ロブサン・センゲ
![]() Lobsang Sangay | |
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生年月日 | 1968年3月10日(書類上) |
出生地 | ![]() |
出身校 | デリー大学 ハーバード大学 |
前職 | ハーバード大学上級研究員 |
称号 | 法学博士 |
配偶者 | Kesang Yangdon Shakchang |
![]() 公選初代 政治最高指導者(首相) | |
当選回数 | 2回 |
在任期間 | 2012年9月20日 - |
象徴 | ダライ・ラマ14世 |
![]() 公選第2代 主席大臣(首相) | |
当選回数 | 1回 |
在任期間 | 2011年8月8日 - 2012年9月20日 |
象徴 | ダライ・ラマ14世 |
ロブサン・センゲ(Lobsang Sangay、1968年 - )は、チベット人の法学者(専攻:国際法、立憲民主主義、紛争解決)、政治家。インドのダラムサラに拠点を置く中央チベット行政府(チベット亡命政府)の公選による第2代首相(正式にはシキョン(政治最高指導者))。
目次
1 来歴
1.1 生い立ち
1.2 亡命政府首相
1.2.1 ロブサン・センゲ内閣
2 脚注
3 外部リンク
来歴
生い立ち
1968年にインド・西ベンガル州ダージリン郊外[1]のチベット人亡命社会で生まれた。誕生日は公式書類上では3月10日とされているが、これは1959年のチベット蜂起が発生した日を借りたものであり、正確な誕生日は本人も知らない。このことについて彼は「自分の誕生日すら知らないという事実に、私がどんな人生を送ってきたかが集約されている」と語っている[2]。
ダージリンの中央チベット学校を卒業後、デリー大学で英文学と法律学を学び卒業。1992年、チベット青年会議執行部委員。1996年、アメリカのハーバード大学ハーバード・ロー・スクールに留学し、2004年に法学博士号(Ph.D in Law)を得た。博士論文は『亡命チベット政権の民主主義と歴史(1959〜2004)』。その後、ハーバード大学ロースクールの上級研究員を務めた。
亡命政府首相

ウィーンで講演するロブサン・センゲ(2012年5月26日)
2011年4月27日に実施されたチベット亡命政府の首相(主席大臣〈カロン・ティパ〉)選挙で、55%[1](27,051票)を得票して当選した[3]。この選挙の有権者数は83,399人、投票率59%[3](49,184人)。ただし、ネパールの首都カトマンドゥにおいては、ネパール当局の妨害により投票が実施できなかった。同年8月8日に正式に首相に就任。
ロブサン・センゲはチベット問題の平和的・非暴力的解決を望むダライ・ラマ14世の立場を尊重し、中国憲法の枠組みの中での自治権付与を求めている。彼は香港・マカオの一国二制度がチベットにとって最善の制度だとして、暴力を伴う抵抗運動に否定的な見解を示している[4]。
チベット亡命政府首相としては400ドル(日本円で約3万円)の月給しか受け取っておらず、これはインド全体の平均月収の3万ルピー(日本円で約4万5,000円)と比べてもきわめて低いが、本人は亡命政府首相としての職務に情熱を燃やし、収入についてはまったく問題とはしていない[5]。

ロブサン・センゲとダライ・ラマ14世(2012年10月15日)
2012年3月31日、初のアジア外遊となる日本訪問を行った[6]。日本滞在中の記者会見で、国際社会が中国との経済関係を優先してチベット問題の解決を求められない現状に懸念を表明した[7]。
9月20日、第15期チベット亡命政権議会は「亡命チベット人憲章」を改訂し、それまでの主席大臣(カロン・ティパ)という称号を「政治最高指導者」(シキョン。摂政とも訳される)と改めた。ロブサン・センゲはチベット亡命政府の初代の「政治最高指導者(シキョン)」となったことになる。
12月17日、日本の第46回衆議院議員総選挙で自民党が勝利したことについて声明を発表。声明では、「チベット人を代表して、安倍晋三氏を祝福し、日本の次期首相としての幸運を祈りたい。チベット人の民主主義と非暴力の戦いに対する日本人と日本政府の長期にわたる支えに感謝する」としている[8]。
2013年3月10日、チベット民族蜂起記念日54周年に合わせ「中国がチベット問題を迅速に解決することが、他の自由を求める闘争に対する模範となるだろう」と声明を発表し、犠牲になったチベット人のために祈りを捧げた[9]。
2015年3月10日、チベット民族蜂起記念日56周年に際して声明を発表し、「ラサ市のチベット人が"ゲットー"に追いやられている」とチベットの現状を指摘した[10]。
2016年4月27日、首相選挙で57%を得票して再選を果たした[11]。
ロブサン・センゲ内閣
(2011年9月16日組閣)
- 首相兼教育相:ロブサン・センゲ(男性)
- 情報・国際関係(外務)相:デキ・チュヤン(北米地区選出議員・モントリオール大学病院センター建設計画コミュニティー連絡部長、女性)
- 保安相:ドンチュン・ンゴドゥップ(留任、男性)
- 経済相:ツェリン・ドゥンドゥップ(留任、男性)
- 宗教・文化相:ペマ・チュジョル(元保安大臣、男性)
- 内務相:ギャリ・ドルマ(前議会副議長、女性)
- 保健相:ツェリン・ワンチュク(チョゼ・カンサル慈善病院医師、男性)
脚注
- ^ ab“ことば:ロブサン・センゲ氏”. 毎日jp (毎日新聞社). (2012年2月17日). http://mainichi.jp/opinion/news/20120217ddm007030178000c.html 2012年10月28日閲覧。
^
「News Business 自分の誕生日を知らないハーバード卒のリーダー━━ダライ・ラマの後継者、ロブサン・センゲを知っているか?【1】」http://gqjapan.jp/2011/09/30/ロブサン・センゲを知っているか?【1】/
- ^ ab“米在住学者のセンゲ氏当選 チベット亡命政府首相選”. 共同通信社. 47NEWS. (2011年4月27日). http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011042701000687.html 2012年10月28日閲覧。
^ “Tibetan leader Lobsang Sangay: Congress needs to hold China to account on Tibet”. The Hill. 2013年5月13日閲覧。
^ 相馬勝 (2011年10月10日). “ハーバード研究員から転身したチベット新首相 月給3万円”. NEWSポストセブン. 小学館. 2012年10月28日閲覧。
^ “「強烈な不満」と中国 チベット亡命政府首相訪日”. 産経新聞. (2012年4月1日). http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/553980/ 2012年4月2日閲覧。
^ “チベット亡命政府首相、中国の抑圧非難”. 日本経済新聞. (2012年4月2日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM02051_S2A400C1FF1000/ 2015年5月16日閲覧。
^ “【衆院選】チベット亡命政府が安倍氏を祝福”. MSN産経ニュース (産経新聞). (2012年12月17日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/121217/asi12121720330006-n1.htm 2015年8月29日閲覧。
^ “The statement of Sikyong Dr. Lobsang Sangay on the 54th anniversary of the Tibetan National Uprising Day”. International Campaign for Tibet. 2013年5月13日閲覧。
^ “中国指導部に対話再開要求 チベット亡命政府首相”. 産経新聞. (2015年3月10日). http://www.sankei.com/world/news/150310/wor1503100067-n1.html 2012年5月16日閲覧。
^ “チベット亡命政府の首相選、現職のセンゲ氏が再選”. AFPBB News (フランス通信社). (2016年4月27日). http://www.afpbb.com/articles/-/3085504 2016年5月3日閲覧。
外部リンク
チベット亡命政府公式サイト(英語)
ダライラマ法王日本代表部事務所(日本語)
公職 | ||
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先代: 主席大臣から改称 |
![]() 公選初代:2012年 - |
次代: - |
先代: ロブサン・テンジン |
![]() 公選第2代:2011年 - 2012年 |
次代: 政治最高指導者に改称 |