ビクーニャ
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ビクーニャ | |||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ![]() | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Vicugna vicugna(Molina、1782年) | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ビクーニャ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Vicuña | |||||||||||||||||||||||||||

草原のビクーニャ(ペルー南部のアレキパ地方)

岩場を移動するビクーニャ
ビクーニャ(vicugna vicugna、西: vicuña、ケチュア語族: wik'uña)は、偶蹄目ラクダ科に分類される偶蹄類。
目次
1 呼称
2 生物的特徴
2.1 分布
2.2 形質
2.3 分類
2.3.1 系統分類
2.3.2 種分類
3 人間との関わり
4 脚注
5 関連項目
6 外部リンク
呼称
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属名ならびに各国語の名称は、ケチュア語名に由来するvicuña(ビクーニャ)より。日本語では、動物を指す場合は「ビクーニャ」と呼び、体毛からつくるウールやその製品は英語名に由来する「ビキューナ」と呼ぶことが多い。また、加工品をヴィゴーニュと呼ぶ(#人間との関わりを参照)のはフランス語名に由来する。「ビクーナ」、「ヴィクナ」、「ビクニア」とも呼ばれる。
生物的特徴
分布
南アメリカ大陸で進化した動物であり、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンに分布し、標高約3,700- 5,000mの高地の草原に10頭前後の群れを作って生活する。
形質
体長(頭胴長)約130 - 160cm、体高(肩高)約85cm、体重約33 - 65kg。全身断熱性に富む体毛で覆われている。
最も支持を集める説では、アルパカは本種が家畜化されたものと見なされている[2]。しかし、アルパカを本種の家畜化されたものと見なさず、本種のみをもってビクーニャ属が形成されているとする説など(系統分類を参照)。本種は人に懐かない(本種から家畜化された種は存在しない)[要出典]。
ビクーニャの外観はグアナコとよく似ているが、前者は頸(くび)の下に30cm前後の長い毛を有しているため、その点で一見して後者と区別できる。
分類
系統分類
ビクーニャは、アルパカ、ラマ(リャマ)、グアナコと近縁であり、伝統的には、ビクーニャとアルパカをビクーニャ属に、ラマとグアナコをラマ属にまとめられる。しかし、これら4種の類縁関係には諸説があって統一的見解は得られていない。4種すべてをラマ族(tribus Lamini)として束ねる学説もあり[3]、あるいはまた、ビクーニャのみをビクーニャ属とし、他の3種をラマ属の下位分類とする説もある。ここでは、近年の有力説による、ラクダ科の下位分類を一例として示す。ラマ属を認める立場を採ると、ラクダ亜科はラクダ属とラマ属の2属で構成されることとなる。
†は「絶滅」の意。
ラクダ科 Camelidae
- †絶滅5亜科:省略。
ラクダ亜科 Camelinae
- †絶滅5属:省略。
ラクダ属 Camelus
- †カメルス・ギガス Camelus gigas
- †カメルス・ヘステルヌス(エステルヌス) Camelus hesternus
- †カメルス・シルヴァレンス(シルワレンス) Camelus sivalensis
- †シリアラクダ(en:Syrian Camel):未記載種。
ヒトコブラクダ Camelus dromedarius
フタコブラクダ(野生種) Camelus ferus
フタコブラクダ(家畜種) Camelus bactrianus
- †カメルス・ギガス Camelus gigas
ビクーニャ属 Vicugna
- ビクーニャ Vicugna vicugna
アルパカ Vicugna pacos
ラマ属 Lama
ラマ(リャマ) Lama glama
グアナコ Lama guanicoe
種分類
ITIS(統合分類学情報システム)データベース
- ビクーニャ Vicugna vicugna(Molina, 1782)
- ビクーニャ Vicugna vicugna(Molina, 1782)
最下段のウィキスピーシーズも参照のこと。
人間との関わり

ペルーの国章
かつては200万頭が生息していたと推定されるが、肉と良質な体毛を得るために乱獲され、1960年代には1万頭以下まで生息数を減らしていた。しかし、1993年には、インカ帝国時代に行われていた伝統技法でビクーニャを殺さずに体毛を刈るための囲い込み(チャク)が復活し、地元民にその収益が保証されるとあって、ビクーニャに対する保護意識が高まった。その甲斐あって、2010年には40万頭を超えるまでに生息数が回復している。
ビクーニャの毛織物製品は高級品として取引される。体毛が細いため、糸に紡いで利用される。毛の太さは100分の1mmほどで、動物の中でも極めて細い[4]。2年に一度しか毛の刈り込みは許可されておらず、1回の刈り込みで成獣1頭につき250 - 350gの体毛しか得られない。
綿毛を紡いだ紡毛糸で織り、チーズル起毛をして仕上げた柔らかな織物を、1980年代までの日本では「ヴィゴーニュ」と呼んだ。しかし近年ではそれらも「ビクーニャ」と呼ばれることが増えてきている。また、実際には、ヴィゴーニュとされているものの中には、綿を混ぜた混紡織物や、糸を紡ぐ油紡工程で羊毛を加えた織物もある。
ペルーの国章に描かれている動物でもある。
脚注
^ Lichtenstein, G., Baldi, R., Villalba, L., Hoces, D., Baigún, R. & Laker, J. 2008. Vicugna vicugna. The IUCN Red List of Threatened Species 2008: e.T22956A9402796. doi:10.2305/IUCN.UK.2008.RLTS.T22956A9402796.en, Downloaded on 08 May 2016.
^ 今村薫、ユーラシア大陸におけるラクダ科動物の家畜化 : 石器時代から現代まで 名古屋学院大学論集 人文・自然科学篇 2018年 54巻 2号 p.51-57, doi:10.15012/00000987
^ Tree of Life Web Project Lamini
^ “第115回「アンデス疾走!珍獣ビクーニャ」 ─ ダーウィンが来た!生きもの新伝説”. NHK (2008年9月7日). 2018年2月1日閲覧。
関連項目
- アルパカ
- ワスカラン国立公園
動物繊維 - ヴィキューナ / ヴィゴーニュ / キュンピー
- ペルーの国章
外部リンク
- 稲村哲也、川本芳、アンデスのラクダ科動物とその利用に関する学際的研究 : -文化人類学と遺伝学の共同- 国立民族学博物館調査報告,55,119-174 (2005-05-30), doi:10.15021/00001662
- 川本芳、動物のドメスティケーション: アンデス高地で利用されるラクダ科家畜の遺伝的特徴と家畜化をめぐる問題 国立民族学博物館調査報告,84,307-331 (2009-03-31), doi:10.15021/00001152