食通
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食通(しょくつう)とは、料理の味や料理の知識について詳しいこと[1]。またそれを詳しく知っている人物のことである[1]。
フランス語を用いてグルメ (gourmet) ともいわれる[2]。
目次
1 概要
2 著名な食通
3 食通の都市
4 グルメ向きのガイドブック
5 脚注
6 関連項目
6.1 食の大衆文化
6.2 サブカルチャー分野
6.3 映画
6.4 音楽
概要
食通とは、料理の味、料理に関する知識について詳しいことであり、あるいは、料理の味や料理の知識を詳しく知っている人物のことである。
- 類語・同義語/ 区別される語
- 世界的な用語
世界的には一般にフランス語を用いてgourmet グルメという用語・概念が用いられている。フランス語のgourmetはワイン等の情報に詳しい人(ワイン通)を指すこともある[3]。なお、フランス語では「食の享楽を求める人」「大食い」「大食漢」「食い意地の張っている人」のことは「gourmand グルマン」といい、「gourmet グルメ」とは明確に区別している。
- 日本語
「食通」は、料理の味をよく知っており、食に関する情報(材料の産地、調理法、歴史、他の食通や美食家の評価など)も知っていること、またその人。
食道楽(くいどうらく・しょくどうらく)は食べるという行為を道楽、趣味とすること、またその人。
- 社会的問題点
その新奇性探求の結果、犯罪的な行為と見なされる活動をするケースもある。例えばツグミは日本に於いて捕獲を禁じられている鳥だが、これを食べるために密猟者を使ってこれを捕らえさせ、調理する事例が挙げられる(グルメ漫画『美味しんぼ』でもこのツグミのケースを取り上げ批判している)。このような行為は勿論、違法な犯罪行為である。
より美味を探求するため最上の素材の最上な部分だけを消費し、それ以外を食品廃材として廃棄するケースもあり、これは法的な犯罪ではないが倫理的に問題視される傾向もある。また、いかに美食家が大食漢であろうとも胃の容量には必然的かつ物理的に限界が存在するため、結果的に豪奢な料理を前にして食べ残すこともあり、これが残飯として廃棄されることから、「犯罪的な浪費行為(これを罰する法律は無いが)」であると非難を被る場合もある。
近年では商業主義に則ったコマーシャリズムの一環で本当に旨いかどうかが微妙な評価も含まれることもあり、他方ではにわかに有名になった料理店で料理人が慢心し、質が低下する問題も起こり得る。
- 食通自身に引き起こす問題
美食を探求した結果、寄生虫に冒された事例もある。食通として高名な北大路魯山人は、ジストマによる肝硬変(肝臓ジストマ)で死亡している(タニシの生食が原因と推測されている)。人間国宝に認定された歌舞伎役者で、美食家としても知られた八代目坂東三津五郎は、嫌がる板前に無理に調理させた好物の河豚の肝に中毒して死亡したことで、その名が後代にまで広く知られるようになってしまった。
欧州ではバターやクリームを多用した料理も美食として珍重されたが、これにより心臓を患う者も多く発生した。また肉料理中心の美食で高尿酸血症や痛風に陥った美食家も数知れない。健康を害しては本末転倒かも知れないが、食のためなら生命をも賭すという姿勢は後々の語り草にもなるほどである。
著名な食通
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マルクス・ガビウス・アピシウス - 古代ローマ・帝政ローマ期のグルメ。しばしば『アピシウス』に関連して言及される。
袁枚(1716年 - 1797年) - 清代中国の詩人。料理書『随園食単』を著した。
ブリア=サヴァラン(1755年 - 1826年)- 「食聖」とまで称えられ、いまなお美食家の必読書とすら言われる『美味礼讃』を著した事で知られる。有名な言葉には「どんなものを食べているか言ってみたまえ、君がどんな人間であるかを言いあててみせよう」がある。彼によって美食学とも訳されるガストロノミーの考えが提唱された。
北大路魯山人 - 陶芸家などとしても有名。『美味しんぼ』の海原雄山のモデルとされる。
池波正太郎 - 小説家。食に関する著作も多い。ただし、食に対するこだわりは食通のそれだが、実際にそのように呼ばれることを嫌がっていたことが著作の端々から伺える。
ジョアキーノ・ロッシーニ-イタリアの作曲家。美食家。
食通の都市
どの食文化圏の人が評価するかで評価は異なる。
現在、世界一の美食都市としてまず東京が挙げられることが多い[4][5]。世界で最も権威のある一流レストランの案内書であるミシュランガイドでは、東京がパリを大きく凌いで世界で最も多くの星の数を得ている都市である。世界有数のメディアであるCNNも、東京が「世界一の美食都市」になったと結論付けている[6]。京都も最高峰のレストランという位置づけの三つ星が、2016年版で7軒が得るなど[7]、東京やパリに次ぐ世界屈指の美食都市との評価を受けている。また、世界都市であるニューヨークや香港も世界の一流シェフが集積しており、三つ星レストランの数が比較的多い。
雑誌自体の評価がグルメの間であまり高くなく、あくまで参考情報にしかならないが、アメリカ(つまりイギリス系文化圏)の雑誌『Food & Wine』が選んだ「世界のグルメな都市」2008年-09年では、東京が2年連続で革新的なレストランの多さと素材の良さ(得やすさや豊富さ)から「世界で一番グルメな都市」に選ばれた。ちなみに2位以降は、2位 バルセロナ、3位 コペンハーゲン、4位 ロンドン、5位 ニューヨーク、となっている[8]。イギリス料理は「不味い」というイメージが強く、実際に世界的に見ても評価が低いが、なぜかロンドンが4位にランクインしている。
歴史的に見れば、世界三大料理の中心的都市が挙げられる。西欧料理ではパリは定番である。中華料理では、北京や上海 等々は挙げられる。トルコ料理ではイスタンブールである。
グルメ向きのガイドブック
特に著名なガイドブックや調査本を挙げると次のようなものがある。
ミシュラン・レッドガイド - 有名な格付けガイドブックで、星が付くだけでも客が押し寄せるという。
ゴー・ミヨ - ミシュランと並ぶ、権威あるガイドブック。- ザガット・サーベイ
脚注
- ^ abデジタル大辞泉
^ Dictionnaire français "gourmet"
^ Dictionnaire français "gourmet"
^ Tokyo Tops Paris With More Michelin Stars and Better Food Bloomberg 2016年3月21日。
^ Tokyo keeps crown as gourmet capital of the world with record number of Michelin-starred restaurantsdaily mail 2016年3月21日閲覧。
^ 東京が「世界一の美食都市」になった理由は?CNN.co.jp 2016年3月21日閲覧。
^ ミシュランガイド2016で星を獲得した京都のお店100軒kyotobnb. 2016年3月21日閲覧。
^ ロイター
関連項目
食の世界三大 - 公平性・正確性は常に様々な民族に於いて議論の的であるため、必ずしも妥当ではない可能性がある。
トリュフ・キャビア・フォアグラ - 西欧の美食家が愛好する三大珍味。
世界三大料理 - 中華料理・フランス料理・トルコ料理
食文化
日本料理 (江戸前料理の、蕎麦・寿司・天麩羅など)
フランス料理(フランス・主に宮廷料理に関して)
食の大衆文化
- B級グルメ
- ご当地グルメ
- グルメサイト
早食い・大食い - ある意味では食通の対極にいる存在といえる。
サブカルチャー分野
料理・グルメ漫画
- 美味しんぼ
- トリコ
映画
人生狂騒曲
イギリスのコメディ集団モンティ・パイソンの映画。クレオソート氏が胃袋の限界を超えるまで食事をし、最終的に身体が爆発してしまうというまるで食通をこき下ろすようなシーンが登場する。
音楽
ALI PROJECT - 美味礼讃
ガストロノミーや美味礼讃をモチーフにした楽曲。