集史
『集史』(しゅうし、ペルシア語: جامعالتواریخ Jāmi` al-Tavārīkh、アラビア語: جامع التواريخ Jāmi` al-Tawārīkh)は、イルハン朝の第7代君主ガザン・ハンの勅令(ヤルリク)によってその宰相であったラシードゥッディーンを中心に編纂された歴史書である。イラン・イスラム世界、さらに言えばモンゴル君主ガザン自身の視点が反映されたモンゴル帝国の発祥と発展を記した記録として極めて重要な文献である。
モンゴル史部分の編纂には、ガザン自身も多くの情報を口述しこれがモンゴル史の根本となったことはラシードゥッディーンも序文で述べているが、これらのことからも『集史』はガザン自身の見解が色濃く反映された歴史書である。その性格のため『集史』はペルシア語で編纂された歴史書であるが、13、14世紀のモンゴル語やテュルク語やその他の多言語の語彙・用語を多く含み、そのペルシア語の用語も多く含まれている。このため『集史』は、モンゴル帝国が持つユーラシア規模の世界性をまさに体現した希有の資料と評されている。
ペルシア語で書かれたものであるが、タイトルである Jāmi` al-Tawārīkh はアラビア語で「諸々の歴史を集めたもの」を意味し、日本語では『集史』と翻訳されている。ちなみにロシアの東洋学者ベレジンによる校訂本に基づいたモンゴル史までの中国語訳があるが、この題は『史集』と訳されている。
目次
1 成立
2 特徴
3 構成
3.1 第一巻(Mujallad-i Awwal)(モンゴル史)
3.1.1 序文(Muqaddima-yi Mujallad-i Awwal)
3.1.2 第一部(Bāb-i Awwal)(テュルク・モンゴル諸部族史)
3.1.3 第二部(Bāb-i Duwwum)(チンギス・カン一門の歴史)
3.2 第二巻(Mujallad-i Duwum)(世界史)
3.3 第三巻(Mujallad-i Suwum)(地理誌)
4 後世における『集史』の影響
5 現存する写本
5.1 第一巻『ガザン史』(モンゴル史)の写本
5.2 第二巻『世界史』の写本
5.3 第一巻と第二巻の合巻本
5.4 写本の詳細ないし所在が不明なもの
6 校訂本
6.1 第一巻の校訂本
6.2 第二巻の校訂本
7 画像
8 脚注
9 参考文献
10 関連項目
11 外部リンク
成立
ガザンは即位以来、チンギス・カンの後裔フレグ、ひいてはそのフレグ家の当主である自らのもとにイルハン朝領域下のモンゴル系諸勢力を中央集権的に支配するという、強力な国家改造を押し進めていた。ガザンは、その政策の重要な柱のひとつとしてチンギス・カン家とモンゴル国家の歴史編纂を企図し、祖父アバカ以来侍医として仕え当時宰相(ワズィール)に抜擢されたラシードゥッディーンにその編纂長官職を任命した。
編纂事業については、ガザン自身の口述の他に『黄金の秘冊(アルタン・デプテル)』と称されたモンゴル王家秘蔵の歴史書の閲覧を許可され、イルハン朝領内を中心にモンゴル諸部族集団で保持されていた伝承・旧辞・金言・系譜などに加え、中国やインド、フランクなどの様々な地域の知識人たちを動員して編纂が進められた。1304年にガザンが没したため彼は完成を見る事は無かったが、1307年にモンゴル帝国史の部分は完成し、『ガザンの祝福されたる歴史(Tārīkh-i Mubārak-i Ghāzānī)』と名付けられ、ガザンの弟でその後継者となったオルジェイトゥに献呈された。ガザンの政策を受継いだオルジェイトゥは、引き続きモンゴル帝国と関わった世界各地の歴史を網羅するようこれらの種族の歴史も追加編纂するように命じ、1314年に完成して『集史(Jāmi` al-Tawārīkh)』と名付けられた。
特徴
『集史』の紀年法は、それまでのアラビア語・ペルシア語の書物と一線を画す表記法を採用している。主にモンゴル王族についての事蹟において書かれているのだが、まず、ウイグル暦と思しきテュルク語ないしモンゴル語による十二支年を置き、それのペルシア語による訳を附し、さらに季節とその月々の初・中・晩を述べてヒジュラ暦による年月日、時には曜日が附される。これはモンゴル宮廷では天山ウイグル王国などの書記法を採用して十二支年が使用されていたことが反映された物である。『元朝秘史』や現在発掘されているウイグル王国起源の経済文書なども基本的に十二支年だけで記されているが、ヒジュラ暦や季月などを並記する事で絶対年代の年月日を特定できるよう配慮されている。
構成
第一巻(Mujallad-i Awwal)(モンゴル史)
上述したように『集史』は二段階の編纂を経ているが、第1次編纂の折に完成したのが『ガザンの祝福されたる歴史(Tārīkh-i Mubārak-i Ghāzānī)』であり、それが改編されて『集史』第一巻「モンゴル史」となる。
序文(Muqaddima-yi Mujallad-i Awwal)
『祝福されたるガザンの歴史』が編纂された理由
第一部(Bāb-i Awwal)(テュルク・モンゴル諸部族史)
モンゴル帝国に征服あるいは帰順してモンゴル帝国を構成するテュルク系・モンゴル系の諸部族の来歴とその首長(アミール、ノヤン)たちの情報を述べた部族誌で、各部族はチンギス・カン家が属すキヤト氏族など、モンゴル部族連合を中心に族祖伝承や係累に基づいて4種類に分類している。
- 第1章(Faṣl-i Awwal) - オグズの子孫から生じた部族と、オグズの親族から生じた部族も加えた二十四部族(オグズ系諸部族)
- 第2章(Faṣl-i Duwum) - 現在はモンゴルと呼ばれているが、以前はそれぞれ別の名を持ち、独立した首長を持っていたテュルク部族(テュルク諸部族)
- 第3章(Faṣl-i Suwum) - 以前は独立した首長を持っていたが、第二のテュルク部族とも第四のモンゴル部族ともつながりはなく、しかし外観や言語は彼らと近いテュルク部族
- 第4章(Faṣl-i Chahārum) - 久しい前から通称はモンゴルであったテュルク部族、これから出た多くの部族(モンゴル諸部族)
- 第1節(qism-i awwal) - ドルルキン諸分族(コンギラト、コルラス、イキレス、イルジキン、ウリヤンキトなど)
- 第2節(qism-i duwum) - ニルン諸分族(アラン・コアの子孫 チンギス・カンと系譜関係にあるモンゴル系の諸氏族)
第二部(Bāb-i Duwwum)(チンギス・カン一門の歴史)
チンギス・カン家の歴史で、チンギス・カンの祖先とその子孫について各々の本紀(Dāstān)が設けられている。また本紀は基本的に以下のような三部構成になっている。
- 各帝王本紀(Dāstān)
- 第1節(qism-i awwal) - その人物の妻や妃・息子たちとその系譜・系図・肖像についての説明
- 第2節(qism-i duwum) - 本文
- 第3節(qism-i sawum) - その人物や逸話や金言について
本紀のそれぞれの第2節・第3節には各々段(hikāyat)が設けられ、治世中などに起きた出来事について語られる。
また、主要な段にはマー・ワラー・アンナフル、イラン地域、ミスルなど同じ時期の各地の支配者たちの動向についての情報が別項を設けて書かれている。
- 第1章(Faṣl-i Awwal) - チンギス・カン祖先諸本紀
- 序文
- ドブン・バヤン(Dūbūn Bāyān)紀
- アラン・ゴア(Alān Qūā)紀
- ボドンチャル(Būdūnjar)紀(ボドンチャル・ムンカク)
- ドゥトゥム・マナン(Dūtūm Manan)紀(メネン・トドン)
- カイド・ハン(Qāīdū khān)紀(カイドゥ)
- バイ・サンクル(Bāī Sankqūr)紀(バイシンコル・ドクシン)
- トンバナ・ハン(Tūmbana khān)紀(トンビナイ・セチェン)
- カブル・ハン(Qabul khān)紀(カブル・カン)
- バルタン・バハドゥル(Bartān Bahādur)紀(バルタン・バアトル)
- イスカイ・バハドゥル(Yisūkāī Bahādur)紀(イェスゲイ・バアトル)
- 第2章(Faṣl-i Awwal) - チンギス・カン裔諸本紀
- チンギス・ハン紀(チンギス・カン)
オゴデイ・カアン紀- ジョチ・ハン紀(ジョチ)
- チャガタイ・ハン紀(チャガタイ)
- トルイ・ハン紀(トルイ)
- グユク・ハン紀(グユク・カン)
モンケ・カアン紀
クビライ・カアン紀
テムル・カアン紀
フレグ・ハン紀
アバカ・ハン紀
アフマド・ハン紀
アルグン・ハン紀
ゲイハトゥ・ハン紀
ガザン・ハン紀
第二巻(Mujallad-i Duwum)(世界史)
第二巻(Mujallad-i Duwum)は世界史であり、第2次編纂にあたる。
- 第1章 - オルジェイトゥ・ハン紀であったとされるが、これは現存しない。
- 第2章 - アダムから預言者ムハンマドを経て『集史』が編纂されたヒジュラ暦704年(1304年-1305年)に至る預言者たちの歴史である。これはサーサーン朝までのイランの諸王朝や、預言者ムハンマド、正統カリフはじめウマイヤ朝、アッバース朝のカリフたち、ガズナ朝、セルジューク朝、ホラズム・シャー朝、サルグル朝、イスマーイール派のニザール派について扱われる。
アダムおよび預言者の話- ペルシア古代史(ピーシュダーディー朝からサーサーン朝まで)
ムハンマド伝
正統カリフ史
ウマイヤ朝史
アッバース朝史
ガズナ朝史
サーマーン朝、ブワイフ朝史
セルジューク朝史
ホラズム・シャー朝史
サルグル朝史
ファーティマ朝史
イスマーイール派ニザール派史
- 第3章 - 諸種族史にあたり、オグズ・ハン以下のテュルク民族の伝承にはじまるオグズ史、中国史に相当するヒターイー史、古代イスラエル史、歴代ローマ教皇とフランク王国、神聖ローマ帝国の君主たちについて扱ったフランク史、釈迦伝を含むヒンドゥスターン史である。
オグズ史- ヒターイー史(中国史)
- イスラエル史
- フランク史(ローマ帝国、フランク王国、神聖ローマ帝国史)
- インド史(釈迦伝含む)
第三巻(Mujallad-i Suwum)(地理誌)
第三巻は地理志であったとされるが、これは伝存していない。
後世における『集史』の影響
『集史』は、完成後にモンゴル帝国各地の諸王家へ贈与されたことが記録されており、アラビア語版も同時に作られ、マムルーク朝でもそれらが読まれた。ラシードゥッディーンはオルジェイトゥ治世中に『ラシード著作全集』を著し、自らのワクフによる施設で毎年写本を一部ずつ完成させるよう指示をしていた。この中には『集史』とそのアラビア語版も含まれており、両種類の写本群が現存している。このため後のティムール朝時代にもシャー・ルフによる修史事業でも写本が再編集され、またオスマン朝やサファヴィー朝、ムガル朝でも読まれ各種の写本が作成され続けた。
近代の歴史学でも、1700年代初頭から東洋学の基本文献のひとつとして位置付けられ、19世紀から研究がされており、19世紀のうちにすでに各国語訳が現れている。清人の洪鈞はロシア語訳『集史』を参照して『元史』との考証を行い、『元史訳文証補』を書いた。柯劭忞もこれを参照している。大元朝についてもクビライ・カアン紀やテムル・カアン紀の記述(一部、各国史の「中国史」も)には『元史』にない情報が見られ、現在、大元朝研究の有力な資料のひとつとして使用されている。
しかし、『集史』の写本は上述のように1307年献呈『ガザンの祝福されたる歴史』、1307年献呈『集史』、1314年献呈『集史』というように3段階に増訂されており、それぞれに写本が流布している。さらにティムール朝修訂本や、オスマン朝アラビア語版も別系統の写本群をなしている。『集史』の研究にあたっては、これら諸テクストを校訂することが必須となるが、多系統の写本から原テクストを復元することは容易ではなく、それ以前に下項に示すとおり写本はユーラシア大陸全土に砂をばらまいたように分散して保存されているため、閲覧対照作業自体が困難を極める。また、ペルシア語版のみならず、アラビア語版やウズベク語版の対照も必要となる。さらに、テュルク諸語をはじめとするユーラシア各地の言語の固有名詞・語彙が多数使用されているため、これらの考証も必要となる。
このため『世界征服者の歴史』とならんで13世紀以降の中央ユーラシア史の最重要史料でありながら、いまだにまともな校訂すらなされていない。
現存する写本
第一巻『ガザン史』(モンゴル史)の写本
- Majlis 2294 - イラン国民議会図書館所蔵(テヘラン)
- Ancien fonds persan 68 - フランス国立図書館所蔵(パリ)
- Add.16688 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Supplément persan 209 - フランス国立図書館所蔵(パリ)
- Bīrūnī 2 - アブー・ライハン・ビールーニー東洋学研究所所蔵(タシュケント)
- Bodleian 23 - ボードリアン図書館所蔵(オクスフォード)
- Bayern 207 - バイエルン州立図書館所蔵(ミュンヘン)
- D66 - ロシア科学アカデミー・アジア民族研究所所蔵(サンクトペテルブルク)
- Hekimoğlu'Alī Paşa 703 - スュレイマニイェ図書館所蔵(イスタンブール)
- Bīrūnī 1643 - アブー・ライハン・ビールーニー東洋学研究所所蔵(タシュケント)
- Millī F/1569 - イラン国立図書館所蔵(テヘラン)
- Supplément persan 1643 - フランス国立図書館所蔵(パリ)
- Bengal D32 - ベンガル・アジア協会所蔵(コルカタ)
- C376 - ロシア科学アカデミー・アジア民族研究所所蔵(サンクトペテルブルク)
- Rizā 29 - イマーム・レザー廟附属図書館所蔵(マシュハド)
- Bīrūnī 1620 - アブー・ライハン・ビールーニー東洋学研究所所蔵(タシュケント)
- Revan Köškü 1518 - トプカプ宮殿図書館所蔵(イスタンブール)
- Codex vindobonensis 326 - オーストリア国立図書館所蔵(ウィーン)
- Supplément persan 1561 - フランス国立図書館所蔵(パリ)
- Aya Sofya 3034 - スュレイマニイェ図書館所蔵(イスタンブール)
- I.O.1784 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Bengal D31 - ベンガル・アジア協会所蔵(コルカタ)
- Or.2927 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Or.2885 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Supplément persan 1113 - フランス国立図書館所蔵(パリ)
- Dorn 289 - ロシア科学アカデミー・アジア民族研究所所蔵(サンクトペテルブルク)
- Golestan MS - ゴレスターン宮殿サルタナット図書館所蔵(テヘラン)
第二巻『世界史』の写本
- Ahmed III 2935 - トプカプ宮殿図書館所蔵(イスタンブール)
- Adabiyāt 35-j - テヘラン大学文学部所蔵(テヘラン)
- Adabiyāt 76-b - テヘラン大学文学部所蔵(テヘラン)
- Bīrūnī 1 - アブー・ライハン・ビールーニー東洋学研究所所蔵(タシュケント)
- Rylands 406 - マンチェスター大学図書館所蔵(マンチェスター)
- Rylands 364b - マンチェスター大学図書館所蔵(マンチェスター)
- Add.18878 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Or.1684 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Or.1958 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Or.2007 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Rizā MS - イマーム・レザー廟附属図書館所蔵(マシュハド)
- I.O.3628 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Or.2062 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Or.1786 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Supplément persan 1364,1365 - フランス国立図書館所蔵(パリ)
- C374 - ロシア科学アカデミー・アジア民族研究所所蔵(サンクトペテルブルク)
- Punjab MS - パンジャーブ大学図書館所蔵(パンジャーブ)
- Raverty MS - ギッブ記念財団所蔵(ロンドン)
- PNS 58 - ロシア国立図書館所蔵(サンクトペテルブルク)
- Khalīlī 727 - ナッセル・ハリーリー・コレクション所蔵(ロンドン)
- Arab 20 - エディンバラ大学図書館所蔵(エディンバラ)
- Hazine 1654 - トプカプ宮殿図書館所蔵(イスタンブール)
- Hazine 1653 - トプカプ宮殿図書館所蔵(イスタンブール)
- Supplément persan 2004 - フランス国立図書館所蔵(パリ)
- Lucknow Ms - 旧ラクナウ王立図書館所蔵(ラクナウ)
- PNS 57 - ロシア国立図書館所蔵(サンクトペテルブルク)
- Calcutta MS - ベンガル・アジア協会所蔵(コルカタ)
- Arab b.1 - ボードリアン図書館所蔵(オクスフォード)
第一巻と第二巻の合巻本
- PNS 46 - ロシア国立図書館所蔵(サンクトペテルブルク)
- Add.7628 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Damad Ibrahim 919 - スュレイマニイェ図書館所蔵(イスタンブール)
- Millī F/1656 - イラン国立図書館所蔵(テヘラン)
- PNS 47 - ロシア国立図書館所蔵(サンクトペテルブルク)
- I.O.3524 - 英国図書館所蔵(ロンドン)
- Baghdad Köškü 282 - トプカプ宮殿図書館所蔵(イスタンブール)
- Bayern 208 - バイエルン州立図書館所蔵(ミュンヘン)
写本の詳細ないし所在が不明なもの
- Iqbal Ashtiyānī MS - Iqbal Ashtiyānī所蔵(テヘラン)
- Muhammad Qazvīnī MS - Muhammad Qazvīnī所蔵(テヘラン)
- Saltanat Ms - ゴレスターン宮殿サルタナット図書館所蔵(テヘラン)
- Farhad Mu'tamid MS - ファルハード・ムウタミド所蔵(テヘラン)
- Chanykov 62 - ロシア国立図書館所蔵(サンクトペテルブルク)
- Rampur 1 - レザー図書館所蔵(Rampur)
- Rampur 2 - レザー図書館所蔵(Rampur)
- Rampur 3 - レザー図書館所蔵(Rampur)
校訂本
第一巻の校訂本
- E.Quatremère(カトルメール)『Raschid-eldin,Hisoire des Mongols de la Perse』(Paris,1836)
- И.Н.Берeзин(ベレジン)『Сборник лeтoписeй,Истopия мoнгoлoв.Сoчинeниe Рашид-Эддина』(C.-Пeтeрбург,1858,1861,1868,1888)
- E.Blochet『Djami el-Tévarikh par Fadl Allah Rashid ed-Din,Tome II』(Leyden-London,1911)
- K.Jahan『Geschichte Ġāzān Ḫān's aus dem Ta'rīḫ-i-Mubārak-i-Ġāzānī des Rašīd al-Dīn Faḍlallāh b.'Imād al-Daula Abūl-Ḫair』(London,1940)
- Karl Jahn(カール・ヤーン)『Ta'rīḫ-i-Mubārak-i-Ġāzānī des Rašīd al-Dīn Faḍl Allāh Abī-l-Ḫair Geschichte der Ilḫāne Abāġā bis Gaiḫātū(1265-1295)』('s-Gravenhage,1957)
- Bahman Karīmī(バフマン・カリーミー)『Rashīd al-Dīn,Jāmi'al-Tawārīkh,2jild.』(Tehran,1338/1959)
- A.A.Али-заде(アリー・ザーデ)『Фаэлаллах Рашид ад-Дин,Джами'ат-Таварих.Тoм I,Часть 1』(Мoсква,1965)
- A.A.Али-заде『Фаэлаллах Рашид ад-Дин,Джами'ат-Таварих.Тoм II,Часть 1』(Мoсква,1980)
- A.A.Али-заде,Aрендс『Фаэлаллах Рашид ад-Дин,Джами'ат-Таварих.Тoм III』(Баку,1957)
- Muhammad Rawšan & Muṣṭafá Mūsawī(ロウシャンとムーサウィー)『Jāmi'al-Tawārīkh,4 vols.』(Tehran,1373/1994)
第二巻の校訂本
- Herbert Franke『Some Sinological Remarks on Rašîd ad-Dīn's History of China(中国史)』(1951)
- Karl Jahn『Die Geschichte der Oġuzen des Rašīd ad-Dīn(オグズ史)』(Wien-Köln-Graz:Hermann Böhlaus Nachf,1969)
- Karl Jahn『Die Chinageschichte des Rašīd ad-Dīn(中国史)』(Wien-Köln-Graz:Hermann Böhlaus Nachf,1971)
- Karl Jahn『Die Geschichte der Kinder Israels des Rašīd ad-Dīn(イスラエル史)』(Wien:Verlag der Österreichischen Akademie der Wissenschaften,1973)
- Karl Jahn『Die Frankengeschichte des Rašīd ad-Dīn(フランク史)』(Wien:Verlag der Österreichischen Akademie der Wissenschaften,1977)
- Karl Jahn『Die Indiengeschichte des Rašīd ad-Dīn(インド史)』(Wien:Verlag der Österreichischen Akademie der Wissenschaften,1980)
王一丹『Tārīḫ-i-Čīn az Ğāmi'al-tawārīḫ-i Ḫwāğa Rašīd al-Dīn Faḍl Allāh(中国史)』(Tihrān:Markaz-i Našr-i Dānišgāhī,1379/2000)- Muhammad Rawšan『Rašīd al-Dīn Faḍl Allāh Hamadānī Ğāmi'al-tawārīḫ(tārīḫ-i Afranğ,pāpān wa qayāṣara).』(Tihrān:Mīrāt-i Maktūb,1384/2005a)
- Muhammad Rawšan『Rašīd al-Dīn Faḍl Allāh Hamadānī Ğāmi'al-tawārīḫ(tārīḫ-i Hind wa Sind wa Kašmīr).(インド史)』(Tihrān:Mīrāt-i Maktūb,1384/2005b)
- Muhammad Rawšan『Rašīd al-Dīn Faḍl Allāh Hamadānī Ğāmi'al-tawārīḫ(tārīḫ-i Uġūz).(オグズ史)』(Tihrān:Mīrāt-i Maktūb,1384/2005c)
- Muhammad Rawšan『Rašīd al-Dīn Faḍl Allāh Hamadānī Ğāmi'al-tawārīḫ(tārīḫ-i aqwām-i pādišāhān-i Ḫitāy).(ヒターイ史)』(Tihrān:Mīrāt-i Maktūb,1385/2006)
- Muhammad Rawšan『Rašīd al-Dīn Faḍl Allāh Hamadānī Ğāmi'al-tawārīḫ(tārīḫ-i Samāniyān Buwayhiyān wa Ġaznawiyān).(サーマーン、ブワイフ、ガズナ史)』(Tihrān:Mīrāt-i Maktūb,1386/2007a)
- Muhammad Rawšan『Rašīd al-Dīn Faḍl Allāh Hamadānī Ğāmi'al-tawārīḫ(tārīḫ-i Āl-i Salğūq).(セルジューク史)』(Tihrān:Mīrāt-i Maktūb,1386/2007b)
- Muhammad Rawšan『Rašīd al-Dīn Faḍl Allāh Hamadānī Ğāmi'al-tawārīḫ(tārīḫ-i Banī Isrā'īl).(イスラエル史)』(Tihrān:Mīrāt-i Maktūb,1386/2007c)
画像
脚注
参考文献
- 赤坂恒明 「『五族譜』と『集史』編纂」『史観』130、1995年。
- 岩武昭男 「ラシードゥッディーンの著作活動に関する近年の研究動向」『西南アジア研究』40号、1994年3月。
- 岩武昭男 「ラシード区ワクフ文書補遺写本作成指示書」(関西学院大学東洋史学研究室編)『アジアの社会と文化』 法律文化社、1995年6月。
- 岩武昭男 「ラシード著作全集の編纂 --『ワッサーフ史』著者自筆写本の記述より-- 」『東洋学報』78-4、1997年3月。
- 志茂智子 「ラシードゥ・ウッディーンの『モンゴル史』 --『集史』との関係について-- 」『東洋学報』76-3,4、1995年。
- 志茂碩敏 「序章」『モンゴル帝国史研究序説』 東京大学出版会、1995年、pp.1-18。
- 白岩一彦 「『集史』研究の現状と課題」『日本中東学会年報』10、1995年。
- 杉山正明 「集史」『中央ユーラシアを知る事典』 平凡社、2005年4月、pp.246-247。
- 本田実信「ペルシア語資料解説」『モンゴル時代史研究』(東京大学出版会)1991年 p.570-574. (初出:同「イラン」『アジア歴史研究入門』第4巻 内陸アジア・西アジア編 同朋社、1984年、p.634-638)
- 志茂碩敏 『モンゴル帝国史研究 正篇 中央ユーラシア遊牧諸政権の国家構造』東京大学出版会、2013年
関連項目
- ハーフェズ・アブルー
- アブラハム・コンスタンティン・ムラジャ・ドーソン
- モンゴル帝国
- イルハン朝
- 元朝秘史
- 元史
- 世界征服者の歴史
外部リンク
- テュルク&モンゴル トプカプの『集史』
ブログ草原系第1巻第1門第3類「お互いに別個の支配者・指導者を有していた非モンゴル系諸部族」の邦訳
『集史』パリ写本(Supplément persan 1113)について白岩一彦(1991年)
『集史』テヘラン写本(イラン国民議会図書館写本2294番)について白岩一彦(1993年)
十二世紀モンゴル社会における宗族と族譜白岩一彦(1995年)
ラシード・ウッディーン『歴史集成』現存写本目録白岩一彦(2000年)
ラシードッディーン『集史』第一巻「モンゴル史」の諸写本に見られる脱落宇野伸浩(2006年)
『集史』の構成における「オグズ・カン説話」の意味宇野伸浩
チンギス・カン前半生研究のための『元朝秘史』と『集史』の比較考察宇野伸浩(2008年)
『集史』第1巻「モンゴル史」のアムバカイ・カンとトドエン・オッチギンの挿話宇野伸浩(2009年)
『集史』第1巻「モンゴル史」の諸写本におけるチャガタイ・カンの息子たちの順序の混乱宇野伸浩(2011年)
ラシードゥッディーン『中国史』近刊刊本二種矢島洋一(2008年)
クトゥブッディーン・シーラーズィー書写『モンゴルの諸情報』について髙木小苗
Elliot, H. M. (Henry Miers), Sir; John Dowson (1871). The History of India, as Told by Its Own Historians. The Muhammadan Period (Vol 3.). London : Trübner & Co.. http://www.archive.org/stream/cu31924073036737#page/n5/mode/2up.
The History of India, as Told by Its Own Historians. The Muhammadan Period; by Sir H. M. Elliot; Edited by John Dowson; London Trubner Company 1867–1877 Vol I-VIII - Posted by: Packard Humanities Institute; Persian Texts in Translation
Bayley, Edward Clive (1886). The History of India, as Told by Its Own Historians: The Local Muhammadan Dynasties: Gujarat. London, W. H. Allen, publishers to the India Office. http://www.archive.org/stream/historyindiaast00yulegoog#page/n7/mode/1up.