ブルネイ





ブルネイ・ダルサラーム国

Negara Brunei Darussalam
برني دارالسلام











ブルネイの国旗 ブルネイの国章
(国旗) (国章)


国の標語:常に神の導きに従いなさい


国歌:国王陛下に神のご加護を


ブルネイの位置









































公用語

マレー語(ブルネイ・マレー語)

首都

バンダルスリブガワン
最大の都市
バンダルスリブガワン

政府












国王(スルターン)

ハサナル・ボルキア

首相
ハサナル・ボルキア(国王が兼任)


面積











総計

5,770km2(164位)
水面積率
8.7%


人口











総計(2008年)

400,000人(175位)

人口密度
63人/km2



GDP(自国通貨表示)





合計(2008年) 205億[1]ブルネイ・ドル


GDP (MER)





合計(2008年) 145億[1]ドル(105位)


GDP (PPP)











合計(2008年)
196億[1]ドル(117位)
1人あたり 50,116[1]ドル



独立
 - 日付

イギリスより
1984年1月1日

通貨

ブルネイ・ドル (BND)

時間帯

UTC (+8)(DST:なし)

ISO 3166-1
BN / BRN

ccTLD

.bn

国際電話番号
673



ブルネイ・ダルサラーム国(ブルネイ・ダルサラームこく)、通称ブルネイは、東南アジアのイスラム教国で、イギリス連邦加盟国である。ボルネオ島(カリマンタン島)北部に位置し、北側が南シナ海に面するほかは陸地ではマレーシアに取り囲まれている。首都はバンダルスリブガワン。元首はハサナル・ボルキア国王(スルターン)。


石油や天然ガスなどの資源を多く埋蔵しており、ASEANの一員になっている。環太平洋戦略的経済連携協定の原加盟国でもある。




目次






  • 1 国名


  • 2 歴史


  • 3 政治


  • 4 軍事


  • 5 国際関係


  • 6 地方行政区分


    • 6.1 都市




  • 7 地理


  • 8 経済


  • 9 交通


  • 10 国民


    • 10.1 人種・民族


    • 10.2 言語


    • 10.3 宗教




  • 11 文化


    • 11.1 食文化


    • 11.2 祝祭日




  • 12 脚注


  • 13 参考文献


  • 14 関連項目


  • 15 外部リンク





国名


正式名称は、マレー語のアラビア文字(ジャウィ文字)表記では、نڬارا بروني دارالسلام、ラテン文字表記では、Negara Brunei Darussalam。「ヌガラ・ブルネイ・ダルッサラーム」と読む(日本における呼称「ネガラ・ブルネイ・ダルサラーム」はローマ字読みの転訛に由来したものであるが、ジャウィ文字表記とラテン文字表記を照らし合わせる限りにおいては誤りであると言える[独自研究?][2])。


公式の英語表記は、the Nation of Brunei, the Abode of Peace、または Brunei Darussalam。略称は Brunei [bruːˈnaɪ, bruːˈneɪ] (ブルーナイ、ブルーネイ)。


日本語表記は、ブルネイ・ダルサラーム国。通称、ブルネイ。中国語における表記は「文萊」、「」であり、「」と略される。


Negara は、マレー語で「国」を意味する語。Darussalam は、アラビア語の dar(u) (家、土地)と (a)s-salam (平和)で、「平和な土地」の意味。Brunei は、諸説あり。マレー語の buni (亜麻)や buah nyiur (ココナッツ)から転じた等。



歴史




  • 1660年代、王室で起こった内紛を鎮圧。援助したスールー王国へサバ州の大部分を割譲。

  • 1775年からイギリス東インド会社がブルネイのスルタンと貿易交渉。


  • 南京条約の1842年、ジェームズ・ブルックによるプランギン・ウソップの乱鎮圧をスルタンが評価、サラワクを割譲。3年後、トマス・コクランがサバ北端を根城にもつ海賊を掃討。ブルネイの財政基盤である奴隷狩りがイギリスの奴隷貿易廃止方針と利害衝突。1846年にスルタンが親英勢力の排除を命令。


  • 1888年、サラワク王国と北ボルネオがイギリスの保護領となる。1906年に補足条約締結、イギリスが駐在官を設置。国教に関わらない限り駐在官の意見を全て飲まなければならないと定めた[3]。開発が進められ、初めプランテーションを軸としていたものが1929年からセリア油田にシフトした。


  • 1941年、太平洋戦争の勃発に伴う日本軍の侵攻により1945年まで日本の統治下となる。サラワクとブルネイの国境線が無視される形で行政区域が定まる。日本はスルタンを現地勢力として支援した。


  • 1947年:香港上海銀行の開いた支店が国内初の銀行となる。1985年に取り付け騒ぎ。


  • 1956年:ナショナリズムと早期独立を掲げるブルネイ人民党が結成される。


  • 1959年:条約改定、イギリスの自治領となる。駐在官制度廃止、高等弁務官が常駐。


  • 1962年:ブルネイ人民党内の急進派によるブルネイ動乱(英語版)


  • 1963年:石油法および石油関連所得税法を制定。


  • 1967年:シンガポールとの間に通貨等価交換条約を締結。


  • 1971年:条約改定、完全自治達成。


  • 1975年:ロイヤル・ダッチ・シェルの国内部門で株式の過半数を取得。


  • 1984年:イギリスより独立し、国連などに加盟。きっかけはクラウン・エージェンツのスキャンダル。



政治




首都バンダルスリブガワンに所在する王宮、イスタナ・ヌルル・イマン。


スルターンの称号を有する国王が国家元首(立憲君主制)だが、国王の権限が強化されており、絶対君主制の一種であるが国王とは別に首相がいる、閣僚は国王によって指名される。内閣は国王が議長となり、行政執行上の問題を処理する。このほか、宗教的問題に関する諮問機関である宗教会議、憲法改正などに関する諮問機関である枢密院、王位継承に関する諮問機関である継承会議があり、国王に助言をする。1962年、ブルネイ動乱に際して非常事態宣言を発令し、その後2年ごとに更新され現在も宣言は継続中である[4]



立法機関は、一院制の立法評議会(Majlis Mesyuarat Negara)。議員の選出は、1970年に選挙制から国王任命制となった。この立法議会は1984年以来活動が停止されていたが、ブルネイ政府は再開を表明。2004年9月に再開されて、議会の構成に関する憲法改正が行われ、公選議員が含まれることとなった。



現在、ブルネイでは定期的な国政選挙が無いものの、国内には3つの政党が存在している。



死刑制度は存在しているが、1957年以降、執行が行われていないため事実上廃止の状態となっている。



軍事



ブルネイの国防費はおよそ290百万ドル(対GDP比4.5%、数値は2004年度のもの)で、国の規模に比べるとかなり多い。ブルネイ軍の装備の大部分はイギリス、フランス、アメリカ合衆国製のものが占めている。陸海空の中では陸軍の兵力が最大であり、ブルネイ国家警察は陸軍の一組織である。ブルネイ軍は志願兵制を採用しており、マレー人のみが軍人に就く事ができる。


陸軍の歩兵が用いる標準的なライフルはM16である。


空軍の任務は陸軍の支援という側面が強く、装備はヘリコプターが中心となっており、UH-1やUH-60ブラックホークで構成されている。ヘリ以外の航空機はCN-235輸送機とおよそ5機の練習機に限られる。BAe社のホークを数機購入し、戦闘能力を向上させる計画があるが、未だ実現には至っていない。


海軍は小規模で、主に沿岸の警備と沖合の油田の防衛を任務とする。現在、大規模な装備の近代化を実施中。


この他、グルカ兵と1個ヘリコプター隊からなる、在ブルネイイギリス陸軍が、1,000名規模で駐屯している。



国際関係




地方行政区分





ブルネイの地方区分


ブルネイは4つの地区に区分される。



都市





  • バンダルスリブガワン ブルネイの首都。人口14万人(2010年)。


  • クアラブライト - 第二の都市


  • スリア - 第三の都市

  • ラビ

  • ルムト

  • ムアラ

  • スカン



地理




ブルネイの標高図




ブルネイの地図



国土は、マレーシア領となっているリンバン川流域によって、二分される。全土が熱帯雨林気候下にある。東側、テンプロン川流域は、海岸付近を除き、ほとんどが未開発の密林で、広大な自然公園となっている。国民の大半は、西側の3つの地区に住んでいる。面積は日本の三重県とほぼ同じくらい。


ブルネイの標高最低点は0m、最高峰はパゴン山(1850m)である。



経済


IMFの統計によると、2010年のブルネイのGDPは119億ドルであり[5]、日本の鳥取県の50%程度の経済規模である[6]。2015年の一人当たり国民総所得(GNI)は37,320米ドルであり、日本を上回りアジアではシンガポールに次ぐ高所得国となっている[7][8](2017年は29,600ドル[9])。


ブルネイの中央銀行はブルネイ通貨金融庁である[10]。これができるまで中央銀行は無かった。その間は歳出入を民間銀行へ預金していた。1984年に独立するまで、預金の運用はクラウン・エージェンツが行っていた。財務長官もイギリス人であった。1967年末のポンド切り下げに直撃され、政府資産は目減りした。1976年にスルタンを議長とする投資諮問委員会が設立されたが、その構成員には財務長官に二人のクラウン・エージェンツと、モルガン・グレンフェル、ジェームス・ケーペル(現HSBC)から一人ずつ派遣された顧問が含まれた。1982年にはクラウン・エージェンツのスキャンダルに関する法廷審判報告が出され、ずさんな経営が公となった。翌年から投資顧問会社はモルガン・シティバンク・大和証券・野村証券の4社となった。


朝鮮民主主義人民共和国と並んで独自の証券取引所を持たないアジアの2か国のうちの一つである[11]


石油、天然ガスの輸出により、非常に経済は潤っている。石油天然ガス部門がGDPのほぼ半分、輸出のほぼ全てを占めており、それらに依存した経済構造となっている。また、貿易依存度も高い。食料品はそのほとんどを輸入している。物価は他のアジア諸国と比べて高い。


2013年の一人当たりの名目GDPは約44,586ドルと日本を上回る。所得税がないため、購買力では名目の数字よりさらに水準が高いと言える。(2013年の一人当たりの購買力平価GDPは約81,742ドル)


将来の石油資源枯渇に備え、豊富な資金を背景に国外へと積極的に投資しており、イスラム銀行などの金融業や観光業の育成が図られている。


また石油・天然ガスによる収入を元に、政府が社会福祉を充実させており、個人に対する所得税・住民税は課されていない。



交通




国民



人種・民族


マレー系 65.7%、中国系 10.3%、先住系諸民族 3.4%、その他 20.6%(2011年)[12]



言語


同国の憲法では、マレー語は公用語と定められているが、国語とは呼ばれない。マレー語を表記する文字として、ラテン文字とジャウィ文字がいずれも公の場で用いられる。英語も広く通用する。中国語の方言も、中国系住民の間で用いられる。


実際に日常ブルネイで話されるのは Bahasa Melayu (標準マレー語)ではなく ブルネイ語 Bahasa Brunei つまりブルネイ・マレー語 Brunei Malay だが、標準マレー語と語彙の90%が一致し(つまり10%程度の違いはある)、ブルネイ語話者は一般に標準マレー語を話すこともできる[13]。このほか、ブルネイ語の一種とみなされるケダヤン(クダヤン、カダヤン)語 Kedayan (Kadayan) の話者の相当数がブルネイ国内にいる。ケダヤン語と標準マレー語の語彙の一致率は73 - 80%とされる[13]。ブルネイ語とケダヤン語などの方言は語彙の94 - 95%が一致し、ISO言語コードではこれらを同一言語として扱い、同じ kxd を割り当てている[14]。ブルネイ語話者はケダヤン語を「別の言語」と意識するが、言語文化的アイデンティティーの問題であり、言語学的問題ではない。方言差は民族の違いを反映したものでなく地域差による。ブルネイ語とケダヤン語などの方言を区別しない場合、全体としての標準マレー語との語彙一致率は80 - 82%である[14]



宗教




首都バンダルスリブガワンに所在するスルターン・オマール・アリ・サイフディーン・モスク。


イスラム教が国教である。しかし、クリスマスが国民の休日になっている(イエスはイスラム教でも預言者の1人)。また、週の休日は金曜日と日曜日である。


イスラム教 78.8%、仏教 7.8%、キリスト教 8.7%、先住系諸民族固有の信仰とその他4.7%[12]




文化



食文化



ブルネイの食は周辺国であるマレーシア・シンガポール・インドネシアの強い影響を受けている。ほかにも中国・インド・日本の影響もある。ブルネイ独自の食文化にはサゴヤシを使ったアンブヤットがある。



祝祭日












































































祝祭日
日付 日本語表記 現地語表記

1月1日

元日
New Year's Day

2月14日
中国暦正月(旧正月)
Chinese New Year

2月23日
建国記念日
National Day of Brunei Darussalam

2月26日

ムハンマド降誕祭
Birthday of Prophet Mohammad

5月31日
ブルネイ王国軍記念日
Anniversary of Royal Brunei Armed Forces

7月10日
ムハンマド昇天祭
Israk Meraj

7月15日
国王誕生日
Birthday of His Majesty the Sultan of Brunei Darussalam

8月11日

断食月の初日
First Day of Ramadan

8月27日

コーラン啓示の祝日
Revelation of Holy-Quran

9月10日 - 9月13日

断食明け大祭
Hari Raya Aidilfitri

11月16日

犠牲祭
Hari Raya Aidil Adha

12月7日
イスラム暦新年
Islamic New Year

12月25日

クリスマス
Christmas Day

日付は2010年のもの[15]。イスラム暦で規定されているものも多く、年によってずれる。なお、振替休日は祝日が金曜日か土曜日と重なった場合に設定される。



脚注


[ヘルプ]



  1. ^ abcdIMF Data and Statistics 2009年7月19日閲覧([1])


  2. ^ マレー語において/e/および/ə/の発音はローマ字表記ではともにeと書かれ区別されないが、ジャウィ文字表記の場合は前者をي、後者を無表記として明確に区別している(詳細は「ジャウィ文字」を参照)。この場合はジャウィ文字表記においてeに該当する部分が無表記になっているため、/ə/と発音するのが適切である。


  3. ^ ブルネイに対するイギリスの高等弁務官は海峡植民地の総督が兼任しており、駐在官はその監督下におかれた。なお、このころから近代法が導入されてゆき、不備は英国の司法制度に補充された。


  4. ^ Naimah S Talib. “Brunei Darussalam: Royal Absolutism and the Modern State” (English). 京都大学東南アジア研究所. 2014年5月26日閲覧。


  5. ^ IMF


  6. ^ 国民経済計算 Archived 2010年2月10日, at the Wayback Machine.


  7. ^ 「1人あたりのGNI 〔2015年〕」帝国書院


  8. ^ 「<新興国eye>世銀所得別国別分類、カンボジアを「低所得国」から「低・中所得国」に格上げ」モーニングスター2016/07/15


  9. ^ Gross national income per capita 2017, Atlas method and PPP


  10. ^ 在ブルネイ日本大使館"経済概要"(2013年6月19日閲覧。)


  11. ^ ミャンマー初の取引所始動、来年売買開始-大和の初接触から22年ブルームバーグ 2015年12月9日

  12. ^ ab“CIA world fact book - Brunei”. 20160711閲覧。

  13. ^ abMALAYSIA Basic Facts (PDF)” (英語). WorldMap. worldmap.org. pp. 3 (2008年). 2009年4月28日閲覧。

  14. ^ abGordon, Raymond G., Jr. (2005年). “Ethnologue report for language code:kxd” (英語). Ethnologue: Languages of the World, Fifteenth edition. SIL International. 2009年4月28日閲覧。


  15. ^ 日本アセアンセンター(2010)『祝祭日カレンダー』(2010年5月14日閲覧)




参考文献


  • (財)自治体国際化協会(編)『ASEAN諸国の地方行政』PDF版 (PDF) 、2004年


関連項目















  • ブルネイ関係記事の一覧

  • ブルネイにおけるLGBTの権利

  • ブルネイ郵政局

  • サラワク王国

  • スールー王国

  • アンブヤット

  • ジュルドンパーク



外部リンク



  • 政府


    • ブルネイ・ダルサラーム国政府 (英語)


    • ブルネイ・ダルサラーム国大使館 (英語)



  • 日本政府

    • 日本外務省 - ブルネイ

    • 在ブルネイ日本国大使館



  • 観光

    • ブルネイ政府観光局 (英語)


  • その他

    • ジェトロ - ブルネイ・ダルサラーム(概況)

    • 日本アセアンセンター - ブルネイ


    • ブルネイのウィキメディア地図 (英語)















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