石川五ェ門 (ルパン三世)
十三代目 石川五エ門 | |
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ルパン三世のキャラクター | |
登場(最初) | 『五右エ門登場』 |
作者 | モンキー・パンチ |
声優 | 納谷悟朗 小林修 大塚周夫 井上真樹夫 塩沢兼人 浪川大輔 |
演じた俳優 | 影山ヒロノブ 綾野剛 彩凪翔 |
プロフィール | |
性別 | 男性 |
親戚 | 石川五右衛門 |
十三代目 石川 五ェ門(じゅうさんだいめ いしかわ ごえもん)は、モンキー・パンチの漫画作品およびそれを原作とするアニメ『ルパン三世』シリーズに登場する架空の人物。
目次
1 人物
1.1 原作
1.2 アニメ
1.2.1 経緯
1.2.2 特徴
1.2.3 人物
1.2.4 身体能力
1.2.5 五ェ門と女性
1.3 居合の達人
1.4 プロフィール
2 斬鉄剣に関して
2.1 製法
2.2 形状
2.3 特性
2.4 切れ味
2.5 逸話
2.6 斬鉄剣で切れない物一覧
3 配役
3.1 メイン
3.2 その他
3.3 英語吹替版
4 注釈
人物
安土桃山時代の盗賊石川五右衛門から数えて第十三代の末裔[1]。居合の達人。
名前も代々受け継がれているとされているが、シリーズにより名称には様々な表記がある。原作では「五右ェ門」。パイロットフィルムでは「五右ヱ門」。『TV第1シリーズ』では「五右ヱ門」(オープニング)/「五ヱ門」(エンディング、第5話サブタイトル)、『TV第2シリーズ』以降の作品では長らく「五右ェ門」表記が基本設定だった。しかし作品によって違いがあるが、TVスペシャルシリーズ以降のアニメ作品においては、ほとんどの場合に「五エ門」と表記されている。
単に居合だけに止まらず、武道全般に秀でており、テレビアニメシリーズでは忍術(唐忍法)や念力の使用についても言及され、TVスペシャルにおいては優れた動体視力の持ち主としても描かれている。後述のように他者の気配にも鋭く敏感で、目を閉じていても他人が周囲に隠れている事を看破する事が多い。
誕生のきっかけは作者のモンキー・パンチがアメリカのサンディエゴで開催されたコンペに出かけた際、現地の女性にサインを頼まれたことであり、ルパン三世の顔も即興で付け加えたが、その女性が落胆した。理由を聞くと(日本の漫画なのに)オリエンタルさが無かったとのことで、帰国後すぐに日本らしいキャラクターを付け加えたという[2]。
原作
第28話「五右ェ門登場」より登場し、師匠である百地三太夫が発見した錬金術の秘密書類、示刀流空手の秘伝書をめぐる敵対の末、第43話(『TV第1シリーズ』第7話)でルパンの仲間になるが、第46話では再びルパンと対決している(これは雑誌掲載順と異なる順番で単行本に収録されたからである)。一人称は「オレ」「わたし」。アニメと違って特に時代がかった言葉遣いはせず外見も性格もアニメとはかけ離れている。明るく非常に良識的であり、真面目で純情な坊ちゃんという設定である。なお女性にはあまり興味を示さない。
常に仕込み刀を所持。刀自体は特別ではないが「秘伝鋼鉄斬り」という技によって鉄などの切断が可能。第76話では竹光によって物体を斬るという技を披露したこともある。『新ルパン三世』から刀に「流星」という名前、隕石を原料にした刀という設定が加えられる。133話に至って初めて「斬鉄剣『流星』」と、斬鉄剣という名前が登場する。上記の示刀流空手の達人でもあり第41話では刀を持った相手の両腕を素手で切断し再起不能にしている。
アニメ
経緯
『TV第1シリーズ』第5話「十三代五ヱ門登場」より登場し、第7話「狼は狼を呼ぶ」のラストシーンでルパンの仲間になる。初登場時はルパンの命を狙う殺し屋として登場しており、『ルパンVS複製人間』では「他人にルパンを殺させたくない」といった台詞がある。
『TV第1シリーズ』の企画書に添付されたキャラ対照表では、五ェ門が明智小五郎や銭形警部と並んで描かれており、初期の映画、また同シリーズでは、ルパンの敵か味方か、中盤までわからない展開が用意されていたことをうかがわせる。
ルパンファミリーの一員として世界中を飛び回っているが、ルパンと影のように行動を共にする次元大介と違って、単独行動または別行動を取ることが多い。役割は進路・退路の確保、敵陣への切り込み、武器破壊、障害物の破壊など、剣の腕を活かした戦闘や特殊任務に就くことが多い。
ルパンとは自身に関する事情によっては敵対する場合もあり『TV第2シリーズ』第55話「花吹雪 謎の五人衆 前篇」では、白波五人衆が武器もなくルパン一味に立ち向かい、「ルパンは峰不二子のために富嶽三十六景を盗んだ。だが自分たちはそんなことをしない。だから大した武器もない自分たちの助っ人になってほしい」として彼らに籠絡されてしまい、続く第56話「花吹雪 謎の五人衆 後篇」ではその一員としてルパンに一騎討ちを挑みルパンを負傷させたが、その後菊子とともに白波五人衆を離反した後に、五人衆の真の狙いは自分を人質にしてルパンが今まで手に入れた宝を横取りすることであると知り、その後ルパンたちの前で、ルパンを負傷させた責任を取り切腹すると言い出したが、介錯を頼まれたルパンは「無抵抗のやつの首をはねても面白く無い」として、ルパンと五ェ門の殴り合いの喧嘩となった。このようにルパンたちに対する仲間意識は強く、『TV第2シリーズ』第112話「五右ヱ門危機一髪」ではルパンの弱点を聞き出すため拷問にかけられるが、「仲間を売る様な真似をするくらいなら喜んで死ぬ」として一言も口を割らなかった。TVスペシャル『盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜』では、ルパンに対して「お主、やはり侍であったか」と、ルパンの人柄を認める発言をしている。
特徴
アニメでは白鞘の日本刀「斬鉄剣」を所持(斬鉄剣に関しては、下記参照)しており、この斬鉄剣を使った居合いの斬撃が主な戦闘手段である。
TVシリーズでは『TV第2シリーズ』第86話「謎の夜光仮面現る」で初めて使っている。決め台詞は「またつまらぬ物を斬ってしまった」。本来は孤独感や無常感、哀愁などが漂う決め台詞であるが、後々までパターン化することで、笑いをさそうルパン作品の定番台詞ともなっている。『カリオストロの城』では「今宵の斬鉄剣は一味違うぞ」、「無益な殺生はせぬ」と言ったこともある[3]。
他のキャラクターと比べて、作品ごとの容貌の違いが大きい。当初目つきの悪い渋面だったが、『TV第2シリーズ』より変更され見た目、役回りともども二枚目になった。さらに『PartIII』では原作(『新ルパン三世』以降)に近い四角い骨格に太い眉、割れたアゴを備えた日本男児然とした風貌となったが、後半ではデザインが変化しシンプルで顎の細いデザインになっている。『Lupin the 3rd』シリーズ及び『ルパン三世 PART IV』・『PART5』ではTV第1シリーズに近い三白眼の渋面となっている。テレビスペシャルでは『バイバイ・リバティー・危機一発!』から『1$マネーウォーズ』まではデザイナーにより差があるものの『TV第1シリーズ』のような三白眼が多く、『アルカトラズコネクション』以降は一部を除き『TV第2シリーズ』に近い細顔で統一されている。
世捨て人のような印象が強いが、車や大型自動車、大型機械、飛行機、ヘリコプター[4]などの操縦を草鞋履きで難無くこなしている。またオリジナルの「水上歩行機」を発案したこともある他、状況によっては機関銃などを使用している場面もある。『TV第2シリーズ』第87話「悪魔がルパンを招くとき」ではヒプノティパペットについてルパンに説明したり『TV第2シリーズ』第138話「ポンペイの秘宝と毒蛇」では歴史考古学にも詳しいと語っている。また、携帯電話やスマートフォンを所持している場面も見受けられる[5]。また漢方薬を作ったり、『TV第4シリーズ』第9話では、重傷を負わせてしまったものの、ヒロインの心臓に取り付けられた小型の爆弾を取り除くなど、医学に関しても優秀である。幼少の五ェ門を「紅顔の美少年」と表記した小説もある。
アニメスタッフは原作の設定を大幅に変更し、古風な感じになじみやすくした。長年五ェ門役を演じてきた井上真樹夫はOVA『ルパン三世 Master File』でのインタビューで五ェ門を「スタッフ側がいじくりやすかったのか、ストーリーの都合で性格が一番変化させられることが多かったキャラクター」と評している。
人物
普段着は着物に袴、さらしを巻いて前を大きくはだけている。着物の色はTV第1シリーズでは薄い紫、TV第2シリーズ・PartIII・TVスペシャルでは灰色または白、TV第4シリーズではピンク、PART5では黄色とシリーズごとに異なっている。足下は素足に雪駄である。この服装は南極・北極といった極寒地でもあまり変わることがない。改まった場では紋付きを着ることもある。なお、愛用の下着は褌(越中)である。顔は常に真剣な表情でいる。
百地三太夫、自然先生など、師匠とされる人物は何人かいるが、過去のことはほとんど語られておらず、家族や出生についても謎が多い。だが『TV第2シリーズ』では、母親は熱心な観音様の信者だったと語っている他[6]、台詞の中で「おばあちゃん」なる人物について語ったこともある。
第六感が鋭く、その勘や稀に行う占いはほぼ100%当たる。気配にも聡く、敵や危険に一番初めに気付くことも多い。だが、その分直感的に行動することも少なくないため、罠や策略に嵌り易い側面もある。
どのような理由があっても嘘をつくのを嫌がるという生真面目ぶり(『新ルパン三世』第51話)で、劇画を知らないという世間知らずな一面もある(同第50話)。他人や自分が興味のない人間の悪口はズバッという一方で、自分や斬鉄剣、自分が好意を寄せている人間を悪く言われるとすぐに逆上する、実はかなり短気で自分勝手な性格。更に斬鉄剣が折れたりボロボロになったりすると、自分が未熟であると思い込んで勝手に修行に出かける。ストイックなまでに強さを追い求める姿勢は、映画『七人の侍』に登場する久蔵がもとになっている。また歌舞伎や任侠映画を見るのが好きで、自らの先祖である石川五右衛門や『忠臣蔵』の歌舞伎を見て感涙したこともあるほど。
彼にとって初代石川五右衛門は尊敬すべき先祖であると同時に、ルパンにとっての祖父同様大切な存在であるようで、先祖の浮世絵が絡む仕事を無報酬で引き受けたり、先祖が敗れた泥棒合戦を鼠小僧の子孫と共にやり遂げようとしたりなど、行動の上で先祖の存在が強い動機になることも少なくない。劇中では平泉にある先祖の墓参りに向かうシーンも登場している[7]。
良く言えば信心深く、悪く言えば迷信深い一面があり、『TV第2シリーズ』第7話「ツタンカーメン三千年の呪い」でツタンカーメンの黄金マスクを盗んだ時には「呪いがあるのではないか」と心配したり、斬鉄剣に浮かんだ曇りをみて「不吉だ」と仕事を断ったりもしている。しかし、TVスペシャル『盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜』では盗む理由を聞いた際、ルパンにブルズ・アイの呪いについて「怖いんだろ五右衛門」と言われて、「拙者はそんな迷信は信じておらん」とも言っている。
作中では崖の上や塔の先端といった高い場所にいる描写が多く、常人離れしているルパンファミリーの中でも群を抜いて身軽さや体幹バランスに優れている。また、手刀で岩を砕き巨大な大仏の彫刻を作製したこともある。
筋金入りといってもよいほどの日本文化への強い執着があり、宗教は代々日本神道の家系であり、「生あるものは必ず死ぬ」「諸行無常」などのセリフや、「悟り」を開くことを目標とするなど仏教の影響も多く見られる[8]。
普段から食事は日本食しか食べようとしないなどの頑固な面があるが、『TV第2シリーズ』ではルパンたちと共にパスタを食べていたり、次元と洋風な肉料理を食べていたりと、日本食以外も食べることがある。ただ、日本食は大好きらしく味噌汁とたくあん恋しさ故に他の食事がのどを通らず、味噌とたくあんを買いに不二子を日本に行かせたり、「バルセロナに来れば日本料理の店があるかも知れん、と言ったのは誰だ」とルパンに嫌味を言ったりしている[9]。ハンバーガーやホットドッグを拒否してスーパーマーケットでカップそばを買いに行く時もある[10]。『TV第2シリーズ』第145話「死の翼アルバトロス」にてすき焼きの具でもある牛肉を大量に食した際にはルパンに「ネギ食え、ネギ! 日本人だろうが」と突っ込まれた。TVスペシャル『ワルサーP38』で2週間豆の缶詰だけで生活したときには、久しぶりのご飯と梅干しに感涙していた、また同じ作品では飛行船の爆弾の解除のためにコードを切る時赤か青かで迷っていた中、次元・不二子を押しのけて赤を斬鉄剣で切り解除に成功したが赤を切った理由は「梅干しの色だから」というものであった。また、自分で茶を点てたり、茶請けに羊羹を食べたりもしている。さらに『お宝返却大作戦!!』ではスペインに行ったときはルパンに日本茶を買ってくるよう頼んだが売っておらず、仕方なく買ってきたスペイン茶のにおいが気に入らずルパンに押し付けていた。また、アジトの近くにあった喫茶店からそば粉を譲り受け、自らそばを打ってなし崩し的な形で銭形に振舞ったこともある[11]。
ギャンブルは嫌いではないようで、次元の勧めで行ったラスベガスのカジノで大儲けをしたこともある。スロットマシンで散財した描写が描かれたこともあるが、逆に、非常に優れた動体視力(詳しくは後述)を活かし、スロットを狙い通りに止めてみせるという技を披露したこともある。トランプや麻雀も好きなようで、『TV第2シリーズ』第152話「次元と帽子と拳銃と」の冒頭ではルパンとババ抜きをしている場面がある(その際はかなり楽しんでいた)。またTVスペシャル『アルカトラズコネクション』では、「金があってこその人生だ」と発言したことや、清楚な雰囲気を漂わせるイカサマ宗教の美人導師に騙され、稼いだ金を持ち逃げされてしまったこともある(TVスペシャル『1$マネーウォーズ』より)。
アニメでは自らすすんでタバコを吸うシーンはないが、口に挿し込まれて吸ったことはある。次元からタバコをもらい吸ったこともあり、原作ではたまに煙管をふかしているため、非喫煙者ではない模様。酒は日本酒を好むが、洋酒やビールを飲むという情景もみられる。『TV第2シリーズ』第61話「空飛ぶ斬鉄剣」では不二子が差し入れに持ってきたバーボンを「洋酒は薬臭くていかん」と嫌っていたものの口にすると気に入り盛られていた睡眠薬で泥酔するまで何杯もお代りしている。
「常に和服」「古風な口調や思考」「常人離れした居合の技」「女性が弱点」など、アニメが進むにつれ非常に特徴的な性格設定が施された(『PartIII』に至っては稀に語尾に「〜じゃ」が付く)。特にTVスペシャルがスタートした平成以降のアニメ作品では、盗みより修行を優先するという武士道精神を重んじる描写や、女性に恋をしたり騙されたりという純情さを描いた描写が、多く描かれるようになっている。変装時などは、ごくまれに洋服を着ることもある。TVスペシャル『アルカトラズコネクション』のエンディングでは、珍しくプライベートで洋服を着ていた(オープニングでは、カジノのディーラーに変装していた)。なお正装時は黒の紋付袴だが、きっちりと着こなしており西洋風の中で特に浮いている様子は無い(時と場所を選ばず色物を好むルパンや、常に帽子をかぶっている次元の方がよほど浮いている)。変装はルパンや次元ほどはしないが、女装[12]も含めて必要な場合には普通にしている(服を着替える程度の場合が多く変装用マスクを被る事は稀である)。また漫画版『ルパン三世S』、『ルパン三世Y』や『ルパン三世M』、『ルパン三世H』、『ルパン三世B』などにおいても、ほぼ、このアニメの性格設定に準拠したキャラクターとなっているが、アニメ同様、作品による容貌の違いが大きく、特に『ルパン三世Y』ではかなりの美男子として描かれている。
一人称は作品によってばらつきが大きい。原作漫画版では「俺」、『TV第1シリーズ』や『TV第4シリーズ』『PART5』では「某(それがし)」、劇場版『ルパンVS複製人間』では「私」、これらを除く『TV第2シリーズ』以降は「拙者」を主に使っている(「私」や「俺」の場合もごくわずかだがある)。キャラクター変貌の一片と見ることもできる(オリジナル小説では、「みども」を使っているものがある)。また、ルパン三世のことは「ルパン」、次元大介のことは「次元」、峰不二子のことは「不二子殿」と呼んでいるが作品によっては「不二子ちゃん」「不二子殿」と呼んでいる。銭形警部のことは「銭形」と呼んでいるが作品によっては「銭形殿」「警部」「警部殿」、『TV第2シリーズ』のみは「とっつぁん」などと呼ぶこともある。銭形に関しては、ルパンと同じく敵ながら親しみに似た感情を抱いているようで、『TV第2シリーズ』第98話「とっつぁんのいない日」では、ルパンによって銭形が殺害されたと報じられた新聞を見て、「貴様を見損なった」とする発言をしている。とはいえ、その後に「銭形殿が、さぞご無念であったろうと思い…」とルパンと次元の危機に駆けつけ、二人の窮地を救っている。
『ルパン三世 princess of the breeze 〜隠された空中都市〜』ではラームのために二度に渡って日本に帰りでんでん太鼓や金平糖を買ってくる、『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』ではアジトに来た少年探偵団に(睡眠薬入りとはいえ)お茶を出してもてなすなど子供好きな一面も見られる。
宮崎駿は劇場版『カリオストロの城』当時のインタビューで、五ェ門のことを「悟り澄ました顔をしているが、結局人斬りの快感が忘れられない俗物」と評している。
身体能力
その身体能力は、常人離れしているルパンファミリーの中でも突出している。
まず運動能力であるが、雪駄履きでありながら数メートルの跳躍を見せたり逆に飛び降りたりという描写が何度もあり、非常に身軽。反射速度も速く、例えば高所から落ちた場合でも、ルパンや銭形など他の人物が頭から落ちたり尻餅をつくことが多い中で、五ェ門はほとんどの場合完璧に着地(着地前が正座の状態になっていることも多い)しているだけでなく、後述のように飛んでる弾丸を全て斬鉄剣で防ぐことも頻繁で、ルパン達も驚くほど人間離れしたスピードを誇る。また、劇場版『ルパンVS複製人間』で張られたロープの上をオートバイと同じ速度で駆け抜けていたり、TVスペシャル『EPISODE:0 ファーストコンタクト』でルパンが運転する車やバイクにも振り切られずに追い続けたりするなど、足の速さも折り紙付きである。
運動能力だけでなく、斬鉄剣を持たない素手の戦闘能力も並外れて高く、示刀流空手の免許皆伝で、手刀にて岩を砕く描写もあり、世界有数の格闘の達人と試合しても負けることはほとんどない。TV第2シリーズ以降に登場したサイボーグや伝説の怪物など人外の敵が相手でもない限り、総じて素手の勝負で敗れる描写は皆無に近い。物体を斬れなかった際に斬鉄剣が折れてしまうこともあるほどに振り下ろす腕力も強く、催眠状態だったとは言え、両手にかけられた手錠の鎖をあっさりと引きちぎるという怪力ぶりも見せたことがあり、跳んでる弾丸を斬鉄剣で切り落とすほどに素早く腕を動かす描写も多い。
そして、視力の良さは常人なら望遠鏡を使って観察するほどの距離を裸眼で確認できるほど(劇場版『カリオストロの城』、他)で、特に動体視力が超人レベルで、複数のマシンガンから放たれた弾丸を全て見切るだけでなく、それを斬鉄剣で切り落とせるほど驚異的である。視界を封じられても気配で動きを察知することができる。
その他、相手の超能力(テレパシーなど)を逆感知することもできる。五ェ門自身が直接的な超能力の類を使用する描写などはないが、日々の修行で心身を磨いていることによる精神集中や、敵と対峙した時に斬鉄剣を構える全身から強い気を漲らせることなどはある。さらに、忍者としての訓練も受けていて、上述の驚異的なスピードや動体視力は、それらの修行の積み重ねで更に磨きが掛けられた賜物でもある。それに伴い、日本古来の忍術や日本史・日本の文化に対する知識も豊富である。
TVスペシャル『グッバイ・パートナー』の中では、ピアノを弾けるか尋ねられた際に「某は尺八くらいしか...」と答えていて、尺八の心得はあることが分かる。
五ェ門と女性
ルパンの仲間になる前に不二子と対面した時、五ェ門は「拙者は女は斬らん」と言っている。一方で女性を見る目はかなり厳しい。『TV第2シリーズ』では「痘痕(あばた)面の月はごめんこうむる」、老婆ルクレツィア・ボルジアの顔を見て一言「おぞましい顔じゃ…」(第135話「毒薬と魔術とルパン三世」)、体格の並外れて大きい中年の女性ブジ子に対して「ブスタンク」[13]などなど、女性の外見に対して数々の暴言を発している。
原作では作戦上敵の人妻に襲いかかり布団に押し倒して寝ようとするなど(「ラスプーチン」)特に女性に対して苦手という訳でもない。『TV第2シリーズ』第45話「殺しはワインの匂い」ではナンパしたかわい子ちゃんを放って不二子の元に向かったルパンを見て「それならそれで拙者が代わりに(かわい子ちゃんの元へ)行ったのに」と呟いている。『TV第2シリーズ』第110話「激写 これが不二子だ」では、不時着しかけたヌーディストビーチに初めは抵抗を見せるものの不時着後は平然と馴染んでいる。ただし多くのアニメシリーズでは女性の裸体は非常に苦手とされており、『TV第2シリーズ』第112話「五右ェ門危機一髪」では露天風呂に入ってきた女性の影に狼狽した挙句殺し屋に捕まっている。
清純派か清楚な美女に対して純真に好感を抱くことがあり、劇場版『カリオストロの城』では、真面目で心の優しいクラリスに対し思わず「可憐だ…」と呟いている。原作以外の漫画作品においても、『ルパン三世Y』では女性から渡されたバレンタインチョコを満更でもない様子で受け取っていたり、『ルパン三世B』では女性に花束を贈っていたりと、アニメ同様女性には弱い姿が描かれている。
美女に対する甘さが原因で自分の命を危険に晒したことも多く、『TV第1シリーズ』の初登場回では、近づいてきた不二子に篭絡され「不二子ちゃんは某(それがし)のガールフレンド」と口走り、ルパンとの対決にまで発展した。『TV第2シリーズ』第56話「花吹雪 謎の五人衆 後篇」においては、白波五人衆の一人、菊子が「自分の父のため」として五ェ門との逃避行を行い、「菊子殿は心根の優しき女性」と菊子に心惹かれているような態度を見せた。だが実は男性であった菊子は五ェ門を吊り天井で殺そうしたが、五ェ門は生還して正体も見破ったため、菊子は開き直って小太刀で勝負を挑むも、五ェ門は返り討ちにした。実はルパン以上に美人に甘く、『TV第2シリーズ』第108話「哀しみの斬鉄剣」で浜中奈美がルパンに抱かれたかのような発言をした際、動転して事実確認の為ルパン相手に斬鉄剣を振るったこともある。
劇場版『バビロンの黄金伝説』では、中国拳法の使い手でICPO主催のインターナショナル婦人警官コンテストの中国代表・チンジャオと手合わせし、この時は互いに一目惚れしてしまう。その後も盗賊と警察という関係の中で助け・かばい合うが、チンジャオの方は仲間の各国代表の婦人警官たちに警察としてルパン一味の五ェ門にそれ以上入れ込まないよう抑えられる(次元もその場に居合わせた)。五ェ門はチンジャオのことを「忘れまい、大輪の花のような…」と語り、次元から「これは『東洋の奇跡』ってやつだな」と言われた。
OVA版(劇場版)『風魔一族の陰謀』で、墨縄紫と婿入りという形で婚約し結納まで交わしたが、風魔一族との攻防の過程で墨縄家が対賊用に仕込んでいた幻惑ガスの作用により、誤って紫を負傷させてしまい、紫やルパンは気にしないよう五ェ門を諭すが、五ェ門は「全ては自分の未熟さ故」と紫に修行のため結婚延期を願い出る。紫は五ェ門を止めることはできず「待っててあげないからね」と強気に出るが、実はルパンや次元には再会する意志表示をして、旅に出る五ェ門を笑顔で見送りながら、五ェ門の帰りを待つ決心をしていた。この『風魔一族の陰謀』の後、以下のようにTVスペシャルシリーズにて五ェ門は女性と絡む事例が増えるが、その多くは悪党なので銭形と同様に恵まれない展開が多い。
- 第1作『バイバイ・リバティー・危機一発!』 :美女のイザベルに魅せられ、彼女の行きたい所(世界的に見て移動距離は長い)に連れて行ってあげたり、守ってあげたりするも、その正体が秘密結社・スリーメイソンのメンバーで利用されていたことを知って戸惑う。結局イザベルは組織の内部抗争で死ぬが、実は彼女も五ェ門に亡き初恋の男性の面影を見ていた。
- 第4作『ロシアより愛をこめて』:財宝を守る約束で奪われた斬鉄剣のありかを教えてくれたジュディに対して、「いくつになっても、何年修業をしても、恋は素晴らしい…」という言葉を発し、「打てない4番打者みてぇだな」と次元に言われる。ジュディの正体は密かに生き残っていたロマノフ朝の末裔の子孫で、その真意が財宝を使いソ連崩壊直後の貧困に喘ぐ祖国の人々を救済することであったと知り、約束を果たすべく財宝を守った。
- 第6作『燃えよ斬鉄剣』 :幼なじみである桔梗に騙され、下腹部を刃物で刺されてしまう。桔梗は手を組んだ香港マフィアの首領・陳珍忠と共に五ェ門たちルパン一味との戦闘で死ぬが、五ェ門は純真だった桔梗が彼女の先祖の裏切り行為を知って豹変してしまっていたことに悲劇も感じていた。
- 第8作『トワイライト☆ジェミニの秘密』:裸で吊るされている不二子を助けようとして、照れつつも満更でもない表情を見せる。
- 第10作『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』:(当該シーンの描写は無いが)斬鉄剣を盗まれており、次元に盗まれた原因を聞かれた際「聞くな。武士の情けだ」と回答。すぐさま「女か…」と見破られ、赤面していた。
- 第12作『1$マネーウォーズ』:仏教系の新興宗教の女性宣教師に惚れ込んでいて浄財集めの為にルパンらの仕事に協力するが、宣教師は五エ門の集めた浄財を持って行方をくらませてしまう。
- 第13作『アルカトラズコネクション』:トップモデルを夢見て活動する売れないモデルのスーザンに惚れて金策に奔走する(船の中で別れる際にキスをしたかのようなシーンもある)が、スーザンの正体は犯罪組織「シークレット・セブン」の一員で、ルパン一味を探るために芝居して五ェ門を騙していただけだった。五ェ門は本性を現して2丁のサブマシンガンで襲撃してきたスーザンを倒す。敗れたスーザンは、直後に次元に敗れて暴発した仲間・ハイエナのナイフが刺さって共に海中へ沈み死亡した。
- 第15作『お宝返却大作戦!!』:敵としてミーシャと対峙している。
- 第17作『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』:辻斬りカオルと対決。「違う形であいまみえたかった」と発言している。
- 第18作『セブンデイズ・ラプソディ』:全編を通して不二子に頭が上がらなくなっており、不二子に携帯を渡されている、携帯での会話で「ニューヨークでの生活の面倒を見てあげたのは誰なの?」との不二子の言葉に逆らえず一緒にいたルパンを捨てて不二子の元に戻る、次元の「力関係も微妙に変わったか」というセリフに対して恥ずかしながらとでもいうような表情を見せる。終盤にミシェルがルパンに対して言った「10年後に私をア・ゲ・ル」というセリフを受け「うらやましい」とコミカルにぼやいている。
- 第19作『霧のエリューシヴ』:タイムスリップした際に出会ったイセカのことを命をかけて守ろうとした。
- 第23作『東方見聞録』:博美が五ェ門に惚れたため、彼女の妹たちが二人を恋人にしようとする。
上記のように五ェ門の婚約が描かれた『風魔一族の陰謀』以降の作品でも、婚約に関する描写は全く登場せず、女性に惚れる描写はかわらず多く描かれており、ルパンや次元達周囲の人間も、そのことを特に咎めたり疑問を呈するようなこともなく自然に受け入れている。『風魔一族の陰謀』における婚約設定が現在どうなっているのか公式からの明言はないが、これは五ェ門に限った話ではなく、同じく『風魔一族の陰謀』に登場する銭形警部の妻子に関する設定も同様である。また、『ルパン三世』シリーズにおいて、こうした一定しない設定、作品毎に異なる設定は数多く存在する。
居合の達人
五ェ門の身体能力は上記のように並外れており、戦闘にも長けているが、取り分け主要流儀とする居合の腕前が、常人ではまず成しえないほどに高く、彼の大きな特徴とされている程である。
- 太刀筋がとても正確である。相手の着ている物を、相手の肉体を傷つけずに切り落とし、下着姿(あるいは素っ裸)にすることもできる。また宝石のカッティングなども見事にこなす。
- 振りがとても速い。太刀筋の正確さもあるが、飛んでくる弾丸を(たとえそれがマシンガンから放たれたものでも)一つ残らず切り落とすことができる。
- 切断する力が大きい。どんなに鋭い刃物でも切るのに大きな力が必要なもの(たとえば自動車など)も見事に切ってみせる。なお切断能力には斬鉄剣の能力も大いに関わっている。
- 明らかに剣よりも大きいものでさえ斬ってしまう。核ミサイルですら彼の前では断ち切られる。最も剣技の描写が超人的である、TVスペシャル『燃えよ斬鉄剣』の劇中では、倒壊するビルを余裕綽々に滅多切りにしていたり、斬鉄剣の素材以上の合金でできたステルス爆撃機を両断している。TVスペシャル『ナポレオンの辞書を奪え』の劇中でもミサイルを三枚に下ろしたこともある。
- 仕込み杖に居合い切り、原作・アニメともに共通の設定は映画「座頭市シリーズ」よりの引用である。
- 原作では、竹光で机や椅子を両断したこともあった。
- 斬る時は基本的に無言、または気合いの声と共に行う。滅多に技名を言う事はないが、劇中で必殺剣の名前を披露する時もある(劇場版『バビロンの黄金伝説』やTVスペシャル『燃えよ斬鉄剣』など)。
DVDの解説書などでは五ェ門のことを「史上(世界)最軽量の機動兵器」と称している。
プロフィール
- 身長:180cm
- 体重:63kg
- 公式サイトより。ただし原作・アニメでは身長・体重の設定はされていない。
- 資格:示刀流空手免許皆伝
- 師匠:百地三太夫/示刀流総帥/自然先生/不空導師
- 苦手なもの:トマトケチャップ/女性の裸体(但し原作漫画では女性の裸体を前にしても動揺しない描写も存在する)
- 髪:肩ぐらいの長髪。白髪が沢山あるときとないときが見受けられる。劇場版第1作では濃い目の色の茶髪だった。
斬鉄剣に関して
原作『ルパン三世』(特に初期)が細かい共通設定を持たずに始まったことを経て、アニメ化されてからも斬鉄剣に関する設定は途中の各エピソードで複数描かれている。「何でも斬ることができる」という設定も話によって変わったりするため、「どんな硬い物であろうと斬ることの出来る刀」と言われながら、実際には切れない物が数多くある。
製法
- 原作『新ルパン三世』
- 名称を「流星・斬鉄剣」とし、鉄をも斬るとされる流れ星の金属から作った刀と語られた。
アニメ版は下記のように複数の設定が存在する。
- TV第1シリーズ
- 第5話
- 五ェ門の発言によれば、斬鉄剣は「虎徹」・「良兼」・「正宗」という3本の名刀を一緒に熔かして打ち直した物とされている。
- 第7話
- ルパン二世が開発し秘伝書に記した「鉄を斬る刀の製法」を示刀流が奪い、示刀流が作り出したものと判明した(第5話で五ェ門が語った「虎徹・「良兼」・「正宗」との関係は語られていない)。
- 示刀流では斬鉄剣の量産化も行っていることが語られる。
- TVスペシャル『燃えよ斬鉄剣』
- 五ェ門の先祖が発明した特殊合金から作られたと判明した(特殊合金とTV第1シリーズ第5話・第7話での製法との関連は不明)。
- TVスペシャル『EPISODE:0 ファーストコンタクト』
- 東洋に伝わる秘伝の金属「クラム・オブ・ヘルメス」なる金属で作られ、その金属の作成法を収めた秘伝書の入れ物である密封された筒を開けるための唯一の鍵としても作成された(ただし、これらは後でルパン一味の言動により、事の真偽が有耶無耶になっている)。
形状
石川五ェ門の所持する斬鉄剣は白鞘に収められている。数多くの異なる設定が混在する斬鉄剣において、唯一全作品で共通する点である。
刀身の反りはほぼ直線か真っ直ぐに近い曲線である。刀身が直線であれば鞘もまた直線であるため、その場合は納刀状態で杖に見える。ゆえに、時として斬鉄剣は仕込み刀として紹介されることもある。
なお、『TV第1シリーズ』7話でルパン二世が所持しているものは短剣の形状をしており、示刀流で造られている物は通常の日本刀のように拵が存在している。
特性
この剣には雄刀と雌刀がある。五ェ門が所持しているのは雄刀で、300年に一度切れ味が鈍るが、両刀を一夜添い寝させることで切れ味が戻る(『TV第2シリーズ』第131話「二人五右ヱ門斬鉄剣の謎」より。雌刀は所持者とともに硫酸のプールに落ちて消滅してしまった)。『ルパンVS複製人間』では折れてしまった際に「直せばいいだろ」と言われて五ェ門本人も否定しておらず、通常の破損程度なら修復はそれほど難しいわけではなく、他のルパン一味にもそれは知れ渡っている。なお、この時には岩をも溶かす(人間なら一瞬で火だるまになるほど)レーザービームを跳ね返す描写があり、非常に反射性の高い金属だということも判明している。斬鉄剣が鋼鉄をもたやすく斬り裂く秘密は刀身の温度にあり、五ェ門の体温や通常の刀身よりも温度が非常に高くなっている(『TV第2シリーズ』第108話「哀しみの斬鉄剣」)。
切れ味
多くのストーリーで、斬鉄剣は使い手である五ェ門とともに様々な硬い物を切断している。今まで切断された物の中には、例えばダイヤモンドのようにとても硬い物、風・雷・水・火などの切れない物、飛行機やビルのように明らかに刀身より大きい物などがあり、いずれも現実では切断は不可能な物ばかりである(刀身より大きい物に至っては、ただ切れやすいというだけではなぜ切断できたか説明がつかない)。また遥か遠方にある人工衛星や流れ星を斬ったこともある(流れ星の時は流石にルパンも「ウソ! そりゃウソだ!」と漏らしているが、『ルパン三世vs名探偵コナンTHE MOVIE』のオープニングでは実際に月を斬っている)。技は、『秘剣竜巻返し』、『秘剣稲妻切り』などがある。
一方で、また多くの物の切断に失敗している。ほとんどは対象物が斬鉄剣の切断能力を上回る硬さだったという理由であるが、『ルパンVS複製人間』では失敗後自分の腕が未熟だったと本人が言ったり、『ヘミングウェイ・ペーパーの謎』ではパンドラの箱(金色の宝箱)切断に失敗後何度も試している描写もあるので、理論上切れる物体でも切り方が悪いと切断できないようである。
切断に失敗した時などに折れたり刃こぼれすることがあり、その度修理したりする。『TV第1シリーズ』第15話「ルパンを捕まえてヨーロッパへ行こう」で床に仕込まれた特殊な防弾ガラスが確認される最初の切断失敗例であり、『TV第2シリーズ』第14話「カリブ海の大冒険」でジャンボ・ルビーを斬ろうとした際、初めて刃こぼれが生じた。第19話「十年金庫は破れるか」に出てくるタマゴ型金庫なども、次元のマグナム・五右衛門の斬鉄剣が共に受け付けなかった。
逸話
五ェ門は斬鉄剣を非常に大切にしており、『TV第2シリーズ』第61話「空飛ぶ斬鉄剣」で不二子によって斬鉄剣が盗まれた時は自殺衝動まで起こしている(この時盗まれた斬鉄剣は、マフィアを経由して武器の生産会社の手に渡り、同社の利益拡大のためにリモコン飛行機に装着された状態で用いられ、中央アフリカの前線基地の軍事施設を破壊して、緊張を高め無理やり内戦を引き起こそうとする悪事に使われた)。その一方で『TV第2シリーズ』第19話では、卵形金庫(百年金庫と呼ばれる)を切ることができず折れてしまったが、命よりも大切にしている割に、その時は嘆きもせず折れた斬鉄剣をゴミのように投げ捨てていた。
他にも、『PartIII』第26話と第38話、TVスペシャル『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』で盗まれている。またTVスペシャル『ロシアより愛をこめて』では、竹光にすりかえられたことがある。
『PartIII』第37話では、銭形から強力な瞬間接着剤入りの銃弾を受け、斬鉄剣が抜けずそのまま銭形に敗れたというエピソードがある。
『PartIII』第46話では、ルパンたちが復元したゼロ戦のプロペラとしても活躍している。
劇場版『ルパンVS複製人間』では、合金チョッキこそ切れなかったものの、相手の顔面を切るという技を見せている(劇中では画面を切り、相手側の視点から切られた演出を使っている)。しかしその後斬鉄剣の剣先が折れてしまった(この剣先は後にルパンの命を救う)。なお、『TV第2シリーズ』第56話では、斬鉄剣のほかに、小太刀を持っていることが分かる。
斬鉄剣で切れない物一覧
2007年8月15日放送の『世界一キモいクイズ』にて、コンニャクが唯一切れない(しかし漫画『ルパン三世H』第1巻では、切れなかったものの、ほんの数秒だが傷を入れることができている)と回答されていたが、実際に作中では下記の物が斬られていない。
- TV第1シリーズ
- 金満邸の屋敷の床板(第15話)
- TV第2シリーズ
超人間化したスコーピオン総帥ミスターX(第1話。素手で受け止められ折られる)- ジャンボ・ルビー(第14話)
- 飛行船のシャッター(第15話)
- 卵形金庫(第19話)
ゾンビ(第14話など。切れたが再生してしまったこともある)- 吸血鬼(第34話)
- 墓場の落とし穴の蓋(第51話)
コンニャク(第61話)
- 敵マフィアに盗まれて(不二子に依頼)リモコン飛行機に装着された斬鉄剣に対し、ルパンたちは大量のコンニャクでコーティングした飛行機で突っ込み、斬鉄剣を奪還する荒業を見せた。なおコンニャクだけが切れないというのは『TV第2シリーズ』第61話のみの設定だが、「良く切れる刀が唯一切れないのがとても柔らかいコンニャク」というおかしさからたびたび他のメディアで紹介され、有名となっている[要出典]。
- 銭形の投げ手錠(第97話。手錠が斬鉄剣の切っ先から柄のほうへ、切れるでもなく回りながら伝って手首にかかった)
- インベーダー金庫(第111話)
マイアミ銀行の金庫(第143話。ただしこれは「高周波振動装置を備えた金庫」ということからのシミュレーション上の話であり、実際に斬りつけた訳ではない)- 超硬質ガラス(第148話。ただし全く切れない訳ではなく、傷を入れる事はできた。何度も斬りつけてようやく「崩す」ことができたが、代償として五エ門が脱臼してしばらく斬鉄剣を使えない状態になってしまった)
- ルパン三世 PartIII
- 銭形の作った巨大ガムテープ(第13話。切れてはいるが粘着剤がまとわりついている)
ベイルート移動銀行の壁(第23話。ただし、キャタピラと銀行のつなぎ目は切れる)- 特殊防弾ガラス(第47話)
- ピンカートンの金庫(第45話)
- TVスペシャル版
- パンドラの箱(『ヘミングウェイ・ペーパーの謎』。ただし、最終的には何気ない軽い一撃で真っ二つに割れた)
- 超斬鉄合金(『燃えよ斬鉄剣』。ただし、最終的には同じところを寸分の狂いもなく何度も斬るという五ェ門の技により切断に成功)
- 貞千代の脇差(『トワイライト☆ジェミニの秘密』。根元からたたき折られる。貞千代は五ェ門のかつての同門で、かなりの実力と才能を有していた)
- オリジナル・メタル(『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』。ルパンがオリジナル・メタルの切断を依頼し挑戦したが、逆に刃こぼれしてしまった。五ェ門はこのオリジナル・メタルの硬度を逆利用し、斬鉄剣の研ぎ石として利用した)
- 劇場版
- 合金チョッキ(『ルパンVS複製人間』)
- 同作品で、上記の合金チョッキによって剣先が折れ、折れた部分はルパンがもらい受けた。この刃先は、ルパンとマモーとの戦いで使用され、ルパンはマモーの発射したレーザーを反射して防御・反撃した。
漂流島の防御システム(『DEAD OR ALIVE』。厳密には切れたがナノマシンの自己修復機能によって再生してしまった)
- 合金チョッキ(『ルパンVS複製人間』)
なおダイヤモンドに関しては、『PartIII』第22話において「さすがに切れない」とされたが、それ以前の『TV第2シリーズ』では、巨大なダイヤモンド原石にブリリアントカットを施し、更には銃弾型にカッティングしたこともある(実際のダイヤモンドは劈開面なら普通の刃物でも切れる(割れる))。
配役
メイン
- 初代
大塚周夫
- TVシリーズ(『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』)
- 二代目
井上真樹夫
- TVシリーズ(『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』『ルパン三世 PartIII』)
- TVスペシャルシリーズ(第1作『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』 - 第21作『ルパン三世 the Last Job』)
- 劇場版シリーズ(第4作『ルパン三世 風魔一族の陰謀』を除く)
- OVAシリーズ(第2作『ルパン三世 生きていた魔術師』、第3作『ルパン三世 GREEN vs RED』)
- 三代目
浪川大輔
- TVシリーズ(『LUPIN the Third -峰不二子という女-』『ルパン三世 PART IV』『ルパン三世 PART5』)
- TVスペシャルシリーズ(第22作『ルパン三世 血の刻印 〜永遠のMermaid〜』 - )
- 映画(『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』、『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』)
その他
納谷悟朗
- パイロットフィルム(シネマスコープ版)
小林修
- パイロットフィルム(TV版)
塩沢兼人
- OVA、劇場版シリーズ(第1作、第4作『ルパン三世 風魔一族の陰謀』)
影山ヒロノブ
- ミュージカル『ルパン三世 I'm LUPIN』
堀井真吾
- 『ルパン三世 D2 MANGA』
FROGMAN
- 『ルパンしゃんしぇい』
綾野剛
- 実写映画『ルパン三世』
彩凪翔
- ミュージカル『ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-』
英語吹替版
- アール・ハモンド
- 全日空機内上映版 - 『ルパンVS複製人間』
カーク・ソーントン
- ストリームライン・ピクチャーズ版 - 『ルパンVS複製人間』
スティーブ・クレイマー
- ストリームライン・ピクチャーズ版 - 『ルパン三世 カリオストロの城』、『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』
レックス・ラング
パイオニア版 - 『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』、『ルパン三世 ルパンVS複製人間』、『ルパン三世 カリオストロの城』、『ルパン三世 魔術王の遺産』
リチャード・エプカー
- マンガ・エンターテイメント版 - 『ルパン三世 カリオストロの城』
- ギャリック・ヘイゴン
- マンガ・エンターテイメントUK版 - 『ルパン三世 ルパンVS複製人間』、『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』
- マーク・フランクリン
- アニメイゴ版 - 『ルパン三世 風魔一族の陰謀』
- マイク・マクファーランド
ファニメーション版 - 『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』、『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』、『ルパン三世 ルパン暗殺指令』 - 『ルパン三世 1$マネーウォーズ』、『LUPIN the Third -峰不二子という女-』
注釈
^ 原作連載当初では鼠小僧の子孫にする予定だったが、手塚治虫作の漫画に敵役としてねずみ小僧が登場していたため、五ェ門に変わった
^ 『Pen』No.315-「完全保存版ルパン三世全解明」―『ルパン三世』を生み出した、5人の男―より。
^ 終盤、カリオストロ伯爵の側近であるジョドーに「これでカリオストロも終わりだ…。斬れ」と自分を斬り捨てるよう懇願された際にこう返している。
^ 『TV第2シリーズ』第32話「ルパンは二度死ぬ」
^ 『セブンデイズ・ラプソディ』では不二子から持たされた携帯電話を使用。以後の作品では『the Last Job』ではスマートフォンを所持してるほか、『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』でもコナンを除く少年探偵団メンバーの前で使用しているシーンがある。
^ 『TV第2シリーズ』第54話「半七刑事 十年目の約束」
^ 『TV第2シリーズ』第37話「ジンギスカンの埋蔵金」。なお、実在した石川五右衛門は仏教浄土宗系の大雲院に墓がある。
^ 『TV第2シリーズ』第34話「吸血鬼になったルパン」
^ 『TV第2シリーズ』第26話「バラとピストル」
^ 『TV第2シリーズ』第94話「ルパン対スーパーマン」
^ 『PART5』第18話「不二子の置きみやげ」
^ 『TV第2シリーズ』第28話「女刑事メロン」
^ 『TV第2シリーズ』第23話「第4次元の魔女」
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