Mono (ソフトウェア)





































Mono
開発元
.NET Foundation
最新版
5.12.0[1] / 2018年5月8日(9か月前) (2018-05-08
リポジトリ
github.com/mono/mono
対応OS
クロスプラットフォーム
種別
プラットフォーム
ライセンス
GPL, LGPL, MIT(デュアル)
公式サイト
www.mono-project.com
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Mono(モノ)は、GNOMEプロジェクト創設者のミゲル・デ・イカザが開発した、Ecma標準に準じた.NET Framework互換の環境を実現するためのオープンソースのソフトウェア群、またそのプロジェクト名である。


2018年3月現在、マイクロソフトの子会社であるXamarinと.NET Foundationが開発、販売、サポート業務を行っている。


共通言語基盤 (CLI) の実装やC#のコンパイラなどが含まれる。




目次






  • 1 動作プラットフォーム


  • 2 プロジェクトの目標


  • 3 Monoランタイム


  • 4 歴史


  • 5 プロジェクト名の由来


  • 6 Monoコンポーネント


    • 6.1 中核コンポーネント


    • 6.2 Mono/Linux/GNOME開発スタック


    • 6.3 マイクロソフト互換スタック




  • 7 出典


  • 8 主な対応ソフト


  • 9 関連項目


  • 10 外部リンク





動作プラットフォーム


Monoはマルチプラットフォームであり、Linux (Android)、macOS、iOS、Solaris、BSD(OpenBSD、FreeBSD、NetBSD)、Windows、Wii、PlayStation 3で動作する[2]


特定プラットフォーム向けに特化したサブプロジェクトも存在する。Xamarin.iOS(旧称:MonoTouch、2013年に改称)では、iPhoneやiPad、iPod touchといったiOSでの動作をサポートしている。また、MonoTouchの技術を応用し、Mac OS Xへのネイティブ対応を行うMonoMacプロジェクトも2010年に発表された。



プロジェクトの目標


マイクロソフトはFreeBSD、Windows、Mac OS Xで動作するシェアードソースCLIというCLIの実装を公開したが、マイクロソフトのシェアードソースライセンスは商用利用が禁止されているなど、コミュニティにとって十分とはいえない。MonoプロジェクトはPortable.NETプロジェクトとさまざまな点で共通した目標を掲げている。2016年6月にマイクロソフトからMITライセンスに基づいた[3]クロスプラットフォームかつオープンソースの.NET Framework実装として.NET Coreが正式リリースされ、SSCLIは存在意義を失ったが、Monoにも.NET Coreが取り込まれるなどの波及効果が表れている[4]


Monoプロジェクトの公式発表ではないが、その主導者であるミゲル・デ・イカザの言葉として、「Cでプログラミングするには人生は短すぎる」という標語が掲げられている。



Monoランタイム


Monoランタイムは多くのプロセッサで動作するJITコンパイラを搭載している。JITコンパイラはアプリケーションの実行中に共通中間言語 (CLI) コードをネイティブコードに変換し、それらをキャッシュする。実行前にネイティブコードに変換し、キャッシュしておくことも可能である。JITコンパイラが対応するプロセッサはx86、x86-64、IA-64、SPARC、PowerPC、ARM、S/390(32ビットおよび64ビット)、MIPSである[2]。それ以外のシステムでは、ネイティブコードに変換するのではなくインタプリタによって逐次バイトコードが実行される。ほとんどの状況で、JITコンパイラによる方法はインタプリタよりもパフォーマンスの点で勝っている。


また、マイクロソフト純正の.NET FrameworkではサポートされていないSIMDへの対応など、Mono独自の革新的な機能の取り込みも積極的に行われている。



歴史


2000年12月に.NETドキュメントが公開されると、Monoプロジェクトの創始者であるミゲル・デ・イカザは.NET技術に興味を魅かれた。バイトコードインタプリタを調べてみると、彼はメタデータに関する仕様が存在しないことに気がついた。2001年2月、彼は.NETメーリングリストにおいて不足している情報を公開するよう求め、同時にC#の習得のため、C#で書かれたC#コンパイラの開発に着手した。2001年4月、Ecma Internationalは不足していたファイル形式を公開し、デ・イカザはGUADEC(2001年4月6日-8日)において彼の開発したコンパイラのデモンストレーションを行った(それは自分自身の解析が可能であった)。


Ximian(ノベルに買収される前のMonoの開発会社)では、生産性を向上するためのツールを開発するための会議が内部的に行われていた。実現可能性の調査の結果、そのような技術は構築可能であるという結論に至り、Ximianは他のプロジェクトからスタッフを集め、Monoチームを結成した。しかしXimian内部だけで.NETと同等のものを作るには人材が不足していたため、Monoをオープンソースプロジェクトとした。これは2001年7月19日、オライリーカンファレンスによって発表された。


3年近く経った2004年6月30日、Mono 1.0がリリースされた。



  • 2009年12月15日、Mono 2.6がリリースされた。Mono 2.6では、Windows Communication Foundation (WCF) や LLVM などをサポートした。

  • Mono 2.8ではC# 4.0がサポートされた。

  • Mono 2.8.1ではSystem.Text.Encodingにおいて日本語 (Shift_JIS) がサポートされた。

  • Mono 3.0.0ではC# 5.0がサポートされ、async/awaitなどが利用可能となった。

  • Mono 4.0.0ではC# 6.0がサポートされ、またマイクロソフトがMIT License下で公開した.NET Coreにより一部のコンポーネントが置き換えられた。.NET2.0/3.5/4.0のサポートが終了し、浮動小数点演算処理が最適化された[5]

  • Mono 5.0.0ではC# 7.0がサポートされた。Visual Studioで利用されているものと同じRoslyn C#コンパイラcscが追加された[6]

  • Mono 5.2.0では.NET Standard 2.0のサポートが行われた。monoがデフォルトで64ビットで動作するように変更が行われた[7]

  • Mono 5.10.0では.NET 4.7.1・C# 7.2・F# 4.1への対応が行われた[8]

  • Mono 5.12.0ではIBM AIXとIBM iに対応した。RoslynベースのVB.NETコンパイラvbcが追加された[9]



プロジェクト名の由来


monoはスペイン語で猿を意味するため、Monoのロゴには猿が描かれている。猿に関する名称はXimianの他のプロジェクトにも見られる。Mono FAQでは、名称の由来に関する質問に対して「我々は猿が好きなのです。」(We like monkeys.) と回答している[10]



Monoコンポーネント


Monoは大きく分けて3種類のコンポーネントから構成される。



  1. 中核コンポーネント

  2. Mono/Linux/GNOME開発スタック

  3. マイクロソフト互換スタック



中核コンポーネント


中核コンポーネントにはC#コンパイラ、仮想機械、基本クラスライブラリが含まれる。これらはEcma-334[11]およびEcma-335[12]の標準に基づいており、これによってMonoを標準準拠のオープンソースなCLI仮想機械たらしめている。



Mono/Linux/GNOME開発スタック


Mono/Linux/GNOME開発スタックは、従来のGNOMEや他のフリーなライブラリをアプリケーション開発に活用するためのツール群である。


これに含まれるものとしては、以下のものが含まれる。




  • Gtk# - GUI開発のためのライブラリ。
    • Gnome#


  • WebBrowser - 各種レンダリングエンジンをラッピングしたコンポーネント。


    • Gecko# - Geckoをレンダリングエンジンとして利用するMozillaライブラリ。


    • WebKit# - WebKitをレンダリングエンジンとして利用するWebKitライブラリ。




特に、Gtk#及びGnome#ではMonoアプリケーションをGNOMEデスクトップにネイティブアプリケーションとして統合することができ、また最新のMonoDevelopを用いる事でVisual StudioとWindows Formsの様なRAD開発も可能となった。


データベースライブラリはMySQL、SQLite、PostgreSQL、Firebird、Open Database Connectivity (ODBC)、Microsoft SQL Server (MSSQL)、Oracle、オブジェクトリレーショナルデータベースdb4oなど、多くのデータベースに接続することができる。


その他にも、UNIX統合ライブラリ、データベース接続ライブラリ、セキュリティスタック、XMLスキーマ言語RelaxNGなど、汎用的な.NET Framework向けの巨大ライブラリプロジェクトとしての側面もある。



マイクロソフト互換スタック


マイクロソフト互換スタックは、Windowsの.NETアプリケーションを他のオペレーティングシステムで利用するための機能を提供する。例えば、ADO.NETやASP.NET、Windows Formsなどの実装が含まれる。


ASP.NETへの対応については、XSPというC#で作られた独自のシンプルなウェブサーバ(アプリケーションサーバ)により実現している。


Windows Formsへの対応については、Wineとの協力により開発が行われている。


2017年12月時点では、Windows Presentation Foundation (WPF) を実装する予定は無いとしている[13]。Xamarin.Formsによって提供されるXAML開発環境は、WPF/Silverlight/WinRTとは互換性がない。



出典


[ヘルプ]




  1. ^ “Mono Releases”. www.go-mono.com. 2018年6月25日閲覧。

  2. ^ abSupported Platforms | Mono


  3. ^ .NET Core とオープン ソース


  4. ^ 「Mono 4.0」リリース、オープンソース化された.NET関連コードを初めて採用 | OSDN Magazine


  5. ^ Mono 4.0.0 Release Notes


  6. ^ “Mono 5.0.0 Release Notes”. Mono Project (2017年5月10日). 2018年7月8日閲覧。


  7. ^ “Mono 5.2.0 Release Notes”. Mono Project (2017年8月14日). 2018年7月8日閲覧。


  8. ^ “Mono 5.10.0 Release Notes”. Mono Project (2018年2月26日). 2018年7月8日閲覧。


  9. ^ “Mono 5.12.0 Release Notes”. Mono Project (2018年5月8日). 2018年7月8日閲覧。


  10. ^ "What does the name "Mono" mean?" (英語)


  11. ^ ECMA-334 ドキュメント (C# 言語仕様) (英語)


  12. ^ ECMA-335 ドキュメント (CLI) (英語)


  13. ^ Compatibility - Mono (英語)




主な対応ソフト



  • MonoDevelop

  • Beagle

  • Banshee



関連項目



  • GNOME


  • IKVM.NET - Java仮想マシンをMonoフレームワーク上で実現するサブプロジェクト。

  • ノベル

  • Ximian

  • Xamarin



外部リンク







  • 公式ウェブサイト (英語)






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