ササゲ
ササゲ | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() ササゲ(黒目豆) | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||
Vigna unguiculata (L.) Walp. | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Cowpea Black-eyed pea |
ササゲ(大角豆、学名:Vigna unguiculata、英: Black-eyed pea)はササゲ属の一年草。つる性の種類とつるなしの種類とがある。アフリカ原産。主に旧世界の温暖な地方で栽培される。樹木の形状は低木であり、直立ないし匍匐する。枝を張ったり、からみついたりと、成育の特性は多彩。
目次
1 特徴
2 歴史
3 ササゲを用いた料理
4 下位分類
5 画像
6 出典
7 関連項目
8 外部リンク
特徴
語源は、莢が上を向いてつき物をささげる手つきに似ているからという説[1]、莢を牙に見立てて「細々牙」と言ったという説、豆の端が少々角張っていることからついたという説など諸説ある。
藤色、紫、ピンクなど様々な色の花をつける。花の形は蝶形花である。
穀物用種は、さやが10-30 cmで固く、豆は1 cm程度の腎臓形で、良く知られる日本で一般的な赤褐色の他に、白・黒・淡褐色・紫色など様々な色をもつ。白い豆には一部に色素が集中して黒い目のような姿になるため、ブラック・アイ・ピー(黒い目を持つ豆)と呼ばれる。つる性種は草丈が2-4mになるのにたいし、つるなし種の草丈は30-40 cm。ナガササゲと呼ばれる品種は100 cmに達する。耐寒性は低いが、反面暑さには非常に強い。
ササゲの子実は、カメムシ類によって食害される。他方で、莢の柄の基部付近には蜜が出る場所があり、この花外蜜腺はアリを呼び寄せる。そのうち大型のクロヤマアリが近くにいるカメムシを攻撃し、結果としてカメムシを追い払ってササゲの実を守ることが確かめられている[2]。
歴史
日本では、平安時代に「大角豆」として記録が残されている[3]。江戸時代の『農業全書』には「豇豆」という名前で多くの品種や栽培法の記述がある[1]。また、アズキは煮ると皮が破れやすい(腹が切れる=切腹に通じる)のに対し、ササゲは煮ても皮が破れないことから、江戸(東京)の武士の間では赤飯にアズキの代わりに使われるようになった。
ササゲを用いた料理
南米では繁栄と幸運を呼ぶ食物と考えられ、正月に食べる風習がある。
- 加熱したササゲを冷却し、微塵切りにしたニンニクやビネグレットソースを添えたテキサスキャビアと呼ばれる料理がある。他、豚肉、米、タマネギなどと併せて煮る。
赤飯。お祝い用の赤飯にはササゲを使う。小豆は煮ると皮が破れやすく、「腹切れする豆は切腹に通じる」として、武士の間で嫌われたため。
市販のパック赤飯には、ササゲの代わりに小豆を用いている物品もある。
下位分類
以下の4亜種または品種群が栽培されている。
Vigna unguiculata subsp. unguiculata
- (Southern pea, Black-eyed pea)
ササゲ。黒目豆と呼ばれる品種はクリーム色地に黒の大きな斑紋を一つ持つ。ベトナムではデザートの材料になる。インドから中東にかけても栽培されている。米国南部や西インド諸島には、西アフリカからの奴隷によってもたらされ、ソウルフード等、主にアフリカ系の人々の伝統料理に用いられる。
V. u. subsp. cylindrica (Catjang)
ハタササゲ、ヤッコササゲ。旧世界の熱帯で食用とされる他、アメリカ合衆国では飼料作物として栽培される。
V. u. subsp. dekindtiana
- ササゲの祖先野生種とされる。
V. u. subsp. sesquipedalis (Yardlong bean)
ジュウロクササゲ。長く生長するさやを野菜として利用する。東南アジアと日本の一部で食用にされる。
画像
黒目豆
ジュウロクササゲ
出典
- ^ ab青葉高 『日本の野菜』 八坂書房、2000年、pp. 97-98。ISBN 4-89694-456-9。
^ 小さなアミメアリでは追い払う行動が観察されず、他の種のアリには研究が及んでいない。小澤朗人「ササゲの花外蜜腺に集まるアリはカメムシから莢果を守れるか?」、『関西病虫害研究会報』第54号、41-45ページ、2012年。
^ 『新猿楽記』
- バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント(編) 『世界の食用植物文化図鑑』 山本紀夫(訳)、柊風舎、211ページ。ISBN 978-4-903530-35-2。
関連項目
- アズキ
外部リンク
- 農業生物資源ジーンバンク