捜索救難

捜索救難を行うカナダ空軍のCH-149

夕暮れのSAR艦艇

救助ロープ訓練
捜索救難(そうさくきゅうなん、Search and Rescue:SAR)とは、危機的状況にある人物を捜索して救い出すことである[1]。
目次
1 歴史
2 捜索救難の種類
2.1 山岳救助
2.2 都市における捜索救難
2.3 戦闘における捜索救難
2.4 水難救助
3 脚注
4 関連項目
5 外部リンク
歴史
世界初の捜索救難は1656年にオランダの商船 Vergulde Draeck がオーストラリアで座礁したのに端を発する[2]。
捜索救難の種類
山岳救助
山岳救助は山岳地帯や砂漠や森林に特化した捜索救難運用が行われる。日本においては、主に消防の山岳救助隊や警察の山岳警備隊、地元山岳会や民間の救助隊が山岳救助の任務を行う。また、これらの救助隊では救出が困難な場合や二重遭難などで、航空機による救助が必要な場合は、航空自衛隊の救難隊(航空救難団)が災害派遣要請などにより出動する。
御在所岳で滑落した山岳遭難者を救出する三重県の消防防災ヘリコプター
山岳遭難者を救出する滋賀県の消防防災ヘリコプター
行方不明者の捜索を行う陸上自衛隊
都市における捜索救難
災害などが発生した場合、都市部においても捜索救難が行われる。一般的な事態に対しては警察や消防組織(日本においては、主に消防の特別救助隊や特別高度救助隊、いわゆるレスキュー隊)が対処するが、大規模災害が発生した場合は軍隊が投入されることもある(日本の場合、自衛隊の災害派遣がこれに相当する)。
東日本大震災被災地で活動する川口市消防局の特別救助隊
東日本大震災被災地で活動する緊急消防援助隊愛媛県隊
東日本大震災被災地で被災者を背負って移動する自衛官
東日本大震災による津波で水没した石巻市内に展開する陸上自衛隊
アメリカ同時多発テロ事件
世界貿易センタービル(WTC)で活動する消防隊員
WTCで活動する消防隊員
戦闘における捜索救難
戦闘捜索救難(Combat Search and Rescue:CSAR)は戦時下において、前線もしくは敵の勢力圏内に不時着した航空機の乗員を救出することである。主に特殊部隊が行う。不時着した乗員に対する敵方の捜索以前に救出することが求められ、作戦には救出を阻止する敵に対する上空からの掃討(多くの場合機銃掃射)も含まれる。戦闘捜索救難任務を行う航空機は主にヘリコプターで、夜間や低空における飛行能力を強化しているほか、空中給油能力を備えるものもある。日本では航空自衛隊の航空救難団救難隊がその役割を担っている。
戦闘捜索救難に充当されるヘリコプターは以下のとおりである:
- HH-3E ジョリー・グリーン・ジャイアント
- HH-53B/C スーパー・ジョリー・グリーン・ジャイアント
- HH-60 ペイブ・ホーク
- CH-47 チヌーク
- ユーロコプター AS 532
UH-60J ブラックホーク(航空自衛隊仕様)
1967年、戦闘捜索救難の任務中のHH-53C スーパー・ジョリー・グリーン・ジャイアント
HH-3E ジョリー・グリーン・ジャイアントの機内からミニガンを用いてランデブーポイント付近の敵掃討を行うクルー
担架に乗った兵士に応急処置を施すアメリカ空軍のパラレスキュージャンパー
負傷者を乗せた担架と共にウインチで上昇するパラレスキュージャンパー
UH-60Jによる負傷者救助の訓練
負傷者を救助し救難機に収容する際の様子
水難救助
水難救助、または空海救助(ASR)とは海難事故等に遭遇した水上の人物を救助することである。日本においては、民間機の航空機救難は、国土交通省東京空港事務所長の要請により主に航空自衛隊航空救難団救難隊が出動している。また、海上部においては海上保安庁、平野部・山岳部・河川部は警察と消防の水難救助隊、沿岸部・港湾部は海上保安庁、警察、消防が担う。これらの機関が対処困難であったり、要請された場合には、災害派遣要請を受けた航空自衛隊や海上自衛隊の捜索救難部隊なども救助活動に加わる。また、緊急を要する場合や都道府県知事の要請があれば、同様に自衛隊の部隊が投入される。
US-1飛行艇を用いた海難救助訓練
横浜市消防局の消防ヘリコプターによる水難救助
脚注
^ Canadian Forces (1998年5月). “[https://web.archive.org/web/20080803015913/http://www.casaraontario.ca/~webmaster1/Manuals/NationalSARmanual_full_english.pdf B--GA--209--001/FP--001
DFO 5449 NATIONAL SAR MANUAL]”. 2008年8月3日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年7月12日閲覧。
^ Major, R. H. (editor) (1859) Early Voyages to Terra Australis, Now Called Australia, The Hakluyt Society, London (2001 facimile edition on Google Books)
関連項目
- 救命
アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(FEMA)- 縦割り行政による、救援、復興活動の遅れを防ぐために組織された。- 日本の救助隊
外部リンク
捜索救難 - DMOZ
Rotary rescue Extract from Jane's Defence Weekly article (3 August 2006)- InternetSAR.org Volunteer Project
NASAR.org National Association for Search and Rescue (U.S.)- South African Search and Rescue Organization
- New York Search And Rescue
- National Association of Volunteer Search And Rescue Teams
- Wilderness Search and Rescue (Cape Town South Africa)
- Royal National Lifeboat Institution (United Kingdom and Ireland - Waterborne SAR)
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