Il-28 (航空機)








Il-28の基本型(ポーランド空軍使用機)

Il-28の基本型(ポーランド空軍使用機)






  • 用途:爆撃機


  • 設計者ソビエト連邦の旗 イリユーシン設計局


  • 製造者


    • ソビエト連邦の旗 イリユーシン設計局


    • チェコスロバキアの旗アヴィア(英語版、チェコ語版、スロバキア語版)(ライセンス生産)


    • 中華人民共和国の旗 哈爾浜飛機製造公司(ライセンス生産)




  • 運用者

    • #使用国を参照



  • 初飛行:1948年7月8日


  • 生産数:6,635機以上


  • 退役ソビエト連邦の旗1980年代


  • 運用状況:北朝鮮において現役






Il-28(イリューシン28;ロシア語:Ил-28イール・ドヴァーッツァチ・ヴォースィェミ)は、ソ連の航空機設計機関であるイリューシン設計局が開発した双発の亜音速ジェット軽爆撃機である。DoDが割り当てたコードネームはIl-28がType 27、Il-28UがType 30。北大西洋条約機構 (NATO) の用いたNATOコードネームでは、「ビーグル」("Beagle")と呼ばれた。軽快で扱い易く、安価で維持が楽であるため、ソ連のみならず共産圏に広く普及した。




目次






  • 1 概要


    • 1.1 派生型




  • 2 Il-28の活動


  • 3 使用国


    • 3.1 民間


    • 3.2 軍用機




  • 4 要目


  • 5 脚注・出典


  • 6 関連項目


  • 7 外部リンク





概要




尾部銃座と23mm連装機関砲塔


Il-28の原型機が初飛行したのは1948年7月8日である。1949年にソ連空軍に引き渡された。機体の特徴として、大きなエンジンが主翼に直接埋め込まれた双発レシプロ機のような形状をしていることである。パイロットは胴体前部上面に張り出したコックピットに搭乗し、銃手は装甲された尾部銃座に。航法士兼爆撃手は機首部にある風防部分に搭乗していた。このレイアウトは第二次世界大戦中の中型爆撃機と類似していたが、機体内部は与圧されるなど様々な新技術が導入されていた。


主翼は直線翼だが、尾翼は35度の後退翼を取り入れている。エンジンは、初期量産型ではイギリス製ロールス・ロイス ニーンのソ連生産版であるクリーモフ RD-45を、後の量産型ではRD-45の改良型であるクリーモフ VK-1を装備した。


機体が小型なのでミサイル類を誘導する各種機器を装備できず[1]、自由落下爆弾が主兵装。標準爆弾搭載量は1,000kgで胴体内の爆弾倉に搭載する。主翼他にはロケット弾架など機外搭載用のパイロンはない。このクラスの爆撃機としては搭載量は少ないが、過負荷なら最大3,000kgまで搭載可能。また、通常爆弾に代えて魚雷や核爆弾も選択できる。自衛火器として尾部に23mm連装機関砲塔があり、銃手は砲塔の上に位置する尾部銃座からこれを遠隔操作をする。一部には機首にも銃座を設け、航法士が人力操作する単装の23mm機関砲を搭載した機体もある。


高度な軍事機密を特に用いていないIl-28はソ連から見れば供与に手頃で、世界の多くの国に輸出されていた。ソ連側諸国が結成していたワルシャワ条約機構の加盟国のほか、アフリカ諸国にも輸出されており、中国においても轟5・H-5としてライセンス生産された。


実戦では中東戦争からベトナム戦争まで幅広い。


ソ連では1960年までに3000機程で生産を終了したが、中国では最近まで生産を続けていた。現在ではソ連や中国でも退役し、わずかに北朝鮮で少数が戦術爆撃機として現役である。


またアルバニア空軍や、西側にも広く公開されて有名であったルーマニア空軍のH-5も、偵察型・複座型を含め全機が退役している。



派生型




エジプト空軍のIl-28U。
後部の本来のコクピットが練習生の席で、前にあるキャノピーが教官用の席である。




  • Il-28 - 爆撃機型


  • Il-28R - 偵察機型


  • Il-28T - 雷撃機型


  • Il-28P - アエロフロートの航空郵便機


  • Il-28U マスコット - 練習機型


  • H-5(轟五) - 中国のライセンス生産爆撃機


  • HJ-5(轟教五) - 中国製練習機


  • H-5RもしくはHZ-5(轟偵五): 中国製長距離写真偵察機


  • HD-5(轟電五) - 中国製電子戦機


  • HG-5(轟干五) - 中国製電子妨害機


  • H-5 Testbed - 中国製練習機


  • B-5 - H-5の海外輸出型


  • B-228 - チェコスロバキア空軍における名称



Il-28の活動




  • スエズ動乱(1956年)にエジプト空軍のIl-28がイスラエル空軍と戦った。


  • キューバ危機(1963年)には、ソ連がキューバにIl-28を供与していた。


  • ベトナム戦争では北ベトナムが運用していた機体もあった。


  • ビアフラ戦争ではナイジェリア空軍が戦闘に使用した。


  • イエメンの内戦に参加した機体があった。

  • 西側でもフィンランドが1961年から1964年にかけて導入し、1980年まで実戦配備していた。その後も標的曳航機として使用された。


  • 1965年11月11日に中国人民解放軍所属のIl-28のパイロットが台湾に亡命飛行し、乗員1名は追撃機による攻撃で死亡したが、乗員2名は台湾に到着した。かれら2人にたいして台湾当局は「反共義士」として表彰し、2名に金塊35kgずつを与えたという。

  • 2006年12月の日本のテレビ局のフジテレビの報道によれば、北朝鮮が軍事境界線近くの空軍基地に核弾頭を搭載したIl-28を実戦配備しているのではとする憶測があることを指摘した。また、2008年10月8日に黄海の演習でスティックス改良型と見られる空対艦ミサイルの発射を行うなど北朝鮮においては、2013年現在もH-5と推測される機体が実戦配備されている[2]



使用国



民間


  • アエロフロート


軍用機



  • アフガニスタン

  • アルバニア

  • アルジェリア

  • アンゴラ

  • ブルガリア

  • 中華人民共和国

  • エチオピア

  • エジプト

  • キューバ

  • チェコスロバキア

  • 東ドイツ

  • エジプト

  • フィンランド

  • ハンガリー

  • バングラデシュ

  • インドネシア

  • イラク

  • ヨルダン

  • 朝鮮民主主義人民共和国

  • ギニア

  • 北イエメン

  • 北ベトナム

  • モザンビーク

  • ナイジェリア

  • ポーランド

  • ルーマニア

  • 南イエメン

  • ソ連

  • シリア

  • ジンバブエ

  • タンザニア

  • ベトナム

  • ユーゴスラビア



要目


Iljusin Il-28.svg


  • 乗員: 3 名

  • 全幅: 21.45 m

  • 全長: 17.65 m

  • 高さ: 6.70 m

  • 翼面積: 60.80 m2

  • 機体重量: 12,890 kg

  • 最大離陸重量: 21,200 kg

  • エンジン: クリーモフ設計局 VK-1 遠心式ターボジェットエンジン × 2

  • 推力: 2,700 kg × 2

  • 最大速度: 876 km/h

  • 巡航速度: 770 km/h

  • 航続距離: 2,400 km

  • 武装: NR-23 23 mm機関砲 × 2(3)、兵装1,000kg(標準)から3,000 kg(最大)





脚注・出典





  1. ^ ただし電子機器の小型化が進んだ近年、北朝鮮軍などでは対艦ミサイルを運用可能に改修した機体も存在する模様。


  2. ^ “北の基地、旧式爆撃機ズラリ.戦闘姿勢誇示か”. 産経ニュース (産経新聞社). (2013年4月12日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/130412/kor13041219330005-n1.htm 2013年4月13日閲覧。 




関連項目



  • イングリッシュ・エレクトリック キャンベラ - 同時期にイギリスのイングリッシュ・エレクトリックで開発された双発ジェット爆撃機。アメリカでもB-57として採用された。


外部リンク



  • 日本周辺国の軍事兵器 H-5爆撃機

  • Il-28 at Greg Goebel's AIR VECTORS










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