螺旋







螺旋(右手回り)





巻き貝類の多くは螺線構造をもっている


螺旋(らせん、羅: helice, 英: helix)とは、3次元曲線の一種で、回転しながら回転面に垂直成分のある方向へ上昇する曲線である。螺線(らせん)とも。英語の helix はギリシャ語の ἕλιξ が語源で、ラテン語の helice(ヘリケー)を経由して英語に導入された。「螺」は「ラ」「にし」と読み、タニシ(田螺)やサザエ(栄螺)のような巻き貝の貝殻を意味する。


2次元曲線の渦巻も螺旋・螺線と呼ぶことがある。渦巻と区別するために、3次元曲線の螺旋を弦巻線または蔓巻線(つるまきせん)と呼ぶことがある。


数学の世界においては、慣用的に螺旋を弦巻線、螺線を渦巻線の意味で使っている[1]


以下では弦巻線(ヘリックス)について述べる。




目次






  • 1 螺旋の例


  • 2 渦巻と螺旋


  • 3 数学的表現


  • 4 回転する模様として


  • 5 象徴としての螺旋


  • 6 文献


  • 7 関連項目





螺旋の例




  • ねじの山と溝


  • つる植物のつる

  • 螺旋階段

  • ソレノイド

  • コイル

  • コイルばね

  • ドリル

  • 螺旋状の分子

    • DNA分子


    • アミロース分子(でんぷんの一種)


    • タンパク質のαヘリックス構造




  • スクリューやプロペラの軌跡


  • 三色ねじり棒(理容店のサイン)


  • 銃および砲における、回転により弾道を安定させ直進性を図るためのライフリング(溝)






渦巻と螺旋




螺旋を平面に投影すると渦巻となる。


渦巻と螺旋との比較




























 
渦巻
螺旋(弦巻線)

英語

spiral

helix

ラテン語

spira

helice
次元

2次元曲線

3次元曲線


蚊取り線香(一様螺線)、アンモナイトの殻(対数螺線)、ロールケーキ

アサガオのつる、コイルばね(常螺旋)、DNA(二重螺旋)、ねじ山

スパイラルとヘリックスの混同は英語でも見られるが、日本語とは逆に、本来ヘリックスであるものがスパイラルと呼ばれることが多い。たとえば、螺旋階段は英語ではspiral stairwayである。


螺旋を平面に投影すると、渦巻の一種の双曲螺旋となる。



数学的表現


媒介変数 θ{displaystyle theta ,}theta , を使って次のように表せる。ab>0{displaystyle ,ab>0}, a b >0では右手回りを表す。



x=acos⁡θ{displaystyle x=acos theta ,}x = a cos theta ,

y=asin⁡θ{displaystyle y=asin theta ,}y = a sin theta ,

z=bθ{displaystyle z=btheta ,}z = b theta ,


円筒座標を使えば、もっと単純に表せる。



r=a{displaystyle r=a,}r = a ,

z=bθ{displaystyle z=btheta ,}z = b theta ,


上記の設定の場合、曲率 κ{displaystyle kappa }kappa 及び捩率 τ{displaystyle tau }tau はそれぞれ


κ=aa2+b2τ=ba2+b2{displaystyle {begin{aligned}kappa &={a over a^{2}+b^{2}}\tau &={b over a^{2}+b^{2}}end{aligned}}}{displaystyle {begin{aligned}kappa &={a over a^{2}+b^{2}}\tau &={b over a^{2}+b^{2}}end{aligned}}}

となる。



回転する模様として


螺旋は回転させると、その方向に応じて上昇、あるいは下降して見える。床屋の看板やコマの軸の模様に多くの例がある。



象徴としての螺旋


螺旋は、運動性や生命力を感じさせる面があるので、芸術作品などにおいては、様々な意味を込めた象徴、シンボルとして用いられることも多く、作品のタイトルとなっている例も多い。(→螺旋 (曖昧さ回避) )


また、基本的には繰り返しの構造でありながら、同じ位置をたどらず、例えば無限に上昇する構造を歴史や生命になぞらえる例もある。


なお、無限上昇のカノンは別名を螺旋カノンと言い、一つの旋律が繰り返す際に少しだけ音程を高くして始まるようになっており、繰り返すにつれてどんどん音程があがってゆくものである。バッハの「音楽の捧げもの」にその例がある。実際には1オクターブ上がったところで終了させるか、そこでもとの音に戻って終了させる。もちろん実際に無限に上昇するのは不可能であるが、同時発音数が非常に多いか、同じ音量の多数の倍音を含む音色を合成できるシンセサイザーなどを使い、旋律の音程があがるにつれて1オクターブ下に新しく旋律を追加しつつ、聴覚における可聴域と最小可聴値を考慮して十分に広い範囲で旋律を演奏すれば、無限上昇を実感できる。これを使用した、日本で知られた作品には松武秀樹の「謎の無限音階」やその影響による「BGM」収録の「LOOM/来たるべきもの」などがある。現在の機材であればたとえば携帯電話搭載のFM音源でも可能なものもある。



文献





  1. ^ 岩波書店『岩波数学辞典』第4版




関連項目







  • 右巻き、左巻き

  • 二重らせん

  • マルウィヤ・ミナレット

  • 代数螺旋

  • 対数螺旋




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