セント (通貨)

1アメリカ合衆国セント硬貨
セント (cent) は、アメリカ合衆国、ユーロ圏など多くの国で使われている補助通貨。
ラテン語で「100」を意味するcentum(ケントゥム)が語源で、基本通貨の名称は違ってもどの国でも基本通貨の1/100である。
目次
1 記号
1.1 セント記号に似た記号
2 ユーロ
3 各国のセント
4 類似の補助通貨
5 符号位置
6 脚注
記号
通貨記号は¢、またはc。基本的にどちらも使えるが、どちらが多いかは国によって違い、たとえばアメリカ合衆国やカナダでは¢、ユーロ圏やオーストラリアやニュージーランドではcが多い。なお、¢はセント以外にセンターボなどでも使う。
基本通貨の通貨記号を「$10」のように数字の前に書くか後に書くかは国によって違うが、¢やcは原則として「10¢」のように数字の後に書く。
¢やcを使わず、「$0.10」のように基本通貨と2桁の小数で表すこともある。特にユーロ圏では「€0.10」のようにすることが多い。€と¢ともに形状がCに似ているため、セントを記号で表記するとかえって判読しにくくなる為。
セント記号に似た記号
- ₡ - 線が2本あるのはコロン(コスタリカ・コロン、サルバドール・コロン(廃止))の記号。
- ₵ - 線がまっすぐなのはセディ(ガーナ)の記号。
ユーロ
1ユーロの1/100の名称は言語によって異なる。多くの言語ではcentとつづられるが、その読みは言語によって異なり、ドイツ語ではツェントのように発音する。また、ギリシア語ではλεπτό(レプト)、フィンランド語ではsentti(センッティ)になる[1]。
フランスではcent(サン)が「100」を意味する日常用語で紛らわしいため、centではなく従来のcentime(サンチーム)を使うと公式に決められている[2]。ただし、EUの公式文書内ではcentを使用することが推奨される[3]。同様にスペインでもcentではなくcéntimo(センティモ)が、イタリアではcentesimo(チェンテジモ)が使用される。
各国のセント
エストニアセント以外はつづりはcent。
- 1/100ドル
アメリカ合衆国 - 1/100アメリカ・ドル
エチオピア(〜1976年) - 1/100エチオピア・ドル
オーストラリア - 1/100オーストラリア・ドル
カナダ - 1/100カナダ・ドル
ギニア(〜1955年) - 1/100ギニア・ドル
ケイマン諸島 - 1/100ケイマン諸島・ドル
ジャマイカ - 1/100ジャマイカ・ドル
シンガポール - 1/100シンガポール・ドル
ジンバブエ - 1/100ジンバブエ・ドル
スリナム - 1/100スリナム・ドル
台湾 - 1/100ニュー台湾ドル(中国語では1分 = 1/100新台幣)
トリニダード・トバゴ - 1/100トリニダード・トバゴ・ドル
ナミビア - 1/100ナミビア・ドル
ニュージーランド - 1/100ニュージーランド・ドル
バハマ - 1/100バハマ・ドル
バミューダ - 1/100バミューダ・ドル
バルバドス - 1/100バルバドス・ドル
東カリブ諸国 - 1/100東カリブ・ドル
フィジー - 1/100フィジー・ドル
ブルネイ - 1/100ブルネイ・ドル
ベリーズ - 1/100ベリーズ・ドル
香港 - 1/100香港ドル(中国語では1仙 = 1/100港元)
リベリア - 1/100リベリア・ドル
ローデシア(廃止) - 1/100ローデシア・ドル
- 1/100シリング (ただし旧1イギリスシリング = 12ペンス)
ウガンダ - 1/100ウガンダ・シリング
ケニア - 1/100ケニア・シリング
ソマリア - 1/100ソマリア・シリング
タンザニア - 1/100タンザニア・シリング
- 1/100ルピー (ただし1/100インド・ルピー = 1パイサ)
スリランカ - 1/100スリランカ・ルピー
セーシェル - 1/100セーシェル・ルピー
モーリシャス - 1/100モーリシャス・ルピー
- 1/100ギルダー(フロリン)
アルバ - 1/100アルバ・フロリン
オランダ(〜2002年) - 1/100オランダ・ギルダー
オランダ領アンティル(〜2010年) - 1/100オランダ領アンティル・ギルダー
- その他
エストニア - 1/100クルーン(つづりはsent)
エリトリア - 1/100ナクファ
欧州連合(一部除く) - 1/100ユーロ
シエラレオネ - 1/100レオネ
スワジランド - 1/100リランゲニ
南アフリカ共和国 - 1/100ランド
類似の補助通貨
似た名称で基本通貨の1/100の補助通貨を挙げる。
多くはセントと同じくラテン語のcentumもしくは同じ語源の100を意味する言葉か、あるいは直接にはセントに由来する。
サンチーム (centime) - CFAフラン圏など旧フランス領アフリカ諸国の多く、フランス(〜2002年)など。
- フランス語では cent が数詞の「百」を意味するため、通貨であることを区別するために使われる。
コペイカ (kopiejka) - ロシア
銭 - 日本(〜1953年)。
- 但し、為替や日経平均株価の表示には現在も使われている。
セン (sen) - インドネシア、カンボジア、ブルネイ、マレーシア。
センギ (sengi) - コンゴ共和国(廃止)
センターボ (centavo) - 中南米の多くの国。
センチム (centim) - アンドラ。
センテ (sente) - 南アフリカ共和国。
センティ (senti) - ソマリア、タンザニア。
センティモ (centimo) - コスタリカ、スペイン(〜2002年)、パラグアイなど。
センティモ (sentimo) - フィリピン。
センテシモ (centesimo, centecimo) - イタリア(〜2002年)、ウルグアイ、ソマリア、チリ、パナマなど。
ツェンタス (centas) - リトアニア
符号位置
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
¢ | U+00A2 |
1-1-81 |
¢ ¢ ¢ |
CENT SIGN |
¢ | U+FFE0 |
- |
¢ ¢ |
FULLWIDTH CENT SIGN |
㌣ | U+3323 |
1-13-44 |
㌣ ㌣ |
組文字・セント |
脚注
^ Design of the euro, European Union
^ Code monétaire et financier Article L111-1, https://www.legifrance.gouv.fr/affichCodeArticle.do?idArticle=LEGIARTI000006643875&cidTexte=LEGITEXT000006072026&dateTexte=20190304, "La monnaie de la France est l'euro. Un euro est divisé en cent centimes."
^ Code de rédaction interinstitutionnel 7.3. Monnaies, Union européenne, http://publications.europa.eu/code/fr/fr-370300.htm
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