剃毛
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剃毛(ていもう)は、毛(体毛)を剃る(そる、根本から切る)こと。
目次
1 概要
2 歴史
3 剃毛の意義
3.1 術前処理
3.2 性行為
3.3 スポーツと剃毛
3.4 宗教的理由
3.5 その他
4 脚注
5 関連項目
概要
剃毛は頭髪を含む体毛を剃ることを指すが、頭髪の場合は宗教的な意味合いがあるために剃髪(ていはつ)と呼び区別されている。男性において最も日常的な剃毛対象は髭である。近年は男性でも体毛の除去を行う向きがある。女性は、特に肌を露出する機会の多い夏に、すねや脇毛の剃毛を行う。専用の剃刀や電動シェーバーで剃るか、または脱毛剤を用いて脱毛する。また女性用水着は面積が小さいので、水泳前には陰毛の露出やはみ出しを抑えるため剃毛を行うとされている。なお剃刀を使用した剃毛を業として行うには理容師免許が必要である。
男女問わず、化粧のテクニックとして眉毛をそり落とすことは一般的に行なわれている。女性は昔から眉を落とし、眉墨で細い眉を描くことが多い。威圧感を与える顔にするために剃る、ということもある。もちろん男性でも化粧として眉を描く人は少なからず存在している。
こうした剃毛に関しては文化的にあまり差異は見られない。毛の生える部位は洋の東西を問わず同じであるためだが、西洋人は毛色が目立たないために脇毛の処理をしない女性がいるとも言われる。
歴史
旧石器時代には、貝殻や火打石の欠片、動物の骨などを使って髭を剃っていた。
古代エジプトの上流階級では、カツラをかぶる文化に合わせて、頭髪を剃っていた。道具として、青銅でできた三日月形や手斧形の剃刀が見つかっている。
古代ローマの兵士達は、近接戦闘で掴まれるなど邪魔になるのを防ぐために、髪や髭を剃り落としていた。紀元前6世紀ごろに折りたたみ式の剃刀が生まれるが、怪我をする者が多かったためあまり普及しなかった。このころから、はさみや毛抜き、動物の油脂から作った脱毛剤を使用していたと見られている[1]。
中世にはドイツのゾーリンゲンや、イギリスのシェフィールドで刃物産業が発展すると、剃刀の切れ味も向上し、髭剃りを生業とするものも現れるようになる。
剃毛の意義
術前処理
手術前の剃毛は、19世紀には広く行われていた。
手術前の処理としての剃毛は、手術部位感染を抑えること、手術を進めるときに邪魔にならないようにすることを目的に行われる。これは毛に雑菌が繁殖しやすいとされてきたためである。
しかし、近年の研究により、剃毛よりも電気クリッパや脱毛剤による除毛のほうが手術部位感染が抑えられることがわかってきている。剃刀による剃毛は皮膚の表面をこそげ落とすために微細な傷を残すため雑菌の感染を助けてしまうためである。
そのため剃刀により除毛はしないほうが手術部位感染が少ないという報告がされている。また別の報告では除毛しないほうが感染リスクが低いともされている。
このため、近年では特に手術に支障が生じる場合を除いて剃毛は行なわず、脱毛剤による除毛、または除毛を行わずに手術が行われることもある。
性行為
スポーツと剃毛
- 男子レスリングの日本代表には、不本意な結果に終わった試合の悔しさを忘れないため、敗戦後に陰毛を剃る習慣がある[2]。
- プロ野球選手の中田翔はバリカンで股間の剃毛を行っている。スライディングパンツに擦れたり挟まったりして集中を乱されたくないというのが理由。他の選手も剃毛を行っていると中田は主張している[3]。
- スポーツ選手の中で、水泳・新体操などの選手は、陰毛を処理している選手がもともと多いと言われている。
テレビ朝日系列のサッカー番組、『やべっちFC』(2010年12月12日OA)でMCの矢部浩之と日本代表の香川真司が対談した際、香川が「下の毛は剃るじゃないですか」と発言し、矢部と前田有紀アナウンサーを驚かせた。同番組では、北朝鮮代表のチョン・テセ選手も、陰毛を剃毛していることを公言した。これらの内容は、『週刊文春』2011年1月20日号でも取り上げられ、藤田俊哉が「(本田)圭佑と(吉田)麻也は剃ってるんじゃないかな、向こうでは一般人もみんな剃りますから。それはサッカーとは関係ない絵的な問題。身だしなみです。僕も剃ったことありました。海外行ってる選手は大体剃ってるんじゃないですか?」と発言したと伝えられた。
自転車競技選手は、脛毛を剃毛している選手が多い。これに関し、ランス・アームストロング(元自転車プロロードレース選手)は、自身のトレーニングコーチとの共著において、自転車競技をする際には、脛毛を剃るようにアドバイスしている。これは、落車して負傷した場合に治療がしやすいことや、治癒の最中に体毛が傷口に入って化膿するのを避けることが理由である[4]。
プロレスラーではショートタイツの選手が剃毛を行っているケースもある。
宗教的理由
- イエスやクリシュナが剃髪していないということは、仏教の剃髪は必ずしも必要でないキリスト教の割礼のようなものでは無いか、と考えられる。
<仏典に見られる剃髪に関する経文>
出典(VII.1.9)【スンダリカ】 (第一章 敬わるべき人) サンユッタ・ニカーヤII>
バラモンであるスンダリカ・バーラドヴァージャは、遠からぬところで尊き師(仏陀)が、ある樹の根もとで頭まで衣をまとって坐っているのを見た。見たあとで、左手で供物のおさがりをもち、右手で水瓶をもって、師のおられるところに近づいた。そこで師は彼の足音を聞いて、頭の覆いを開いた。
そのときバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァージャは、「この方は頭を剃っておられる。この方は剃髪者である」と言って、そこから引きかえそうとした。
しかし、彼はこのように思った、
「この世では、或るバラモンたちは、頭を剃っているということもある。さあ、わたしは彼に近づいてその生れ〔素性〕を聞いてみよう」と。
この経文から読み取れることは剃髪をしている宗教者は少数派である(であった)、と窺い知れる。
その他
2007年の渋谷区短大生切断遺体事件では、遺体の臀部は陰毛が剃られた状態で発見された。弁護側はこれを根拠として(犯人とされる)被告人が過度の潔癖症であると主張している[5]。
脚注
^ 柳田理科雄『空想科学生活読本』p-p.22 ISBN 9784594054083
^ 中日スポーツ 2007年7月18日付
^ 中田のこだわり!バリカンで下の毛も 日刊スポーツ 2009年2月6日付
^ ランス・アームストロング、クリス・カーマイケル『ミラクルトレーニング 七週間完璧プログラム』p.173、未知谷、2002年 ISBN 978-4896420593
^ 日刊スポーツ 2007年8月1日付
関連項目
- 脱毛 (美容)
- 陰毛
- パイパン
- 毛 (動物)
- 頭髪
スキンヘッド - トンスラ
- 脱毛
- ブラジリアンビキニワックス脱毛
- アナルブリーチング
- トンスラ
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