放射
放射(ほうしゃ,英: radiation)は、粒子線(アルファ線、ベータ線など)や電磁波(光や熱なども含む)、重力波などが放出されること、または放出されたそのものをいう。かつての日本では、輻射(ふくしゃ)とされていたが、太平洋戦争後の当用漢字表に「輻」の字が含まれなかった。このため、当初はやむを得ず「ふく射」と表記されていたが、その後、「放射」と表現が変更された。なお、「輻」は現在の常用漢字にも含まれていない。
目次
1 発生原理
1.1 放射性物質
1.2 励起・叩き出し・強電界
1.3 電磁放射
1.4 熱放射
2 脚注・出典
3 関連記事
発生原理
放射性物質
ウランやプルトニウムのような放射性物質は、自然にまたは人為的な刺激によって崩壊し、放射線を出す(放射能)。
励起・叩き出し・強電界
電子放射または電子放出(英: electron emission[1])
熱電子放射または熱電子放出(英: thermionic emission[1])
物質が加熱されると内部の電子がエネルギーを受け取り(熱励起)、外部に飛び出す。
光電子放射または光電子放出(英: photo-electron emission[1])
光によって電子が励起され(光励起)、放出される。
二次電子放射または二次電子放出(英: secondary emission[1])
- 物質に照射された粒子線が、直接あるいは間接的に電子(二次電子)を叩き出す。
高電界放射または電界電子放出(英: high voltage emission[1], field emission)
- 物質表面にかかる強い電界により電子が外部へ放出される。
電磁放射
詳細は「電磁波」を参照
荷電粒子線に磁場をかけて曲げると電磁波が放出される(制動放射)。 粒子線が高速のときは電磁波が前方にまとまった光(放射光)として観測される。
熱放射
詳細は「熱放射」および「ホーキング放射」を参照
あらゆる物体は、その温度に応じた振動数および強度の電磁波を放出している。物体の温度が高くなるにつれて、大きな振動数の電磁波ほど強く放射される傾向にある。高温に熱せられた物体が光を発するのはこのためである。
脚注・出典
- ^ abcde『無線工学必携』 谷村功、三省堂出版、東京都千代田区神田神保町1-1、1956年1月25日、初版、pp.86-95(日本語)。
関連記事
- 放射圧
放射点(輻射点) - 流星群が放射状に出てくるように見える天空上の一点をいう。
放射線 - 「radiation」という語を和訳するときに紛らわしい。
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