ミョウガ















ミョウガ

W myouga1071.jpg
ミョウガ


分類







































:

植物界 Plantae
階級なし
:

被子植物 Angiosperms
階級なし
:

単子葉類 Monocots


:

ショウガ目 Zingiberales


:

ショウガ科 Zingiberaceae


:

ショウガ属 Zingiber


:

ミョウガ Z. mioga


学名

Zingiber mioga
(Thunb.) Roscoe

和名
ミョウガ
英名
Myoga


































































































































みょうが 花穂 生[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー
50 kJ (12 kcal)

炭水化物

2.6 g

食物繊維
2.1 g

脂肪

0.1 g


タンパク質

0.9 g


ビタミン

ビタミンA相当量
β-カロテン


(0%)
3 μg

(0%)
27 μg


チアミン (B1)

(4%)
0.05 mg

リボフラビン (B2)

(4%)
0.05 mg

ナイアシン (B3)

(3%)
0.4 mg

パントテン酸 (B5)

(4%)
0.20 mg
ビタミンB6

(5%)
0.07 mg

葉酸 (B9)

(6%)
25 μg
ビタミンC
(2%)
2 mg
ビタミンE
(1%)
0.1 mg
ビタミンK
(19%)
20 μg

ミネラル
ナトリウム
(0%)
1 mg
カリウム
(4%)
210 mg
カルシウム
(3%)
25 mg
マグネシウム
(8%)
30 mg
リン
(2%)
12 mg
鉄分
(4%)
0.5 mg
亜鉛
(4%)
0.4 mg

(3%)
0.05 mg
セレン
(1%)
1 μg

他の成分
水分
95.6 g
水溶性食物繊維
0.4 g
不溶性食物繊維
1.7 g
ビオチン(B7
1.1 µg



ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。別名: 花みょうが、みょうがの子。
廃棄部位: 花茎




  • 単位

  • μg = マイクログラム • mg = ミリグラム

  • IU = 国際単位



%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。

ミョウガ(茗荷、蘘荷、学名:Zingiber mioga)はショウガ科ショウガ属の多年草。食用として利用される。




目次






  • 1 概要


  • 2 食材としてのミョウガ


    • 2.1 寄生虫による食中毒




  • 3 俗信


  • 4 名前の由来


  • 5 その他


  • 6 主な生産地


  • 7 参考画像


  • 8 脚注


  • 9 関連項目


  • 10 外部リンク





概要


東アジア(温帯)が原産。日本の山野に自生しているものもあるが、人間が生活していたと考えられる場所以外では見られないことや、野生種がなく、5倍体(基本数x=11、2n=5x=55)であることなどから、アジア大陸から持ち込まれて栽培されてきたと考えられる。花穂および若芽の茎が食用とされる。雌雄同株で、花器にも雄蕊、雌蕊とも揃っている両性花が開花するが、5倍体のため、受精しても親と同じ数の染色体数になることは稀である。繁殖は地下茎による栄養体繁殖が主体である。ごく稀に夏から秋にかけて温度が高い時に実を結ぶことがある。地上部に見える葉を伴った茎状のものは偽茎である[3]



食材としてのミョウガ




食用となる花穂部分


通常「花みょうが」「みょうが」と呼ばれるものが花穂で、内部には開花前の蕾が3〜12個程度存在する。そのため、この部分を「花蕾」と呼ぶ場合もある。一方、若芽を軟白し、弱光で薄紅色に着色したものを「みょうがたけ」と呼ぶ。「花みょうが」は、晩夏から初秋にかけ発生し、秋を告げる風味として喜ばれ、一方「みょうがたけ」は春の食材である。


地面から出た花穂が花開く前のものは「みょうがの子」と呼ばれる。俳句では夏の季語で、素麺の薬味などとして食される[4]


独特の香りが好まれ、また特有の紅色が目を楽しませる。これにより麺類や冷奴の薬味など香辛菜として利用される。そのほか、天ぷらや酢の物、味噌汁の具など、独立した食材としても用いられる。農家では山椒・ミツバと並び、果樹園や庭、屋敷林の木陰に、薬味用として育てておく代表的な植物である。


奈良県の吉野地方ではミョウガの新芽や葉を「たこな」と呼び、葉で鯖寿司を包んだ「たこな寿司」が作られる[5]


香り成分はα-ピネン類。紅色の成分は水溶性植物色素アントシアニンの一種、マルビジンである。植物体内ではグルコース1分子と結合し、マルビジンモノグリコシドとして存在する。



寄生虫による食中毒


まれに肝蛭が寄生していることがあり、生食により肝蛭症を発症することがある[6][7]



俗信


俗に「食べると物忘れがひどくなる」と言われており、落語にも宿屋の夫婦が預かった金のことを忘れさせようと飛脚にミョウガを食べさせる『茗荷宿』という噺がある[4]。だがミョウガを食べることによる記憶への悪影響に学術的な根拠はなく、栄養学的にそのような成分は含まれていない。それどころかミョウガの香り成分には集中力を増す効果があることが明らかになっている。無機成分では窒素とカリウムが多く含まれ、食物繊維(粗繊維)が多い。


『世説故事苑』によれば、もともと『東坡志林』では「生薑(生姜)多食損智」と記されていた。日本では生姜(ショウガ)とミョウガの発音が似ているために、ミョウガにすりかわってしまったとされる[8]。また、『本草綱目』によれば、陶弘景が「生薑は久しく服すると志を少くし智を少くし心氣を傷つける」と記していたとされる[9]



王介甫多思而喜鑿,時出一新說,既而悟其非也,則又出一言而解釋之,是以其學多說。嘗與劉貢父食,輟箸而問曰:孔子不撤薑食,何也。貢父曰:《本草》生薑多食損智,道非明民,將以愚之,孔子以道教人者也,故不撤薑食,將以愚之也。介甫欣然而笑,久之乃悟其戲己也。貢父雖戲言,然王氏之學實大類此。庚辰二月十一日食薑粥,甚美,歎曰無怪吾愚,吾食薑多矣,因并貢父言記之,以為後世君子一笑。


(読み下し) 王介甫は多く思ひて喜び鑿(うが)ち、時に一新説を出し、既にして其れを悟るは非なり。則ち又た一言を出して之を解釋す。是れは其れを以て多說を學び、嘗(かつ)て劉貢父の食を與(あた)ひ、箸を輟(と)め問ひて曰く:孔子が薑食を撤さずは、何や。貢父曰く:《本草》生薑は多く食べて智を損す。道の非明な民は、將(まさ)に愚を以て之れをせんとす。孔子は道を以て人を教ふる者なり。故に薑食を撤さずは、將に愚を以て之れをせんとするなり。介甫は欣然とし笑ふ。久しきの乃(なんじ)は、其れを悟り、己れを戲(たわむ)るるなり。貢父は戲言(たわむれごと)を雖(いへど)も、然して王氏の實を學ぶことは、此れを大きく類(たぐ)ふ。庚辰二月十一日は、薑粥を食す。甚しく美しきは、歎きて曰く、怪(あやし)み無き吾が愚は、吾が薑の食ふの多きかな。因(よつ)て并(あわ)せて、貢父は之を言記し,以て後世君子の一笑を為す。


— 廣羣芳譜/卷013 東坡雜記


名前の由来


大陸からショウガとともに持ち込まれた際、香りの強い方を「兄香(せのか)」、弱いほうを「妹香(めのか)」と呼んだ。これが後にショウガ・ミョウガに転訛した[10]との説が有力である。


名前の由来に関しては、下記の俗説もある。


釈迦の弟子である周利槃特が、自分の名前を忘れてしまうため、釈迦が首に名札をかけさせた。しかし名札をかけたことさえも忘れてしまい、とうとう死ぬまで名前を覚えることができなかった。その後、死んだ周梨槃特の墓にいくと、見慣れない草が生えていた。そこで「彼は自分の名前を荷って苦労してきた」ということで、「名」を「荷う」ことから、この草に茗荷と名付けた。


この説は前節の俗信「物忘れがひどくなる」がさらに派生したものである。これは、上述の落語や類似の民話『みょうが宿』が起因となり、世の人々の評判になって知れ渡ったことで一般化した。



その他




  • 早稲田みょうが 江戸時代に早稲田村、中里村(現在の新宿区早稲田鶴巻町、山吹町)で生産された。赤みが美しく大振りで晩生(おくて)のみょうがである。

  • 東京都文京区に、茗荷谷という地名があるが、これは江戸時代に早稲田からこの辺りまで広がる茗荷畑を見下ろす谷であったことに由来する。

  • 領地のために命を張った戦国武士などは、戦闘で命が残る「冥加」にかけて、「茗荷」の紋を好んで使用した。事例として「影茗荷」「鍋島茗荷」などがある。

  • 一部地方では、みょうがぼち(岐阜県)、みょうが饅頭(熊本県)、釜焼き餅(鳥取県東部)といった、みょうがの葉を使ったお菓子が今でも食べられている。

  • みょうがの煮汁はしもやけ治療の民間療法に用いられた[11]



主な生産地



  • (花)みょうが


    • 高知県(ハウスによる周年栽培)


    • 奈良県(露地栽培。「花みょうが」が大和野菜に認定されている。)


    • 和歌山県(露地栽培)


    • 群馬県(露地栽培)


    • 秋田県(露地栽培)



  • みょうがたけ

    • 宮城県(軟白栽培)




参考画像




脚注


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  1. ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」


  2. ^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」


  3. ^ 物忘れする? ミョウガ - 所さんの目がテン!(日本テレビ) 第787回 2005年6月26日(archive版)

  4. ^ ab【暦めくり】みょうが 忘れた頃に成長『読売新聞』朝刊2018年7月13日(くらし面)。


  5. ^ 「タコナ(茗荷の葉)寿司・スイレンボク」『こころはコロコロ日録』 2018年3月15日閲覧。


  6. ^ 日本における人肝蛭症感染の現状 国立感染症研究所 病原微生物検出情報 Vol.14 (1993/5[159])


  7. ^ 肝蛭虫卵 国立感染症研究所


  8. ^ 諺語大辭典: 全 P.985 藤井乙男 1910年


  9. ^ 本草綱目/菜之一 (Wikisource)


  10. ^ メノカ→(メンガ→)メウガ→ミョーガ のように一種のウ音便化を経て変化した可能性がある。


  11. ^ 越尾淑子、原田真知子、「東京家政大学構内の役に立つ野草」東京家政大学研究紀要 2 自然科学 Vol.37 page.43-49 (1997), NCID AN10157480




関連項目











外部リンク




  • 物忘れする? ミョウガ - 所さんの目がテン!(日本テレビ)第787回 2005年6月26日(archive版)


  • 家紋素材の発光大王堂-茗荷紋を含む家紋の高画質画像の無料公開とその解説




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