三菱・ジープ






三菱・ジープ CJ3B-J11
三菱オートギャラリー


三菱・ジープ(Mitsubishi Jeep)は、中日本重工業(現:三菱重工業)・東洋工機(現:パジェロ製造)が生産、中日本重工業・新三菱重工業・三菱重工業・三菱自動車工業が1953年から2001年まで製造・販売していた四輪駆動車である。




目次






  • 1 概要


  • 2 歴史


  • 3 生産拠点


  • 4 バリエーション


    • 4.1 車型


      • 4.1.1 ショートホイールベース


      • 4.1.2 ミドルホイールベース


      • 4.1.3 ロングホイールベース




    • 4.2 エンジン


    • 4.3 トランスミッション




  • 5 関連項目


  • 6 外部リンク





概要





陸上自衛隊警務隊で使用される73式小型トラック


太平洋戦争終了後、誕生したばかりの警察予備隊はアメリカ軍から供与された兵器で武装していた。
小型トラックの増備については、トヨタ・ジープ BJ型、日産・4W60型、ウイリス・オーバーランド・モーターズ(Willys-Overland Motors、以下ウイリス)との提携による三菱・ジープによる競争入札の結果、三菱・ジープを採用することとなり、1953年(昭和28年)からCJ3A型のノックダウン生産が始まった。全てウイリス製部品を用いるコンプリートノックダウンであるため、初期モデルにはスリーダイヤのマークはない。


その後は日本で生まれたモデルを加えて防衛庁(当時)以外にも販路を広げ、独自の進化を遂げながら2001年(平成13年)まで販売された。



歴史




  • 1949年(昭和24年) - ウイリスは戦後の軍民転換を図るべく、ジープを民生用とした「シビリアンジープ」(CJ)の売り込みに注力していた。日本での販売のため、三菱水島製作所にも程近い、倉敷レイヨンとの共同出資による倉敷フレイザーモータースが設立された。


  • 1950年(昭和25年) - 米国政府は、朝鮮戦争に必要となるジープを安価に調達するため、補給基地となる日本でのノックダウン生産を決定した。同年12月、ウイリスの極東地区担当マネージャーが来日し、提携先とする自動車メーカーの検討を開始した。倉敷フレイザーモータースの尽力や警察予備隊の要望などから、政府間協議の結果、中日本重工業(後の三菱重工業)に白羽の矢が立った。


  • 1952年(昭和27年)7月 - ノックダウンによる組立下請契約が成立。組み立ては名古屋製作所の大江工場が担当し、販売は倉敷フレーザーモータースが行うこととなった。


  • 12月 - 最初の部品が名古屋港へ到着。


  • 1953年(昭和28年) - 生産開始。本家のウイリスではIOEエンジン(米国などでは「Fヘッド」と呼称)となったハリケーン4エンジン(Willys Hurricane F4、排気量134 cu in)を搭載した新型であるCJ3Bの生産がすでに始まっていたが、三菱製ジープは一世代前のサイドバルブ式ゴーデビルエンジン(Willys Go-Devil 441/442、排気量134 cu in)を搭載するCJ3Aからのスタートとなった。当初は左ハンドルであったが、のちに通商産業省の指導で右ハンドル化され、CJ3B-J3Rとなる。


  • 7月18日 - ウイリス・オーバーランド輸出会社との間に、ジープを中心とする四輪駆動車に関するライセンス生産、および販売契約が締結され、同年9月1日、正式に両国政府の認可が降り、ここに国産化の運びとなる。当時、ウイリスではジープの生産に関し、9ヶ国にわたる各企業との提携があったが、いずれも下請としての契約であり、製造と販売の権利を共に供与する契約が締結されたのは日本の事例のみである。米国政府が日本を防共の砦と位置付け、重視していたことが伺える。同時にエンジンがアメリカ本国と同じハリケーン4に切り替わり、型式もCJ3Bとなる。



  • 1954年(昭和29年)12月10日 - エンジンの国産化を達成。日本製ハリケーン4の意味でJH4型と名付けられた。


  • 1955年(昭和30年) - JH4型エンジンの量産を開始。生産は京都製作所が担当した。


  • 1973年(昭和48年) - 防衛庁の指示で、それまでのJ54-Aに代わり、ミドルホイールベースのJ24をベースとしたJ24-A(73式小型トラック)が登場する。


  • 1982年(昭和57年) - パジェロの登場に伴い車種を大幅に整理。


  • 1996年(平成8年) - 防衛庁が長らく73式小型トラックとしてジープを調達していたが、最新の排出ガス規制・衝突安全への対応や、操縦安定性・居住性の向上には、採算面をはじめ、ジープのアップデートでは不合理な点が多いため、2代目パジェロベースの新73式小型トラックへ切り替わることとなった。この際、複数メーカーによる競争入札は行われておらず、ジープとは異なる車であるにもかかわらず、「73式」の呼称も受け継がれている。


  • 1998年(平成10年) - 生産終了が決定し、最終記念限定生産車として300台が限定で生産される。車体色はこれまでの生産車にはないサンドベージュで、助手席側に1/300を示すプラークが備わる。


  • 2001年(平成13年) - 在庫販売が終了する。



生産拠点



  • 中日本重工業 - 1967年(昭和42年)までの生産分。戦後GHQによって分割された三菱重工業の1つで、再合併して三菱重工業となった。


  • 東洋工機 - 現・パジェロ製造。1967年(昭和42年)から一貫生産。



バリエーション



車型


乗車定員=前席/前+後席



ショートホイールベース




三菱・ジープ J55
ゴールデンブラック仕様



  • ソフトトップ

  • 2/4人乗り フロアシフト



  • ガソリン



  • J1 (CJ3A-J1) - 左ハンドル 6V電装 林野庁向け 生産数53台。

  • J2 (CJ3A-J2) - 左ハンドル 12V電装 保安隊向け 生産数500台。

  • J3 (CJ3B-J3) - 左ハンドル。


  • J3R (CJ3B-J3R)


  • J4 (CJ3B-J4) - 12V電装 アメリカ軍・自衛隊向け。

  • J5 (CJ3B-J5)

  • J6 (CJ3B-J6)

  • J7 (CJ3B-J7)

  • J8 (CJ3B-J8)

  • J9 (CJ3B-J9)

  • J10 (CJ3B-J10) - ホイールベースはJ3のまま、リアオーバーハングのフレームとボディを延長した6人乗り。


  • J10A (CJ3B-J10A) - J10をメタルドアにしたもの。


  • J52 - 自衛隊/民生向け KE47型ガソリンエンジン 前期型はJ3Rボディ。

  • J53L - J52を左ハンドル化した輸出専用仕様。後のJ53(ディーゼル)とは別モデル。

  • J56

  • J57

  • J58 - 2.0L

  • J59 - 2.0L



  • ディーゼル


  • JC3 (CJ3B-JC3) - 左ハンドル。

  • J3RD (CJ3B-J3RD) - 右ハンドル化。


  • J51A - 4DR1型エンジン搭載の自衛隊向け。

  • J54-A - 自衛隊向け。

  • J54 - 4DR5型エンジン搭載。

  • J55L - J54を左ハンドル化した輸出専用仕様で、後のJ55(ディーゼル)とは別モデル。

  • J53(2代目) - 型式が同じ初代とのつながりはない。右ハンドルのみ。エンジンを直噴ターボ化。三菱・ジープ初の過給エンジン。

  • J55(2代目) - 型式が同じ初代とのつながりはない。右ハンドルのみ。自動車NOx・PM法への適合のため燃焼室を再び副室(渦流室)式とし、インタークーラーとターボを追加。





ミドルホイールベース



  • ソフトトップ


  • コラムシフト3/5、3/7人乗り

  • J10 B フロアシフト - 2/4、2/6人乗り



  • ガソリン



  • J10 (CJ3B-J10) フロアシフト - 2/6人乗り。

  • J20

  • J22

  • J26


  • J26 B フロアシフト - 2/6人乗り。

  • J27


  • ディーゼル


  • JC10 (CJ3B-JC10)

  • J20D

  • J24

  • J23-A/P/W/G/M - フロアシフト 自衛隊向け(旧73式小型トラック)(4DR6 直噴ターボ)。

  • J24-A/P/W/G/M - フロアシフト 自衛隊向け(旧73式小型トラック)(4DR5)。

  • J25-A/P - フロアシフト 自衛隊向け(旧73式小型トラック)(4DR5 インタークーラーターボ)。





三菱・ジープ J24H



  • ハードトップ

  • 3/7人乗り

  • B - 2/6人乗り



  • ガソリン



  • J20 H

  • J22 H

  • J26 H


  • J26 HB フロアシフト - 2/6人乗り。

  • J27 H


  • ディーゼル


  • J20 HD

  • J24 H




ロングホイールベース



  • ソフトトップ

  • 3/9人乗り



  • ガソリン


  • J32 - 消防用カウルシャシあり

  • J42

  • J46

  • J47


  • ディーゼル


  • J32D

  • J44





三菱・ジープ デリバリワゴン J37



  • デリバリワゴン

  • 3/6人乗り フロントベンチシート、乗用仕様 3列 3/6/8人乗り。

  • B - 2/5人乗り フロントセパレートシート+フロアシフト、乗用仕様 3列 /5/7人乗り。



  • ガソリン



  • J11 (CJ3B-J11) 2ドア

  • J30

  • J34

  • J38

  • J37


  • J37 B - セパレートシート+フロアシフト


  • ディーゼル



  • J30D

  • J36


  • J36 B - フロントセパレートシート+フロアシフト




エンジン














































































ガソリンエンジン
エンジン型式 通称 排気量cc 弁形式 圧縮比 最大出力PS(hp) / 回転数 最大トルク kg-m / 回転数
L4
ライトニング4型
(ゴーデビル)
2,199 Lヘッド
(SV)
6.48 60(HP) / 3,600 14.5 / 2,000
JH4
ジャパン
ハリケーン4型
2,199
IOE(Fヘッド)
(吸気OHV・排気SV)
前期 6.9
後期 7.4
前期 70hp / 4,000
後期 76 / 4,000
前期 15.0 / 2,400
後期 16.4 / 2,400

KE47
- 2,315 OHV 8.0 95 / 4,500 17.5 / 2,800

4G53
Astron 2,384 SOHC 8.0 110 / 5,000 20.0 / 3,000

4G52
Astron 1,995 SOHC 8.5 100 / 5,000 17.0 / 3,000

G54B
Astron 2,555 SOHC 8.2 120 / 5,000 21.3 / 3,000
G52B
Astron 1,995 SOHC 8.5 100 / 5,000 16.5 / 3,000



























































ディーゼルエンジン
エンジン型式 排気量 弁形式 燃焼室形式 圧縮比 最大出力PS(hp) / 回転数 最大トルク kg-m / 回転数

KE31
2,199 OHV 予燃焼室式 19.0 61(hp) / 3,600 14.0 / 2,200

4DR1
2,384 OHV ? ? 75(HP) / ? ? / ?
4DR5
2,659 OHV 過流室式 20.0 前期 75 / 3,700
後期 80 / 3,700
前期 16.5 / 2,200
後期 18.0 / 2,200
4DR6
ターボ
2,659 OHV 直噴式 17.5 94 / 3,500 21.0 / 2,000
4DR5
インタークーラーターボ
2,659 OHV 過流室式 21.5 100 / 3,300 22.5 / 2,000


トランスミッション


  • 3速MT

  • T90

  • 4速MT

  • KM140


関連項目



  • 三菱重工業

  • 三菱自動車工業

  • 四輪駆動

  • 73式小型トラック

  • ジープ

  • ジープ CJ

  • ウィリス M38

  • 三菱・パジェロ

  • トヨタ・ランドクルーザー

  • 日産・パトロール

  • スズキ・ジムニー



外部リンク




  • ジープ - 三菱自動車の企業情報サイト内のページ


  • ジープ J-58 - 同上

  • GAZOO.com 三菱・ジープ

  • 三菱ジープ最終生産記念誌

  • J4研究 マニアによる軍用三菱ジープCJ3B-J4 同人誌



















































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































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