連声
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連声(れんじょう)とは日本語の連音の一種。2つの漢字からなる語の一番目の字が子音で終わり、かつ二番目の字がア・ヤ・ワ行であるときに、それがタ・ナ・マ行に変化する現象をさす。言語学的には長子音化の一種である。
目次
1 概要
2 実例
2.1 第一字が -n で終わる例
2.2 第一字が -m で終わる例
2.3 第一字が -t で終わる例
3 関連文献
概要
平安時代から室町時代にかけての日本語では、漢字音(音読み)が -t・-n・-m のいずれかの子音で終わることがあった。これらの漢字の後ろに母音(ア行)または半母音(ヤ行・ワ行)で始まる漢字が続くと、その漢字がそれぞれタ行・ナ行・マ行に変化することがあった。ヤ行からナ行・マ行に変化するときは拗音になった。
江戸時代以降になると、-t は独立の音節である「ツ」または「チ」にかわり、また -m および -n は撥音で発音されることが一般的になり、漢語の連声はほとんど見られなくなったが、一部の漢語には今も痕跡的に残っている。
なお室町時代には、漢語内のみでなく漢語の後ろに助詞「は・を」が続くときにも連声が見られた。この現象は現在では能・狂言などの古典芸能や、ごく一部地域の方言にしか残されていない。
- 「念仏を」 → ねんぶっと (but + wo)
- 「今日は」 → こんにった (nit + wa)
- 「冥見を」 → みょうけんの (ken + wo)
実例
以下の例は歴史的仮名遣いで記し、-n を「ん」で、-m を「む」で書きわける。
第一字が -n で終わる例
- 「銀杏」 ぎん + あん → ぎんなん
- 「観音」 くゎん + おむ → くゎんのむ
- 「云々」 うん + うん → うんぬん
- 「反応」 はん + おう → はんのう
- 「天皇」 てん + わう → てんなう
- 「輪廻」 りん + ゑ → りんね
- 「因縁」 いん + ゑん → いんねん
第一字が -m で終わる例
- 「三位」 さむ + ゐ → さむみ
- 「陰陽」 おむ + やう → おむみゃう
第一字が -t で終わる例
- 「雪隠」 せつ + いん → せっちん
- 「屈惑」 くつ + わく → くったく(→屈託)
関連文献
- 中田祝夫・林史典 『日本の漢字』 中公文庫、2000年(原著1982年)、287-289頁。