偏西風










地球の大気循環と偏西風のモデル


偏西風(へんせいふう、英語: Westerlies)とは北緯または南緯30度から60度付近にかけて中緯度上空にみられる定在的な西寄りの風のこと。偏西風は熱帯地域の加熱を中心とするハドレー循環と極地域の冷却を中心とする極循環の二つの子午面循環の間の層厚の違いにより発生する。偏西風は高度とともに強くなり対流圏界面付近で風速が最大となり(温度風を参照)特に、冬季には対流圏界面付近で毎秒100mに達し、ジェット気流とよばれる。また、天候を西から東に変える原動力でもある。赤道と極の温度差が大きくなると偏西風は南北に蛇行するようになる(傾圧不安定)。この蛇行を偏西風波動という。季節により循環の位置は移動するので、偏西風域も移動する。偏西風波動は中緯度における赤道と両極の間の熱輸送を担っており(フェレル循環)、低気圧や高気圧の盛衰を支配している。偏西風の蛇行が大きくなるとブロッキング現象が発生し長期的な異常天候をもたらすことがある。日本上空においては、高層天気図の200hPa図がおおよその目安となる。



偏西風の蛇行


数年に一度程度だが、稀に偏西風の蛇行が起きる。2014年から2015年にかけ偏西風の蛇行が大きかった。更にエルニーニョ現象が起きていた為、台風の上陸や低気圧の方向が蛇行する現象が起きた。



関連項目



  • 貿易風

  • ジェット気流

  • 極風

  • 気圧の谷









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