新交通システム
![]() |
この記事はその主題が日本に置かれた記述になっており、世界的観点から説明されていない可能性があります。ノートでの議論と記事の発展への協力をお願いします。(2018年4月) |
新交通システム(しんこうつうシステム、英: automated people mover)とは、日本における自動運転を指向した都市公共交通機関で、従来のバス・路面電車・地下鉄などの短所を改善した交通システム全般を指す、日本独自の呼称である。本来、特定の形態は定まっていないが、日本では普及が進んだ「自動案内軌条式旅客輸送システム (AGT) 」の呼称として多く用いられている。
目次
1 概念
2 分類
2.1 連続輸送システム
2.2 軌道輸送システム
2.2.1 車上動力
2.2.2 地上動力
2.3 無軌道輸送システム
2.4 複合輸送システム
3 脚注
3.1 注釈
3.2 出典
4 参考文献
5 関連項目
6 外部リンク
概念
日本独自の名称であり、法律上の位置づけも存在していない。国土交通省では、「動輪にゴムタイヤを使用した案内軌条式鉄軌道 (AGT) や、ガイドウェイバスなど、従来の鉄道とは異なる新しい技術を用いた中量軌道輸送システム」とされている[1]が、あくまでさまざまな形態のものを包含する概念とされており、決まった定義はない。日本工業規格 (JIS)では、懸垂式鉄道及び跨座式鉄道、案内軌条式鉄道、無軌条電車、鋼索鉄道並びに浮上式鉄道を「特殊鉄道」として扱っている[2]。
路線の一般道などとの立体交差・自動運転・無人運転のシステムが多く、このうち AGT とモノレールが現在最も普及している。多くの新交通システムは日本万国博覧会、沖縄国際海洋博覧会、神戸ポートアイランド博覧会、国際科学技術博覧会、バンクーバー国際交通博覧会、'88さいたま博覧会、横浜博覧会、国際花と緑の博覧会、2005年日本国際博覧会等の博覧会で試験的に運行されたり、博覧会に合わせて開業される路線もあり博覧会と新交通システムの関係は密接につながっている。博覧会での運行は実用化に向けた試金石でもありその後の実用化に少なからず影響を与える。現在、運行されている新交通システムの原型はその大半が以前に開催された博覧会で運行されたもので、博覧会での運行結果が芳しくなかったものは実用化に至らないことが多い。営業路線として実用化していないものに電波磁気誘導式のバスシステムIMTSがある。
近年新たに開発された交通システムは、このような概念の曖昧な名称を使用することは好まずに、独自の名称が採用されている。例えば「超電導リニア」や「真空チューブ列車」などは、新交通システムと呼ばれない。
分類
1971年の運輸省運輸技術審議会では、新交通システムは「連続輸送システム」「軌道輸送システム」「無軌道輸送システム」「複合輸送システム」の4つに分類された[3]。ここでは日本交通計画協会の新交通システムの分類を元に、「新交通システム」と呼称される場合があるものを一覧する。
連続輸送システム
- 動く歩道
エスカレーター(急勾配システム)
動く歩道(ポートアイランド)
エスカレーター(関西国際空港)
軌道輸送システム
車上動力
自動案内軌条式旅客輸送システム (AGT:Automated Guideway Transit)- ゴムタイヤ車輪の小型軽量車両が自動運転により走行する案内軌条式鉄道で国内外でも普及している。日本で狭義ではこのシステムを指して「新交通システム」と呼ぶ例が多い。
|
|
APM(米:メトロムーバー)
PRT(仏:ULTra)
VAL(仏:リールメトロ)
VONA(ユーカリが丘線)
NTS(ニューシャトル)
KCV(ポートライナー)
AGT標準型(ゆりかもめ)
- ゴムタイヤ式地下鉄
- 案内軌条に従って走行するゴムタイヤ車輪の地下鉄。案内軌条式鉄道の一種。
ゴムタイヤ式地下鉄(東豊線)
- ゴムタイヤトラム
- 路面電車とトロリーバスの長所を併せ持つゴムタイヤ車輪の交通輸送機関。
ゴムタイヤトラム(仏:トランスロール)
- 磁気浮上式鉄道
磁力により車体を軌道から浮上させて推進する、いわゆる一般的な意味での「リニアモーターカー」のこと。
HSST (High Speed Surface Transport)
- 開発:日本航空
- 開発:日本航空
トランスラピッド
- 開発:トランスラピッド(独)
HSST(リニモ)
トランスラピッド(中:上海トランスラピッド)
- モノレール
- 1本の軌条により進路を誘導されて走る軌道系交通機関。
|
|
SIPEM(独:H-Bahn)
上野式(上野モノレール)
サフェージュ式(千葉都市モノレール)
アルヴェーグ式(東京モノレール)
ロッキード式(向ヶ丘遊園モノレール)
日本跨座式(ゆいレール)
BTM(シャトル桂台)
ミニレール(ビスタライナー)
- 鉄車輪式
ライトレール (LRT:Light Rail Transit)
- 輸送力が軽量級な都市旅客鉄道のこと。日本国内では低床車両の路面電車を指すことが多いが、国外では他の中量軌道輸送システムを含む場合もある。
- リムトン
- 開発:UTDC(加)、三菱重工業
ミニ地下鉄
- 従来の地下鉄よりも小型車両を用いた日本独自の交通輸送機関。鉄輪式リニアモーターカーのため「リニアメトロ」「リニア地下鉄」とも呼称される。
- 開発:日本地下鉄協会
LRT(堺トラム)
リムトン(リムトレン)
ミニ地下鉄(大江戸線)
地上動力
- タイヤ走行式
カーレーター
- 開発:日本コンベア
SK
- 開発:Soulé(仏)、日揮
- 開発:Soulé(仏)、日揮
CTM
- 開発:川鉄商事、清水建設、古河電気工業
- 開発:川鉄商事、清水建設、古河電気工業
- 空気浮上式鉄道
- 空気を利用して車体を軌道から浮上させて推進する交通輸送機関。
OTIS SHUTTLE
- 開発:オーチス・エレベータ・カンパニー(米)
- OTIS
- 開発:オーチス・エレベータ・カンパニー(米)
- 磁気浮上式鉄道
M-Bahn
- 開発:AEG(独)、神戸製鋼所
- モノレール懸垂型
- スカイケーブル
- 動力にロープ駆動(駅構内は地上リニアモーター)を利用し、車両自体には駆動装置が無い。レールで分類される場合は前述のIビーム式となる。
- 開発:神戸製鋼所、三菱重工業、新潟鐵工所、清水建設、日本ケーブル
- スカイケーブル
カーレーター(須磨浦山上遊園)
SK(仏:SK 6000)
OTIS SHUTTLE(成田空港第2ターミナルシャトルシステム)
OTIS(米:デューク大学医療センター患者高速輸送機関)
M-Bahn(独:M-Bahn)
スカイケーブル(スカイレール)
無軌道輸送システム
デマンドバス
- 利用者の要求に対応して運行する形態のバス。
バス・ラピッド・トランジット (BRT:Bus Rapid Transit)
- バスを利用した交通輸送機関。二連節バスを用いられる場合が多く、日本の多くの都市で導入が検討されている。
BRT(コロンビア:トランスミレニオ)
複合輸送システム
デュアル・モード・ビークル (DMV:Dual Mode Vehicle)
- 列車が走るための軌道と自動車が走るための道路の双方を走ることができる交通輸送機関。
ガイドウェイバス
- 専用バス車両を使用し、専用軌道と自動車が走るための道路の双方を走ることができる交通輸送機関。日本国内のシステムでは将来需要により AGT へ転換できる[4]。
- 開発:建設省、神戸製鋼所、三菱重工業、日本車輌製造、新潟鐵工所、西武建設、東急建設、熊谷組
IMTS
- 一般道では通常のバスとして、専用道では自動運転で走行可能である、電波磁気誘導式のバスシステム。高度道路交通システムの一種でもある。
- 開発:トヨタグループ
デュアル・モード・ビークル
ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)
IMTS(愛・地球博線)
脚注
注釈
^ 元々はウェスティングハウス・エレクトリック社が開発したAGTの一種のシステムを指す名称であったが、海外ではこのシステムが当初は多く採用されたため、他のシステムを含めた AGT 全体のことを APM と呼称する。三菱重工業で製造された海外・空港向けの車両も APM として輸出している。
^ フランス語発音: [val] ヴァル
^ フランス語発音: [veikyl otɔmatik leʒe] ヴェイキュロトマティクレジェ。元々はこのシステムで最初に開業した路線 (仏: Villeneuve d'Ascq à Lille) の頭字語とされていたが、同システムが他都市でも導入されたことから軽量自動車両を意味する頭字語へと改められた。
出典
^ 『鉄道ファン』通巻637号、 95頁
^ “日本工業規格 特殊鉄道車両用語”. 日本工業規格. 2016年2月19日閲覧。
^ 井口雅一「実現した新交通システム―中量軌道システム―」、『電氣學會雜誌』第102巻第1号、電気学会、1981年10月5日、 6-9頁。
^ 水間毅、松本陽「いろいろな都市交通システムの比較」、『電気学会誌』第119巻第3号、電気学会、1997年11月5日、 152-155頁。
参考文献
- 渡辺史絵「ようこそAGTへ 新交通システムのすべて ~ 新交通の定義」、『鉄道ファン』第54巻第5号(通巻637号)、交友社、2014年5月。
関連項目
- 中量軌道輸送システム
外部リンク
新交通システム(日本交通計画協会)
5.新交通システム(国土交通省:昭和49年度運輸白書第3章第2節)
新交通システム(神戸製鋼所)
|
|