秩父鉄道6000系電車
秩父鉄道6000系電車 | |
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![]() 秩父鉄道6000系6002号編成 (2009年1月2日 / 武州荒木 - 東行田) | |
主要諸元 | |
編成 | 3両編成 |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1,500V |
最高運転速度 | 85km/h |
編成定員 | 248名 |
車両定員 | クハ6200・82名 デハ6100・86名 デハ6200・80名 |
最大寸法 (長・幅・高) |
20,000 × 2,880 × 4,060(mm) |
主電動機出力 | 150kW |
歯車比 | 86:15 (5.73) |
編成出力 | 1,200kW |
制御装置 | 電動カム軸式抵抗制御 日立MMC-HTB-20E |
制動装置 | 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(応荷重装置、保安ブレーキ、抑速ブレーキ付) |
保安装置 | 秩父鉄道形ATS |
備考 | 引用:秩父鉄道からのお知らせ<<2006年2月24日>> |
秩父鉄道6000系電車(ちちぶてつどう6000けいでんしゃ)は、秩父鉄道の急行列車用車両。
目次
1 概要
2 改造内容
3 車内
4 編成表
5 臨時列車
5.1 ヘッドマーク掲出による運転実績
6 脚注
7 参考文献
8 関連項目
9 外部リンク
概要
本系列は、西武鉄道の新101系4両編成3本(12両)を2005年(平成17年)に購入し、3両編成に改造した上で、秩父鉄道の3000系(元JR東日本165系)で運用されていた急行「秩父路」に投入して同系列との置き換えを進めた。
6001号編成は、広瀬川原車両区で同社から委託を受けた西武車両で改造工事を行った。これは要員確保の問題から工事管理のみに留まり、先頭車のTc2車(クハ1101形偶数番車)の運転台を切断して中間車のM2車(モハ101形偶数番車)に移設するという実際の作業を東横車輌電設が担当し、同年12月28日に落成した。その後6002・3号編成は西武鉄道の武蔵丘車両基地で施工したが、これらはすでに秩父鉄道に回送していた改造車両を改めて回送し直している。
そして、2006年(平成18年)3月15日の急行「秩父路1号」で運用を開始した。その後も順次3000系の置き換えを行い、同年11月25日をもって同系列が運用から離脱し、それ以降の急行「秩父路」はすべて本系列となった。
2007年(平成19年)3月6日のダイヤ改正よりワンマン運転を実施している。
2014年(平成26年)10月26日からは、6003号編成が旧300系が登場した当時の塗装である茶色塗装のリバイバルカラーに変更されている[1]。
改造内容



客用ドア撤去部分(中)
半自動時開閉ボタンと点字ブロック(下)

リバイバルカラーの6003号編成
- 中間車の先頭車化
- 前述の通り、中間車だったM2車(モハ101形偶数番車)にTc2車(クハ1101形偶数番車)の運転台を取り付けて先頭車化されている。
- 急行形化
- 先頭車の前面下部に「急行秩父路」が表示できる愛称表示器を新設した。なお、300系にも「急行秩父路」の愛称をプレートを使って表示していたが、3000系では愛称表示が「秩父路EXPRESS」(プレート式)となっていた。本系列の導入により14年ぶりに「急行秩父路」の愛称表示が復活している。また、急行形電車としては初めて種別・行先表示を導入した。種別表示は「急行」の幕を使用(当初は使用されず)している他、行先表示が幕式からLED式となった。なお、ワンマン運転時に備えて「ワンマン」の幕も用意されている。
- 車内がロングシートから10000系改造発生品のクロスシートに変更されるとともに中央の側扉を撤去し、それを塞いだ上で大型の固定窓を新設した。これにより旅客用乗降口が片側3か所から2か所となった。
ワンマン対応化
- 乗務員室内にデッドマン装置、ドア開閉スイッチ、自動放送装置を新設した。なお、自動放送は車掌乗務時にも使用される。
バリアフリー化
- 乗務員室・客室には相互通話可能な非常通報装置を取り付けた。
- 車内貫通扉上部に行先や次の駅などを表示するLED式旅客案内表示器を設置した。
- ドアの開閉予告のためのドアチャイムを各ドアの左上に設置するとともに、冬季の寒冷対策としてドアの横に半自動時のドア開閉ボタンを設置した他、床にはドア位置を示す黄色の点字ブロックを設置し、視認性の向上を図った。
- Mc2車(デハ6000形)の運転士側背面に車椅子スペースを設置するとともに、スロープも乗務員室内に設置した。
- その他
- 前照灯を丸型から角形に変更した。
- ワイパーを空気式から電動式に変更した。
- 転落防止幌は既存のまま使用し、妻引き戸をTc1車(クハ6200形)とM1車(デハ6100形)に各1か所増設した。
- 屋根上機器のパンタグラフ本体はPT-4320であるが、すり板をカーボン製とした。
- 車体塗装は3000系に準じ、クリームの地色に窓周りと裾部に青帯を配し、前面窓周りを黒とした。
- 側扉は101系時代と同じくステンレス無塗装としている。
- 連結装置は、電気連結器を撤去し、社線内併結対応として密着連結器のみとした。
- 排障器(スカート)を設置した。
車内
座席は西武10000系の更新時に発生した旧シートを再利用したオールクロスシートとなっており、わずかであるがリクライニングさせることも可能である。なお、車幅の関係から回転はできず、向かい合わせに固定のままでの運用となっており「リクライニング機能付きボックスシート」ともいうべき、他にあまり類例を見ないシート構成となっている。ただし客用扉直近の車両中央寄りのシート2列は向かい合わせではなく、2列続けて同じ方向(車両中央向き)で固定されている(いわゆる集団見合型)。車端部やドア間の一部の座席は窓との位置がずれている箇所もある。また、背面テーブルが撤去されている部分でもテーブル止めが残っている箇所がある。
また、元々急行形だった3000系と違い通勤型から改造したため、デッキは装備されていない。
編成表
←羽生 三峰口→ |
西武時代の編成 |
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デハ6001 | デハ6101 | クハ6201 |
西武新101系 229編成 |
(クハ1230・モハ230) | (モハ229) | (クハ1229) |
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デハ6002 | デハ6102 | クハ6202 |
西武新101系 231編成 |
(クハ1232・モハ232) | (モハ231) | (クハ1231) |
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デハ6003 | デハ6103 | クハ6203 |
西武新101系 233編成 |
(クハ1234・モハ234) | (モハ233) | (クハ1233) |
- カッコ内は西武時代の旧車号である。
臨時列車
秩父鉄道では、沿線でのイベントや観光シーズンなどに合わせて臨時急行や定期急行「秩父路」の愛称変更などを行っているが、先頭にLED式の愛称表示器を持つ本系列では就役以来2007年11月までこういった臨時愛称はLEDによる列車名表示に留められてきた。しかし、同年12月運転の「秩父夜祭号」から愛称表示器の上に特製ヘッドマークが掲出されるようになり、以降3000系で行っていたような特製ヘッドマークの掲出が行われており、「蝋梅号」「さくら号」「芝桜号」「秩父川瀬祭り号」「秩父夜祭号」は毎年のように特製ヘッドマークを装着している。
ヘッドマーク掲出による運転実績

「秩父夜祭号」ヘッドマーク掲出
- 2007年
12月2日・3日:急行「秩父夜祭号」
- 2008年
1月1日 - 3日:急行「開運号」および「謹賀新年」ヘッドマーク
1月19日 - 2月17日:急行「蝋梅号」
3月18日 - 4月6日:急行「さくら号」
4月12日 - 5月6日:急行「芝桜号」
7月20日:急行「秩父川瀬祭号」- 11月:急行「奥秩父大滝紅葉まつり号」
- 11月下旬 - 12月3日:急行「秩父夜祭号」 - 各編成ごとに異なるヘッドマークを装着
- 2009年
- 1月1日 - 3日:急行「開運号」
1月17日 - 2月22日:急行「ろうばい号」
3月27日 - 4月5日:急行「さくら号」
4月11日 - 5月6日:急行「芝桜号」 - 各編成ごとに異なるヘッドマークを装着- 7月20日:急行「秩父川瀬祭号」(秩父路3号のみ)
- 9月下旬 - 10月4日:「第9回ロングウォークちちぶ路」(6002号編成のみ)
- 11月下旬 - 12月3日:急行「秩父夜祭号」
脚注
^ 秩父鉄道6000系にリバイバルカラー編成(
交友社鉄道ニュース 2014年10月27日)
参考文献
鉄道ピクトリアル・2006年9月号(No.779)『特集・譲渡車両めぐり』
関連項目
他社の西武新101系譲渡車
- 上信電鉄500形電車
- 伊豆箱根鉄道1300系電車
- 三岐鉄道751系電車
- 流鉄5000形電車
近江鉄道900形電車・100形電車
外部リンク
- 6000系急行車両 営業運転開始のお知らせ
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