斎王
斎王(さいおう)または斎皇女(いつきのみこ)は、伊勢神宮または賀茂神社に巫女として奉仕した未婚の内親王(親王宣下を受けた天皇の皇女)または女王(親王宣下を受けていない天皇の皇女、あるいは親王の王女)[1][2]。厳密には内親王の場合は「斎内親王」[3]、女王の場合は「斎女王」といったが、両者を総称して「斎王」と呼んでいる。
伊勢神宮の斎王は特に斎宮(さいぐう)、賀茂神社の斎王は特に斎院(さいいん)と呼ばれた。斎宮の歴史は古く、『日本書紀』によれば崇神朝にその嚆矢が認められるが、制度的に整ったものが確認できるのは上代の天武朝からで、源平合戦(治承・寿永の乱)で一時的に途絶してからは鎌倉時代を通じて徐々に衰退し、建武新政の崩壊をもって断絶するに至った。斎院は平安時代初期の嵯峨朝に始まり、鎌倉時代に入っても継続していたが、承久の乱後の混乱の中でやはり断絶した[1]。伊勢では幕末に、津藩主藤堂高猷が再興を主張したが、成らなかった[4]。
詳細は「斎宮」および「斎院」を参照
出典
- ^ ab女官通解
^ 『デジタル大辞泉』三省堂。
^ 『日本大百科全書』小学館。
^ 『国史大辞典』吉川弘文館。
参考文献
- 浅井虎夫 「女子の神官」『新訂女官通解』 所京子、講談社〈講談社学術文庫〉、1997年5月、pp103-134。ISBN 4-06-158670-X。
関連項目
- 野宮
- 斎宮寮
- 斎王・斎王代
外部リンク
- 斎宮歴史博物館