料理
料理(りょうり)は、食物をこしらえることで、同時に、こしらえた結果である食品そのもの[1]。調理ともいう[1]。
すなわち、食材、調味料などを組み合わせて加工を行うこと、およびそれを行ったものの総称である。
目次
1 概要
2 料理の方法
2.1 洗浄
2.2 選別と成型
2.3 調味
2.4 加熱
2.5 盛り付け
3 料理の提供形態
4 地域別料理一覧
4.1 ヨーロッパ
4.2 南北アメリカ
4.3 太平洋・オセアニア
4.4 アフリカ
4.5 中東・アジア
4.6 日本料理
5 料理(調理)の競技
6 脚注
6.1 注釈
6.2 出典
7 参考文献
8 関連項目
9 外部リンク
概要
酢牡蠣
栗金団
料理は、民族、地域、時代などにより、使用する食材や道具などが大きく異なり、調理の仕方にも差がある。同一民族内の階層によって異なる料理が存在する例もある。特に君主や貴族などがある場合、特殊な料理が発達する例が多く、それらは宮廷料理などと呼ばれる。また料理は、同じ食品でも多種多様であり、地域や民族による調理や道具などとの関連、入手可能な調味料などの食材の差、気候との関連、あるいは宗教的等の制約によって異なる。一方で、牡蠣の殻を取り除き柑橘類を合わせた酢牡蠣という料理[1]は、遺跡である貝塚が全世界に分布するように[1]、地域や時代において幅広く存在する料理もある。
料理と類似するものに菓子があり、多くの文化において料理とは別のものと考えられている。主に食事として食べるためのものか、間食として食べるためのものかの違いによる。例えば、クリ属は自然に分布していて秋の季語でもあり[2]、旬の栗拾いや栗名月をへて備蓄し[1][2][3][4]、この栗の実の皮をむき煮た栗金団という食品は[1]、正月に用いれば御節料理となるし[5]、菓子となることもある。
食品や食材などの加工には加熱、発酵、冷却、撹拌など様々なものがある。この加工の過程は「調理」というが、区別されず「料理する」と呼ばれることもある。加工のうち、特に加熱されたものを「料理」とし、加熱されていないものを「生」(なま)と呼んで対照する場合もある。
料理の方法
洗浄
食材についている土やほこりなどの汚れを洗浄する。
選別と成型
魚を身と骨とに切り分けたもの
食材をナイフ・包丁などで切り、可食部を取り出したり、用途の違いにより選別を行う。食べやすい大きさに切ったり、形を整え食感に統一感を与えたり、視覚的な美しさのための成型も併せて行う。切る以外に、「おろす」(すりおろす)、叩くなどの方法もある。
- 野菜
皮を剥いたり、葉・実(果実)・茎・根などを分け、食べられる部位をさらに成型する。
- 魚
骨・内臓などを取り除き、身(肉)の部分を切り分ける。日本料理では三枚おろしが一般的である。魚ごとの性質や、次に焼くのか煮るのか、といったことに応じて、それに適した形に切ってゆく。刺身は、包丁だけで料理が完結し、包丁の切れ具合や「包丁さばき」によって食感、味が大きく異なるとされる。
- 肉
適切な大きさ・形に切る。ミートハンマー(肉たたき)でたたき、柔らかくする。あるいはミンサーで挽き肉にする。ひき肉はしばしばボール状や平たくまとめ、後で焼いたり揚げたりする手順へすすむ。
- 穀物
粉砕する場合もあり、これは多くの場合料理以前にまとめて行われる。これは「擂る」と言うが、これによってできた粉末は練って固めて塊や麺の形で用いられる。この加工過程も料理に含まれる。
調味
味付けをすること。そのための素材を調味料という。食塩は多くの場合使われる[注 1]。味付けは、基本的に下ごしらえの最中か直後に一度行われ、それ以降、加熱中などに味を確認し、必要がある場合は追加される。調味料を加えるタイミングや順番は重要で、間違えると目指す味にならない場合がある。
加熱
加熱に用いるいろり
多くの料理は加熱が行われる。加熱には、まず第一に、寄生虫や微生物を殺したり殺菌する、という重要な役割があり、食中毒防止、食の安全のために非常に大切な段階である。(肉の中でも特に豚肉は生食は厳禁で、しっかりと加熱する必要があるということが世界各国で知られている。)食材を適切に加熱することで、たんぱく質やデンプン等々の栄養素や食物繊維等の質的な変化を適度におこし、固すぎる食材を適度に柔らかくしたりするなど食感を良くしたり、うまみや香ばしさを増すことができる。
加熱は火を使って行われるのが普通だが、直接に火にかけない例もある。以下のような方法がある。
焼く:食品を串に刺したり、網の上に置き、直接に火の熱を当てる直火焼きと、フライパン等の上で焼く間接焼きとがある[6]。
炒める:フライパン等に少量の油を使って食品を加熱する[1]。
揚げる:容器に多量の油を入れ、それに食品を浸して加熱する[1]。
煮る・茹でる・炊く:容器に多量の水と食品を入れ、その中で加熱する[1]。
蒸す:食品を容器に入れてその内部の高温の空気や水蒸気で加熱する[1]。
盛り付け
皿や椀、鉢などの食器に盛り付ける。食器を冷却や加熱することもある。
料理の提供形態
納涼床
料理は献立によって、一品料理のアラカルトと、定食と呼ばれるコース料理のメニュー (料理)とに分類される。お任せや食べ放題といった形態もある。移動するものや仮設のものとして、中食や出前や弁当、屋台やケータリングや納涼床などがある。食堂車や機内食、クルーズ客船や屋形船でも料理が提供される。家庭における料理や、自ら作った料理は、手料理や家庭料理と呼ばれる。食べる人や調理側の状態によっては、非常食、離乳食や流動食などが提供される[1]。
地域別料理一覧
ヨーロッパ
西洋料理
- イタリア料理
- スペイン料理
- ポルトガル料理
- バスク料理
- フランス料理
- ベルギー料理
- ドイツ料理
- スイス料理
- オランダ料理
- イギリス料理
- アイルランド料理
- スウェーデン料理
- ノルウェー料理
- オーストリア料理
- チェコ料理
- ポーランド料理
- ラトビア料理
- リトアニア料理
- ギリシア料理
- ブルガリア料理
- ルーマニア料理
- ハンガリー料理
- ウクライナ料理
- ロシア料理
南北アメリカ
- メキシコ料理
- ブラジル料理
- コスタリカ料理
- パナマ料理
- ボリビア料理
- ペルー料理
アメリカ料理
- ケイジャン料理
- クレオール料理
- テクス・メクス料理
ソウルフード(アフリカ系アメリカ人の料理)- ハワイ料理
カナダ料理
- アカディア料理
- キューバ料理
- ハイチ料理
- プエルトリコ料理
- ジャマイカ料理
太平洋・オセアニア
- オーストラリア料理
- ニュージーランド料理
- ハワイ料理
- ミクロネシア料理
- ポリネシア料理
アフリカ
- モロッコ料理
- エジプト料理
- チュニジア料理
- アルジェリア料理
- エチオピア料理
- 南アフリカ料理
- モルディブ料理
- ジブチ料理
中東・アジア
- トルコ料理
- サウジアラビア料理
- イラク料理
- イラン料理
- アフガニスタン料理
- オマーン料理
- イエメン料理
- カタール料理
- シリア料理
- バーレーン料理
- ヨルダン料理
- パレスチナ料理
- レバノン料理
- クウェート料理
- イスラエル料理
インド料理
- パンジャブ料理
- ムグライ料理
- 南インド料理
- ベンガル料理
- スリランカ料理
- パキスタン料理
- バングラデシュ料理
- インドネシア料理
- ウイグル料理
- ベトナム料理
- ラオス料理
- ミャンマー料理
- カンボジア料理
- マレーシア料理
- フィリピン料理
- チベット料理
- ネパール料理
- ブータン料理
- ブルネイ料理
中華料理
- 四川料理
- 北京料理
- 広東料理
- 上海料理
- 台湾料理
- モンゴル料理
タイ料理
- イーサーン料理
- 韓国料理
日本料理
- 御節料理
- 有職料理
精進料理
- 普茶料理
- 本膳料理
- 懐石料理
- 会席料理
郷土料理
- 卓袱料理
- 沖縄料理
- アイヌ料理
- 奄美料理
- 薩摩料理
- 皿鉢料理
- 洋食
料理(調理)の競技
ボキューズ・ドール - 2年毎(奇数年)の1月にフランス・リヨンで開催される世界最高峰の料理コンクール。
世界料理オリンピック - 4年に一度、ドイツで行われる料理コンテスト。
中国料理世界大会 - 中華料理の世界大会。
料理の鉄人 - 料理人同士の対決を前面に打ち出したテレビ番組。米国などでも放送された。架空の団体「美食アカデミー」が主催、しているという設定。
脚注
注釈
^ 近年は、健康のための減塩の重要性が認識され、以前より量が減ったり、他の風味で代用することが増えてきた
出典
- ^ abcdefghijk広辞苑第5版
- ^ ab『俳句歳時記 第4版』角川学芸出版、2008年、ISBN 978-4-04-621167-5
^ 『四季日本の料理 秋』講談社 ISBN 4-06-267453-X
^ 『旬の食材 四季の果物』講談社 ISBN 4-06-270137-5
^ 『四季日本の料理 冬』講談社 ISBN 4-06-267454-8
^ 『旬の食材 夏の魚』講談社 ISBN 4-06-270132-4
参考文献
- 『広辞苑』第5版
- 『四季日本の料理 秋』講談社 ISBN 4-06-267453-X
- 『四季日本の料理 冬』講談社 ISBN 4-06-267454-8
- 『旬の食材 夏の魚』講談社 ISBN 4-06-270132-4
- 『旬の食材 四季の果物』講談社 ISBN 4-06-270137-5
- 『俳句歳時記 第4版』角川学芸出版、2008年、ISBN 978-4-04-621167-5
関連項目
- 料理の画像一覧
- 世界三大料理
- 調理
- 調理法
- 食事
- 食文化
- 食器
肉、野菜、魚介類、調味料、ハーブ、香辛料
- 肴
- 料理研究家
- 白物家電
- 家電機器
外部リンク
料理の語源と敦煌医書 中国科学史の真柳研究室、茨城大学
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