コナラ
コナラ | |||||||||||||||||||||
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コナラ | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Quercus serrata Murray | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
コナラ(小楢) |
コナラ(小楢、学名:Quercus serrata)はブナ目ブナ科コナラ属の落葉広葉樹。別名ホウソ。
「コナラ」の名は、もう一つの日本の主要なナラであるミズナラの別名であるオオナラ(大楢)と比較してつけられた。
目次
1 特徴
2 種内変異
3 利用
4 参考文献
5 関連項目
6 外部リンク
特徴
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国に分布する。日本では雑木林に多く見られる。葉は長楕円型で縁に尖った部分がある。花は4 - 5月、若葉が広がる時に咲き、秋に実(ドングリ)が熟す。樹皮は灰色で、縦に裂け目が出来る。
落葉樹だが、秋に葉が枯れた時点では葉柄の付け根に離層が形成されないため葉が落ちず、いつまでも茶色の樹冠を見せる。春に新葉が展開する頃に枯れた葉の基部の組織で離層が形成され、落葉が起きる。
種内変異
- 亜種
フモトミズナラ (Quercus serrata Murray subsp. mongolicoides) - シノニム (Quercus crispula var. mongolicoides)。ミズナラの変種ともされる。以前はユーラシア大陸産のモンゴリナラ (Quercus mongolica) と同種とされた。研究者により様々な見解が存在し、はっきりしない。
- 変種
- マルバコナラ(ビワバコナラ)(Quercus serrata var. pseudovariabilis)
- 品種
- シダレコナラ (Quercus serrata f. dependens)
- テリハコナラ (Quercus serrata f. donarium) - シノニム (Quercus serrata var. donarium)
- アオナラ (Quercus serrata f. concolor) - シノニム (Quercus serrata var. concolor, Quercus neostuxbergii)
- ハゴロモアオナラ (Quercus serrata f. pinnata)
- タレハハゴロモアオナラ (Quercus serrata f. pinnatifida)
- 交雑種
- コガシワ (Quercus x takatorensis) - カシワとの交雑種
- チョウセンコナラ (Quercus x maccormickii) - ナラガシワとの交雑種
- オオバコナラ (Quercus x major) - ナラガシワとの交雑種
- ミズコナラ (Quercus x crispuloserrata) - ミズナラとの交雑種
利用
材は木炭の原料や、シイタケの原木に使われる。多くの菌類と菌根を作るため、コナラ林には多くの菌根性のきのこが出現する。関東以西ではクヌギと並んで人里の薪炭林に植栽され、重要な燃料源であったが、1960年頃以降、燃料の需要の主力が木材から化石燃料へと変化したことで、薪炭林としての位置づけは失われた。また、かつて東北地方の山村では、コナラのドングリはミズナラのドングリと並んで重要な食料であった[要出典]。
岩手県などの山村周囲の森林には大量のドングリを実らせるコナラやミズナラの巨木が数多く自生しており食用としての需要をよく賄っていたが、大正期以降、このコナラやミズナラの森林は、東京近郊への燃料供給基地と位置付けられて伐採を受けた。この変化は山村に現金収入をもたらしたが、往古のコナラやミズナラの巨木が生い茂った森林は失われ、今日の東北地方の山林では、かつての山村人口を養った程のドングリの生産力は見込めない。
雄花
樹皮
若葉
紅葉したコナラの葉の拡大写真(西光寺山頂)
参考文献
- 林弥栄『日本の樹木 山渓カラー名鑑』 ISBN 4635090175
- 畠山剛『〔新版〕縄文人の末裔・ヒエと木の実の生活史』(彩流社、1997年)ISBN 4-88202-552-3
- 米倉浩司、梶田忠「「BG Plants 和名−学名インデックス(YList)」
関連項目
- 木の一覧
外部リンク
- 樹木図鑑(コナラ)