ポリグラフ
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ポリグラフ(英: polygraph)は、呼吸・脈拍・血圧など複数の生理現象を、電気的または物理的なシグナルとして同時に計測・記録する装置である。俗に「嘘発見器」、つまり被験者の返答が真実かうそかを判定することを目的とする装置を指すと考えられているが、後述するように正確ではなく、多くの国では裁判で証拠としては認められない。ポリグラフ検査機器を「嘘発見器」と呼ぶ場合はキーラー・ポリグラフ (Keeler polygraph) と呼び、通常の医療機器と区別する。アメリカポリグラフ協会という組織があるが、これは嘘発見器の協会である。現在ではポリグラフ以外の嘘発見器も多用されているが組織名がポリグラフであるため他の方式の嘘発見器までポリグラフと呼ばれる一因になっている。
歴史的には、ギリシャ語のpolygraphos(多く書くこと)から派生し、1871年に「身体の複数の計測を行う装置」という意味で用いられ、1921年に「嘘発見器」の意味で用いられた[1]。睡眠時無呼吸症候群の検査がポリソムノグラフィであり、その装置は「睡眠ポリグラフ」と呼ばれる。
目次
1 医療機器としてのポリグラフ
2 ポリグラフ検査について
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
医療機器としてのポリグラフ
日本では普及当所、製造メーカーによって「生体監視記録装置」や「医用ポリグラフ」などと名付けられたが、近年の医療現場では「患者モニタ」や略して単に「モニタ」と呼ばれることもある。手術室で術中の、生体情報モニタとして使われるほか、集中治療室など医療分野で広く用いられている。心電図、心拍数、血圧、呼吸曲線などが同一画面に描かれ、手術内容や患者の病状に応じて測定パラメーターが追加される。日本の製造メーカーには日本光電工業、フクダ電子などがある。
なお、「睡眠ポリグラフ検査」については当該項目を参照のこと。
ポリグラフ検査について
ポリグラフ検査とは、犯罪捜査において利用される捜査手法の一つで、科学的な虚偽検出である[2]。1895年、チェーザレ・ロンブローゾが脳波の実務検査を行っており、これがポリグラフ検査の嚆矢とされる[2]。
1914年にはベヌッシ、1917年にはマーストンが、それぞれ虚偽検出の有効性を確認した。ベヌッシは呼吸、マーストンは収縮期血圧を検証材料として用いた[2]。
本格的にポリグラフ検査を導入したのは、バークレー警察のラーソンである。ラーソンは、血圧、脳波、呼吸を測定する装置による検査を1921年より開始、そのデータの集積を、1932年著書として刊行した[2]。その後、キーラーが、これらに加えて皮膚電気活動も測定する装置を開発[2]。この「キーラー式ポリグラフ装置」は現在使われているポリグラフ装置とほぼ同様の構造である[2]。
捜査員の圧迫に屈服し、虚偽の自白を容疑者がしてしまうことを防ぐ為、捜査の徹底化、虚偽自白防止の高度化を目的として導入された[3]。日本では平成16年までに、デジタル式のポリグラフ検査装置が全国に配備された[3]。
脚注
^ Harper, Douglas (2001年). “polygraph”. The Online Etymology Dictionary. etymonline.com. 2007年7月25日閲覧。
- ^ abcdef海保/越智・119頁
- ^ ab足利事件における警察捜査の問題点等について
参考文献
海保博之監修・越智啓太編纂『犯罪心理学』(朝倉書店・朝倉心理学講座)
関連項目
たけし・所のドラキュラが狙ってる(1992年から1995年まで放送された毎日放送制作のバラエティ番組。人気コーナーだった「ドラキュラ裁判」でポリグラフが用いられていた)
AKBINGO!(「ウソ発見器で本音をあばけ!ショージキ将棋」というコーナーがあり、回答者の動揺を検出するのに用いられる)- トラスター
- 睡眠ポリグラフ検査