチャーの大冒険~、ソニック・ザ・ヘッジホッグ』。
- 上川祐司 - ソニックシリーズのキャラクターデザイナー。『ソニックX』のキャラクター原案をも担当する。
- 星野一幸 - ソニックシリーズのキャラクターデザイナー。『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD、ナイツ、ナイツ 〜星降る夜の物語〜、』
- 川村幸子 - デザイナー。『チャオ』の生みの親。
- 小川陽二郎 - デザイナー。『ソニックアドベンチャー、ソニックと秘密のリング』
酒井智史 - デザイナー。『ソニックアドベンチャー』。のちに『ファンタシースターオンライン2』のプロデューサー。- 茂呂真由美 - ソニック公式サイト『ソニックチャンネル』開発スタッフ。同サイトにてスタッフコラムを掲載。
- 前川司郎 - ゲームプランナー。代表作は『ソニックアドベンチャーシリーズ』。
- 森本兼次郎 - ゲームプランナー兼ディレクター。代表作は『ソニックライダーズシリーズ』。
- 松本卓也 - リードプログラマー。代表作は『バーニングレンジャー』、『ソニックアドベンチャー』。
- 榊原武 - プログラムマネージャー。代表作は『SHADOW THE HEDGEHOG』。
- 戸谷弘一 - リードプログラマー。代表作は『ファンタシースターオンライン』、『ファンタシースターオンライン2』。
- 橋本善久 - プログラマー。代表作は『ソニックアドベンチャー』。
- 松波進也 - プログラマー。代表作は『ソニックアドベンチャー』、『ファンタシースターオンライン』、『ファンタシースターオンライン2』。
- 片野徹 - プログラマー。『ソニック ジャム』、『ソニックアドベンチャー、ソニックアドベンチャー2、ソニックと暗黒の騎士』、
ササキトモコ - ナイツシリーズの主なサウンドクリエイター。現在はフリーで活動中。- 幡谷尚史 - サウンドクリエイター。代表作はソニックCD、バーニングレンジャー、ナイツシリーズ、スペースチャンネル5等
瀬上純 - ソニックシリーズの主なサウンドクリエイター。Crush 40のギタリストとしても活躍。
光吉猛修 - サウンドクリエイター。『日本一歌のうまいサラリーマン』と言われる。現在はグループ会社である株式会社セガ・インタラクティブ所属。
長沼英樹 - サウンドクリエイター。独特の"長沼サウンド"を生み出す。
澤田朋伯 - サウンドクリエイター。代表曲は『Sonic Speed Riders』。
大谷智哉 - サウンドクリエイター。代表曲は『His World』『Dreams of an Absolution』。
床井健一 - サウンドクリエイター。代表曲は『Unknown From M.E.』『Seven Rings In Hand』。
小林秀聡 - サウンドクリエイター。代表曲は『ファンタシースターオンライン』。
吉永匠 - ディレクター。代表作は『きみのためなら死ねる』シリーズ。
制作した主なゲーム
ソニックシリーズ 1991年~
リスター・ザ・シューティングスター 1995年
NiGHTS into Dreams... セガサターン、Wii 1996年、2007年
バーニングレンジャー セガサターン 1998年
サンバDEアミーゴシリーズ AC、ドリームキャスト 1999年、2000年
チューチューロケット! ドリームキャスト、ゲームボーイアドバンス 1999年、2001年
ファンタシースターオンライン、ファンタシースターユニバース 2000年、2006年
ジャイアントエッグ~ビリー・ハッチャーの大冒険~ 2003年
ぷよぷよフィーバー 2004年
脚注
^ セガグループの再編及び新会社設立のお知らせセガプレスリリース 2015年2月12日
^ グループ内組織再編とそれに伴う一部子会社の名称変更に関するお知らせセガサミーホールディングス 2015年2月12日
^ セガグループ再編により,セガを分社化して新会社3社を設立。コンシューマ事業部門はセガネットワークスを吸収合併してセガゲームスへ4Gamer.net 2014年2月12日
^ ただし、1993年のアーケードゲーム『セガソニック・ザ・ヘッジホッグ』のエンディングでは、AM3研(当時)とともに「ソニックチーム」名義が表示される。
^ 前述アーケードゲームエンディングでの大島は「スペシャルサンクス」、中の名はない。
外部リンク
- ソニックチーム
- セガ
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