着陸復行
着陸復行
着陸復行[1]または着陸復航(ちゃくりくふっこう)とは、VFR、IFRを問わず航空機が着陸もしくはそのための進入の継続を断念し、上昇体制に移ること。ゴーアラウンド(Go-around) とも。
目次
1 概要
2 進入復行
3 着陸復行、進入復行が行われる場合
4 脚注、出典
5 関連項目
6 外部リンク
概要
パイロットが自身の判断で行うことも、また、管制官が滑走路又は航空交通の状況等の事由により到着機の進入継続が安全でないと判断される場合に指示を行うこともある。「着陸復航」と記述されることもある。単に「復行」と言った場合には進入復行ではなく着陸復行を指すことが多い。
極端に接地点が奥にいってしまった為にそこから再上昇しても、タッチアンドゴーとは言わずに着陸復行になる。
海軍航空隊ではゴーアラウンド(Go-around)ではなくウェーブ・オフ(Wave off)と呼称する。
旅客機のオートパイロットには着陸モード時にボタンを押すだけで加速しつつ上昇する機能を搭載している機種もある。
進入復行
進入復行[2](しんにゅうふっこう)とは、計器飛行方式により進入中の航空機において、その進入の継続を断念し、公示された進入復行方式、もしくは事前通報された進入復行方式にしたがって飛行する方法のこと。ミストアプローチ(Missed-Approach)ともいう。
進入復行経路(方式)は計器進入方式ごとに定められており、普通は 超短波全方向式無線標(VOR)・距離測定装(DME)や、無指向性無線標識(NDB)上空などでの旋回待機(ホールド)で終了する。着陸のために再び進入するには、管制官の進入許可が必要。
計器進入方式による進入許可には、進入復行の許可が含まれる。
着陸復行、進入復行が行われる場合
空母への着艦を中止し着艦復行(Wave-off)するF-8
フックが引っかからず着艦復行するF/A-18
着陸復行・進入復行は管制官の指示による場合と、パイロット自らの判断によって行われる場合がある。
- 一定の高度(ディシジョン・ハイト)まで降下しても、視界不良で滑走路が見えない場合[3]。
- 背風(テイルウインド)または横風(クロスウインド)で、安全な着陸が見込めない場合。
滑走路上に障害物や離陸機、先行着陸機との管制間隔を確保できないと判断した場合。
空母に着艦する際は基本的にパイロットではなく、飛行甲板上の責任者(エアボス)から独立した着艦信号士官(LSO)が判断を下す。パイロットはLSOが操作する光学着艦装置の着艦復行ライト(Wave-off lights)が点滅した場合、着艦を中止し即座に復行する。アレスティング・フックがアレスティング・ワイヤーに引っかからないなど着艦失敗(ボルター)の際には自己判断で着艦復行を行う。
脚注、出典
^ 航空保安業務処理規定 第5管制業務処理規定(III) - 2 - (3)による。
^ 航空保安業務処理規定 第5管制業務処理規定(II) - 7 - (7)aによる。
^ “よくある質問(FAQ)”. 国土交通省 (2010年8月24日). 2016年12月20日閲覧。
関連項目
- タッチアンドゴー
- 航空機の離着陸方法
- 全日空391便函館空港着陸失敗事故
- 中華航空140便墜落事故
- ポーランド空軍Tu-154墜落事故
外部リンク
- ボーイング757の着陸復行訓練の模様
- DC-8が横風にあおられて着陸を断念、復行する模様
- 着陸体制に入ったボーイング747の進入滑走路上に別の747が誤って侵入したため着陸復行となった模様
- 強風にあおられ次々に着陸復行する旅客機の模様
