カンスゲ

















カンスゲ

Carex morrowii kansuge001.jpg
カンスゲ


分類(APG III)












































:

植物界 Plantae
階級なし
:

被子植物 angiosperms
階級なし
:

単子葉類 monocots
階級なし
:

ツユクサ類 commelinids


:

イネ目 Poales


:

カヤツリグサ科 Cyperaceae


:

スゲ属 Carex


:

カンスゲ C. morrowii


学名

Carex morrowii Boott

和名
カンスゲ(寒菅)

カンスゲ(寒菅、学名:Carex morrowii)は、カヤツリグサ科スゲ属の大柄な常緑のスゲである。蓑を作るのに用いられたこともある。




目次






  • 1 特徴


  • 2 近縁種


  • 3 分類


  • 4 脚注


  • 5 参考文献





特徴


山間部では身近に生育する大型のスゲの代表的なものとして、さまざまに利用されてきた。


幅広くやや厚みのある固い葉をしており、常緑性で冬も葉をつけている。寒菅の名もこれに由来するものである。多数の根出葉をそれぞれやや斜め上に伸ばす。葉の縁はざらつく。株は大きくなり高さ30cm以上にもなる。葉の根元は黒紫色になる。根元から匍匐茎を出す。


花穂は四月頃から出る。1つの株から多数が出る。穂は葉より高くは伸びず、葉の間から姿を見せる。先端には褐色で細長い紡錘形の雄小穂がつく。それより下の花茎からは数個の雌小穂が出る。雌小穂は細長い棒状で、下の方のものにははっきりした柄があり、いずれも上を向いてやや立つ。雌小穂の基部には苞があるが、鞘の先の葉状部は針状になっている。


雌小穂は、鱗片、果胞共に淡い色なので、黄色っぽく、あるいは白っぽく見える。果胞はとがった嘴があって、そりかえる。穂全体としては、嘴が外に向いてとがるので、刺々した感じになる。


山間の谷間に多く、特に水辺で多くみられ、多い場所では一面に群生する。本州の中部太平洋側から中国地方、四国、九州に分布する。変種のホソバカンスゲ(var. temnolepis (Franch.) Ohwi)は、日本海側に分布し、葉が細い。


かつては刈り取って蓑や傘を作るのに用いた。また、斑入り品を栽培することもある[1]



近縁種


近縁のオクノカンスゲ(C. folissima F. Schmidt)は全体によく似ているが、新芽の時に鞘が長く、黒褐色に発色するのが特徴である。形態に変異が多く、いくつかの変種が報告されているが、詳細については意見が分かれる。


ミヤマカンスゲ(C. dolichostachya Ohwi.)も変異の多い種である。雌小穂がはるかに細く見えるのが特徴である。その他の主な特徴はカンスゲと共通する部分が多いが、地方によってさまざまな変異が見られる。カンスゲに似た姿をしたものもあるが、葉の幅が広く、柔らかい感じのものは、全く違った姿に見えるものもある。匍匐茎がないのが普通ながら、出るものもある。さまざまな変種が記載されており、現在も地方変異を分ける試みが提案されているが、定まった説はない。ハチジョウカンスゲ(C. hachijoensis )は、伊豆八丈島の固有種である。オオシマカンスゲ(C. oshimensis)も伊豆諸島の固有種であるが、こちらはヒメカンスゲの近縁種とも言われる。


ヒメカンスゲ(C. conica Boott)は、これまで挙げたものに比べると、かなり小型のスゲで、山野の日当たりのよいところから、谷間まで、さまざまなところに生える。全体として、カンスゲを小型にしたような姿であるが、これも変異の幅が広い。花は早いものは三月末から咲き始める。雄小穂から伸び出す雄しべが黄色く鮮やかで、スゲ属の中では例外的に華やかに見える。


日本のスゲ類では、常緑性のものはそう多くない。その中で、類縁の遠いものでも、常緑で固い葉をもつスゲはカンスゲの名をつけられる傾向がある。コカンスゲ(C. reinii)は、山地の林内に生え、細くて固い葉を伸ばし、匍匐茎がよく発達する。細長い花茎に数個の大きな小穂をぶら下げる。小穂は先端に棒状の雄花部がある雄雌性で、果胞は大きく、嘴があって反り返る。イワカンスゲ(C.makinoensis)、コイワカンスゲ(C. chrysolepis)はいずれも山地の岩場に生え、小穂は黒っぽく色づく。



分類


スゲ属 Carex


  • ヌカスゲ節 Sect. Mitratae

    • カンスゲ C. morrowii Boott var. morrowii
      • ホソバカンスゲ C. morrowii Boott var. temnolepis (Franch.) Ohwi


    • オクノカンスゲ C. foliosissima Fr. Schm.

    • オオシマカンスゲ C. oshimensis Nakai




脚注


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  1. ^ カンスゲは園芸分野においては本種の斑入り種がシマカンスゲ(縞寒菅 C. morrowii 'Variegata')として多く出回っている。(名称がよく似ているオオシマカンスゲ(大島寒菅 C. oshimensis)(なお、こちらのオオシマカンスゲの代表的な斑入り種としてC. oshimensis 'Evergold'がある。)は本種ではなく同じヌカスゲ節に属する別種である。)



参考文献




  • 勝山輝男『日本のスゲ』,(2005年、文一総合出版)


  • 北村四郎・村田源・小山鐵夫『原色日本植物図鑑 草本編(III)・単子葉類(改定49刷)』(1987年、保育社)

  • 斎藤慧『スゲ類の世界 -福島県に自生するスゲ類-』,(2001),(歴春ふくしま文庫・歴史春秋社)




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