ウエスト・サイド物語 (映画)





































































ウエスト・サイド物語

West Side Story

George Chakiris in West Side Story.jpg
監督
ロバート・ワイズ
ジェローム・ロビンズ
脚本
アーネスト・レーマン
原作
ジェローム・ロビンス
アーサー・ローレンツ
製作
ロバート・ワイズ
出演者
ナタリー・ウッド
リチャード・ベイマー
音楽
レナード・バーンスタイン(作曲)
スティーヴン・ソンドハイム(作詞)
アーウィン・コスタルおよびシド・ラミン(オーケストレーション)
ジョニー・グリーン(指揮)
撮影
ダニエル・L・ファップ
編集
トーマス・スタンフォード
配給
ユナイテッド・アーティスツ
公開
アメリカ合衆国の旗 1961年10月18日
日本の旗 1961年12月23日
上映時間
152分
製作国
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語
英語
製作費
$6,000,000
配給収入
13億円[1]日本の旗
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ウエスト・サイド物語』(West Side Story)は、ロバート・ワイズとジェローム・ロビンズ監督の1961年のアメリカ映画。70ミリ映画。




目次






  • 1 概要


  • 2 ストーリー


  • 3 キャスト


  • 4 吹替問題


  • 5 受賞


  • 6 日本初公開


  • 7 舞台版との違い


  • 8 トリビア


  • 9 脚注


  • 10 外部リンク





概要


シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を元にした同名のブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品。ナタリー・ウッドとリチャード・ベイマー主演。これにジョージ・チャキリス、リタ・モレノらが加わり、「トゥナイト」「アメリカ」「マンボ」「クール」「マリア」など映画の中で歌われる曲も多くの人を魅了してサウンドトラック・アルバムも空前の売り上げとなった。


アカデミー賞では作品賞をはじめ、ノミネートされた11部門中10部門を受賞し、この中には作品賞、監督賞とともにジョージ・チャキリスとリタ・モレノがそれぞれ助演男優賞と助演女優賞を受賞した。またロバート・ワイズは4年後に「サウンドオブミュージック」でも監督賞を受賞している。音楽はレナード・バーンスタイン。


1961年10月18日にユナイテッド・アーティスツ配給で全米で公開され、批評家、観衆からの絶大な支持を得て、その年のアメリカ国内第2位の興行成績となった。


そしてAFIアメリカ映画100年シリーズによると、アメリカ映画ベスト100では1998年に第41位、2007年に第51位、2004年のアメリカ映画主題歌ベスト100では「雨に唄えば」「サウンドオブミュージック」と並んで3曲が選ばれ、また2006年のミュージカル映画ベストでは「雨に唄えば」に続いて第2位 (第3位が「オズの魔法使い」 第4位が「サウンドオブミュージック」)となりミュージカル映画の代表作として評価は高い。



ストーリー


ポーランド系アメリカ人少年で構成されている非行グループ・ジェット団は、最近になって力をつけてきたプエルトリコ系アメリカ人の非行グループ・シャーク団と、地元の唯一の広場である運動場の占有権を巡って敵対関係にあった。一触即発の状況が続く中、我慢の限界を迎えたジェット団リーダーのリフは、シャーク団と決着を付けるため決闘を申し込むことに決め、元リーダーで親友のトニーを連れて中立地帯のダンスホールで開かれるダンスパーティーに出席する。そこでトニーは、初めてのダンスパーティーに期待で胸を弾ませていたマリアと出会い、二人は恋に落ちる。しかし、マリアはシャーク団リーダーのベルナルドの妹だったため、トニーはベルナルドの怒りを買ってしまう。


リフとベルナルドは決闘の詳細を決めるためにドクの営むドラッグストアに向かい、トニーは自宅に連れ戻されていたマリアと会い、彼女が働く洋服店で再会する約束を交わす。トニーはドクの店に向かい、決闘の方法を巡って対立するリフとベルナルドに対して、一対一の素手による決闘を提案し、二人に承諾させる。しかし、双方とも決闘用にナイフを用意し、万が一の時にはグループ全員で戦うことを仲間と示し合わせる。


翌日、洋服店で再会したトニーとマリアは将来結婚することを誓い合う。その後、マリアは決闘を止めさせるようトニーに頼み、彼は決闘が行われている高架下に向かう。しかし、既に決闘は始まっており、トニーは必死に止めようとするがベルナルドは聞き入れず、ナイフを取り出して襲い掛かる。それに対抗してリフもナイフを手に戦うが、トニーを庇ってベルナルドに刺されてしまう。激怒したトニーもベルナルドを刺し殺してしまい、それをきっかけにグループ全員が戦い始める。やがて騒ぎを聞きつけた警察が到着したため、少年たちは散り散りになっていく。シャーク団のチノはベルナルドの復讐をするため、銃を手にトニーの行方を追う。建前上は復讐であったが、チノはマリアのことを愛しており、将来結婚する予定だったことからトニーを妬んでいたのである。


チノから兄が殺されたことを聞かされたマリアはショックを受けるが、謝りに来たトニーに「別れることは耐えられない」と語り、トニーは「二人で街を出よう」と語る。トニーはシャーク団から逃れるためドクの店に向かい、マリアも後を追おうとするが、ベルナルドの恋人アニタに彼と別れるように迫られる。マリアはアニタを説得してドクの店に行こうとするが、そこに警察が事情聴取に来たため、アニタに「到着が遅れることをトニーに伝えて欲しい」と伝言を頼む。アニタはドクの店に向かうが、そこにはジェット団が集まっており、トニーとの面会を断られたうえ、彼らに襲われる。トニーの逃走資金を持って来たドクに助けられるが、彼らの行動に激怒したアニタは「マリアは、トニーとの関係を知って激怒したチノに殺された」と嘘を言い放ち店を出て行く。


ドクからマリアが死んだことを聞かされたトニーは絶望し、「早く殺しに来い」と叫びながらチノを探し出す。トニーは街を歩き回り、運動場でマリアと再会して駆け寄るが、チノによって射殺される。この時チノはトニーの事を殺すか殺さないかを迷っていたが、マリアに駆け寄る姿を見たチノはトニーの事を射殺してしまったのだ。マリアはジェット団とシャーク団の双方に愛する人を2人も失った怒りをぶつけ、争うことの無意味さを語る。警察が駆け付ける中、ジェット団とシャーク団の少年たちがトニーの遺体を担ぎ運動場を出て行き、マリアも一人で運動場を後にする。



キャスト







































































































































































役名
配役
日本語吹替
旧TBS版 新TBS版
(WOWOW版追録担当)

テレビ東京版
マリア
ナタリー・ウッド
歌はマーニ・ニクソン
大竹しのぶ
堀江美都子[2]

小島幸子
トニー
リチャード・ベイマー
歌はジム・ブライアント
国広富之 大塚芳忠
石川禅
ベルナルド ジョージ・チャキリス 沢田研二 山寺宏一
川崎麻世
アニタ
リタ・モレノ
歌は一部ベティ・ワンド
安奈淳 佐々木優子
松本梨香
リフ ラス・タンブリン 尾藤イサオ
塩沢兼人
(千葉一伸)

林延年
アイス タッカー・スミス 富山敬 田中秀幸
平田広明
チノ ホセ・デ・ヴェガ 関俊彦
ドク ネッド・グラス 納谷六朗
山野史人
シュランク警部補 サイモン・オークランド 幹本雄之
坂口芳貞
クラプキ巡査 ウィリアム・ブラムリー 亀井三郎
岩崎ひろし
ダンスホールの指導員
ジョン・アスティン
(クレジットなし)

塚田正昭
その他
木村幌
松村彦次郎
此島愛子
野島昭生
太田淑子ほか

荒川太郎
目黒裕一
菅原淳一
松野太紀
安永沙都子
高宮俊介
飛田展男
渋谷茂
森利也
金丸淳一
石田彰
大谷育江
佐藤ユリ
こおろぎさとみ
麻見順子
向殿あさみ

菊池正美
落合弘治
亀井芳子
石田彰
柴本浩行
猪野学
堀川仁
竹村叔子
鈴木正和
田坂秀樹
浅野まゆみ
黒崎彩子
横尾博之
くわはら利晃
水間真紀
天田真人
鳥海浩輔

演出 佐藤敏夫 福永莞爾
木村絵理子
翻訳 木原たけし 木原たけし
(伊藤里香)
武満眞樹
効果 リレーション
調整 荒井孝
プロデューサー 熊谷国雄 上田正人 深澤幹彦
戸張涼
担当 河越美帆
配給
MGM
東北新社
制作
東北新社
TBS
東北新社
TBS
(ブロードメディア・スタジオ)
東北新社
テレビ東京
初回放送 1979年1月4日
『資生堂新春スペシャル』
21:05-23:55
1990年12月12日
『水曜ロードショー』
21:00-23:29
正味約137分
1999年12月28日
『20世紀名作シネマ』
21:00-23:30
再放送 1979年12月31日
『月曜ロードショー』
21:02-23:25
2014年5月10日
WOWOW[3]
2017年4月1日
BSジャパン
『シネマスペシャル』
18:30-20:54

新TBS版がソフトに収録



吹替問題


主役級の俳優たちの歌は大部分が吹き替えられており、吹替の歌手の名前は映画でもサウンドトラックアルバムでもクレジットされていなかった(現在販売されているものにはクレジットされている)。これは当時広く行われていた慣習であったが、後にいくつかの問題に発展した[4]


特に大きな問題となったのはナタリー・ウッドの吹替である。ナタリー・ウッドは自分の声が使われると信じて撮影を行っていたが、裏ではマーニ・ニクソンによる吹替が決められていた。撮影終了後に初めて自分の声が使われないと知ったウッドは激怒したと伝えられる。そのため、ニクソンの録音はウッドの協力のない状態で行わざるを得ず、アップショットの場面を中心にウッドの歌い間違いの修正に苦心した上、最後のシーンのマリアの「触らないで!」 (“Don't you touch him!”) 「大好きよ、アントン」 (“Te adoro, Anton.”) の台詞吹替まで行うことになった。このことからニクソンは、サウンドトラック・アルバムの売上の一部を要求するに至ったが、配給会社もレコード会社もこれを聞き入れず、結局はバーンスタインが自主的に報酬の一部をニクソンに回すことで解決を図った。


他にも、アニタの吹替を担当したワンドが訴訟を起こし、サウンドトラックの売上の一部を受け取ることで和解している。



受賞


  • 第34回アカデミー賞















































受賞

人物

作品賞

ロバート・ワイズ

監督賞
ジェローム・ロビンス
ロバート・ワイズ

助演男優賞

ジョージ・チャキリス

助演女優賞

リタ・モレノ

脚色賞

アーネスト・レーマン

撮影賞
ダニエル・L・ファップ

編集賞
トーマス・スタンフォード

美術賞
ボリス・レヴェン
ヴィクター・A・ガンジェリン

衣裳デザイン賞

アイリーン・シャラフ

録音賞
ゴードン・E・ソーヤー
フレッド・ヘインズ

他、全10部門。ただし作曲家賞は、映画のための書き下ろし音楽ではないという理由で対象から外された[5]



日本初公開


日本では1961年12月23日に丸の内ピカデリーなどの松竹洋画系で封切られて、丸の内ピカデリーでは翌1963年5月17日まで511日にわたるロングラン上映となった。これは前年の「ベン・ハー」を凌ぐ記録で、丸の内ピカデリーだけで興行収入4億4,968万円を上げ、全ての上映館の最終的な配給収入は13億円の大ヒットとなった[1]



舞台版との違い


映画では舞台版から楽曲構成、歌詞等に相当の変更が加えられている。また役名や役の位置づけにも一部変更がある[6]


役の大きな変更では、ジェッツの2番手にあたる役がアクションではなく「アイス」という役に変更されている。またファイティングシーンで戦うのも、ディーゼルではなくアイスに変更されている。アイスは常に冷静さを欠かさないクールな少年として設定されているため、トーンティングでのアニタの悲劇が起きる場面には彼の存在があってはならず、直前にトニーを探しに外に出たため、ドラッグストアにはいない。彼の役を演じたタッカー・スミスは、来日公演ではリフを演じ、リフ役のタンブリンの歌唱部分も吹き替えとして担当した。他にグラジェラとヴェルマの位置づけが入れ替わっていたり、ブライダルショップのオーナーであるマダム・ルチアが登場したりといった変更がある。


楽曲の順序の入れ替えとして、ダンスパーティー後にシャークスを待つジェッツが歌う「クール」と、決闘後に同じくジェッツが歌う「クラプキ巡査どの」の位置が入れ替えられている。これに伴い「クラプキ巡査どの」はアクションではなくリフが中心となって歌い、「クール」は死んだリフに代わってジェッツを束ねるアイスが歌い、内容も「シャークスへの復讐にむけて冷静になれ」という意味を持ったものになっている。また、舞台版では決闘後(第2幕冒頭)に置かれている「素敵な気持ち」が2日目夕方のトニーとマリアの待ち合わせ前に移され、マリアたちがお針子をするブライダルショップでの情景に変更されている。これらの変更は明るい雰囲気をもった「クラプキ巡査どの」と「素敵な気持ち」を決闘前に、不気味で緊張感の高い「クール」を決闘後に移すことで、決闘を挟んでの物語の暗転をよりくっきり描き出す効果を得ている。


また、ダンスパーティー後のナンバーである「トゥナイト」と「アメリカ」の順番が入れ替わっている。「アメリカ」は舞台版では女たちだけの歌だが、映画ではアニタ率いる女たちとベルナルド率いる男たちが対抗して歌い、歌詞もベルナルドたちがアメリカの欠点を数えあげる、より社会批判的な内容に変えられている。


その他の楽曲構成の変更として、舞台版の序曲では「どこかへ」の旋律が現れるが、映画版では「マリア」の旋律に変えられ、続く「プロローグ」も舞台版より拡大されている。また、舞台版では第2幕前半にあって全員のダンスを含む「どこかへ」のシークエンスは歌の前後が大幅にカットされ、歌はトニーとマリアのデュエットで歌われる(オリジナルでは舞台裏の女声が歌う)。「体育館でのダンスパーティー」はリフ役のタンブリンのアクロバットを見せるために拡張されている。また「あんな男に/私は愛している」は「あんな男に」後半のデュエット部分がカットされ、マリアのソロからそのまま「私は愛している」に移行するほか、「ひとつの心」でも若干のカットがある。



トリビア



  • 映画の大部分はロサンジェルスに作られた、ボリス・レヴィン設計によるセットで撮影された。ただ、映画冒頭の一連のシーンはニューヨークの、現在はフォーダム大学リンカーン・センターキャンパスが建っている一角で撮影された。舞台版監督のロビンスは音楽シーン、ダンスシーン、ファイトシーンの全責任を負っていたが、撮影が60%ほど進んだ時点で予算超過を理由に解雇された。彼の最後の仕事は決闘場面の演出書きであった[7]

  • マリアのバルコニーは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのニューヨーク・エリアで再現されている。

  • 日本の映画監督石井輝男は同作を非常に気に入っており、彼の監督した「網走番外地 悪への挑戦」や「暴走」シリーズなどに影響を与えた。


  • マイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」(Beat It) のPVは同作がモチーフとなっている。


  • 第56回アカデミー作品賞を受賞した映画『愛と追憶の日々』において「クラプキ巡査どの」が流れるシーンがある。その際「ムードのない音楽」と批評される。

  • 冒頭で、ジェッツがバスケットボールを返す黒いシャツの少年は、『ホーム・アローン』に主演したマコーレー・カルキンの父親、クリストファー・カルキンである。

  • 最終シーンでマリアのペンダントの位置が、シーンによって変化する

  • 劇中で履かれていた黒のローカットのバスケットシューズが注目を集めたが、この靴は日本ゴム(現・アサヒコーポレーション)製のもの。アメリカから逆輸入される形で、日本でも若者に愛用されるようになっていった。  



脚注


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  1. ^ ab斉藤守彦「映画を知るための教科書 1912~1979」(洋泉社、2016年3月) 133P


  2. ^ https://blog.excite.co.jp/mitsuko-horie/21513717/


  3. ^ 新TBS版は2014年5月10日にWOWOWで再放送された際に、カット部分を同一声優で追加録音したものが放送された。その際塩沢兼人は故人のため千葉一伸が追加録音を担当した。


  4. ^ 以下は Jack Gottlieb “West Side Story Fact Sheet,” West Side Story - The Official Site (ウエスト・サイド物語公式サイト)による。2008年10月6日最終閲覧。


  5. ^ Jack Gottlieb “Did You Know That, West Side Story - The Official Site. (ウェスト・サイド物語公式サイト) 2008年10月6日最終閲覧。


  6. ^ 以下は主に “WSS Frequently Asked Questions,” West Side Story - The Official Site (ウエスト・サイド物語公式サイト)による。2008年10月6日最終閲覧。


  7. ^ アマンダ・ヴァイル (2006). Somewhere: The Life of Jerome Robbins. ニューヨーク: Broadway Books. ISBN 978-0767904216. 




外部リンク




  • 公式ウェブサイト(英語):キャスト・スタッフ表、ミュージカルナンバーの歌詞(舞台版・映画版)、楽譜(含オンライン)、関連書籍一覧など


  • ウエスト・サイド物語 - allcinema


  • ウエスト・サイド物語 - KINENOTE


  • West Side Story - オールムービー(英語)


  • West Side Story - インターネット・ムービー・データベース(英語)








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