ギネス世界記録
ギネス世界記録 | ||
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著者 | クレイグ・グレンディ [1] | |
発行日 | 1956 | |
発行元 | ギネスワールドレコーズ | |
ジャンル | 情報 | |
国 | イギリス[2] | |
言語 | 英語 | |
ページ数 | 256 (2015年) 272 (2014年) 301 (2013年) 303 (2012年) | |
公式サイト | http://www.guinnessworldrecords.com | |
コード | ISBN 978-1-904994-37-4 | |
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ギネス世界記録(ギネスせかいきろく、英: Guinness World Records)は、「世界一」を収集する書籍であり、世界一の記録を「ガイドライン」と呼ばれる基準に従い認定し続ける組織でもある。
よく認知されているのが、年に一度出版されるギネス世界記録の本。2000年版までは『The Guinness Book of Records』として刊行されており、それを略した「ギネスブック」と呼ばれる。毎年9月に発行され、様々な分野の世界一が何かを認定、掲載している。記録認定を行っているギネス世界記録には様々な地域から申請が届く。日本には、「ギネスワールドレコーズジャパン」という名称の日本支社がある。
目次
1 概要
2 歴史
3 登録方法
4 記録の認定・登録の基準
5 現在記録カテゴリーとして受け付けていない記録
6 日本でのギネス世界記録
6.1 日本語版
6.2 ギネスワールドレコーズ・ミュージアムTOKYO
6.3 NHKでの報道
7 事業所
8 ギネス世界記録の日
9 批判
10 脚注
11 関連項目
12 外部リンク
概要
収録されるのは、発行元が定める「認定されたカテゴリー」の下で「認定されたルール」に従って作られた記録集である。ただし達成記録数が多いため、認定された全てが収録されるわけではない。
日本では長く「ギネスブック」の名称で親しまれていたが、出版元の変遷により2002年度版は「ギネスワールドレコーズ」、2004年度版以降は「ギネス世界記録」に改称されている。
『ギネス世界記録』の書籍は、「1978年6月3日の『ザ・ベストセラー』誌によると、イギリスの公立図書館でいちばん盗まれる本」[3]、「世界一のベストセラー(版権が存在する現在のもの)」[4]として自らギネスワールドレコーズに登録されていた。2014年時点では「最も売れている年刊本」として自らギネスワールドレコーズに登録されている[5]。
2008年版以後、特にコンピュータゲームに関する記録を掲載した"Guinness World Records Gamer's Edition"という書籍が発行されている(英語版のみ)。
歴史
ギネス世界記録の発行は、アイルランドのビール会社ギネス醸造所の代表取締役だったサー・ヒュー・ビーバーが、仲間とアイルランドへ狩りに行った時狩りの獲物のうち、世界一速く飛べる鳥はヨーロッパムナグロかライチョウか、という議論になり、これになかなか結論が出なかったためで、ビーバーがもしこういう事柄を集めて載せた本があれば評判になるのではないかと発想した。ロンドンで調査業務を行っていたノリス・マクワーターとロス・マクワーターに調査と出版が依頼され、1955年に「ギネスブック・オブ・レコーズ」の初版が発売された。2000年、ギネス醸造所から独立。これをきっかけに、タイトルを「ギネス・ワールド・レコーズ」に改称する。
登録方法
登録するには、ギネス世界記録の公式サイトから申請する。日本からの申請に関しては、ギネスワールドレコーズジャパンのサイトから、自分の住所や名前、電話番号、内容や理由などを書く。個人による申請には「無料サービス」と有料の「優先サービス」の2つがある。無料申請の場合には返答までに約3ヶ月の期間が必要となり、一方で優先サービスを使用した場合は、約10営業日で連絡がくることになっている。組織が申請をする場合には、「法人申請」という申請方法があり、挑戦記録カテゴリーについての相談に乗ってもらえる。なお、有料サービスの利用は、申請内容に対する審査自体に影響を及ぼすものではない。
申請内容が記録カテゴリーとして認められた場合は、ギネスワールドレコーズから記録挑戦のためのガイドラインなどの必要書類が送られてくる。その後、記録挑戦内容を写真、及びビデオでわかりやすく収め、それを郵便でギネスワールドレコーズジャパンに送る。公式認定員に記録挑戦の場に来るよう依頼することもできる[6]が、派遣費用の他、移動費、宿泊費などの費用は挑戦者の負担となる。現在、日本支社にも公式認定員数名が駐在しており[7]、その場での審査を依頼し、挑戦直後に結果を知ることが可能である[6]。公式認定員を呼ぶことで、厳しい審査基準が変更されることがないのは、有料申請と同様である。その後、記録が認められれば、ギネスワールドレコーズから認定証が届けられる。
ギネスワールドレコーズには毎年4万件以上もの応募があるため、記録カテゴリーとして新しく認められるものは応募の総数からいえばわずかである。無料申請をした場合は、返答を受け取るまでに時間がかかるものの、ギネスワールドレコーズでは必ず応募者に対して返事を送ることになっている。また、本来申請は達成した側自身が行うこととされているが例外も存在し、吉田沙保里の功績(五輪及び世界選手権における連勝記録)における認定は、吉田本人による申請ではなく、ギネスワールドレコーズ側からの働きかけで認定へと至ったものである。
なお、近年はギネス世界記録に挑戦する個人や団体が増えてきており、作為的・意識的な記録を認定することには懐疑的な意見もある。
記録の認定・登録の基準
申請された記録内容についての認定・登録は、ギネスワールドレコーズの記録管理部が決定する。新しい記録カテゴリーとして認められるには、最低限、以下のような基準が満たされる必要がある。
- 記録達成が証明されること
- 記録を数量化出来ること
- 今後記録が破られる可能性があること
記録内容が国、地域に限定されるもの、または特殊すぎるものは却下される可能性がある。
また、次のような申請内容と判断される場合は受け付けられない。
- 申請内容が、挑戦者本人、観客、周囲の人々を大きな危険に晒すもの
- 申請者以外の人が、その記録に挑戦するに値しないと判断されるもの
現在登録されているギネス世界記録は、書籍の他、公式サイトの「検索する」ボタンより英語で調べることができる。
現在記録カテゴリーとして受け付けていない記録
ギネス世界記録は、社会問題や人権問題、倫理的・道義的に問題のある行為や、あるいは命に関わる大変危険な行為を伴う内容に関する記録についても取り扱ってきたが、記録挑戦にまつわる一切の責任を負わないことをはじめ、既に受け付けられていない記録もある。
過去の版に掲載されていたが、現在の版では掲載されていない記録の例を挙げる。
- 最高IQの記録
- 1980年代、マリリン・ボス・サバントがIQ228で世界最高として認定されていた。しかし極端に高いIQを計測することが困難で信憑性がないことと、高IQの記録を認定すること自体が無意味であるとして[8]1990年版以降のギネスブックでは高IQの記録は掲載されなくなっている。
- 最年少の出産記録
リナ・メディナによる5歳7か月21日での出産が「最年少出産記録」として掲載されていたが、現在は掲載されていない。理由は明言されていないが、女児に対する性犯罪を誘発しかねないことや、幼児婚などの人権問題を生じるため、医学上非常に危険で命に関わるためだと考えられる。
早食いの記録- 1980年代頃の版までは食べ物の早食いの記録が掲載されていたが、記録への挑戦による無謀な早食いで命を落とす事故が多発したため、1990年代以降の版で記録が掲載されなくなり、また新規の記録の登録や更新の申請についても、挑戦者の安全に配慮されたルールに則らなければ受付けをしないと表明していた。しかし、2010年代に入ると再び掲載されるようになっている。
不眠の記録- 長期間にわたり睡眠をとらないことは健康を損ない命にも関わるため、睡眠に関する記録の申請を受け付けなくなった。
日本でのギネス世界記録
日本語版
日本語版は1966年に竹内書店が『これが世界一 記録がなんでもわかる本』という題名で発行した。1971年には同じく竹内書店から『記録の百科事典 世界一編』という邦題で発行された。1975年〜1976年には講談社から『世界一の世界』の邦題で発行された。
『ギネスブック』のタイトルで発売された邦訳は、1977年に講談社から出たものが最初で、同社からは1988年版まで刊行された。1984年版は、メインの本に加え『ギネスブック ジュニア版』を刊行した。1983年版〜1988年版は、特別項目として「日本記録集」が紹介された。この項目は当時の講談社編集スタッフが独自の観点で収集した日本記録、あるいは「特定地域の普遍性を持たない項目」としてギネスワールドレコーズが公認しなかった世界記録をまとめたもので、原語(英語)版に収録されている「イギリス一の記録」に相当する。
1989年版は『ギネスブックオブレコーズ』の題名でエトナ出版が刊行した。
1993年版からは騎虎書房(現・きこ書房)が『ギネスブック』の題名で発行していたが、2002年版(この版のみタイトルが『ギネスワールドレコーズ』)を最後に取り扱いをやめた。
2003年版は日本では発行されず、2004年版から2008年版まではポプラ社が『ギネス世界記録』の題名で発行した。ポプラ社版の特徴としては、児童の興味を惹きつけるようカラー写真を多用し、ページ数や掲載されている項目数がやや少ない[9]。2005年版は「50周年特別編集」で、宇宙開発や100m走記録などの特集ページが掲載されている。
2009年版と2010年版はゴマブックスが『ギネス世界記録』の題名で発行。2009年版はメインの本に加え、日本人記録保持者の情報を集めた『ギネス世界記録2009JAPAN』、世界記録マスターになるための『ギネス世界記録検定』、3歳から7歳向けのひらがなで読める『ギネスせかいきろく2009きっず』を刊行した。
2011年版からは角川マーケティング(→角川マガジンズ→角川アスキー総合研究所)が出版権を取得し『ギネス世界記録』の表題で日本語版を発行している。
2014年版からは、メインの本とは別にゴマブックスが『ギネス世界記録 外伝』を刊行している。
ギネスワールドレコーズ・ミュージアムTOKYO
2005年8月5日に東京タワーフットタウン3階にギネス世界記録を集めた博物館「ギネスワールドレコーズ・ミュージアムTOKYO」が開館[10]。初代名誉館長は「エベレスト登頂世界最高齢記録」としてギネス世界記録に登録されていた三浦雄一郎が就任した。
2008年10月2日「世界で一番多くのマンガ作品を描いた」としてギネス世界記録に登録されている石ノ森章太郎が同館の二代目の名誉館長に就任[11]。
2010年8月31日を以て閉館[12]した。
NHKでの報道
NHKのニュースや番組では公共放送の性質上、商号及び商品名を宣伝しないよう「世界の記録集」「世界の記録を集めた本」などと表現されていたが、2009年より、ニュース番組等で「ギネス世界記録」の固有名詞を使って紹介するようになった[13][14]。
事業所
- ギネスワールドレコーズの本社所在地は、イギリスのロンドン。
- 本社以外のオフィスは現在、アメリカのニューヨークと日本の東京、中国の北京、ドバイの4箇所に置かれている。
ギネス世界記録の日
毎年11月の中頃には、ギネスワールドレコーズが定めた「ギネス世界記録の日」があり、この日は世界中で世界記録達成の一大イベントが同時開催されている。
批判
生理現象など、現在では一部で掲載対象外となったカテゴリーが存在していたように、本来は偶然できあがった記録を掲載するべきものであるが、近年は記録塗り替えへの挑戦が多く散見される。内容によっては財力・協力者等の条件さえ揃えば容易に記録更新が可能なものもある[15]ため、意識的に記録を更新したものは認定するべきではないという批判もある。
脚注
^ http://www.guinnessworldrecords.com/corporate/about_us_5.aspx
^ http://www.guinnessworldrecords.com/corporate/contact_us.aspx
^ 日本版『ギネスブック 79年度版』429頁。
^ 1988年・日本版(講談社)より
^ 日本版『ギネス世界記録2015』173頁。
- ^ ab探偵!ナイトスクープ 年忘れファン感謝祭2016 - gooテレビ番組(関西版),2016年12月31日
^ 先述の『探偵!ナイトスクープ 年忘れファン感謝祭2016』では、日本人女性が公式認定員として登場した。
^ Knight, Sam (2009年4月10日). “Is a high IQ a burden as much as a blessing?”. Financial Times (Financial Times Ltd). http://www.ft.com/intl/cms/s/0/4add9230-23d5-11de-996a-00144feabdc0.html#axzz2h4SGOygh 2018年3月1日閲覧。
^ 1988年・日本版(講談社)の「日本版編集部より」(序章相当)の注意書きによると、講談社発行の時代でも、日本では余りなじみがないマイナースポーツについては日本版への収録を省略しているものがあった
^ “ギネス世界記録の資料展示/東京タワーに新名所”. 四国新聞社. (2005年8月3日). http://www.shikoku-np.co.jp/national/life_topic/20050803000184 2012年8月31日閲覧。
^ “ギネス記録博物館名誉館長に故石ノ森章太郎氏が就任”. 東京ウォーカー. (2008年10月4日). http://news.walkerplus.com/2008/1004/3/ 2012年8月31日閲覧。
^ “※大切なお知らせです※”. ギネス世界記録博物館オフィシャルブログ (2010年8月31日). 2012年8月31日閲覧。
^ “漫画「あさりちゃん」がギネス記録に認定”. NHK. (2014年9月10日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140910/k10014500641000.html 2014年9月11日閲覧。
^ NHK広報局 2010年11月18日19:00のツイート 2014年9月12日閲覧。
^ 世界一長い巻き寿司や、人数ばかりを多量に確保したものなど。
関連項目
- 世界一の一覧
アシュリタ・ファーマン - もっとも多くのギネス世界記録を持つ人物
チェリー吉武、寺村邦子 - 日本でもっとも多くのギネス世界記録を持つ人物
外部リンク
Guinness World Records(英語)
- 日本公式サイト
ギネス社(英語)