ミス・コンテスト

第1回(1950年度)ミス日本・山本富士子
ミス・コンテストとは、ミスの敬称が示す通り独身女性の美を競うイベント。一般的には容姿を基準に審査員が優劣を決めるため、コンテストの上位入賞者は美人の肩書きを得ることになる。日本語では「ミスコン」と省略されたり、「美人コンクール」と呼ばれたりもする。英語に基づいた表現として「ビューティー・ページェント[† 1]」を用いる場合もある。
世界4大コンテストとしては、ミス・ユニバース、ミス・ワールド、ミス・インターナショナル、ミス・アースが挙げられる。
目次
1 欧米
1.1 歴史
1.2 各国の国内コンテスト
1.2.1 アメリカ合衆国
1.2.2 フランス
2 日本
2.1 歴史
2.2 贈呈品・受賞者の活動
2.3 地方自治体や商工会議所におけるミスコンテスト
2.4 企業・団体などにおけるミスコンテスト
2.5 大学におけるミスコンテスト
2.6 高校生におけるミスコンテスト
2.7 ミス・コンテスト出身の主な著名人
2.7.1 日本の5大ミスコンテスト出場者
2.7.2 その他(ご当地ミスなど)
3 4大国際コンテストと国内コンテストとの関係
4 脚注
4.1 注釈
4.2 出典
5 関連項目
6 外部リンク
欧米
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歴史
世界初の美人コンテストは1888年9月16日にベルギーで開催されたものといわれている[1]。
また、世界で初めて水着審査を設けたミス・コンテストは1921年9月7日にアメリカ合衆国ニュージャージー州アトランティックシティで開催されたミス・アメリカコンテストとされている[1]。
女性を外見で評価するため、反対運動もあり、規模を縮小する例がある[2]。
2018年6月6日、ミス・アメリカの主催団体は、2018年9月に開催される大会(2019年大会)から、水着とイブニングガウンでの審査を廃止し、今後、出場者を容姿で審査しない方針を示した[3]。
各国の国内コンテスト
アメリカ合衆国
- ミス・アメリカ
- ミスUSA
フランス
- ミス・フランス
日本
日本における主なコンテスト主催者としては、地方自治体や商工会議所、大学の学園祭実行委員会や学友会、高校の文化祭実行委員会、企業などが挙げられる。
ミスコンテスト出身の女優やタレント、アナウンサーは数多く、一例として、藤原紀香(ミス日本グランプリ)、萬田久子(ミス・ユニバース日本代表)、叶美香(ミス日本グランプリ)、野際陽子(ミス立教)などが挙げられる。
歴史

水戸市の梅娘 (偕楽園の梅祭り、なお現在は梅大使という名称になっている)
日本初のミス・コンテストは1891年(明治24年)の『東京百美人』とされる。これは東京・浅草にあった凌雲閣の運営会社が集客のために企画し、芸者約100人の写真を階段の壁に貼り、来場者に投票してもらった[4]。一般女性を対象とした最も早いミス・コンテストは、シカゴ・トリビューン主催『世界美人コンクール』の日本予選である時事新報主催『全国美人写真審査』とされる。同審査は、1907年(明治40年)より時事新報が全国22の新聞社と共に1次審査を実施して、各地域5名ずつ、計215名を選抜した。翌1908年(明治41年)2月29日に時事新報社にて実施した2次審査で12等賞まで順位が決められ、1等賞は福岡県小倉市(現・北九州市)の末弘ヒロ子(当時16歳、『世界美人コンクール』では6位)、2等賞は宮城県仙台市の金田ケン子(19歳)、3等賞は栃木県宇都宮市の土屋ノブ子(19歳)となった。上位12名の出身地別内訳は、東京府東京市(現・東京都)が6名、宮城県仙台市が2名、茨城県水戸市・栃木県宇都宮市・三重県・福岡県小倉市が各1名だった。入賞者は3月5日に紙上掲載されたため、同日は後に「ミス・コンテストの日」とされている。
贈呈品・受賞者の活動
ミス・コンテスト入賞者に対してはそれを示すたすき[† 2]やユニフォーム、帽子(これらはキャンペーン活動を含む公式行事に着用する)が贈呈される。また、コンテストの審査結果発表時にはこれにガウンや王冠・ティアラも贈呈される事もある。
地方自治体や商工会議所や企業が主催するものについては、たいていはコンテスト終了後も主催者と契約し、主催者が用意するイベントやキャンペーン(PR活動や社会奉仕活動)に出演する。任期が定められているものもあり、任期は1年間のものが多いがそれよりも長い場合もある[† 3]。
地方自治体や商工会議所におけるミスコンテスト
選考後に約1年間、観光振興や地域活性化を目的に、自治体の観光事業や公的事業などへの出席、地域メディアを通じた広報活動、域外のイベント参加などを通じて、自治体のイメージアップにつとめる。自治体により、活動日数は年間で数十日間などにも及ぶ。
主催する自治体にとっては、近年増加傾向にあるタレントや著名人を起用してのPRやイベントと比べての予算低減効果、ゆるキャラと違い自治体を言葉でPRしやすい効果、何も起用しない場合と比べてのメディア露出増加効果などの狙いがある。
しかし、近年、応募者数の減少により、頭を悩ませる自治体や、数十年といった長い歴史に幕を閉じミスコンテストを廃止する自治体も増えている。
応募者数減少の背景としては、人口減少、女性の社会的活躍の場の増加、勤務形態の多様化、就職や進学で域外に出る若い女性の増加、アイドル文化など憧れの多様化などの理由が挙げられている。
対策として、「ミス」ではなく「女王」「観光大使」等と名称を変更した上で、応募資格を既婚女性や男性まで広げる例なども見られる[5]。
企業・団体などにおけるミスコンテスト
日本での主な国内コンテスト
- ミス日本
ミス・ティーン・ジャパン(ミス・ユニバース・ジャパンの運営団体が主宰)- ミスセブンティーン
- ミスiD
- プリンセス (ミスコンテスト)
- ミス・ワイン[1](後援:外務省・農林水産省・国税庁・官公庁・日本ワイン協会 他)
- 日本パラオ国際親善大使プリンセス[2](後援:パラオ共和国政府・パラオ政府観光局)
- ミセス日本(ミセスワールド同様既婚者対象)
- Miss&Mr.THAI-PHIILIPPINES in Japan(日本在住のフィリピン人及びタイ人(3世まで可)が参加可能)
大学におけるミスコンテスト
日本の大学では、学園祭の催事としてミスコンテスト(ミスキャンパス)が行われている大学が多くあり、学園祭実行委員会や学友会などが主催しており、全国で開催される数は200を超えるとみられる。1コンテストあたり5〜6名がファイナリストとして活動し、内1名がグランプリとして選ばれることが多い。近年、ミスター・キャンパスと同時開催されることも多い。
大学により異なるが、その年の、春4〜6月頃に出場者の募集を行い、夏7〜9月頃にファイナリストの発表を行い、10〜12月頃の学園祭シーズンにグランプリ発表を行うといった一連の流れがある。ファイナリストを発表することを「お披露目」と呼ぶことがあるが、お披露目以降、ファイナリストは各種イベントや、取材・撮影への参加、ウォーキングやスピーチのレッスンを行うなどする。
一部、有名大学を中心にキー局のアナウンサーである「女子アナ」への登竜門と言われ、実際にミスコン経験者のアナウンサーも多いほか、キャスターやタレントも多く輩出している。なお、大学のミスコンを初めて開催したのは青山学院大学である。
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高校生におけるミスコンテスト
日本の高校では、文化祭の催事として、ミスコンテストを行う高校がある。文化祭実行委員会などが主催している。ミスターコンテスト、男装コンテスト、女装コンテストなどと同時開催されることもある。
なお、高校生におけるミスコンテストとしては、企業が主催するものになるが「女子高生ミスコン」は、応募者・投票数が多く、2015年度は応募総数約64万人総投票数約300万票を超えたと発表されている。なお、「男子高生ミスターコン」と併載されている。
ミス・コンテスト出身の主な著名人
日本の5大ミスコンテスト出場者
藤原紀香 ミス日本グランプリ→女優
萬田久子 ミス・ユニバース日本代表→女優
叶美香 ミス日本グランプリ→タレント
西川史子 第28回ミス日本フォトジェニック→医師、タレント、女優
山本富士子 第1回ミス日本グランプリ→女優(ミスコンではないが、2000年と2002年には沼津市観光キャンペーン隊「燦々ぬまづ大使」選出もある)
伊比恵子 ミス日本グランプリ→映画監督。第71回米国アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞受賞
佐野美和 ミス日本ファイナリスト→八王子市市議会議員→政治ジャーナリスト・タレント
相沢礼子 ミス日本グランプリ→キャスター、タレント
嵯峨百合子(さがゆりこ) ミス日本グランプリ→タレント、女優、フラワーアレンジャー 現在の芸名はひらがな名義
友利新 準ミス日本→女医、放送コメンテーター
萩美香 ミス日本グランプリ→女優、タレント(みえの国観光大使)
谷中麻里衣 ミス日本グランプリ→キャスター、タレント
新井寿枝 ミス日本・ミス着物→モデル・画家(「アートメッセンジャー」)
新井貴子 ミス日本グランプリ→モデル・アルティメット選手
- 新井寿枝・貴子は「実姉妹」。
渡辺けあき ミス日本・海の日→プロボウラー・モデル
織作峰子 ミス・ユニバース日本代表→写真家
志岐幸子 ミス・ユニバース日本代表→スポーツキャスター→感性工学学者・関西大学准教授
町本絵里 ミス・ユニバース日本代表→モデル、タレント、歌手、女優
知花くらら ミス・ユニバース日本代表→モデル、タレント
森理世 ミス・ユニバース日本代表。2007年度世界大会でミスユニバースに選ばれる。振付師・ダンサー・モデル
宮坂絵美里(REIRA) ミス・ユニバース日本代表→モデル・女優・タレント。(ミスユニバース日本代表に選ばれたことをきっかけに本名名義での活動を強化しており、現在は苗字を外した「絵美里」名義で活動)
板井麻衣子 ミス・ユニバース日本代表→モデル・タレント(出場時は大分市役所の地方公務員。ファイナリストに選ばれた後タレント活動へ転向している)
宮本エリアナ ミス・ユニバース日本代表として初めて、アフリカ系アメリカ人と日本人の「ハーフ」
白田久子 ミス・インターナショナル日本代表→女優
杉山恭子(KYOCO) ミス・インターナショナル日本代表→モデル(出場当時はタレント)
金ヶ江悦子 ミス・インターナショナル日本代表→タレント、インストラクター
吉松育美 ミス・インターナショナル日本代表。2012年度世界大会でミス・インターナショナルに選ばれる。モデル。
安田衣里 準ミス・ワールド日本代表→ビーチバレー選手
沼田さくら ミス・ワールド日本代表ファイナリスト→モデル(元バレーボール選手)
渡辺志穂 ミス・エアジャパン(ミス・アースの準ミスの一つ。準ミスの最高位<2位>に当たる賞)→タレント・モデル(元AKB48)
永田怜奈(永田レイナ) ミス・アース日本代表→モデル、スポーツコメンテーター。
高野人母美(TOMOMI) ミス・アース日本代表ファイナリスト→プロボクサー・モデル
その他(ご当地ミスなど)
室井佑月 ミス栃木・ミス公園通り→レースクイーンなどを経て作家・テレビコメンテーター
東里 第25代ミス熱海梅の女王(並行して女優・タレント・モデルとして活躍)
山路ふみ子 ミス神戸→女優→実業家→社会事業家
平野啓子 ミス東京→NHK専属契約アナウンサー→語り部(1995年・1997年・2004年の3回「燦々ぬまづ大使」に選出)
浅田舞 フィギュアスケート選手・スポーツコメンテーター。フィギュア選手として活動しつつ2005年「国際モードルオーディションORIBE」第2回グランプリ
白石さおり タレント、オーディション研究家。アイドル時代より54ものミスコンテスト優勝・入賞や観光大使受賞歴を誇る「ミスコン女王」
桝渕祥与 2012年度ミス鎌倉→フードファイター・タレント
後藤あゆみ 2011年度ミス府中→プロボクサー
4大国際コンテストと国内コンテストとの関係
ミス・ユニバース (MU) |
ミス・ワールド (MW) |
ミス・インターナショナル (MI) |
ミス・アース (ME) |
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主催者 |
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初回開催 |
1952年 |
1951年 |
1960年(昭和35年) |
2001年 |
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ミス・ベネズエラ | 1位が出場 | 2位が出場 | 3位が出場 | 4位が出場 |
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ミス・コリア | 1位が出場 | - | 2位が出場 | 3位が出場 |
ミス・ワールド・コリア | - | 1位が出場 | - | - |
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ミス・ユニバース・インド | 1位が出場 | - | - | - |
ミス・インド | - | 1位が出場 | 3位が出場 | 2位が出場 |
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ミス・フランス | 1位が出場 | 2位が出場 | - | - |
ミス・プレスティージュ ・ナスィヨナル |
- | - | 1位が出場 | - |
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ミス・ナスィヨナル | - | - | - | 1位が出場 |
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ミス・ユニバース・ジャパン | 1位が出場 | - | - | - |
ミス・インターナショナル ジャパン |
- | 2位が出場 | 1位が出場 | - |
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ミス・アース・ジャパン[† 5] |
- | - | - | 1位が出場 |
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ミス・コロンビア | 1位が出場 | - | 2位が出場 | - |
ミス・ワールド・コロンビア | - | 1位が出場 | - | - |
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ミス・アース・コロンビア | - | - | - | 1位が出場 |
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ミス・ロシア | 1位が出場 | - | - |
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ミス・アース・ロシア | - | - | - | 1位が出場 |
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ミス・ユニバースGB | 1位が出場 | - | - | - |
ミスUK | - | ![]() ![]() ![]() ![]() の各1位計4名が各々出場 |
ミスワールドに出場した 連合王国4ヶ国の代表 計4名の中から ミスUK1位を選び 翌年大会に出場 |
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ミス・アースUK | - | - | - | 連合王国4ヶ国と![]() 各1位計5名が出場 |
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ミス・ユニバース・ブラジル | 1位が出場 | - | - | - |
ミス・ワールド・ブラジル | - | 1位が出場 | - | - |
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ミス・ブラジル | - | - | 1位が出場 | - |
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ミスUSA | 1位が出場 | - | - | - |
ミスUSインターナショナル | - | - | 1位が出場 | - |
その他の国際的なコンテスト
ミス・インターコンチネンタル(日本代表選出コンテスト有)
ミス・アジアパシフィック(日本代表選出コンテスト有)- ミス・ヨーロッパ
ミス・スプラナショナル(ポーランド主導のミスコン)
ミス・グランド・インターナショナル(タイ主導のミスコン)- ミス・ツーリズム・クイーン・インターナショナル
ミス・ツーリズム・ワールド(日本代表選出コンテスト有)
ミス・スキューバ(日本代表選出コンテスト有)
FACE THE WORLD(部門により日本代表選出コンテスト有)
ミス&ミスターデフ(日本代表選出コンテスト有/聴覚障碍者を対象としたコンテスト)
ミセス・ワールド(既婚者を対象としたミセスコンテスト)- ワールド・ミス・ユニバーシティ・コンテスト
ミス・ビキニ・インターナショナル(日本代表選出コンテスト有)

ミス日本入賞者に贈られるたすき(1973年のグランプリ受賞・長谷川みつ美に贈呈されたものをレプリカで再現した物)
脚注
注釈
^ 英語: beauty pageant(英語発音: [ˈbjuːti ˈpadʒənt] ビューティ・パジャント)
^ たすきは持ち回り貸与が多いが、ミス日本のようにそのまま贈呈される場合もある
^ 例えば熱海市の「ミス熱海梅の女王・梅娘」は2年間である。また、2011年の福島県「ミスピーチ」は本来1年で任期満了となる予定だったが、東日本大震災の影響による福島県の事業見直しのためメンバーの新規募集はせず、2010年のメンバーを「続投」(任期延長)させている
^ 英語: Carousel Productions(英語発音: [ˌkarəˈsɛl prəˈdʌkʃənz] カラセル・プラダクシャンズ、英語発音: [ˌkaruːˈzɛl prəˈdʌkʃənz] カルーゼル・プラダクシャンズ)
^ ミス・ユニバース・ジャパンが運営協力
出典
- ^ ab 使えるネタ研究会 著 『雑学的おもしろ歳時記 Kindle版』 キニナルブックス、2018年
^ “ミス・イタリア中継を取りやめ 国営放送も時代に逆らえず”. 産経新聞. (2013年7月19日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/130719/erp13071916590004-n1.htm 2013年7月19日閲覧。
^ ミス・アメリカ、水着審査を廃止 「今後は外見で判断せず」 AFP(2018年6月6日)2018年6月6日閲覧
^ “「明治時代にはすでに存在」(「変わる大学のミス・コンテスト」解説)”. 読売新聞. (2016年11月1日). http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20161107-OYT8T50019.html/
^ 少子化でミスコンに変化 既婚女性や男性OKのものも 週刊ポスト2017年6月30日号
関連項目
三井マリ子 - ミスコン反対運動の旗手。「全国フェミニスト議員連盟」世話人。「自治体男女平等コンテスト」の代表を務める。- 美樹あゆみ
- 親善大使
堺市女性団体協議会 - 書籍『ミスコンテストNON!』(1989年12月18日)出版。旧堺市婦人団体連絡協議会。- 女子アナ
プリンセス (ミスコンテスト) - プリンセス○○(○○は地名)と称して日本各地で行われているミスコンテスト。- プリンセス関西
- ミスキャンパス
- 濡れTシャツコンテスト
- キャンパスクイーン
外部リンク
日本ミスコン協会 - 日本で唯一のミスコンを普及、支援する団体
深窓令嬢美人コンクール - 時事新報主催で行われた一般子女を対象とした日本初のミスコンテストとも言われる催し。