船外活動







MMUを装着して自由飛行するブルース・マッカンドレス飛行士





カナダアーム2の先端に足を固定して船外活動を行うスティーヴ・ロビンソン飛行士


船外活動(せんがいかつどう、英語: extra-vehicular activity; EVA)とは、宇宙服を着た宇宙飛行士(船外活動員)が宇宙船の外に出て活動すること。かつては宇宙遊泳(うちゅうゆうえい、spacewalk)とも呼ばれた。本項では、宇宙遊泳を含む船外活動全般について解説する。


宇宙遊泳が開始された当初は、命綱で宇宙飛行士と宇宙船を繋いで、船内から酸素の供給などを行っていた。現在では、宇宙服自体に酸素を供給する機能が付与されているため、移動の自由度は増している。しかし、安全上の理由で命綱を使用するのが基本的なルールである。スペースシャトルでは初期のミッションにおいて、自由に移動噴射や姿勢制御ができる有人機動ユニット (MMUを使用したことがあったが、実用的ではなかったため、使用されなくなった。近年では、スペースシャトルや国際宇宙ステーション (ISS) のロボットアームの先端に足場を固定して行われる事が多い。




目次






  • 1 船外活動の記録


  • 2 船外活動の危険性について


  • 3 関連項目


  • 4 外部リンク





船外活動の記録




  • 1965年3月18日、旧ソ連のアレクセイ・レオーノフがボスホート2号から人類初の宇宙遊泳を行なった。長さ5mの命綱をつけて、約20分間宇宙遊泳した。

  • 1965年6月3日、エドワード・ホワイトがジェミニ4号からアメリカ人初の宇宙遊泳を行なった。


  • 1984年2月7日、ブルース・マッカンドレスがスペースシャトル・チャレンジャー号のSTS-41-Bにおいて、初めて命綱なしでMMUを使用した宇宙遊泳を行なった。

  • 1984年7月25日、旧ソ連のスベトラーナ・サビツカヤがサリュート7号から女性初の宇宙遊泳を行なった。

  • 1992年5月13日、STS-49で史上初めて3人同時に船外活動を行い、インテルサットVI-F3を修理するために手づかみで回収した。

  • 2001年3月11日、船外活動の最長記録がスーザン・J・ヘルムズとジャニス・E・ヴォスによって更新され、8時間56分となった(現時点でもこれが最長記録)。

  • 2005年8月3日、スペースシャトルSTS-114の飛行中に機体修理のための初の船外活動が、アメリカのスティーブン・ロビンソン(英語版)によって行われた。

  • 2008年9月27日に中国の翟志剛(ZHAI Zhigang, ジャイ・ジーガン)が神舟7号から中国人初の宇宙遊泳を行なった。



船外活動の危険性について


船外活動の危険として、まず、スペースデブリとの衝突が挙げられる。スペースシャトルなどの船外活動で典型的な地球から高度300kmにおける軌道速度は、7.7km/sである。これは、通常の弾丸の速度の約10倍である。したがって、弾丸の100分の1程度の質量の物体、例えばペンキのかけらが、弾丸と同じ運動エネルギーを持つことになる。あらゆる宇宙空間での活動によって、この種の破片が発生し得るため、破片が衝突し合ってさらに破片を生むケスラー症候群のような問題が懸念される。


他の問題としては、宇宙船から誤って離れてしまうこと(この問題に関しては、NASAはセルフレスキュー用推進装置SAFERの装備で対処)や、宇宙服に穴が開く可能性、減圧症の発生などがありうる。宇宙服に穴が開いた場合は、速やかにエアロックに退避できなければ、無酸素と減圧により死にいたる危険がある(NASAのEMU宇宙服の場合、小さな穴が開いた場合でも予備の酸素パックで30分間の酸素供給が可能)。



関連項目



  • 宇宙服

  • 宇宙遊泳累積時間記録の一覧

  • 国際宇宙ステーションにおける船外活動の一覧

  • ゼロ・グラビティ (映画)



外部リンク







  • 船外活動と宇宙服 -- JAXA (日本語)








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