ハッチバック











トヨタ・カローラスポーツ


ハッチバックとは、自動車の分類の一種である。




目次






  • 1 概要


  • 2 分類


    • 2.1 呼称




  • 3 歴史


  • 4 ハッチバック車一覧


    • 4.1 日本(軽自動車・逆輸入車を含む)


    • 4.2 日本以外の車種




  • 5 脚注


    • 5.1 注釈


    • 5.2 出典




  • 6 関連項目





概要





プジョー・306

 

リアハッチを開けたところ






ジャガー・Eタイプのようにクーペにもバックドアを持つものがあるが、狭義のハッチバック車には分類されない


ボンネット付きの車種のうち、全長が短い、あるいは車高が低いなどの理由でトランクや車室の容積が小さくなりがちな車種において、大きい荷物や長物の積み下ろしを楽にし、自動車の利便性(ユーティリティー)を少しでも高めるための手段として、跳ね上げ式、または横開き式の「バックドア」(背面ドア)を設けた車種である。このように後部ハッチがドアの扱いになるため、左右のドアが2枚のハッチバックの場合、+バックドアで「3ドア」、4枚の場合は「5ドア」と呼ばれる。


ヒンジがほぼ垂直である通常の乗降用ドア(フロントドア・リアドア)に対し、跳ね上げ式では水平、横開き式でも寝かされた角度となることから、これを船などの「ハッチ」に見立てたことに由来する呼び名である。バックドア自体の角度は、スタイリングや実用性との兼ね合いで、寝かされたものから垂直に近いものまで多数ある。また、簡易なものでは、リアウインドウのみを跳ね上げ式としたガラスハッチも存在する[注釈 1]


スタイルよりも積載性や利便性が重視されるバン(ボンネットバン)やステーションワゴンは古くからバックドア[注釈 2]が設けられているが、「ハッチバック」を車体の構造や部分では無く、カテゴリ・車両形式として用いる場合はこれらを含めず、大衆車やスポーツカー・スポーティーカーでバックドアを持つものを指す[注釈 3]


独立したトランクを持つ車種とは異なり、荷室と車室を隔てる仕切り壁(バルクヘッド)を持たず、大きな荷物を積む場合にはバンのように使用することができるように、パーセルシェルフ[注釈 4]が取り外せ、後部座席が折りたためるようになっているものがほとんどである。高級車にもバックドアを与えるフランス車には、シトロエン・XMの様に、きちんとしたパーセルシェルフに加え、外気や騒音の侵入を防ぐ跳ね上げ式のインナーウインドウを備えるものもある。


多くのクーペ、特に1970年代 - 1980年代のスポーティーカーにおいて、バックドアを設ける車種が増加したが、スポーツカーでは、剛性低下や重量増を嫌い、これを採用しないものもあった。


ファミリー向けのハッチバック車を元にしながら、高出力のエンジンやスポーツドライビングに適したギア比のトランスミッションと足回りを組み合わせた車種(ホットモデル)を特にホットハッチと呼ぶことがある。



分類


狭義では「バックドア」を持つCセグメント以下のサイズの大衆車で、日本では機械式駐車場に駐車可能な高さである1,550mm未満の2ボックス型乗用車のことを指す。2ボックススタイルでも、BMC・Miniやホンダ・N360、初代ホンダ・ライフなどのように、トランクのみでバックドアを持たないサルーン(セダン)や、三菱・コルト800や初代シビック、初代パルサー、初代ヒュンダイ・ポニーなどのように、トランク付きセダンとハッチバックが全く同じシルエットの例もあるため、全高の低い大衆2ボックス車の全てがハッチバック車であるわけではない。


広義ではファストバック・3ボックス・2.5ボックスにおいてバックドアを持つ乗用車も含まれる。なお、日本では全高が1,550mmを超えるものをトールワゴンと呼んでいる。



呼称


自動車メーカーでは、利便性やアクティビティ[注釈 5]をアピールする場合には「ハッチバック」の呼称を前面に押し出すが、高級感や性能面でデメリットを感じさせる場合[注釈 6]には控える傾向がある。


商品名としては、リフトバック(トヨタ)・オープンバック(日産)・スポーツバック(アウディ・三菱)など、メーカー固有の商標もある。


ハッチバック車は低コストで機能を追求するベーシックな大衆車がほとんどであるが、同時に小型で軽量なことから、高出力エンジンと固められたサスペンションスプリングとショックアブソーバーを与えることで、より上級(高額)のスポーツモデルに匹敵する性能を得ることも可能であり[注釈 7]、これらのモデルは、特に「ホットハッチ」と呼ばれる[注釈 8]


外観上、ファストバック、ノッチバック(3ボックス)、極短いリアデッキを持つセミノッチバック(2.5ボックス)などを、単に「セダン」とし、ハッチバックと呼ばないこともある(セダン#ハッチバックセダンも参照)。これらは主に荷室容積への要求が厳しい欧州向けに多く見られ、使い勝手は維持しつつ、高級感を損ないたくないCセグメント以上に例が多い。フォルクスワーゲン、フィアット、アルファロメオは、プラットフォームを共用としながら、3ボックスのノッチバックボディーに別の車名を与え、やや上の車格として販売している[注釈 9]。「クーペ」でもハッチバックの名を冠さないものが多い。軽自動車においては、乗用車(5ナンバーの軽自動車)を軽ボンネットバン(4ナンバー)と区別するため、メーカーが「セダン」と名付ける場合がある。




歴史












ルノー・4


ルノー・4

ルノー・4




ハッチバックの元祖は、1961年発表のルノー4(キャトル)であると言われているが、その萌芽は1938年のシトロエン・トラクシオン・アバンCommercialeにまで遡る。世界的にはジョルジェット・ジウジアーロのデザインによる、初代フォルクスワーゲン・ゴルフ(1974年)が成功して広まった形態である。日本においては1966年(昭和41年)のトヨタ・コロナ5ドアが最初だが、まだ当時は業務用のバンと勘違いされるほどこうした車への認知度がなかった。その後1970年代中盤になってトヨタ・カローラ / スプリンター・リフトバックや、ホンダ・シビックなどによりようやく一般化した。現在では、小型自動車(コンパクトカー)や軽自動車では、その実用性から最も一般的な形となっている。


日本ではかつて、重量・剛性・燃費・価格の面で有利な3ドアが主流であったが、次第に使い勝手に勝る5ドアが主流となり、特に日本仕様車においてはごく一部の限定車を除き、3ドアは激減している。2018年(平成30年)1月現在の時点で新車で購入可能な軽自動車においてはミラバンとそのOEMのスバル・プレオバンだけが3ドアハッチバック専用となっていたが、同年3月末までに終売となった(そもそも軽ハッチバックはアルト・アルトラパン・ミラ・ミラココア・ミライースとそれらのOEMしかない)。



ハッチバック車一覧


2018年7月現在。現行販売車種に限る。現行発売車種以外については、Category:ハッチバックを参照



日本(軽自動車・逆輸入車を含む)


★印は日本国外市場専売車種。☆印は軽自動車。◇印はハッチバックセダン(ハッチバックサルーン)扱いの車種。◆印はハッチバッククーペ扱いの車種。△印が付与された車種は近日、発売が予定されている車種。




  • レクサス
    • CT200h



  • トヨタ

    • パッソ・ヴィッツ・アクア・カローラスポーツ・オーリス★[注釈 10]・プリウス/プリウスPHV◇・アイゴ★・エティオスリーバ★・ピクシスエポック☆



  • 日産

    • マーチ・ノート/ノート e-POWER・ティーダ★[注釈 11]・リーフ・ピクソ★・フェアレディZ◆



  • ホンダ

    • フィット/フィットハイブリッド/フィットEV[注釈 12]・シビックハッチバック[注釈 13]・ブリオ★



  • マツダ

    • デミオ[注釈 14]/デミオEV[注釈 15]・アクセラスポーツ・キャロル☆



  • スズキ

    • バレーノ・スイフト・アルト☆・アルトラパン☆



  • ダイハツ

    • ブーン・ミライース☆・ミラトコット☆



  • 三菱自工

    • ミラージュ・i-MiEV[注釈 16]



  • SUBARU

    • インプレッサスポーツ・プレオプラス☆




日本以外の車種




  • プジョー

    • 207・208・308



  • シトロエン

    • C2・C3・C4・DS3・DS4



  • ルノー

    • トゥインゴ[注釈 17]・ルーテシア[注釈 18]・メガーヌ



  • ポルシェ

    • パナメーラ◇



  • フォルクスワーゲン

    • up!、ゴルフ、ポロ、ザ・ビートル、シロッコ◆、ルポ



  • アウディ

    • A1[注釈 19]・A3・A5スポーツバック◇



  • BMW

    • 1シリーズ・3シリーズグランツーリスモ◇・4シリーズグランクーペ◇・5シリーズグランツーリスモ◇・6シリーズグランツーリスモ◇・ミニ[注釈 20]



  • アストンマーティン

    • シグネット[注釈 21]



  • ランチア
    • イプシロン



  • フィアット

    • 500[注釈 22]・プント・パンダ



  • アルファロメオ

    • 147・ミト[注釈 23]・ジュリエッタ



  • オペル

    • ヴィータ[注釈 24]



  • フォード

    • フィエスタ・フォーカス



  • ヒュンダイ

    • i20・i30・ヴェロスター◆



  • タタ

    • GenX Nano・インディカ




脚注


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注釈





  1. ^ ステーションワゴン、ミニバン、SUV/クロスオーバーSUVなど、いわゆるハッチバック車と呼ばれない車種には、跳ね上げ式バックドアとガラスハッチの両方を持つものもあり、特に北米向けモデルで多数見られる。


  2. ^ 商用車では観音開きも多く、ステーションワゴンも、大型の跳ね上げドアが技術的に成立させづらかった時代は、上下分割(跳ね上げ+下開き)や横開き、あるいはリアウインドウをスライド式(バックドアの開閉時に、リアウインドウを下降させて収納する)としていた。


  3. ^ 大衆車では、バンと乗用ハッチバックが同じ車体である場合も多い。


  4. ^ 後席背もたれとリアウインドウの間の棚。ファストバッククーペではこれを省略し、トノーカバーで済ませる場合が多い。


  5. ^ スポーツアクティビティ=アウトドア活動やレジャー用途など。


  6. ^ 高級車では、バックドア自体の風切りや振動と、バルクヘッドを持たないことで騒音が侵入しやすいこと、スポーツカーでは、バルクヘッドを持たず、開口面積が大きいことで車体剛性が低下することや、その補強で重量が増えることなどが嫌われる。


  7. ^ 最高速度やサーキットのラップタイムでは大排気量で高出力の車種にかなわないが、低・中速の加減速や、峠道のような曲率の小さなコースに限定すれば、それらに勝るパフォーマンスを発揮する。


  8. ^ フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI、ルノーの5 アルピーヌやシュペール5 GTターボ、アウトビアンキ・A112 アバルト、プジョー・205 GTI、ホンダ・シビックタイプRなど。以前の欧州車や日本車では、多くのハッチバック車にホットバージョンがラインナップされており、軽量化のため、それらから快適装備を省いたラリーやレースに参加するためのモータースポーツベース車が用意されることも珍しくなかった。モータースポーツベース車についてはグループN・グループA・グループB・グループRを参照。


  9. ^ 同様の理由で、自動車が贅沢品であった高度経済成長下の日本や、モータリゼーション期の開発途上国や新興国では、トランク付きの3ボックスボディーが好まれる傾向があり、欧州や日本で2ボックス・ハッチバックとなる車格に、3ボックスセダンを投入している。


  10. ^ 2代目モデル以前は日本国内でも販売されていた。


  11. ^ 現行型は中国専売。


  12. ^ フィットEVは国内向けはリース販売。


  13. ^ タイプRを含む。


  14. ^ 3代目以降。初代および2代目はステーションワゴン。


  15. ^ デミオEVはリース販売。


  16. ^ 2018年3月以前のモデルは軽自動車扱い。


  17. ^ 3ドア。


  18. ^ 本国名「クリオ」。


  19. ^ 3ドア。


  20. ^ ニューミニのみ。


  21. ^ 3ドア。


  22. ^ 3ドア。


  23. ^ 3ドア。


  24. ^ 本国名「コルサ」。




出典





関連項目



  • セダン

  • コンパクトカー

  • ホットハッチ

  • スポーツコンパクト

  • クーペ

  • ノッチバック

  • ファストバック

  • ステーションワゴン

  • トールワゴン

  • 軽トールワゴン

  • 軽セミトールワゴン

  • 軽ボンネットバン

  • ライトバン

  • ミニバン

  • SUV

  • シューティングブレーク





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