塗り絵
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塗り絵(ぬりえ)とは、輪郭だけ描かれた図形や模様の中に、色を塗りわけて楽しむ玩具(知育玩具)である。
目次
1 概要
2 塗り絵の教育的評価
3 作業療法
4 代表的な塗り絵作家
5 関連項目
6 脚注
7 外部リンク
概要
これらは一般的に本のように綴られているものやスケッチブック状のもののほか、一枚だけの紙(画用紙など)のものも見られる。これらは絵具やクレヨン・色鉛筆ないしペンなどで図柄を着色して楽しむために用いられる。
従来は子供(特に幼児)向けのものとされていたが、2005年頃から絵心が無くデッサンが下手でもお手軽に見栄えのする絵になることから無趣味であることに劣等感を抱く層のほか、指先を使い何色に塗るかを思い巡らすことからリハビリや脳への刺激になるとして高齢者を中心に大人(団塊の世代)への販売・専門商品の発達もみられる。
絵柄は、子ども向けは漫画チックに簡略化された風景や動植物、マンガやテレビの人気キャラクターを太めの線で描いたものであるが、大人向けは浮世絵を含む名画や動植物などを着色後に目立たないよう配慮された線画で描かれたものが多い。
キャラクターものの塗り絵には専門のコレクターも存在する。
これらは塗り絵主体の書籍や塗り絵が付録の雑誌を購入するほか、インターネットからダウンロードすることで入手できるが、この場合PDF形式で配布されていることが多い。また、イベント告知の折り込みチラシ等に、主として子供向けではあるが、塗り絵が掲載される場合があり、その際はイベント来場(来店)時の粗品引き替え券の役割を兼ねることもある。
旧来の製品では紙の上に印刷された媒体であったが、2000年代では塗り絵人気もあって携帯型ゲーム機を含む家庭用ゲーム機で楽しむゲームソフトや、パソコンを用いファイル形式で配付される塗り絵を、描画ソフトを使って塗り分けるものもある。
2000年代に流行を見せている「大人の塗り絵」では、水彩画などのより高度な技術性が求められる製品も見られ、水彩色鉛筆のセットなどという関連商品の発達も見られる。こういった商品群は、子供の頃の郷愁の延長から、趣味で水彩画を始めてみたいが、デッサンなどに自信が無いので他人に見られるのは恥ずかしいという理由付けもあるが、また指先を使う事で認知症(いわゆるボケ・痴呆)の発生を予防したいと考える層にも人気である。
塗り絵の教育的評価
- 肯定的評価
- 色彩感覚を育てるとともに、枠に収めて描こうとすることにより運筆力を育てる。
- 否定的評価
- 絵を大人の枠に嵌めてしまい、表現力や独創性が育つのを阻む。
ただ幼児向けの塗り絵を幼児に与えて自由に塗らせると、大抵は予想だにしなかった大胆な色彩で、元のキャラクターが判別不能なほどに塗り潰されたりといった傾向が見られる。また幼児はお絵かきを好む傾向があり、親子間における一種のコミュニケーションツールとしても利用が可能である。
作業療法
塗り絵は作業療法の一手法として活用されることがある。絵を描く作業療法として絵画療法があるが、通常の絵画療法は絵を描くことを苦手とする人には抵抗感を感じる場合がある[1]。そこで絵を描くことの得手不得手が関係ない絵画法として塗り絵が用いられる[1]。
構造化されている塗り絵は、高い創造性を要求されないため難易度が低く取り組みやすい心理療法とされている[1]。絵画療法での塗り絵の有効性に関しては、自分の望む色を使用して自由に彩色する場合と予め示された課題として模倣して彩色する場合の脳活動の比較など研究が行われている[1]。
代表的な塗り絵作家
- きいち(本名・蔦谷喜一)。
本田尚子 - 「大人のぬりえ」。
関連項目
- お絵かきロジック
- 作業療法
セイカノート(文具会社、現・サンスター文具セイカレーベル)
ショウワノート(文具会社)
脚注
外部リンク
ぬりえ美術館 - 東京都荒川区にある塗り絵の美術館。「ぬりえ学会」も立ち上げている。- 日本大百科全書(ニッポニカ)『ぬり絵』 - コトバンク
- 世界大百科事典 第2版『きいちのぬりえ』 - コトバンク
- 世界大百科事典 第2版『塗絵』 - コトバンク