炭素繊維強化炭素複合材料




炭素繊維強化炭素複合材料(たんそせんいきょうかたんそふくごうざいりょう、carbon fiber reinforced-carbon matrix-composite)は、繊維強化複合材料の一種で、繊維として炭素繊維を、母材(充填材)としても炭素を用いたもの。カーボンカーボン (carbon-carbon) 、カーボンカーボン複合材料 (carbon-carbon composite)、C/Cコンポジット(C/C composite)、強化カーボンカーボン (reinforced carbon-carbon, RCC)などのさまざまな呼び方がある。




目次






  • 1 概要


  • 2 用途


  • 3 出典


  • 4 文献





概要


炭素繊維とプラスチック(主に熱硬化性のもの)による繊維強化複合材である炭素繊維強化プラスチック (CFRP) を成形硬化後、不活性雰囲気中で熱処理し、母材のプラスチックを炭化させて作る。さらに2000℃から3000℃での熱処理により炭素繊維はさらにグラファイト化が進み、母材も部分的にグラファイト化する。複合材料とするのは、炭素繊維が塊状の炭素よりグラファイト化しやすいからである。この製法を「樹脂含侵炭素化法」と言う。原材料を焼き固めて製造することから、セラミックスに分類されることもある[1]。また、理想的には炭素のみで構成されよって共有結合のみであることもあり、無機物質として分類される。


「化学気相蒸着法」ではメタン、プロパンなどを比較的低濃度で高温に保持された製品中に導入して直接沈着させる。等温法と温度勾配法がある。この方法は「CVD法」とも呼ばれる。


軽くて丈夫でという繊維強化複合材料の特長に加え、化学的に安定で、生体に不活性(例外あり)、熱に強く約1600℃まで実用的な強度を保ち、繰り返しの使用に耐える。ただし、空気中でおよそ450°Cを超える高温にさらすと酸素と化合して(すなわち燃焼して)二酸化炭素になってしまうため、炭化ケイ素やB2O3などによるヘテロアトムによるアロイングのようなコーティングをする場合がある。しかしこの場合も本体とコーティングの熱膨張率の差の問題もあり、2010年現在未解決である。



用途




  • 航空機や自動車(主に競技用)のディスクブレーキのブレーキローター及びブレーキパッド及び自動車、二輪車のカスタムパーツ(炭素繊維強化炭素複合材料の需要の約80%は航空機ブレーキ用途である)[2]


  • 宇宙ロケットの高熱にさらされる部分に使用される耐熱タイル


  • 電車のパンタグラフ用すり板(強度と導電性の改善のため銅合金を含浸させる)[3]



出典




  1. ^ セラミックス博物館 - 日本セラミックス協会


  2. ^ 宇宙ロケット用炭素繊維強化/炭素複合材料 - 日本セラミックス協会 (PDF)


  3. ^ パンタグラフ用カーボンカーボン系すり板 - 日本セラミックス協会 (PDF)



文献




  • 炭素繊維の最先端技術. シーエムシー出版. (2007年). ISBN 4882316722. 

  • 「炭素繊維/炭素複合材料の超高温安定性」、『窯業協會誌 Vol. 95 (1987)』、セラミックス協会、 660-662頁。

  • 「炭素-炭素複合材料の展開」、『高分子 Vol. 47 (1998) No. 8』、高分子学会、 555-558頁。

  • 「高炭素化収率のピッチをマトリックス前駆体とした炭素繊維/炭素複合材料のマトリックス組織制御」、『炭素 Vol. 1992 (1992) No. 155』、炭素材料学会、 288-294頁。

  • 「C/Cコンポジット」、『繊維学会誌 Vol. 44 (1988) No. 11』、繊維学会、 440-443頁。




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