グリコ (菓子)
グリコは江崎グリコから発売されている玩具付きキャラメルで、同社の登録商標(日本第307367号ほか)である。商品名は、成分として含まれているグリコーゲンに由来する。森永ミルクキャラメル(森永製菓)、明治キャラメル(明治)と共に古い歴史を持つキャラメルの一つ。
キャッチコピーは「ひとつぶ300メートル」。これは1粒に300メートル走るのに必要なカロリーが含まれているという意味である。
目次
1 歴史
2 種類、関連商品
3 商品
3.1 パッケージ
3.1.1 グリコポーズ
3.2 マークの変遷
3.3 キャラメル
3.4 玩具
4 タイムスリップグリコ
5 脚注
6 関連項目
7 外部リンク
歴史
1922年(大正11年) 大阪の三越で販売開始。
1923年 おまけとしてカードが封入される。
1927年(昭和2年) おまけとして大阪造幣局で作られた銅製のメダルが封入される[1]。
1931年 専用の自動販売機が作られる。
1953年 キャラメルの形状が角型になる。
1987年 キャラメルの形状がハート型に戻る。「みんなのおもちゃ」が追加される。
1992年(平成4年) パッケージが現在のものになる。
2001年 タイムスリップグリコ第1弾発売。
種類、関連商品
- グリコ
- タイムスリップグリコ
- グリコパン
- グリコキャラメルプリン
- アーモンドグリコ
江崎グリコの専門店である「ぐりこ・や」では、昔のパッケージを再現した復刻版を購入できる。
商品
パッケージ
キャラメルの入った箱の上に、玩具の入った箱を乗せ、全体をビニール包装した状態で販売されている。
開封するまで、どんな玩具が入っているかわからない。
グリコポーズ
道頓堀グリコサイン
男性が両手と片足をあげているのが特徴的なイラストは、正式には「ゴールインマーク」という。一般には「グリコポーズ」と呼ばれ、グリコの顔として知られている。
大阪・道頓堀川の戎橋には、このパッケージをもとにした巨大看板(道頓堀グリコサイン)がある。
マークの変遷
※それぞれのマークについては、脚注のリンク先である「江崎グリコ記念館 ゴールインマークの歴史」で確認できる。
- 初代(1922年 - 1927年)
- 江崎グリコの創業者、江崎利一が「健康」をイメージしたマークを考案していたのだが、なかなかいい案が出なかった。そんななか、江崎は散歩中に神社の広場で遊んでいた子供がゴールインポーズをしているのを見て「これだ!」とひらめき、ゴールインマークを作成。これがゴールインマークの誕生である。ランナーのランニングシャツには「グリコ」の文字のほか上部分に英文表記の「GLYCO」が加えられている。ただ、初代は体格も痩せ型であったせいか、表情もどこか険しいものであった。そのため、このゴールインマークを見た女学生から「顔が怖い」とのきつい一言があり、2代目に変更することになる。
- 2代目(1928年 - 1944年)
- 当時活動していたスポーツ選手数人を参考に描き替えたデザインとなる[2]。「グリコ」の字体も変更。
- 3代目(1945年 - 1953年)
- 2代目をベースにしたデザインだが、顔つきもにこやかなものになる。英文表記が「GLYCO」から「GURIKO」に変更される。
- 4代目(1953年 - 1966年)
- このときから、英文表記がなくなる。
- 5代目(1966年 - 1971年)
- ランナーの顔が現在のものに近くなり、体格もスマートなものになってくる。
- 6代目(1971年 - 1991年)
- 江崎グリコ創立50周年を機にリニューアル。「おいしさと健康」と、英文の「★ GLICO ★ GOOD TASTE AND GOOD HEALTH ★」の文字囲みが入るようになる。
- 7代目(1992年 - 現在)
- 創立70周年を機にリニューアルされ、シャープなデザインに。囲みの英文が「A WHOLESOME LIFE IN THE BEST OF TASTE」に変更される。
キャラメル
グリコのキャラメルには、グリコーゲンが含まれている。これは江崎グリコ創業者の江崎利一が、グリコーゲンを成長ざかりの子供に摂ってほしいとの思いからグリコが作られたからである。
形状は、珍しい立体的なハート型である。キャラメルは飴などと比べて軟らかいため、型抜きでハート型を作るのは難しかったが、ローラーを用いることによりこれを可能にした。これは業界初の試みであった。なお、1953年から1987年の間は大量生産によるコスト削減のため角型に変更されていた。1粒のカロリーは15.4kcal。
玩具
創業者江崎利一の「子供の二大娯楽、食べることと遊ぶことを同時に満たしてあげたい」という方針により、1927年キャラメルに玩具を同梱した商品の販売を開始した。戦時中は素材が制限され、消しゴムなどの実用的なものになるなど、時代の変化とともに玩具も変わっていった。現在はほとんどの玩具がプラスチックで作られている。過去には、紙・セルロイド・陶器・竹・アンチモニー・鉄などが使われていた。創業者の江崎利一の意志により、公式にはおまけとは呼ばず、玩具とお菓子は対等に扱われている。
現在販売されているのは以下の種類。
- 男の子のおもちゃ - 飛行機や自動車などの乗り物が主なモチーフ。
- 女の子のおもちゃ - ままごとや人形などが主なモチーフ。
- みんなのおもちゃ - ゲームができる玩具など。
- 木のおもちゃ - 木を素材とした玩具。
- ミニ絵本
タイムスリップグリコ
2001年に第1弾が発売された、大人をターゲットとするグリコ。過去に男の子のおもちゃ及び女の子のおもちゃでプラスチック製の車やままごと道具のミニチュアが入っていた為、それをリアルにする形でくらしシリーズ、のりものシリーズの路線が決められた。シリーズによっては、キャラメルに代わってアーモンドチョコレートが入っている場合がある。2005年に発売された大阪万博編でシリーズは中断している。
主なおまけは以下のとおり。
フィギュアは海洋堂が制作している。
- フィギュア
- くらしシリーズ、のりものシリーズ - 昭和の市民生活(家電製品や乗り物など)をモチーフとする。乗り物シリーズの乗用車と付属するフィギュアのスケールは鉄道模型でのHOスケールに相当する。
鉄人28号シリーズ
ウルトラマンシリーズ - ウルトラマンシリーズを題材にしている。絵コンテは新世紀エヴァンゲリオンや終戦のローレライの樋口真嗣が手がけている。
大阪万博 - 大阪万博のパビリオンや展示物など。
CD
- 青春のメロディー
- グループ・サウンズ
- 詳細は「食玩CD#江崎グリコ」を参照
雑誌
- 思い出のマガジン - 過去に発売された雑誌をミニチュアサイズで復刻したもの。
脚注
^ [労働教育センター 保坂展人 子どもが消える日 70ページ]
^ 江崎グリコ記念館「ゴールインマークの歴史」。江崎グリコの社史『創意工夫 江崎グリコ70年史』(1992年)のP14には「極東オリンピックで優勝したカタロン選手(詳細は[1]を参照)や、パリオリンピックに出場した谷三三五選手、マラソンの金栗四三選手らのにこやかなゴールイン姿を参考にして書き直した」とあり、グリコのメールマガジン「ぐー・ぐー・マガジン」にも同様の記載がある[2]。一方、グリコのウェブサイトにある「なぜ?なに?コーナー」では「特定のモデルはない」と記されている[3]が、これは「特定個人をモデルとはしていない」という意味と考えられる。
関連項目
- 食玩
- 食玩CD
- 菓子
スポロガム - グリコのガム版。
大熊元司(プロレスラー。リング上で両手を挙げるポーズがグリコポーズと言われた)
がっちり買いまショウ(毎日放送)- かつてグリコが一社提供していた番組。有名な口上に「お利口にグリコ」がある。(司会の夢路いとし・喜味こいしが観覧に来ていた子供らにグリコを配っていた。)
有馬玩具博物館 - グリコのおまけの玩具をデザインしていた加藤裕三が提唱した、おもちゃの博物館
探偵!ナイトスクープ - 「300mおきに1個ずつ食べるとフルマラソンを完走できるか?」という依頼が送られたことがある。
外部リンク
- 江崎グリコ
- タイムスリップグリコシリーズ
グリコピア神戸 - グリコの製造工程や過去のおまけ、自動販売機などの展示がある。