光学軸
光学軸(こうがくじく、英: optic axis (of a crystal))は、光学異方性である複屈折結晶において、光を入射しても光が分かれない方向のことである。光軸(こうじく)[1]とも呼ばれる。
簡単に説明すると、右の写真において、方解石を通すと文字が二重に見えてしまうが、二重に見えなくなる方向があり、それを光学軸と呼ぶ。
光学系における光軸(英: optical axis)と混同しないよう注意する必要がある[2]。
目次
1 定義
2 光学軸がある結晶(鉱物)
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
6 外部リンク
定義
光学軸は、光学異方性の複屈折結晶において、屈折率が一定になり、偏光していない光を入射しても複屈折が発生せず、通常光線と異常光線が一致する(もしくは、ずれが最小となる)方向のことである。
光学軸は結晶の構造から決定される。光学軸は一軸性結晶(単軸結晶)では1方向であり、二軸性結晶(双軸結晶)では2方向となる。
光学軸の特定は偏光顕微鏡やコノスコープによって行われる。
光学軸がある結晶(鉱物)
- 一軸性結晶
正方晶系の結晶 - ジルコン
六方晶系の結晶 - 石英、方解石
- 二軸性結晶
斜方晶系の結晶 - かんらん石
単斜晶系の結晶 - 正長石、黒雲母、普通角閃石、普通輝石
三斜晶系の結晶 - 斜長石
脚注
^ 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、85頁。ISBN 4-8181-8401-2。[リンク切れ]
^ 光技術用語辞典:光学軸 Archived 2005年1月28日, at the Wayback Machine.
参考文献
- 都城秋穂、久城育夫 「第I編 結晶の光学的性質、第II編 偏光顕微鏡」『岩石学I - 偏光顕微鏡と造岩鉱物』 共立出版〈共立全書〉、1972年、1-97頁。ISBN 4-320-00189-3。
- 原田準平 「第4章 鉱物の物理的性質 §10 光学的性質」『鉱物概論 第2版』 岩波書店〈岩波全書〉、1973年、156-172頁。ISBN 4-00-021191-9。
- 黒田吉益、諏訪兼位 「第3章 偏光顕微鏡のための基礎的光学」『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』 共立出版、1983年、25-64頁。ISBN 4-320-04578-5。
関連項目
- 複屈折
- 屈折率
- 偏光顕微鏡
外部リンク
- “【第1回】偏光の性質 - 偏光顕微鏡を基本から学ぶ - 顕微鏡を学ぶ”. Microscope Labo[技術者向け 顕微鏡による課題解決サイト]. オリンパス (2009年6月11日). 2011年10月30日閲覧。