ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! (曲)
「ア・ハード・デイズ・ナイト」 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ビートルズ の シングル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
初出アルバム『ハード・デイズ・ナイト』 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
B面 | 今日の誓い |
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リリース | ![]() ![]() ![]() |
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録音 | 1964年4月16日 アビイ・ロード・スタジオ |
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ジャンル | ロック[1] |
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時間 | 2分35秒 (monaural version) 2分34秒 (stereo version) 2分43秒 ("The Beatles Anthology 1" version) 2分24秒 ("The Beatles Live At The BBC" version) |
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レーベル | パーロフォン(イギリス) キャピトル・レコード(アメリカ) オデオン(日本) |
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作詞・作曲 | レノン=マッカートニー |
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プロデュース | ジョージ・マーティン |
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チャート最高順位 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「ア・ハード・デイズ・ナイト」(旧邦題:「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」、英: A Hard Day's Night)は、1964年7月にビートルズが発表した7枚目のオリジナル・シングル曲である。
目次
1 解説
1.1 曲の概要
2 邦題
2.1 使用楽器
2.2 テレビでの使用例
3 ステレオ・ヴァージョン
4 ミキシング
5 シングル盤
6 演奏
7 収録アルバム/シングル
8 その他
9 脚注
9.1 注釈
9.2 出典
10 外部リンク
解説
曲の概要
映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(原題:A Hard Day's Night)』のテーマ曲であり、イギリス盤公式オリジナル・アルバム『ハード・デイズ・ナイト』のタイトル曲にしてオープニング・ナンバーでもある。
『ローリング・ストーン(Rolling Stone)』誌が選んだ「オールタイム・グレイテスト・ソング500(The RS 500 Greatest Songs of All Time)」と「オールタイム・グレイテスト・ギター・ソングス100(The RS 100 Greatest Guitar Songs of All Time)」、さらに「グレイテスト・ビートルズ・ソングス100(The RS 100 Greatest Beatles Songs)」に於いて、それぞれ154[3]位と22位[4]、11位[3]にランクイン。
レノン=マッカートニー名義となっているが、実質的にはジョン・レノンが作った楽曲である[5]。リード・ボーカルは主部がジョン・レノン、中間部がポール・マッカートニーである。この対処は中間部の音域がジョンには高すぎて歌えなかったためである。このことについてジョン・レノンは「その頃、ぼくとポールとの間で、どっちがA面やシングル曲をとるかで、ちょっとしたつばぜりあいがあったんだ。初期のぼくらをみてもらえばわかるけど、映画のタイトル曲も他のも、ほとんどぼくがシングルをとっていた。ぼく自身それに気がついて、気になりだした頃からだな、ポールがグループの中で支配的にってきたのは。ぼくの好みからするとちょっとやりすぎだなと思うくらいにね。でも、初期の頃ははっきりとぼくがグループの主導権を握っていた。特にシングル盤のヴォーカルではね。『ラヴ・ミー・ドゥ』以外はみんなぼくが歌っていたからね。すべてのシングルは、ぼくが書いたか、歌ったか、それともその両方だった。/ポールが『ハード・デイズ・ナイト』を歌ったのはキイがぼくには高すぎたからにすぎなかった」と語っている[6]。
曲のタイトルは、長い映画の撮影を終えて帰宅する最中、リンゴ・スターが「It was a hard day...」とつぶやいた後に、外が暗いことに気づき「...Night!」と加えたことに由来する[7]。
レコーディング・エンジニアを務めたジェフ・エメリックによると、同名映画の監督であったリチャード・レスターの要求に応え、冒頭のG7sus4/Dのコードと[注釈 1]、次の場面に繋ぎ易いように同コードを分解したアルペジオのアウトロが追加された。メロディ歌い出し部分のギターコードはロー・ポジションのGであるが、2弦が通常の開放弦ではなく3フレットのD音が押さえられている。間奏はテープを半速で回して、ジョージの12弦ギターとプロデューサーのジョージ・マーティンがピアノを同時に演奏して録音されたもの[8]。ジョージが当時このフレーズを弾けなかったためにこのような手法がとられた[注釈 2]。
邦題
楽曲の邦題は当時、映画の邦題と合わせるため「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」とされた。ただし発売されたシングル盤では「ア・ハード・デイズ・ナイト」という邦題になっている。この楽曲名を「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」と表記されることは多いものの、実際そのように呼ばれることはあまりなく、映画の場合とは異なり一般的に定着した邦題とは言い難い。初リリース時から長らく、正式邦題として「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」が使用されていたが、2009年9月に発売されたリマスターCDから、先述の「ア・ハード・デイズ・ナイト」に変更された[注釈 3]。
なお同映画の邦題は、当時日本ユナイト映画の社員で、その後映画評論家になった水野晴郎によって名付けられている。
使用楽器
ジョージ・ハリスン:リッケンバッカー・360/12
- ジョン・レノン:ギブソン・J-160E
- ポール・マッカートニー:ヘフナー・500-1
リンゴ・スター:ラディック・オイスター・ブラック・パール・セット,ボンゴ,カウベル
- ジョージ・マーティン:ピアノ(スタインウェイという見解もあるが、スタジオにあったピアノはブリュートナー)
テレビでの使用例
近年ではNHKのテレビ番組『英語でしゃべらナイト』でエンディング曲となっている。ハードでパンク調にこそなっているが、イントロ・間奏のギターソロ・エンディングを含めてビートルズのオリジナル・バージョンを忠実にアレンジしている。1987年に放送された完全走破!日本縦断2002キロ高速道路の旅では主音声でのBGMでも使われ(社PA - 安富PA間)、また笑福亭鶴瓶の司会で1980年代前半に放送された関西ローカルのバラエティ番組『突然ガバチョ!』(毎日放送)や1994年にフジテレビで放送された『ビートたけしのつくり方』のオープニング・テーマとしても使われた。2005年には、アメリカのバンド、シュガーカルトがカバー作を発表し、日本のみシングルで発売された。このバージョンはトヨタ自動車のコンパクトカー「ラクティス」のTV-CMで使用された。
ステレオ・ヴァージョン
「ア・ハード・デイズ・ナイト」のリアル・ステレオ・ヴァージョンは1964年7月にリリースされたアルバム『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』ステレオ盤に収録された。CDでは1993年9月にリリースされたアルバム『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』に収録された。また、アルバムは2009年に『ハード・デイズ・ナイト』に邦題を改めてリマスターCDで再発された。
ミキシング
ステレオ・ヴァージョンはモノラル・ヴァージョンに比較しフェード・アウトが遅いため、エンディングのギターの繰り返しが長く聴くことが出来る[注釈 4]。
シングル盤
シングル盤は1964年7月10日にリリースされ、同年8月1日に週間ランキング第1位を獲得。『ビルボード』誌1964年年間ランキングでは第10位。『キャッシュボックス』誌では3週連続第1位を記録し、年間ランキングでは第18位だった。アメリカでは100万枚以上のセールスを記録し、イギリスでは75万枚のセールスだった。B面は英国・日本では「今日の誓い」、米国では「恋する二人」この曲は『ビルボード』誌で第53位、『キャッシュボックス』誌では第43位を記録している。オリジナル・シングルのなかで英パーロフォン盤と米キャピトル盤でカップリングが異なっていたのは「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」と「抱きしめたい」の2種だけ。なお、1965年、俳優のピーター・セラーズのカバー・ヴァージョンがシングル・リリースされ、全英最高位14位を記録している。
演奏
クレジットはイアン・マクドナルドによるもの[9]。
ジョン・レノン - ボーカル[注釈 5](ヴァース)、エレクトリック&アコースティックリズムギター
ポール・マッカートニー - ボーカル[注釈 5](ミドルエイト)、ハーモニー・ボーカル、ベース
ジョージ・ハリスン - 12弦リードギター
リンゴ・スター - ドラムス、ボンゴ、カウベル
ジョージ・マーティン - ピアノ、音楽プロデューサー
収録アルバム/シングル
- 『ア・ハード・デイズ・ナイト』 - シングル盤
- 『ハード・デイズ・ナイト』
- 『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!』
- 『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』
- 『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』
- 『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』
- 『ザ・ビートルズ1』
2006年にリリースされたリミックス・アルバム『ラヴ』では、2トラック目の「ゲット・バック」の冒頭で本曲冒頭のギターコード音である“ジャーン!”の部分が使われた。
その他
この曲のヒットにより、リッケンバッカー、特に12弦ギターが注目を集め、イギリスでは一時リッケンバッカーのギターが飛ぶように売れた。また、リッケンバッカーがイギリスのメーカーであると勘違いする向きもあった。
2015年の『ザ・ビートルズ1』では1965年のパリ公演の映像がPVとして使用された。
脚注
注釈
^ ジョージはFadd9を弾いたという本人の証言がある。
^ 但しその後のコンサートではちゃんと演奏している
^ 不定冠詞の“ア”は省かれている場合もある。
^ ただし、モノラル盤の方が曲間の無音部分を長めにとってあるため、収録時間はモノラル・ヴァージョンの方が1秒長い(演奏時間の出典はザ・ビートルズ・ボックスおよびザ・ビートルズ・モノ・ボックスのCDのインデックスによるものである。)。
- ^ abダブルトラック処理が施されている。
出典
^ Edmondson, Jacqueline (2010). John Lennon: A Biography. ABC-CLIO. pp. 64–. ISBN 978-0-313-37938-3.
^ 『日経BPムック 大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』日経BP社、2015年、97頁。ISBN 978-4-8222-7834-2
- ^ ab500 Greatest Songs of All Time – Rolling Stone
^ The 100 Greatest Guitar Songs of All Time : Rolling Stone
^ Glynn, Stephen (2004). A Hard Day's Night: The British Film Guide 10 (Turner Classic Movies British Film Guides). I. B. Tauris. ISBN 1-85043-587-1.
^ 出典:『PLAYBOYインタビュー ジョン・レノン』、1981年 集英社(152頁)
^ Badman, Keith. The Beatles Off the Record. p. 93.
^ Kehew, Brian; Ryan, Kevin (2006). Recording The Beatles. Curvebender Publishing. ISBN 978-0-9785200-0-7.
^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 115. ISBN 1-84413-828-3.
外部リンク
- The Beatles official website
- Lyrics
- Alan W. Pollack's Notes on "A Hard Day's Night"
先代: フォー・シーズンズ 「悲しきラグ・ドール」 |
Billboard Hot 100 ナンバーワンシングル 1964年8月1日 - 8月8日(2週) |
次代: ディーン・マーティン 「誰かが誰かを愛してる」 |
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