メディアミックス
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メディアミックス(media mix)は、広告用語で、商品を広告・CMする際に特性の異なる複数のメディアを組み合わせることにより、各メディア間の補完と相乗効果によって認知度を高め購入意向を喚起する手法。また、マーケティング用語で、特定の娯楽商品(商業作品)が一定の市場を持ったとき、その商品から派生した商品を幾種類の娯楽メディアを通して多数製作することでファンサービスと商品販促を拡充する手法[1]。北米ではキャラクターなどを他メディアにフランチャイズするという意味でメディアフランチャイズ(media franchise)と称される。
類似の言葉でマルチメディアが有るが、こちらは複数の種類の情報をひとまとめにしたメディアを指す(メディアミックスは単一の情報を複数のメディアに分散させる方法である)。
目次
1 広告
1.1 起源
2 マーケティング
2.1 歴史
2.1.1 日本でのメディアミックス
2.1.2 近年のメディアミックス
2.2 メディアミックスの問題
2.2.1 費用対効果の低下
2.2.2 予算の厳しさ
2.2.3 著作権管理の壁
2.2.4 同一クリエイターの複数名義展開
2.2.5 作品の内容
2.2.5.1 難解なプロット・設定・ネタ
2.2.5.2 原作作品との乖離
2.2.5.3 その他
2.3 代表的なメディアミックス
2.3.1 漫画が原作
2.3.2 アニメが原作
2.3.3 ゲームが原作
2.3.4 ライトノベル(小説)が原作
2.3.5 映画が原作
2.3.6 玩具がモチーフ、もしくは設定を流用
2.3.7 絵本が原作
2.3.8 ラジオドラマが原作
2.3.9 雑誌連載が原作
2.3.10 プロジェクトが原作
2.3.11 備考
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
広告
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起源
語の起源としてはメディアは「媒体」からミックスは「プロモーションミックス」からとられている。
広告が効果を発揮するには3回の接触が必要、1人につき3回の広告接触頻度で十分[要検証 ]とするハーバード・E・クラグマンの「スリーヒッツ理論」を発展させた考えを基礎理論として、複数の異種媒体を用いてそれに合わせた最適な広告手段を計画すること。決められた広告費用で最大の広告効果を得ることが目的となる。
マーケティング
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歴史
日本でのメディアミックス
日本においては、1973年に小松左京の小説『日本沈没』が光文社より刊行直後から間髪を入れずに映画、ラジオドラマ、テレビドラマ等様々な形態で相次いで制作され、それらが相乗効果を生んでベストセラーとなったケースが大規模メディアミックスの嚆矢といえるが、代表的な成功例として挙げられるのは、その後角川書店が1970年代後半に自社発行書籍(小説作品)の映画化を行い、その原作作品を映画イメージと連動させた新装カバーを付けて売り込み業績を伸ばしたことで「メディアミックス」という言葉と共に注目された広告手法である。これにより現在でも角川書店とその関連会社(アスキー・メディアワークス、富士見書房など)は「日本のメディアミックス商業展開の元祖的存在」と見られることがある。ただし、自社の書籍を映画化するという手法は徳間書店がそれよりも早く試みており、こちらを元祖だとする見方もある。
メディアミックスのような事例は日本でも昔からあり、例えば『月形半平太』などの作者行友李風が小説「修羅八荒」を大正14年(1925年)10月27日から、大正15年(1926年)8月12日まで大阪・東京朝日新聞で250回連載したが[2]、連載終了前に松竹蒲田、日活、マキノ映画が参戦した三社による映画の競作が行われ[2]、さらにラジオ劇、レコード化、浪曲化、舞台劇にも連載終了前に波及した[2]。当時はこうしたケースも珍しくなかったといわれる[2]。
1970年代には自主映画、CMディレクター出身の大林宣彦が東宝で映画『HOUSE』を撮ろうとして、企画としては1975年に東宝の会議を通ったものの[3]撮影所の助監督経験のない大林が監督することに、当時の東宝の助監督たちが猛反対し、その後2年の間、映画製作は始まらず[3][4]。この事態に業を煮やした大林は「『HOUSE』映画化を実験するキャンペーン」と銘打って、映画製作より先に『HOUSE』ブームを起こしてやろうと積極的にメディアに露出したり、『HOUSE』をラジオドラマにしたり、コミック化、ノベライズ化など、大林主導で「メディアミックス」を仕掛けていき、これらが功を奏して知名度が上がって話題となり、東宝も企画を進めざるを得なくなって、2年後の1977年にようやく本体の映画化が決まったことがあった[3][5][6][7][8][9][10]。既存の映画界とは別のところで仕事をしていた大林と角川春樹は、ほぼ同時期にそれぞれの方法で「メディアミックス」を仕掛けていた[3]。これを「メディアミックス」の先駆と評価する見方もある[3]。大林の「メディアミックス」の成功は、助監督経験のない、撮影所育ちでない映画監督の出現という映画界に新しい流れを生み出している[5][11][12][13]。大林と角川が「メディアミックス」のヒントを得たのは、ともに1970年のアメリカ映画『ある愛の詩』である[3]。
1980年代には月刊少年キャプテン(徳間書店)、月刊コミックコンプ(角川書店)、月刊コミックNORA(学習研究社)などのいわゆるマイナー系の漫画雑誌が登場し、やがてメディアミックス企画の漫画を多数連載することになる。
近年のメディアミックス
近年は、元々一つのメディアでしか表現されていなかった作品(原作)を、小説、漫画、アニメ、ゲーム(コンピュータゲーム)、音楽CD、テレビドラマ、映画、タレント、トレーディングカード、プラモデルなど、複数メディアを通じて展開するビジネスモデルを指して、「メディアミックス」と呼ばれるのが一般的である。
従来のビジネスモデルであったキャラクター、小道具、施設など、作品内に登場する物をモチーフとした商品の販売、いわゆるグッズ戦略が、あくまで作品要素を模写・抽出した製品の製造と販売によって当該作品の経済効果を受容する戦略であったのに対し、メディアミックスの売買対象は厳密にいえば作品そのものであり、いわゆる副次的なものではあるが創作物そのものを商品として経済効果を吸収する媒体とした点に大きな相違がある。その結果、創作活動の多軸化によって創作物の量産を可能にし、そして何より従来路線にはなかった爆発的な市場開拓力を持ち、認知性(知名度)の拡大、支持層の開拓、「商品」展開によるさらなるブーム刺激と、それによるブームの長期化・持続化の効果をもあわせ持つに至った。
この「商品」展開による過熱化効果は、規模が大きいものだとその重複効果が倍加され社会現象規模のブームをも産み出す可能性を持つ(例:『新世紀エヴァンゲリオン』など)とも云える。
1990年代、角川書店は『スレイヤーズ』シリーズにおいて、小説、漫画、アニメ、映画、ゲーム、イベントなどをほぼ同時進行させ、常にいずれかのメディアで商品を提供し続ける手法で、同タイトル作品の長期的な人気の持続に成功した。そして同時期に大ヒットした『新世紀エヴァンゲリオン』における製作委員会方式の確立によって角川書店のメディアミックスは大成功を収める。
また最近では、TV局方面での映画・ドラマのメディアミックス化が活発となっている。漫画のドラマ化・映画化が一般的になり始め、さらに逆にある程度TV放送で視聴率のとれたドラマなどを漫画連載化するという形での進出も試み始められている。
メディアミックスの問題
費用対効果の低下
2000年代中半以降、大手・中堅出版社から刊行されたり、テレビ系メディアやプロダクションが企画した若者世代向けのフィクション作品の多くが「何らかのメディアミックス展開」を導入している状況がある。現在では2ジャンル程度のメディアミックス展開がなされている作品はごくありふれたものであり、その程度の規模で大衆の格別の関心を引くことはもはや不可能に近い。
そのため、メディアミックスの展開自体も手間やコスト負担が増す傾向にあり、従来型のメディアミックスというそれ自体の費用対効果に対しても疑問を持つ企業が出てきており、「新たなメディア展開」を考えるべき時期にさしかかっている。
予算の厳しさ
2000年代以降の大半のメディアミックス作品では、製作委員会方式を利用した出資・制作・収益確保のシステムが構築されている。そのため、利点・問題点については制作委員会方式のそれと多くは共通しており、資金面で見た場合には、出資した各企業が利益を上げる、裏を返せば赤字を出さないことが、作品が成功したと判定されるための絶対条件となる。その一方で、出資者側の都合などにより、テレビアニメなどを従来型システムの作品よりも遥かに低予算で制作する必要に迫られることも少なくない。これにより、資金面でいえば収益の管理の他に、制作初期の段階から予算管理が極めてシビアなものになることが見られる。
それらは、アニメ作品などでは予算超過への懸念から制作スタッフが作画、特に枚数を要するアクションシーンなどで大幅な方針転換を余儀なくされたり、バンクシステムの過剰な多用に追い込まれる、あるいは当初予定していた高い実力と知名度を持つスタッフが起用できないなどといった事態が発生する要因となっている。また、アニメ・声優業界の歴史的経緯や「ランク制」などの業界内部の制度面の事情もあって、声優のギャラなどのコストカットは脇役・端役であろうとも極めて困難であり、結局はそれらのしわ寄せが最終的に作画部門などに集まってしまうことが多く、作画・動画の実制作の現場でコストカットを突き詰め過ぎた結果、品質管理がままならなくなり、最終的に海外のプロダクションに下請けに出していた部分や予算の都合からスタッフの「穴」を埋められなかった部分などで品質面の破綻が起きてしまう、作画監督などのポストに責任を負える力量の人物を配置できずに『アラン・スミシー』的な架空名義が発生してしまう、などの異常な事態にも繋がってくることになる。
著作権管理の壁
日本の製作委員会方式による著作権管理は大変に厳格なものとなっており、近年の世界でブームとなっている「日本のアニメ・漫画」を利用・訳案した映画作品を制作したいハリウッドなどから不満が出ている。
同一クリエイターの複数名義展開
1990年代には、作品の横方向展開に留まらず、クリエイターそのものがチャネルを分散させることも、メディアミックスを象徴する風潮であったが、これは現在にも時折見られることがある。
わかりやすい例ではアニメーターと漫画化担当者の間において、表現・画風は同一でありながらメディア毎に異なる名義を用いるケースがある。単一の人物が複数名義を駆使して複数の人物を演出するケース以外にも、単一スタジオでの分業制でメイン担当者の名義としたり、税金対策を目的に複数名義を駆使したりと、作品・クリエイター毎に事情は異なるが、メディアミックスという言葉が連想させる象徴的な創作スタイルである。
こうした結果、特定のクリエイターのファンとなり、その仕事についての追跡を極めようとする場合においても、混乱を招くことがあった。単一の原作・企画から複数のメディアで展開された版権物に携わる人物についても、「キャラクターデザイナーAと漫画家Bは同一人物であるか否か」「イラストレーターCと漫画家Dが同一人物であるか」などを見極める余地も無いまま、継続的かつハイペースで増加していくさまざまな関連商品を、混乱しながら片っ端から購買することを迫られ、経済的負担とともにストレスが高まり疲弊していった。
作品の内容
難解なプロット・設定・ネタ
視聴者が原作や他メディアの派生作品にも同時並行的に目を通すことを前提として、複雑なプロットや多すぎる設定を盛り込み過ぎた結果、メディアミックス作品については原作の設定を活かしきれず、プロットは説明不足かつ詰め込み過剰で、派生作品を精読せずに本編単体を見ただけではストーリーや主要キャラクターの関係さえもよく理解できないという、本末転倒の結果になることがある。
また、特にアニメにおいては、造詣の深いアニメファン・出演声優に対するファン・制作プロダクションの固定ファンなどを取り込むことを目的に、主要なスタッフが過去に携わった他作品や出演声優にまつわる話題などの楽屋落ち的な小ネタを随所に織り込むなど、「アニメファンと比較して原作ファンを軽視している作品内容」と言われても反論ができない様な作品は、ギャグ作品はもとよりシリアス系の作品ですら決して珍しいものではない。極端な場合、アニメに対する興味が普段は比較的薄い原作ファンが見たところで全く理解のできない(ギャグ・パロディにしても何が面白いのかがわからない)小ネタが頻出するような作品もあり、この様な作品では結局は原作ファンが取り残されることになってしまう。
原作作品との乖離
メディアミックスでは多すぎる設定の詰め込みという問題とは逆の問題も起き得る。
連載が順調にスタートした人気作家の作品や、読者アンケートの高評価を背景にシリーズ化の展開が決定した作品においては、作品のスタート開始からわずか数ヶ月の短期間でメディアミックス展開が決定するものが珍しくない。さらには、原作の作家・クリエイターが持つ高い人気・ファンへの訴求力を利用することを前提とした作品や、アニメ業界やテレビゲームソフトのメーカーなどとの強いコネクションを持つ人物・企画スタジオが原作を手掛ける作品などでは、まず最初に複数のメディアミックス作品をほぼ同時にスタートさせることを前提とした企画が立案されて、この企画が出版社や映像会社などへ持ち込まれるという順序のものや、出版社が企画を立ち上げるにしても、出版の企画立ち上げとほぼ同時に何らかのメディアミックス展開の実施が決定するものが見られる。
このような作品の場合、物語や各種設定の蓄積が原作作品とその作者側でもまだ不足している状態で、関連作品の制作が行われることになる。その結果、関連作品は製作開始時点での原作の雰囲気にすり合わせても独自性の高いものが中心となるが、結果として物語が進行していく内に原作との間で作品内容に乖離が発生し、主要キャラクターの能力や設定を巡って大きな矛盾が発生してしまうこともある。また、原作作品が長期シリーズとなった場合、物語の進展や変化に伴って、結果的に性格・雰囲気・主旨が全く異なる作品となってしまうこともある。
これらの結果として、一定期間を空けて再度のメディアミックス展開を行おうとした場合、以前のメディアミックス作品との整合性が付けられなくなってしまうことがある。そのため、場合によってはメディアミックス作品側の計画している内容に原作側をすり合わさせるという主従転倒の事態が起きたり、以前のメディアミックスで製作された関連作品を「全てなかったこと」として扱わなければならなくなる羽目におちいることもある。
その他
これらの問題の他、経済効果の期待値が最大となる作品人気の「旬」(売り時)を逃さないよう、有力な出資者が現場の実情を無視して設定した強引なスケジュールや納期の設定なども要因となって、品質面・内容面で重大な問題を抱えた作品となってしまい、結局は原作作品の販売促進という意味でまるで役に立たなかったり、メディアミックス作品から入ったファンに無用の誤解を与えてしまう。さらにひどければ、品質面・作品内容の破綻だけが話題になってしまうなど、メディアミックスとしては本末転倒の結果と低評価に終わってしまう企画は、アニメ・映画・テレビゲームなど、ジャンルを問わず少なからず見られる。
代表的なメディアミックス
漫画が原作
アニメ化・ドラマ化・ゲーム化・小説化など、漫画の原作から派生した作品は非常に数が多く、メディアも多岐にわたる。また漫画のアニメ化作品では、『魔法使いサリー』『ゲゲゲの鬼太郎』『風の谷のナウシカ』のように原作の知名度が低いが、アニメとしては大ヒットする作品も少なくない。従って、しばしば漫画原作である作品が、「アニメが原作」であるものと混同されがちである。
- 鉄腕アトム
- 同名の漫画を特撮ドラマ化、テレビアニメ化。アニメとしては、「日本で最初の1話30分の連続テレビアニメ」といわれることが多い。詳しくは該当項目を参照。
- サブマリン707
- プラモ化による展開が漫画の人気を後押ししたという、後年の『機動戦士ガンダム』に先駆けた成功例である。当時非常に高い人気を誇り、ソノシートでイメージソングも発売されたが、アニメ化自体は頓挫している。
- ルパン三世
- 何度もアニメ化・映画化され、現在も続編が製作されている。他にもゲーム化やノベライズなど多数。原作漫画は完全な大人向け漫画(とくに性的描写が多い)であり、アニメになったときも最初はハードな路線で製作されようとしていた。しかし、PTAなどから苦情が来たため、徐々に子供向けな内容が多くなりながら最初のアニメシリーズは23話で終了した。なお、その後は放送上問題ないよう、申し訳程度にお色気シーンが含まれている。
- 美少女戦士セーラームーン
- 同時期にアニメ化、アニメ映画化のほかミュージカル化もされ、更に後にはテレビドラマ化もされた。
- KAIKANフレーズ
- 漫画『快感♥フレーズ』をアニメ化、作中のロックバンド「Λucifer」が実際にデビューし話題になった。
樹林伸原作作品- 『金田一少年の事件簿』『探偵学園Q』『リモート』『サイコメトラーEIJI』『クニミツの政』『GetBackers-奪還屋-』など、テレビドラマ化・アニメ化された作品が数多い。
- 釣りバカ日誌
- 同名の漫画を実写映画化、テレビアニメ化。
- 遊☆戯☆王
- 同名の漫画をテレビアニメ化。また、作中で登場したカードゲームを中心として、実際にカード化やゲーム化なども展開されると、再びアニメ化。特にトレーディングカードのヒットは国内だけでなく、海外でも展開された。これらは後継作品にも引き継がれている。
アニメが原作
漫画化・ゲーム化・映画化・ノベライズなど。アニメの場合、原作者が個人(自然人)名義でクレジットされることはほとんどなく、合同のペンネーム(擬人名称)または法人名義(アニメ制作会社など)でクレジットされることが多い。これは著作権登録の際、法人名義が認められず、個人名義でなければならない時期があった頃の名残として残されていることに起因する(例:サンライズの矢立肇・東映アニメーションの東堂いづみなど)。
- 宇宙戦艦ヤマト
- 再編集された映画版が人気を呼び社会現象となった。後に漫画・映画・ゲーム・ノベライズなど幅広い展開を見せた。
- ガンダムシリーズ
- 本放送では打ち切られたテレビアニメ『機動戦士ガンダム』が、再放送とガンプラと呼ばれるプラモデルシリーズで大ブームを引き起こし、以降続編のテレビアニメシリーズや劇場版アニメが製作された。ゲーム・漫画化や、監督自身および他作者による小説版や各スピンオフ作品も執筆されている。
- 機動警察パトレイバー
- OVAから始まり、漫画、劇場アニメ、テレビアニメと展開した後、再びOVAシリーズが製作された。OVAを使った初期のメディアミックス作品としても知られる。
- 新世紀エヴァンゲリオン
- 同名の漫画がアニメ放送よりも先に連載されているが、こちらは放送に先行して連載開始したコミカライズであり、アニメが原作である。漫画の他にも映画化、ゲーム化など。本作はメディアミックスモデルの可能性を娯楽ビジネス業界内に最も印象付け、普及・完成を促したともいえる代表的な成功例だが、昨今では、それと同時にその経済効果を副次的創作物によって受容・刺激せんとする試験的戦略が採られている作品でもあるといえる(新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd (漫画)、新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画 (漫画)など)。
- また、前述通り娯楽作品業界における製作委員会方式を完成させた作品でもある。
- 天地無用! シリーズ
- OVA『天地無用! 魎皇鬼』を基にテレビアニメ化、ノベライズなど多数。スピンオフ作品も存在。
ゲームが原作
映画化・アニメ化・漫画化・ノベライズなど、特に近年ではハリウッドで映画化される展開が多い(バイオハザードシリーズ、トゥームレイダーなど)。
- アイドルマスターシリーズ
- アーケード用シミュレーションゲーム『THE IDOLM@STER』としてナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)が2005年7月26日に稼働を開始したアイドルプロデュース体験ゲーム。ゲームソフト、CD、ドラマCD、漫画、小説などの様々な展開を広げている。他コンテンツとの積極的なコラボレーションや、ブラウザゲーム、ゲームアプリの展開もあり、2017年には韓国で実写ドラマ化もされた。また、当シリーズ展開の初期からアイドルキャラクターを演じる声優によるライブイベントが行われており、それらはアイドル声優の先駆けとなった。
- スーパーマリオブラザーズ
- アニメ映画『スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!』として1986年7月20日に公開された(後述のテレビアニメ『Bugってハニー』の放送開始より2か月半ほど先)。設定等は原作からアレンジされている。同日には『RUNNING BOY スター・ソルジャーの秘密』も公開されているが、こちらは「ゲームソフト『スターソルジャー』を開発する人々の話」になっている。
- Bugってハニー
- 『高橋名人の冒険島(ハドソン)』の設定をベースにしたアニメ作品で「テレビゲームを原作としたテレビアニメ作品」としては元祖的存在。同じゲーム製作会社の様々な別作品からもキャラ、設定、音楽等を持ち込んでいる。当時のファミリーコンピュータブーム、高橋名人ブームの影響もあって人気を博し、放送期間を半年から1年に延長、劇場版も製作され、後にこの作品自体も『高橋名人のBUGってハニー』としてゲーム化された。
- ドラゴンクエストシリーズ
- アニメ『ドラゴンクエスト』、漫画『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の他、ドラマCD、小説など多数。4コマ漫画などによるアンソロジーコミックスの発売なども1990年頃から行っている。また制作社(エニックス→現スクウェア・エニックス)で出版部門を持っていることもあり、多くの作品が自社展開していることが多い。
- ポケットモンスター
アニメを始めとして、漫画、アニメ映画、トレーディングカードゲーム、ラジオドラマなどさまざまな商品展開がなされている。公式ライセンス商品は3500アイテム。また、主要都市にグッズ専門店を展開しているのも特長である。海外を含めた世界市場での定着と、兆単位にもおよぶ他に類を見ない巨大市場の形成と理想的な成長例(2011年現在は3.5兆円市場[14])から、経済情報誌などではキャラクターフランチャイズの成功例として上げられることが多い[15]。- バイオハザードシリーズ
- 映画版バイオハザードが世界中で大ヒット。監督・脚本のポール・W・S・アンダーソンと主演のミラ・ジョヴォヴィッチは共に原作の大ファンであり、自ら望んで本作に携わったとされる。現在、4作目まで作られている。また、ゲームを原作とした小説版も出版されている。
- SIREN
- 映画版『サイレン 〜FORBIDDEN SIREN〜』が、堤幸彦監督により2006年2月11日東宝洋画系公開。また、ゲーム・映画のアナザーワールドとして漫画版『サイレン 〜ETERNAL SIREN〜』がある。
- トゥームレイダー
アンジェリーナ・ジョリー主演で映画化されている。- サクラ大戦シリーズ
- 小説、TVアニメ、OVA、アニメ映画、ドラマCD、漫画、歌謡ショウなど。
- ときめきメモリアルシリーズ
- ライトノベル、OVA、ドラマCD、実写での映画化、更にゲーム本編とは別に投票で人気の高かったキャラクターをヒロインにした「ドラマシリーズ」と銘打たれたサイドストーリーもゲームとして出ている。また、キャラクターが実際に歌手デビューし、話題となった。特に藤崎詩織の人気が高かった。
- 逆転裁判
- 漫画、小説、テレビドラマ、映画、アニメ化され、宝塚歌劇団などで舞台化もされた。
レイトンシリーズ、イナズマイレブン、ダンボール戦機、妖怪ウォッチ、スナックワールド
レベルファイブ開発のゲーム作品群。「クロスメディアプロジェクト」と銘打ち、漫画・TVアニメ・劇場版アニメや各メディア連動の玩具などを同時展開している。
ライトノベル(小説)が原作
漫画化・アニメ化・ドラマ化・ゲーム化・映画化など。特に1990年代以降メディアミックス展開の中心核となり、アニメ業界と強力なコネクションを築いた角川ホールディングス系列の各出版社のレーベルから刊行されているジュブナイル・ライトノベルの作品については、人気が出れば即アニメ化・漫画化という形で直結する傾向が強い。
また、脚本家兼小説家であるあかほりさとるや、様々なジャンルの作品で原作を手掛けるマルチクリエイターの広井王子に代表される様な、ライトノベル・テレビアニメ・テレビゲームなど複数の業界に多岐にわたるコネクションを持つ人物が、小説形式で原作を担う場合、当初からライトノベルのシリーズの企画と各種メディアミックスの企画が平行して進められてゆくこともある。
- 時をかける少女
1972年のNHKの少年ドラマシリーズの『タイム・トラベラー』を皮切りに1983年と1997年の映画版、1985年および1994年、2002年のテレビドラマ版、2006年のアニメ映画版と世代を超えて製作され、日本のメディアミックスの元祖のように取り上げられることも多い。
乙一作品群- 『GOTH』『ZOO』『きみにしか聞こえない』など映画、漫画化だけにとらわれず、舞台化などのメディア展開もある。
- スレイヤーズ
漫画・アニメ・テーブルトークRPG・コンピュータRPG・音楽など様々に展開されている。サブカルチャーのビジネスモデルを完成させたことから、『新世紀エヴァンゲリオン』と並ぶ、日本アニメビジネスにおいても重要な位置づけを持つ作品である。
セイバーマリオネット、爆れつハンター、MAZE爆熱時空
あかほりさとるによる三作同時展開のメディアミックス企画。直近のスレイヤーズを始め、従来は「売れた作品」「評価された作品」に対して、二巻目以降などからメディアミックスが追随する展開であったが、本作では最初から意図的に三作同時のメディアミックス展開を行い、相乗での宣伝効果を得ることを目的としていた。- また、当時はメディアミックスのいわゆる旗振り役が存在せず、あかほりさとる個人が関係各所との関係を繋ぐ形で旗振りをしていたとの事。総体としての収支管理もされていなかった。[16]
- ハリー・ポッターシリーズ
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の5作が映画化されている。ゲーム作品も多く発売されている。
映画が原作
漫画化・ノベライズ・ゲーム化など。
- スター・ウォーズシリーズ
- 映画関係者以外の者によって作られた小説が、多く出版された。非公式の設定であるため、原作である映画とストーリーが矛盾する物も多数存在する。また、『エピソードII』と『エピソードIII』の間の話となるアニメ『スター・ウォーズ クローン大戦』という作品がある。こちらのストーリーは公式設定である。ゲームソフトも発売されており、外部委託作品の他、権利と世界観を厳守するために公式にルーカススタジオで制作されたものも多い。
- 七人の侍
ハリウッドが同作品をリメイクし西部劇をモチーフとした『荒野の七人』がある。- 2004年に映画公開50周年を記念して『SAMURAI 7』としてアニメ化された。更にアニメ版は小説化もされた。ゴマブックスより刊行。全7巻。
- ウォーターボーイズ
- 劇場版の大ヒットから、テレビドラマ化されシリーズ化された。
玩具がモチーフ、もしくは設定を流用
同時進行で展開されたケースも含む。
- 赤い光弾ジリオン
- ミクロマン・マグネパワーズ
- トランスフォーマー (2007年の映画)
- ゴールドライタン
絵本が原作
- それいけ!アンパンマン
- 原作のタイトルは、「アンパンマン」で、1988年にテレビアニメ化されたのを皮切りにアニメ映画やゲームにもなる。国内で最も多種の展開がされているキャラクターの一つ。
ラジオドラマが原作
- 火星物語
- 1994年 - 2000年にかけて放送されたラジオドラマ。1998年に、漫画・ゲーム・小説と他媒体に進出している。
雑誌連載が原作
ロードス島戦記シリーズ、及びフォーセリアを舞台にした派生作品群- 元々はパソコン雑誌『コンプティーク』におけるテーブルトークRPGの紹介記事としてグループSNEメンバーによるゲームリプレイ形式で公開されたものがベースで、小説としてシリーズ化され、後にアニメ化・ゲーム化・漫画化等が行われた。またこれらの作品の舞台となるフォーセリアという架空世界はグループSNEによる地理や歴史や神話・宗教や生態等の作り込みが念入りに行われており、派生作品のみならずTRPGの舞台としても使えるようシェアワールド化された。
電撃G's magazine連載の企画- 誌上で行う読者参加企画から派生してメディアミックス作品を展開することが多い。著名なものとしては2010年から当誌で企画として連載されたものをベースに漫画・小説・テレビアニメ・映画・ゲームなど多数の媒体に進出したラブライブ!など。
プロジェクトが原作
- Tokyo 7th シスターズ
- 2014年2月にiOS向けアプリゲームとして配信開始した『Tokyo 7th シスターズ』をプロジェクトの第一弾[17]として、その後、楽曲・ライブ[18]、さらには小説・漫画と他媒体での展開も広げている。2017年にはアニメーションMVを発表[19]する形でアニメーション化プロジェクトも始動した。一番更新頻度が高いアプリゲームを原作とみなすことも可能ではあるが、2017年現在、プロジェクトの原作者が総監督としてメディア展開全てに関わっている[20]ため、更新されていくプロジェクトすべてを「原作」と考える方が妥当である。
- けものフレンズ
- 2015年にゲーム配信が最初にスタートし、その後漫画・テレビアニメと他媒体に進出しているが、あくまでゲーム・漫画・テレビアニメは同時に並行して企画が進められたため、ゲームが原作ではなくプロジェクトそのものが原作となっている。
備考
アニメショップのマスコットキャラから派生しメディアミックスした物もあり、ブロッコリーが展開する「ゲーマーズ」の『デ・ジ・キャラット』とアニメイトの『アニメ店長』がある。『デ・ジ・キャラット』は、テレビアニメ化、アニメ映画化、ドラマCD化、漫画化、ライトノベル化している。『アニメ店長』はドラマCD化、漫画化、アニメ化(ただし、プロモーションビデオのみ)しており、また『らき☆すた』に一部キャラクターが登場するなど他作品とのタイアップも果たしている。
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脚注
^ “メディアミックス”. コトバンク. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. 朝日新聞社・VOYAGE GROUP. 2019年2月27日閲覧。
- ^ abcd筒井清忠・加藤幹郎 『時代劇映画とはなにか ニュー・フィルム・スタディーズ』 人文書院、1997年、31-32頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
ISBN 978-4409100080。
- ^ abcdef#中川P52-53、75、92
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^ 大林 宣彦さん 映画作家 | 「介護110番」総合案内
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^ あかほりさとる氏が語る、メディアミックス黎明期 (1/4)
^ http://www.donuts.ne.jp/products/t7s/
^ 2015年5月31日に1st Live、2016年8月21日に2nd Live、2017年1月15日に2.5 Live、2017年4月22日-23日に3rd Liveが開催された。
^ https://www.lisani.jp/0000049770/3/?show_more=1
^ プロジェクトの企画・原作をした茂木伸太郎は、プロジェクトの総監督、楽曲展開の総合音楽プロデューサー、ほぼすべての楽曲の作詞、一部楽曲の作曲、ライブの構成・演出を務めている。アニメMVでは脚本・絵コンテ・音響監督・監督を兼任した。(インタビューでのプロフィールを参照)
参考文献
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- 日経ビジネス2007年10月1日号 特集「日産、日立、角川が目覚めた カネになる知財 攻めの権利ビジネス新次元」
- 佐藤忠男、山根貞男 『シネアルバム 日本映画1978 1977年公開映画全集』 芳賀書店、1978年。
- 『キネマ旬報』1979年2月下旬号、キネマ旬報社。
- 田山力哉 『新しい映画づくりの旗手たち』 ダヴィッド社、1980年。
- 『日本映画・テレビ監督全集』 キネマ旬報社、1988年。
- 『アイドル映画30年史』 洋泉社〈別冊映画秘宝 VOL.2〉、2003年。
- 『ぼくのしょうらいのゆめ』 プチグラパブリッシング、2006年。
ISBN 9784903267333。 - 『東宝特撮映画大全集』 ヴィレッジブックス、2012年。
ISBN 9784864910132。 - 中川右介 『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』 角川マガジンズ、2014年。
ISBN 4-047-31905-8。
関連項目
- 小説化
- 漫画化
- アニメ化
- キャラクターゲーム
- キャラクターグッズ専門店
- 製作委員会方式
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