シャクシゴケ
シャクシゴケ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Cavicularia densa Steph.[1] |
シャクシゴケ (Cavicularia densa) は、ウスバゼニゴケ目に分類される苔類。本種のみでシャクシゴケ属(Cavicularia)を構成する。
目次
1 分布
2 特徴
3 近縁種
4 脚注
分布
北海道から九州までの日本。日本固有種で、シャクシゴケ属も日本固有である[2]。
特徴
葉状体は暗緑色でうすく、裂片は小さい[3]。
葉状体には小さな黒い点が一定間隔をあけて二列に並んでいる。黒点部分は2層の細胞で囲まれた腔所で、中に藍藻がコロニーを作って共生している。腔所の上から枝分かれする管のような毛がコロニーに入り込む。毛の中には原形質がある。毛先は丸い。[4]。
シャクシゴケと共生している藍藻はネンジュモの1種であるが、実験的に他の植物などから抽出したネンジュモを移植しても、共生関係が再構築される[5]。葉状体の先端には三日月型の凹みがあり、そこに無性芽をつけて繁殖する[3]。
またシャクシゴケの植物体には、フェノール性の化合物であるカビクラリン(Cavicularin) を含む[6]。この物質は他の生物からは知られていない[7]。
近縁種
同じウスバゼニゴケ科のウスバゼニゴケに類似するが、ウスバゼニゴケはとっくり型の容器を形成し、その中に無性芽をつくるため、シャクシゴケと区別できる[3]。
脚注
^ Stephani, F. (1897). “Hepaticae japonicae”. Bulletin de l'Herbier Boissier. Sér. 2 5: 76–108.
^ 古木達郎「コケ便り」2、『日本植物分類学会ニュースレター』第15号(2004年11月)、17頁。樋口正信「シャクシゴケ」、『ウォッチング日本の固有植物』(東海大学出版会、2014年)、97頁。
- ^ abc岩月善之助、水谷正美『原色日本蘚苔類図鑑』(1972年、保育社)p.353
^ 小野庄士「シャクシゴケの観察」、『日本蘚苔類学会会報』第2巻第2号、1977年8月。16頁。
^ Jouko Rikkinen, Viivi Virtanen. 2008. Genetic diversity in cyanobacterial symbionts of thalloid bryophytes. Journal of Experimental Botany 59(5) 1013-1021
^ 吉田達彦、豊田正夫、菅由紀子、高岡茂、橋本敏弘、浅川義範「67(P43) ウスバゼニゴケ科苔類から得られるフェノール性化合物(ポスター発表の部)」、『天然有機化合物討論会講演要旨集』第38号、天然有機化合物討論会、1996年9月2日、 397-402頁、 NAID 110006679795。
^ 樋口正信「シャクシゴケ」、『ウォッチング日本の固有植物』(東海大学出版会、2014年)、98頁。