房総半島
房総半島 Bōsō Peninsula | |
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![]() 房総半島のランドサット衛星写真 | |
座標 | 北緯35度25分 東経140度31分 / 北緯35.42度 東経140.52度 / 35.42; 140.52 |
面積 | 5119km2 |
海岸線長 | 364km |
最高標高 | 408.2m |
最高峰 | 愛宕山 (南房総市) |
最大都市 | ![]() |
所在海域 | 太平洋、館山湾、東京湾 |
所属大陸・島 | 日本列島・本州 |
所属国・地域 | ![]() ![]() |

房総半島の位置。スペースシャトル標高データ使用。
房総半島(ぼうそうはんとう、英:Bōsō Peninsula)は、関東地方の南東部、太平洋に面した半島。千葉県の房総丘陵を骨格とする突出部。狭義の房総半島は主に南房総エリアを指す。
「房総」という地名は、明治時代初期以前、令制国上の安房国・上総国(下総国)から由来する。半島南部の海岸線一帯と、房総丘陵の山岳群は南房総国定公園に指定されており、豊富な自然環境とともに海水浴場や別荘地、マリンリゾートとしての発達を見せている。一方で、東京湾岸には京葉工業地帯の造成が進み、急速に都市化・工業化が進行している。
目次
1 地理
1.1 地形一覧
1.2 最端部
2 自然
2.1 自然条件と開発
3 気候
4 交通
4.1 鉄道
4.2 高速道路・有料道路
4.3 路線バス
4.4 港湾
4.5 道路
5 脚注・出典
6 参考文献
7 関連項目
地理
外房は外海に面しており海岸線は変化を極める。黒潮が当たることから温暖で植生も豊か。
日本列島の丁度中央部に位置する。千葉県の県庁所在地である千葉市を中心にコンパスで円を書くと、日本列島は半径1000km圏内にほとんど収まる。本州が東北から西南にかけて弓なりに曲がる際の中心部に位置し、東と南を太平洋、西は東京湾、館山湾、浦賀水道と三方を海に囲まれた半島となっている。東西約106km、南北約130km、面積5119k㎡、海岸線の長さは364kmである。
地形的には南から北へ3段階に低くなり、低山性の丘陵、台地、平野部に区分される。南部は標高300m前後の房総丘陵などからなる丘陵地である。半島の中部及び北部には明治時代初期以前の地方行政区分である令制国上の上総国・下総国の両台地(下総台地)が広がり、平野部は利根川の沖積平野、九十九里平野、東京湾岸の三角州平野などである。南部の海岸には海岸段丘、海食崖が発達し、出入りに富んだ海岸線が多い。
房総半島と西側で向き合う三浦半島(神奈川県)は、元々は2000万年前から1500万年前の太古の時代に太平洋の深海底で太平洋プレート上に降り積もった堆積物に由来する。太平洋プレートが海溝においてフィリピン海プレートの北上の影響で大陸プレートの下に沈み込む際に堆積物は剥離して積み上がり(このような地質構造を付加体という)、約50万年前には海面上まで隆起し、三浦半島や房総半島のもととなった。そのため、これらの半島には地層中に火山噴出物が多く含まれている。
現在の利根川や、霞ヶ浦、北浦、印旛沼、手賀沼などの湖沼の分布する一帯は香取海と呼ばれた一続きの入海であった。江戸時代以前は千葉県と茨城県の間に香取海(古鬼怒湾)が存在し、北西の東京都湾岸(古東京湾)奥が現在より内陸に入り込んでおり、房総半島は赤堀川・逆川が開削される微高地で僅かに繋がってはいたが、四方を海や河川のような水域に囲まれた島に近い状態であった[1]。近世の初め、江戸幕府によって行われた利根川東遷事業によって河川の堆積機能が大きくなったこともあり、徐々に陸化が進んだのである[2]。
地形一覧

Clip
房総半島の周辺地形
房総半島を構成してる地形
丘陵
房総丘陵
嶺岡山地(鴨川市)336m
愛宕山(南房総市)408m - 千葉県の最高峰
鹿野山(君津市)379m
清澄山(鴨川市)377m
富山(とみさん)(南房総市)350m
伊予ヶ岳(南房総市)337m
高宕山(君津市・富津市)330m
鋸山(富津市・安房郡鋸南町)329m
嵯峨山(富津市・安房郡鋸南町)315m
三石山(君津市)282m
音信山(市原市)186m
三舟山(君津市・富津市)139m
台地
- 下総台地
- 常総台地
平野
- 関東平野
- 沖積平野
- 九十九里平野
最端部
- 最東端、銚子市、利根川河口付近の犬吠埼(君ケ浜北端の岬)
房総半島の最東端は銚子市の犬吠埼が東経140度52分10秒となり、最東端とされることが多いが、厳密には犬吠埼北側の君ケ浜北端の岬が東経で11秒ほど東にあり、統計上はこちらが最東端となる[3]。関東地方最東端。犬吠埼灯台近くには、ユーラシア大陸最西端であるポルトガルのロカ岬との友好碑が建てられている。
- 最西端、富津市、東京湾に突き出した富津岬
房総半島の最西端は、富津岬となる。東経139度44分21秒。東京湾中に明治から大正期に東京湾防衛のために造られた砲台跡の第一海堡と第二海堡の海堡がある。この二つの人工島が千葉県に属すため、県最西端は第二海堡となる。
- 最南端、南房総市、野島崎
房総半島の最南端は南房総市の野島崎となる。北緯34度53分17秒。元禄地震で付近が隆起し、それまで島であった野島が陸続きとなり、野島崎となる。野島崎灯台からさらに南の岩礁が最南端となる。
最東端の犬吠埼(空中写真)
最東端の富津岬(空中写真)
最南端の野島崎(空中写真)
犬吠埼灯台
富津岬公園
野島崎灯台
自然

外房の仁右衛門島(鴨川市)
房総半島の周辺地形はその自然条件や景観の変化が多岐に及ぶ特徴となっている。九十九里の浜平野である九十九里平野は北東から約60キロメートルに及んでいる。銚子市方面の屏風ヶ浦や、半島南部の洲崎から野島崎などを経て太東岬に至る外房海岸、また富津市湊川河口から大房岬に至る内房の海岸は、砂浜のみならず岩礁や海食崖などが形成され美しい景観を呈している。他方、富津岬から北の東京湾北東部の海岸は、1940年(昭和15年)から始まった埋立による人工海岸が続き、京葉工業地帯をなしている[4]。北部には下総台地が広がり、半島の東側は九十九里浜が続き海岸平野が連なっている。南部の房総丘陵は清澄山系の山嶺によって上総丘陵と安房丘陵に分けられる[4]。
太平洋岸の太東岬(いすみ市)から東京湾岸の富津岬(富津市)にいたる約190kmの海岸地帯及び房総丘陵の山岳群(鹿野山、清澄山、鋸山など)は、1958年(昭和33年)南房総国定公園に指定された。
自然条件と開発
房総半島東部と中部以南は豊かな自然が残り、観光地にもなっている。一方で、東京都区部から都市部が連続している千葉県北西部に対して、経済・人口格差が開いているという「南北問題」も指摘されている[5]。南端部では無霜地帯があり、花卉栽培が盛ん。房総丘陵以北、特に東京湾岸には京葉工業地帯の造成が進み、住宅や工場の進出が著しく、急速に都市化・工業化が進行している。そのなかに点在する近郊農業地域は九十九里平野にまで及んでいる。
気候
西南日本の沿岸を洗う黒潮は、房総半島の沖合いで東に流れを変え、北東からの親潮と潮目をつくっている。北部は関東平野中央部の内陸性気候を呈するが、全体としては黒潮の影響で温暖な海洋性気候を示している。南端部では無霜地帯があり、降水量の多さも含めて南部の海洋性気候は北部とは明らかな違いがある[4]。房総半島は一般に温暖な気候のところとして知られる。高い山地はないが[6]、海岸の気候、岬の気候、河岸の気候など様々な気候が見られるところでもある[1]。年間気温16度以上で、冬でもめったに雪が降らない温暖な地域である房総半島南部の館山市では、真夏日日数も少ない避暑地でもある。東部の銚子市では周囲が海に囲まれているため海洋性気候となっている。特に銚子市の夏は関東平野部の中では最も涼しく、冬の最低気温も県内で最も高い。そのため夏は避暑地に、冬には避寒地として多くの観光客が訪れる。
館山 1981-2010年の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
年 |
平均最高気温 °C (°F) |
11.2 (52.2) |
11.4 (52.5) |
14.1 (57.4) |
18.8 (65.8) |
22.3 (72.1) |
24.9 (76.8) |
28.5 (83.3) |
30.5 (86.9) |
27.4 (81.3) |
22.6 (72.7) |
18.2 (64.8) |
13.8 (56.8) |
20.31 (68.55) |
日平均気温 °C (°F) |
6.3 (43.3) |
6.6 (43.9) |
9.5 (49.1) |
14.2 (57.6) |
18.1 (64.6) |
21.2 (70.2) |
24.8 (76.6) |
26.4 (79.5) |
23.3 (73.9) |
18.1 (64.6) |
13.3 (55.9) |
8.7 (47.7) |
15.88 (60.58) |
平均最低気温 °C (°F) |
1.0 (33.8) |
1.4 (34.5) |
4.5 (40.1) |
9.3 (48.7) |
14.1 (57.4) |
18.0 (64.4) |
21.9 (71.4) |
23.2 (73.8) |
19.9 (67.8) |
13.9 (57) |
8.4 (47.1) |
3.4 (38.1) |
11.58 (52.84) |
降水量 mm (inch) |
81.8 (3.22) |
82.4 (3.244) |
166.2 (6.543) |
150.2 (5.913) |
149.8 (5.898) |
215.2 (8.472) |
173.6 (6.835) |
126.0 (4.961) |
219.5 (8.642) |
219.9 (8.657) |
130.0 (5.118) |
75.4 (2.969) |
1,790 (70.472) |
平均月間日照時間 |
170.4 |
152.5 |
153.8 |
175.3 |
173.3 |
133.6 |
170.8 |
215.3 |
143.6 |
137.7 |
145.1 |
166.1 |
1,937.5 |
出典: 気象庁[7] |
銚子 1981-2010年の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
年 |
平均最高気温 °C (°F) |
9.9 (49.8) |
9.8 (49.6) |
12.2 (54) |
16.4 (61.5) |
19.9 (67.8) |
22.3 (72.1) |
25.9 (78.6) |
28.1 (82.6) |
25.4 (77.7) |
21.1 (70) |
16.9 (62.4) |
12.5 (54.5) |
18.37 (65.05) |
日平均気温 °C (°F) |
6.4 (43.5) |
6.6 (43.9) |
9.1 (48.4) |
13.3 (55.9) |
16.9 (62.4) |
19.5 (67.1) |
22.9 (73.2) |
25.2 (77.4) |
23.0 (73.4) |
18.7 (65.7) |
14.0 (57.2) |
9.2 (48.6) |
15.4 (59.73) |
平均最低気温 °C (°F) |
2.7 (36.9) |
3.0 (37.4) |
5.9 (42.6) |
10.3 (50.5) |
14.2 (57.6) |
17.2 (63) |
20.7 (69.3) |
23.0 (73.4) |
21.0 (69.8) |
16.3 (61.3) |
10.7 (51.3) |
5.4 (41.7) |
12.53 (54.57) |
降水量 mm (inch) |
91.6 (3.606) |
88.9 (3.5) |
158.0 (6.22) |
126.7 (4.988) |
132.8 (5.228) |
168.7 (6.642) |
118.9 (4.681) |
109.6 (4.315) |
220.7 (8.689) |
234.6 (9.236) |
129.6 (5.102) |
79.9 (3.146) |
1,660 (65.353) |
平均月間日照時間 |
173.5 |
154.4 |
161.2 |
176.9 |
178.6 |
135.8 |
165.0 |
220.6 |
150.3 |
140.5 |
138.3 |
165.0 |
1,960.1 |
出典 1: 気象庁[8] | |||||||||||||
出典 2: 気象庁[9] |
交通
千葉市など房総半島北部では、東京都区部や千葉県北西部と結ぶ多数の鉄道・路線バスが運行されている。
房総半島南部の主要交通はバスとなっており、地域内の路線バスの他、東京湾アクアラインや館山自動車道を経由して、東京都心と南房総の各都市を結ぶ高速バスが運行されており、都市圏を結ぶ重要な交通機関となっている。
以下では、公共交通機関について、主に房総半島中南部を列挙する。
鉄道ではJR東日本・千葉都市モノレール「千葉駅」以南(外房線、内房線など)、高速・有料道路ではNEXCO東日本「千葉東JCT」以南とする。
鉄道
中心駅
千葉駅、蘇我駅
乗換駅
木更津駅、五井駅、大網駅、大原駅、安房鴨川駅
東日本旅客鉄道(JR東日本)
■外房線(総武快速線直通)
- - 千葉駅 - 蘇我駅 - 大網駅 - 上総一ノ宮駅 - 大原駅 - 安房鴨川駅
- - 千葉駅 - 蘇我駅 - 大網駅 - 上総一ノ宮駅 - 大原駅 - 安房鴨川駅
■外房線(京葉線直通)
- - 蘇我駅 - 大網駅 - 上総一ノ宮駅 - 大原駅 - 安房鴨川駅
- - 蘇我駅 - 大網駅 - 上総一ノ宮駅 - 大原駅 - 安房鴨川駅
■内房線(総武快速線直通)
- - 蘇我駅 - 五井駅 - 木更津駅 - 君津駅 - 館山駅 - 安房鴨川駅
- 千葉駅 - 蘇我駅間は外房線に直通運転
- - 蘇我駅 - 五井駅 - 木更津駅 - 君津駅 - 館山駅 - 安房鴨川駅
■内房線(京葉線直通)
- - 蘇我駅 - 五井駅 - 木更津駅 - 君津駅 - 館山駅 - 安房鴨川駅
- - 蘇我駅 - 五井駅 - 木更津駅 - 君津駅 - 館山駅 - 安房鴨川駅
■久留里線
- 木更津駅 - 上総亀山駅
- 木更津駅 - 上総亀山駅
小湊鉄道
■小湊鉄道線
- 五井駅 - 上総中野駅
- 五井駅 - 上総中野駅
いすみ鉄道
■いすみ線
- 大原駅 - 上総中野駅
鋸山ロープウェー
鋸山山麓駅 - 鋸山山頂駅
京葉臨海鉄道
本線(貨物専用路線)
高速道路・有料道路
首都高速道路(接続)・
東日本高速道路(NEXCO東日本)
首都高速小松川線 - .mw-parser-output .jaexpsign{text-align:center;background-color:#00702C;color:white}.mw-parser-output .jaroadsign{text-align:center;background-color:blue;color:white}.mw-parser-output .roadname{width:250px;border-radius:10px;padding:1em;margin:0.2em auto}.mw-parser-output .roadname p{margin:5px auto}.mw-parser-output .routenumber{display:inline-block;min-width:2em;border-radius:4px;padding-left:0.25em;padding-right:0.25em;font-weight:bold}
E14 京葉道路
E14 館山自動車道
E14 富津館山道路
CA 東京湾アクアライン
CA 東京湾アクアライン連絡道
C4 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)
E82 千葉東金道路
千葉県道路公社
- 千葉外房有料道路
- 九十九里有料道路
- 鴨川有料道路
路線バス
京成グループ
■千葉中央バス
■小湊鐵道バス
■九十九里鐵道バス
■日東交通グループ
■■日東交通
■■館山日東バス
■■鴨川日東バス
JR東日本グループ
■JRバス関東
港湾
千葉港(特定港、国際拠点港湾)
木更津港(特定港、重要港湾、重点港湾)
金谷港(地方港湾)
館山港(地方港湾)- 興津港(地方港湾)
上総湊港(地方港湾)
浜金谷港(地方港湾)
勝浦漁港(第3種漁港)
大原漁港(第3種漁港)
道路
- 国道
国道16号(千葉市~富津市)
国道127号(木更津市~館山市)
国道128号(館山市~大網白里市)
国道297号(市原市~勝浦市)
国道409号(木更津市~茂原市)
国道410号(袖ケ浦市~館山市)
国道465号(富津市~いすみ市)
脚注・出典
- ^ ab『角川日本地名大辞典(千葉県)』19頁
^ 『千葉県の歴史』6頁
^ 水に囲まれた地を象徴 千葉県の東西南北端は【千葉地理学会連載 おもしろ半島ちばの地理再発見】『千葉日報』(2018年8月22日)2019年2月13日閲覧。
- ^ abc『千葉県の地名(日本歴史地名大系 12)』27頁
^ 『千葉県の将来⼈⼝と変化を踏まえた今後の地⽅創⽣のあり⽅〜⼈⼝変動を⾒据えたブロック毎のあるべき地⽅創⽣の姿〜』千葉銀行(2017年9月)2019年2月13日閲覧。
^ 千葉県最高峰の愛宕山 (南房総市)は標高408.2mで、全都道府県中で最も低い。
^ “館山 平年値(年・月ごとの値) 主な要素”. 気象庁. 2016年4月12日閲覧。
^ “銚子 平年値(年・月ごとの値) 主な要素”. 気象庁. 2016年4月12日閲覧。
^ “銚子(千葉県) 主な要素”. 気象庁. 2016年4月12日閲覧。
参考文献
- 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典(千葉県)』 角川書店、1984年、ISBN 4-04-001120-1
- 石井進 他『千葉県の歴史』 山川出版社、2000年、ISBN 4-634-32120-3
- 小笠原長和・監 『千葉県の地名(日本歴史地名大系 12)』 平凡社、1996年、ISBN 4-582-49012-3
関連項目
- 房総の魅力500選
- 日本の地理
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