ベニバナ
















ベニバナ

Safflower.jpg
ベニバナ


分類

















































:

植物界 Plantae


:

被子植物門 Magnoliophyta


:

双子葉植物綱 Magnoliopsida

亜綱
:

キク亜綱 Asteridae


:

キク目 Asterales


:

キク科 Asteraceae

亜科
:

アザミ亜科 Carduoideae


:

ベニバナ属 Carthamus


:

ベニバナ C. tinctorius


学名

Carthamus tinctorius (Mohler, Roth, Schmidt & Boudreaux, 1967)

和名
ベニバナ
英名

Safflower



ベニバナ畑(埼玉県桶川市)





生薬として利用される乾燥した紅花





Carthamus tinctorius


ベニバナ(紅花、学名:Carthamus tinctorius)は、キク科ベニバナ属の一年草または越年草。雅称を末摘花(すえつむはな)ともいう。紅色染料や食用油の原料として栽培される。




目次






  • 1 特徴


  • 2 形態


    • 2.1 植物油用




  • 3 日本での産地


  • 4 染料


    • 4.1 紅の分離


    • 4.2 紅花染め




  • 5 そのほかの利用方法


    • 5.1 生薬


    • 5.2 紅花油


    • 5.3 口紅


    • 5.4 その他




  • 6 脚注


  • 7 関連項目


  • 8 外部リンク





特徴


エジプト原産といわれ、古くから世界各地で栽培されている。日本にはシルクロードを経て4 - 5世紀ごろに渡来したといわれている(6世紀伝来説もあり[1])。古くは和名を「くれのあい(呉藍)」といい、中国伝来の染料との意味[1]。「すえつむはな(末摘花)」とも呼ばれる。


高さは1m。花期は6 - 7月で、枝先に頭状花をつける。花は、はじめ鮮やかな黄色で、徐々に赤くなる。



形態







植物油用


大きく分けてハイリノール種とハイリノレイック種に分けられる。後者はリノール酸に代表される脂肪酸の含有率が低く、リノール酸の過剰摂取が問題となって以降、生産量を伸ばした[2]



日本での産地


日本では、平安時代に千葉県長南町で盛んに栽培された。江戸時代中期以降は現在の山形県最上地方や埼玉県桶川市、上尾市周辺(桶川宿の頁を参照)で盛んに栽培された。しかし、明治時代以降、中国産の紅花が盛んに輸入され次いで化学的に合成可能なアニリン染料が普及したことから、紅花生産は急速に衰退した。現在では紅花染めや観光用などにわずかに栽培されている。


山形県ではベニバナが県花になっており、同県河北町には「紅花資料館」がある。また、千葉県長南町も紅花を町花に指定し、月1回の紅花染め教室を開催している。



染料


紅花の花を摘んでから発酵・乾燥させたものが、紅色の染料や着色料(食品添加物、化粧品の口紅)の材料となる。



紅の分離


ベニバナの花の色は黄色である。紅色にするには花を摘んですぐに水にさらして乾燥させる。これを何度も繰り返すと紅色になる。ベニバナの花の色素は水に溶けやすい黄色の色素サフロールイエロー99%と水に溶けにくい紅色の色素カルタミン1%が混在しており、水にさらすことによって分離する。
日本の伝統的な製法では、石灰水を含む川の水が用いられる(NHKアーカイブスより)。



紅花染め


紅花染めは、水にさらして乾燥させた花を水に含ませて餅つきと同じ方法で杵でついた後、丸餅の形にして乾燥させた状態の紅餅(べにもち)を灰汁の中に入れてかき混ぜた状態にしたのち、衣類を漬け込んで水にさらす(一次染め。灰汁はアルカリ性の液なので苦く、色もオレンジ色に仕上がる)。次に、紅餅入りの灰汁に烏梅を少量加えたものに漬け込んで水にさらす(二次染め。烏梅はクエン酸の多い酸性の液体なので酸っぱく、色も赤みが加わってくる)。さらに、烏梅を少しずつ加えて配合を変えながら何度も染め上げて水にさらし乾燥させると完成する。このような手間をかけるのは、色が繊維中に染み込みにくい特性を持つことによる。



そのほかの利用方法



生薬





漢方薬の原料である乾燥した紅花(丹波市立薬草薬樹公園)


乾燥させた花は紅花(こうか)と呼ばれ、血行促進作用がある生薬として日本薬局方に収録されている。この生薬は、養命酒などにも含まれる。また、紅花から作った生薬をツボなどの部位に塗る紅灸(べにきゅう)という灸の一種もある。葛根紅花湯、滋血潤腸湯、通導散などの漢方方剤に使われる。



紅花油


  • 紅花の種子を搾った油は紅花油(サフラワー油)と呼ばれ、サラダ油として用いられたり、マーガリンの原料になる。


口紅


  • 紅花から赤色色素を抽出し、陶磁器製の猪口の内側などに刷き乾燥させたもの。良質な紅は赤色の反対色である玉虫色の輝きを放ち、江戸時代には小町紅の名で製造販売された。


その他



  • 奈良県生駒郡斑鳩町の藤ノ木古墳の有機質の分析の結果、紅花の花粉が発見され、その用途の解明が新たな課題となっている。

  • 蔵王べにばな鶏 - 地鶏の一品種。山形県産。餌に紅花ミールと地養素を使用[3]


脚注


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  1. ^ ab小曽戸洋「『日本薬局方』(15改正)収載漢薬の来源」、『生薬学雑誌』第61巻第2号、2007年、 p.72、 ISSN 00374377。


  2. ^ “紅花油(サフラワー油)って危険な油?その成分や効果!”. タベルゴ (2017年5月17日). 2018年4月8日閲覧。


  3. ^ 蔵王べにばな鶏 - 食肉用語大辞典HP、2016年6月11日閲覧。




関連項目







  • べにばな (列車) - 東日本旅客鉄道(JR東日本)が新潟駅と山形県の米沢駅との間で運行する快速列車。ベニバナが山形県の県花かつ特産品であることに由来する。




外部リンク



  • ベニバナ黄色素(横浜市衛生研究所 - 食品衛生情報)


  • ベニバナ(コウカ/スエツムハナ/クレノアイ) - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)










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