フラ










Hula0081110.jpg




ファイル:Betty Boop's Bamboo Isle (1932).webmメディアを再生する

The Royal Samoans (1932)


フラ(ハワイ語: hula)はハワイの伝統的な歌舞音曲である。フラにはダンス、演奏、詠唱、歌唱の全てが含まれる。カヒコと呼ばれる古典的なスタイル(古典フラ)と、アウアナと呼ばれる現代的なスタイル(現代フラ)がある。フラは総合芸術であると同時に宗教的な行為でもあり、日本の能楽と同様、単なるダンスや音楽の概念では捉えられないものである。


フラを学ぶための教室をハラウ、フラの師範をクム、またはクムフラと呼ぶ。
クムとは単なる先生という意味を越え、深い知識を持ち長年ハワイに根付いて活動してきた家元という意味合いがある。
日本における一般的なフラ教室の先生をクムフラと指すことは少ない。


「フラ」の意味がダンスであることから、専門家の間では「フラ」と呼ぶが、世界的にも、一般には英語の一般名詞ダンス(dance)を補い、フラダンスと紹介される[1]




目次






  • 1 歴史


  • 2 フラ・カヒコ


  • 3 フラ・アウアナ


  • 4 フラの楽器


  • 5 フラの衣装・小物


  • 6 フェスティバル


  • 7 日本のフラ


    • 7.1 その他




  • 8 フラを題材とした作品


  • 9 参照


  • 10 参考文献


  • 11 関連項目





歴史



Hula Kahiko Hawaii Volcanoes National Park 01.jpg


フラの起源については諸説ある。ある伝説によれば、女神ラカ(英語版)がモロカイ島の聖地カアナにフラを生んだという。モロカイ島では毎年5月にフラの誕生を祝い、「踊りの中心」を意味するカフラピコという祭りが開かれている。別の伝説では、ヒイアカ(英語版)が姉の火山の女神ペレの荒い気性をなだめるために踊ったのが始まりだという。


どちらにしろ、古代のハワイは無文字社会であった為、フラの正確な起源は解らない。ただ、ハワイ人がマルケサス諸島やタヒチから渡って来たことは確かであり、フラもまたこれらの土地からポリネシア人が持ってきた歌舞音曲がハワイにおいて発展したものと考えるのが自然である。


ハワイが西洋と接触する1778年以前からのフラは宗教儀式と緊密に結びついたものであり、パフと呼ばれるサメ皮の太鼓の伴奏で行われるダンスは、神に捧げられる最も神聖なものである。


1820年にハワイにやってきたプロテスタントのアメリカ人宣教師たちは、フラを異教の踊りとして断罪し、禁止している。ハワイのダンスは、伝統芸術を奨励したカラカウア王の時代に復活した。このとき詩歌や衣装を新たに組み合わせて作られたのがフラクイと呼ばれる新しい形式である。フラクイでは神聖なパフは避けられ、代わりに伝統的な楽器であるイプ(ヒョウタン)が結びつけられた。しかしながらフラの儀式的・祈祷的側面は20世紀に入るまで守られており、フラの練習と実演は、女神ラカに捧げるものであった。


西欧との接触以前のフラには、踊りをともなわない詠唱(chanting)であるメレ・オリと、踊りをともなう詠唱であるメレ・フラの2つが存在した。19世紀末以来、西欧の影響を受けた歌(singing)を取り入れたフラ・クイが成立しはじめる。1970年代に主にフラ競技会において伝統的なフラ詠唱と、西洋の影響を受けたボーカル曲であるフラ歌を峻別する動きがあり、詠唱をともなうダンスをフラ・カヒコ、歌をともなうダンスをフラ・アウアナと呼び分けるようになった[2]


その後フラは観光やハリウッド映画の影響で大きな変貌を遂げたが、1970年代以降、ハワイでは再び古代のハワイ文化の有り様への関心が高まっており(ハワイアン・ルネッサンス)、その一環としてフラ・カヒコに真摯に取り組む者が増えた。



フラ・カヒコ


イプヘケと呼ばれるヒョウタンや、鮫の皮で作られたパフドラムをクムフラが叩いてリズムをとる。ダンサーがイリイリと呼ばれる石のカスタネットや、竹を使ったカラーアウと呼ばれる棒でリズムをとったりする場合もある。ハワイ語でメレ(チャント)が唱えられ、それらに合わせてダンスが演じられる。フラ・カヒコは宗教的行為としてヘイアウに奉納されることもある。そうした場でのフラ・カヒコは旧来の南国的で陽気な「フラダンス」のイメージからは想像出来ない、極めて厳粛なものである。



フラ・アウアナ


19世紀以降、欧米の音楽を取り入れて創り出された新しい形式のフラ。機能和声システムに基づくメレと、和音を出すことが出来る楽器を使用している点が古典形式との最大の差異である。レパートリーは固定されておらず、新作も創られ続けている。



フラの楽器



  • パフドラム-ヤシの木をくりぬき、上部にパフというサメの皮を貼った大型のドラム[3]。手でたたく。


  • キルドラム-ヤシの木をくりぬき、上部にパフというサメの皮などを貼った小型のドラム。手でたたく。


  • イプヘケ-瓢箪をくりぬいたものを2つ重ねた打楽器。手でたたいたり、地面に打ち付けたりする[4]。踊りに使用することもある[4]


  • イプ-瓢箪をくりぬいたものが1つだけの打楽器。


  • ウリウリ-ラアメアの身をくりぬき、そこに種を入れたマラカスのような楽器[3]。赤と黄の羽で装飾されることが多い。正式にはダンサーはウリウリを1個のみ使用するが、現在では両手に1個ずつ2個のウリウリを持って使用することが多い。


  • プイリ-フォーク状の切り目を入れた竹の棒。2本1組で使用する。2本を打ち合わせたり、肩や太ももなど体の一部を叩いたりして音を出す[3]


  • プーニウ-ココナツの身をくりぬきサメや牛の皮を貼って作った打楽器。膝に括り付けてカーという紐で叩く[3]


  • イリイリ-平べったい4個組の小石。人差し指を挟んでカスタネットのように使う。左右の手に2つずつで4個で1組[5]


  • プー-儀式の始まりを告げるときに吹く法螺貝の一種でできた楽器[3]


  • ニーアウカニ-口でくわえて演奏する楽器。踊りに使われる[6]


  • オヘ・ハノ・イフ-オヘという竹の一種で作った笛[7]。縦笛で鼻から息を入れて音を出す。


  • ウクレレ-ギターに似た楽器。ポルトガルから持ち込まれたブラギーニャという楽器から進化した。古典フラでは使用されない。現代フラでのみ使われる[3]


フラの衣装・小物




  • イイ-モレなどの植物などで作ったハンドタッセル[8]


  • ココナッツブラ‐ココナッツの実を半分にしたもので胸を覆うもの。紐などで固定する。古典フラでよく用いられる[9]


  • ティーリーフスカート-ティーという木の長い葉をすだれ状につなげて作ったスカート。古典フラでよく用いられる[9]


  • パウスカート-ゴムを何段にもしてハイウエスト状にしたギャザースカート。パウとはスカートという意味。という頭からかぶって着る[10]


  • ムームー-布でできたゆったりとしたワンピース。ムームーというのは「切る」という意味。上半身裸だったハワイ人に服を推奨したときに、動きやすく涼しいようにコルセットなどを付けず、短い丈に改造したのが始まりである[11]


  • パレオ-大きな布。パレオとは布という意味。体に巻いて使用する。


  • レイ-首飾り。貝、石、花、木の葉、草、木の実、羽毛、サメの骨など様々な素材で作れらる[12]


  • オープンレイ-輪になっていずに首から垂らして掛けるレイ[8]


  • クーペ・エ・リマ-手首に付けるレイ[8]


  • クーペ・エ‐足首に付けるレイ[8]


  • レイ・ポ・オ- 頭に被るレイ[8]



フェスティバル


ハワイ島ヒロでは「メリー・モナーク・フェスティバル」として、例年復活祭から一週間、世界最大のフラのコンテストが行われている。これはキリスト教受容によって弾圧されていたフラを復興させたカラカウア王(通称「陽気な王様Merry Monarch」)を記念したものである。


モロカイ島はフラ発祥の地といわれ、毎年「カフラピコ・フェスティバル」が開催されている。[13]



日本のフラ



Michigan - Lake Biwa, Japan - DSC07011.JPG


「カイマナヒラ」の知名度もさることながら、近年フラの人気が高まり、フラハーラウ(フラスクール)は日本全国に約300以上ある。フラの競技会も数多く開催されている。そのなかでも最大なのが毎年駒沢オリンピック公園体育館で開催されるキング・カメハメハ・フラ・コンペティション・イン・ジャパンである。ワヒネカヒコ・ワヒネアウアナ・クプナワヒネの3つのカテゴリーの優勝グループは、ホノルルで開催される同コンペティションへの出場権を獲得できる。



その他



  • フラが日本で大々的に紹介されたのは、常磐ハワイアンセンターの開園時であると考えられている[要出典]。ただしこの時に導入されたのはフラ・アウアナのみであり、また一部はフラではなくタヒチアンダンスであった(もっとも、ハワイにおけるフラショーでもタヒチアンダンスが披露される事は多々ある)。また、当時はフラフラダンスと言っていたが、フラにはダンスという意味も含まれている。この為、近年、専門家の間ではフラの名称で統一されている。フラダンスもフラがダンスであることを補った一般的な用法である[1]。また日本では長い間フラ・アウアナしか知られていなかったが、1990年頃からフラ・カヒコへの注目が高まり、現在ではフラ・アウアナとともにフラ・カヒコも実践されている。


フラを題材とした作品



  • フラガール

  • フライングベイビーズ



参照



  1. ^ ab例えば、英語版外部リンク筆頭にあるリンク先は「Everything Related To Hula Dancing, Hula History & Hula Theory」でHula Dance Head Quarters - HulaDanceHQ.comというサイトである。このようにある概念を当該言語以外で紹介する場合、既にその言語でよく知られている言葉を補って使用することは多くの言語でおこなわる。Nijubashi Bridge、ヴァルトブルク城、サハラ砂漠もそういった例。


  2. ^ タタール 1991, pp. 37-67.

  3. ^ abcdef“フラと音楽・楽器 : aloha-love.com”. www.aloha-love.com. 2019年3月9日閲覧。

  4. ^ ab“フラダンスの楽器、イプ・イプヘケについて” (日本語). フラダンスの楽器、イプ・イプヘケについて. 2019年3月9日閲覧。


  5. ^ “イリイリ 4個1セット | AlohaOutlet (アロハアウトレット)”. www.alohaoutlet.com. 2019年3月9日閲覧。


  6. ^ ハワイアンフラ 2017.08.19, Huladance. “フラダンスでよく使われる用語の意味をご紹介!” (日本語). フラダンスの教科書. 2019年3月9日閲覧。


  7. ^ 近藤純夫 (2015年6月18日). “オヘ(ハワイの竹)” (日本語). カワラ版. 2019年3月9日閲覧。

  8. ^ abcde“フラダンス用インナー専門店【フラインナーラウラクス(Laulax)】”. www.laulax.jp. 2019年3月10日閲覧。

  9. ^ ab“フラダンスステージ衣装の選び方 | フラダンスとタヒチアンダンスの情報サイト”. discovery-hawaii.net. 2019年3月10日閲覧。


  10. ^ “パウスカートの知識 - パウは「履く」もの?それとも…” (日本語). LOCOのALOHAな毎日 フラブログ (2014年2月19日). 2019年3月10日閲覧。


  11. ^ “ホロクとムームーの歴史 | ムームーレインボー”. muumuurainbow.com. 2019年3月10日閲覧。


  12. ^ “『*レイのルーツ*』” (日本語). Hula Halau O Hinanoのblog. 2019年3月10日閲覧。


  13. ^ フラダンスのイベント~カフラピコ



参考文献


  • エリザベス・タタール「変化の旋律:ハワイアン音楽への観光のインパクト」、『観光と音楽』、東京書籍、1991年、 ISBN 4487752566。


関連項目








  • ポンポン(フラダンスでも使われることがある)

  • レイ (ハワイ)

  • メレ




Popular posts from this blog

MongoDB - Not Authorized To Execute Command

in spring boot 2.1 many test slices are not allowed anymore due to multiple @BootstrapWith

Npm cannot find a required file even through it is in the searched directory