まぼろし探偵
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『まぼろし探偵』(まぼろしたんてい)は、1957年に『少年画報』に連載された桑田次郎(現:桑田二郎)の漫画作品、およびそれを原作としたラジオドラマ、特撮テレビ番組、映画作品のタイトル。
目次
1 概要
2 漫画版
3 ラジオドラマ版
4 テレビドラマ版
4.1 キャスト
4.2 スタッフ
4.3 放映リスト
4.4 映像ソフト化
5 映画版
5.1 スタッフ(映画版)
6 脚注
7 参考文献
8 外部リンク
概要
『まぼろし探偵』は当初『少年探偵王』のタイトルで連載された[1]。赤い帽子、黒マスク(目の周りを覆うのみ)、黄色いマフラーをトレードマークとする少年探偵が主人公。事件が起きるとさっそうとオートバイに乗って現れる。その正体は誰も知らないが、日の丸新聞の少年新聞記者[2]である富士進。父親は警視庁警部であり、事件に関する情報は自然と耳に入ってくる。いざという時はまぼろし探偵に姿を変え、悪漢相手に二丁拳銃で立ち向かい、難事件を解決していく。
1959年からラジオとテレビでドラマ化され、3本の映画が製作されている。
ドラマや映画で主題歌が歌われ、少年ヒーローを想像して子どもたちの間でまぼろし探偵ごっこが流行った。
テレビドラマ版では拳銃の代わりに電波ピストルを使い、オートバイの代わりに空陸両用自動車「まぼろし号」に乗っている。
漫画版
1957年3月号から『少年画報』に連載が始まり1961年12月号で一度終了したが、1964年11月号から1965年4月号まで再連載された。
しかし年月の経過により絵柄の雰囲気は微妙に違っていてマフラーもスカーフ調にオートバイもフルカウル形になっている。
- 掲載目次
- 第1話 四・六の秘密 (1957年3月号)★第3話まで「少年探偵王」で掲載
- 第2話 二つの顔 (1957年4月号-1957年6月号)
- 第3話 呪いの家 (1957年7月号-1957年10月号)
- 第4話 怪人対快人 (1957年10月号-1958年3月号)
- 第5話 炎の怪人 (1958年4月号-1958年5月号)
- 第6話 スペードの使い (1958年6月号-1958年11月号)
- 第7話 クラーク東郷 (1958年12月号-1959年7月号)
- 第8話 紅こうもり (1959年8月号-1959年11月号)
- 第9話 対決!怪人ルパン (1959年11月号-1960年6月号)
- 第10話 加保根の脳 (1960年7月号-1961年3月号)
- 第11話 白仮面と黄金の像 (1961年4月号-1961年10月号)
- 第12話 にせ金団 (1961年11月号-1961年12月号)
- 第13話 ゆうれい屋敷 (1964年11月号-1964年12月号)
- 第14話 絵の中の殺人鬼 (1965年1月号)
- 第15話 にせ札つかい (1965年2月号-1965年4月号)
ラジオドラマ版
1959年2月16日から1960年10月22日まで、ラジオ東京(現:TBSラジオ&コミュニケーションズ)にて月曜日から土曜日までの毎日18:05 - 18:25の時間帯で放送。なお、この途中1959年4月1日からKRTで始まったテレビドラマ版は毎週水曜日の18:15 - 18:45の時間帯で放送されていたため、1959年9月30日までは水曜日の18:15から18:25までの間はラジオとテレビ両方で同じ「まぼろし探偵」を放送していたということになった。
出演:清水滋雄(進少年)、佐藤のり子(さくら)ほか[3]
ラジオ東京 月 - 土 18:05 - 18:25枠 |
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
赤胴鈴之助 |
まぼろし探偵 |
少年No1 |
テレビドラマ版
まぼろし探偵 | |
---|---|
![]() まぼろし探偵 | |
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 桑田次郎 |
出演者 | 加藤弘 |
製作 | |
制作 | KRT |
放送 | |
放送国・地域 | ![]() |
放送期間 | 1959年4月1日 - 1960年3月27日 |
放送時間 | 水曜18:15 - 18:45(1 - 27話) 日曜9:00 - 9:30(28話 - ) |
放送分 | 30分 |
回数 | 56 |

富士進(加藤弘)と吉野さくら(吉永小百合)
折込広告社製作、1959年4月1日から1960年3月27日までKRT(現:TBSテレビ)にて放映された。前期は日本水産、後期はエースコックのそれぞれ一社提供。
関西地区では、テレビネットワーク腸捻転時代であった(当時の関西のKRT→TBS系列の準キー局は朝日放送)にもかかわらず、この番組に関しては毎日放送(MBS)にネットされていた。
他にラジオ青森(RAB・現:青森放送日テレ系)のアナログテレビのサービス放送のKRTとネット契約を結んでいた期間中にもネットされた。[4]
放送時間は毎週水曜日18:15 - 18:45。KRTでは1959年10月4日(第28話「まだら蜘蛛の復讐(後編)」以降)から毎週日曜日9:00 - 9:30に移動したが、毎日放送では1959年10月以降も放送時間は変わらずに放送されていた。
製作会社倒産と版権不継承によりパブリックドメインとなったことから、低価格DVD(全12巻)が発売されている。
子役時代の吉永小百合や藤田弓子が出演していた作品として紹介されることも多い[5][6][8]。
まぼろし号はまぼろし探偵役の加藤弘がバイクに乗れなかったために用意されたとする説が存在するが[9]、加藤はまぼろし号の運転も無免許で行っていたと証言している[10]。まぼろし号のベース車について加藤はダットサン・フェアレディであったと証言している[11]。
実車のほか、飛行シーンではミニチュア特撮も用いている[12]。特撮はアルバイト[13]の形で矢島信男が担当[14][12]。当時所属していた松竹を通すことなく本作を引き受けたために、松竹から注意を受けたという[14][13][16]。
キャスト
- まぼろし探偵 富士進:加藤弘
- 普段は日の丸新聞社の少年記者であるが、事件が起きるとまぼろし探偵となって活躍する。目の部分以外の顔が露出していることから、加藤自身が赤い帽子、マスク、スーツなどを着けて演技していた。
- 冨士警部:天草四郎( - 第10話)、大平透(第11話 - )
- 冨士松子:利根はる恵
- 黒星十郎・黒星に顔が似ている親分(第19話):花咲一平
- 山火編集長:大宮敏
- 給仕みち子:藤田弓子
- 大塚刑事:鈴木四郎
- 吉野さくら:吉永小百合
- 三村修:多賀泰彦
- その父 和夫:谷口安彦
- その母 静江:浅田和子
- 三村三郎(サブ・解説):三戸部義輝
- 大塚刑事役の鈴木四郎は当時子供向けドラマで活躍していたが、この後、『特別機動捜査隊』に警視庁捜査一課課長役でレギュラー出演している。(芸名は鈴木志郎)
- 第36・37話「国際密輸団」の劇中で開催されるクリスマス会のバックバンドの一員として、トランペット奏者の日野皓正が出演している[17]。
三戸部義輝は解説(ナレーション)のほかに、北川記者の役から犯人グループの一味、被害者など、毎回のように違った役で出演している。
スタッフ
- 監督:近藤竜太郎、星公達郎
- 脚本:柳川創造、山本流行、木村学司、梅田慶公、米津善吉、小川繁、吉井実、百瀬千又、上野一雄
- 音楽:渡辺岳夫
- 特撮(ノンクレジット):矢島信男[14][12]
- まぼろし号デザイン(ノンクレジット):成田亨[6][15]
- 主題歌:「まぼろし探偵」(作詞:照井範夫、補作:山本流行、作曲:渡辺浦人、歌:岩瀬 寛,上高田少年合唱団)
放映リスト
- 謎の怪電波
- 時限爆弾
- 透明人間の恐怖
- 狙われた408号列車
- スペードの女王[18]
- 二人のまぼろし探偵
- オリオン王国の秘密
- 進君危うし
- 山火編集長おそわる
- れい迷教?
- 日本から逃すな
- 金塊輸送車
- 怪人黒マント[18]
- 青銅の仮面
- 消えた花売り娘
- 怪盗紅バラ男爵
- ニセ札団
- ゆうれい島
- 犯人黒星十郎?
- 暗殺団を倒せ
- 海底魔人
- 白狐の挑戦
- 海王星から来た少年
- ウランの秘密(前編)
- ウランの秘密(後編)
- Xマン? (前編)
- Xマン? (後編)
- まだら蜘蛛の復讐(前編)
- まだら蜘蛛の復讐(後編)
- クラーク東郷(前編)[18]
- クラーク東郷(後編)[19]
- ミイラ武者の復讐(前編)
- ミイラ武者の復讐(後編)
- ダイヤの秘密(前編)
- ダイヤの秘密(後編)
- 国際密輸団(前編)
- 国際密輸団(後編)
- 謎の仮面博士(前編)
- 謎の仮面博士(後編)
- 七色真珠(前編)
- 七色真珠(後編)
- 謎のジョーカー(前編)
- 謎のジョーカー(後編)
- 妖鬼現わる(前編)
- 妖鬼現わる(後編)
- スパイ? (前編)
- スパイ? (後編)
- 邪魔者は倒せ!(前編)
- 邪魔者は倒せ!(後編)
- 黒星故郷へ帰る(前編)
- 黒星故郷へ帰る(後編)
- 仙人沼のせむし男(前編)
- 仙人沼のせむし男(後編)
映像ソフト化
- VHSビデオソフト(サムビデオ、パラマウントビデオ)、DVD-BOX(パイオニアLDC、エムスリイエンタテインメント)、廉価版DVD(マグネット)が発売された。それぞれ収録の構成が異なる。
- 2000年12月22日にベストセレクションのDVDが発売スパック・販売エスモックにより発売された[20]。その後2001年9月21日に全4巻の単巻DVDが発売された[21]。
- トールケース版DVDとして2007年6月1日に全12巻が発売。35話まで収録。
- DVD-BOXが2007年8月29日発売。現存するうちの49話を完全収録している。
- 放送50周年を記念し、低価格のDVD-BOXが2009年3月27日収録。収録内容は上記と同じ。
- 上記のDVDがTSUTAYAやGEOでレンタルされている。
映画版
1960年に3作品が新東宝の配給により公開された。第1作はテレビドラマ版と同じスタッフ・キャストにより製作されたが、テレビ版放送終了後に製作された第2作・第3作は中岡慎太郎主演となった[6][22]。
- 『まぼろし探偵 地底人襲来』(1960年2月14日公開)
- 『まぼろし探偵 恐怖の宇宙人』(1960年11月19日公開)
- 『まぼろし探偵 幽霊塔の大魔術団』(1960年12月3日公開)
スタッフ(映画版)
- 監督:近藤竜太郎(第1作)、小林悟(第2作、第3作)[6]
- 脚本:柳川創造(第1作)、田辺虎男(第2作、第3作)
- 原案:関沢新一(第1作)[6]
- 特殊撮影:黒田武一郎(第1作)
- 制作:三東映画(第1作)、富士映画(第2作、第3作)[6]
脚注
^ 石橋春海 2013, p. 32.
^ 原作では掲載誌名に合わせて少画新聞の記者となっている。
^ 『福島民報』1959年4月20日付朝刊、ラジオ欄。
^ 1959年9月25日15:00の大相撲中継より局の事情により日本テレビへネット変更。
- ^ ab『全怪獣怪人』上巻、勁文社、1990年3月24日、pp.46 - 47。C0676。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
ISBN 4-7669-0962-3。
- ^ abcdefg『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』 竹書房/イオン編、竹書房、1995年11月30日、41頁。C0076。
ISBN 4-88475-874-9。
^ 石橋春海 2013, p. 34.
^ 『全怪獣怪人 上巻』では、吉永は『まぼろし探偵』がデビュー作であるかのように記述しているが[5]、実際には同年の『朝を呼ぶ口笛』で映画デビューし、『まぼろし探偵』の前番組である『赤胴鈴之助』がテレビドラマデビュー作である[6][7]。
^ 石橋春海 2013, pp. 32 - 33.
^ 石橋春海 2013, p. 37.
^ 石橋春海 2013, pp. 33、37.
- ^ abc「特集企画 スーパー戦隊その極意 Volume7 実車マシンの意義」『スーパー戦隊 Official Mook 21世紀 Vol.7 獣拳戦隊ゲキレンジャー』 講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2017年10月10日、30頁。
ISBN 978-4-06-509518-8。
- ^ ab『特撮をめぐる人々 日本映画 昭和の時代』 竹内博、ワイズ出版、2011年、93頁。
- ^ abc 『ミラーマン大全』 双葉社、2004年、266頁。ISBN 457529652X。
- ^ ab石橋春海 2013, p. 35.
^ 「'60年代 蘇る昭和特撮ヒーロー」でも、当時松竹に所属していたためノンクレジットであったとする説を掲載している[15]。
^ 『60年代 郷愁の東京』 本橋信宏、2010年、主婦の友社、152頁。
- ^ abc欠番。
^ エムスリイエンタテインメントのDVD-BOXの映像特典としてのみ収録。
^ 「2000TV・映画 特撮DVD・LD・ビデオ&CD」『宇宙船YEAR BOOK 2001』 朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、2001年4月30日、66頁。雑誌コード:01844-04。
^ 「綴込特別付録 宇宙船 YEAR BOOK 2002」、『宇宙船』Vol.100(2002年5月号)、朝日ソノラマ、2002年5月1日、 169頁、 雑誌コード:01843-05。
^ 石井博士ほか 『日本特撮・幻想映画全集』 勁文社、1997年、210頁。
ISBN 4766927060。
参考文献
- 『桑田次郎の世界』(講談社)監修:桑田二郎(2009年8月24日発行)
- 石橋春海 『'60年代 蘇る昭和特撮ヒーロー』 コスミック出版〈COSMIC MOOK〉、2013年12月5日。
ISBN 978-4-7747-5853-4。
外部リンク
- まぼろし探偵
KRT 水曜18:15 - 18:45枠(1959年4月 - 1959年9月) |
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
赤胴鈴之助 |
まぼろし探偵 |
自由の剣 |
KRT 日曜9:00 - 9:30枠(1959年10月 - 1960年3月) ※関東地方のみ |
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人形劇映画(タイトル不明) |